介護保険法 第45条(居宅介護住宅改修費の支給)
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- 市町村は、居宅要介護被保険者が、手すりの取付けその他の厚生労働大臣が定める種類の住宅の改修(以下「住宅改修」という。)を行ったときは、当該居宅要介護被保険者に対し、居宅介護住宅改修費を支給する。
- 2.居宅介護住宅改修費は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。
- 3.居宅介護住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。
- 4.居宅要介護被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する居宅介護住宅改修費の額の総額は、居宅介護住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。
- 5.前項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額とする。
- 6.市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護住宅改修費支給限度基準額とすることができる。
- 7.居宅介護住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。
- 8.市町村長は、居宅介護住宅改修費の支給に関して必要があると認めるときは、当該支給に係る住宅改修を行う者若しくは住宅改修を行った者(以下この項において「住宅改修を行う者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該住宅改修を行う者等の当該支給に係る事業所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 9.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
居宅介護住宅改修費の支給とは何ですか?
定義居宅介護住宅改修費の支給とは、介護保険法第45条に定められた規定で、「市町村は、居宅要介護被保険者が、手すりの取付けその他の厚生労働大臣が定める種類の住宅の改修(以下「住宅改修」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第45条(居宅介護住宅改修費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第45条の条文原文は「市町村は、居宅要介護被保険者が、手すりの取付けその他の厚生労働大臣が定める種類の住宅の改修(以下「住宅改修」という。」で始まります。
- 介護保険法第45条は第三節 介護給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第45条の前の条は介護保険法第44条です。
- 介護保険法第45条の次の条は介護保険法第46条です。
- 介護保険法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法45条は、在宅の要介護者が手すり設置等の住宅改修を行った場合、市町村が必要と認めるときに限り、改修費用の9割を支給すると定める。
Q · 親の家に手すりを付ける工事、介護保険でいくら戻ってくるの?
事前申請すれば原則9割、上限20万円の枠内で支給
介護保険法45条により、要介護認定を受けて在宅で暮らす人が手すり設置や段差解消などの住宅改修を行った場合、市町村は費用の原則9割を支給します。限度基準額は原則20万円で、所得により給付割合が8割・7割になることもあります。支給は「市町村が必要と認める場合に限り」とされ、実務上は工事前の事前申請が必須です。市町村が条例で限度額を上乗せしている場合もあります。
解説
実家の玄関に手すりを付けたい、浴室の段差をなくしたい。見積もりを見て「20万円か、ちょっと待とう」と諦めた家庭がどれだけあるか。介護保険法45条は、要介護認定を受けた人が住む家の改修費について、市町村が費用の9割を出すと定めている。自己負担が2万円で済むということだ。ただし条文をよく読むと、罠が三つ仕込まれている。第一に「厚生労働大臣が定める種類」に限られる(手すり、段差解消、床材変更、扉の取替え、便器の取替え、それに付随する工事の6種類)。オシャレなリフォームは対象外だ。第二に第2項「市町村が必要と認める場合に限り」。事前申請せずに工事を終えると、原則として一円も出ない。第三に支給限度基準額は原則20万円で、これは生涯の総枠に近い性質を持つ。つまりあなたは、一度しか使えないカードをどこで切るかを決める立場にある。しかも第6項により、住んでいる市町村が条例で上限を引き上げていることがある。同じ工事で、隣町なら30万円出る可能性がある。
法的な位置づけ
介護保険法45条は居宅介護住宅改修費の支給を定める規定であり、居宅要介護被保険者が厚生労働大臣の定める種類の住宅改修を行った場合に、市町村が必要と認める範囲で改修費用の100分の90を支給する旨を規定する。支給総額は限度基準額により制限され、市町村は条例によりこれを引き上げることができる。
手順
- 1.ケアマネジャーまたは市町村窓口に相談 工事業者に発注する前に、担当ケアマネジャーか市町村の介護保険担当窓口へ連絡し、改修の必要性、対象工事の範囲、市町村の条例による限度額上乗せの有無を確認する
- 2.見積書と理由書を揃える 施工業者から対象工事と対象外工事を区分した見積書を取り、ケアマネジャーに住宅改修が必要な理由書を作成してもらう。改修前の写真と図面も用意する
- 3.市町村へ事前申請し確認を受ける 着工前に市町村へ事前申請書類を提出し、住宅改修の内容が支給対象であることの確認を受ける。確認前に着工すると原則として支給されない
- 4.工事を行い完了後に支給申請 確認後に着工し、完了後に領収書、工事費内訳書、改修後の写真を市町村に提出して支給申請を行う。工事費を支払った日の翌日から2年以内に申請する
- 5.不支給の場合は審査請求を検討 支給決定に不服がある場合、処分通知の教示欄を確認し、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に都道府県の介護保険審査会へ審査請求を行う
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険の住宅改修費とは何ですか?
要介護認定を受けた在宅の人が手すり設置や段差解消などの工事をした場合、費用の原則9割を市町村が支給する制度です。介護保険法45条が根拠です。
Q2介護保険で住宅改修できる工事の種類は?
手すりの取付け、段差の解消、滑り防止等の床材変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への取替え、これらに付帯する工事の6種類です。
Q3住宅改修費の申請に必要な書類は?
事前申請では、住宅改修が必要な理由書、工事費見積書、改修前の写真や図面が基本です。賃貸住宅なら所有者の承諾書も必要になります。
Q4住宅改修費の理由書は誰が書くの?
通常は担当のケアマネジャーが作成します。ケアマネがいない場合は、市町村が認める福祉住環境コーディネーター等が作成できる場合があります。
Q5要支援でも住宅改修費は使えますか?
使えます。ただし根拠は45条ではなく、介護保険法57条の介護予防住宅改修費です。対象工事や限度額の仕組みはほぼ同様です。
Q6住宅改修費はいつ振り込まれる?
償還払いの場合、工事完了後に領収書等を提出し、審査を経て支給されます。支給までの期間は市町村により異なるため窓口で確認が必要です。
Q7住宅改修費の受領委任払いとは?
利用者は自己負担分だけを業者に払い、残りを市町村が業者へ直接支払う方式です。導入の有無や登録業者の要件は市町村ごとに異なります。
Q8住宅改修費の申請期限はいつまで?
保険給付を受ける権利は2年で時効消滅します(介護保険法200条)。工事費を支払った日の翌日から2年以内に支給申請を済ませる必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工事してしまったんですけど、後から申請できませんか?
原則として支給されない。第2項が「市町村が必要と認める場合に限り」と定めており、実務上は事前申請が要件とされている。ただし退院日が急に決まった等の緊急性があれば、事後申請を認める運用をしている市町村もある。実務のポイント:事後申請の可否は市町村の裁量の幅が大きい部分で、窓口で「無理です」と言われても、理由書にケアマネジャーが緊急性を具体的に書き込むと通ることがある。担当者個人の判断で終わらせず、係長級の判断を求めるのが実務的な突破口になる
Q2限度額の20万円って、毎年もらえるんですか?
もらえない。第4項の支給限度基準額は、同一住宅・同一被保険者について原則一回限りの総枠で、年度ごとのリセットはない。例外は転居した場合と、要介護度が3段階以上上がった場合の再度20万円の枠である。実務のポイント:「3段階上昇」の判定基準は介護保険法施行規則で定める基準額段階によるもので、要介護1から要介護4など複数段階を一気に上がった人だけが該当する。要支援から徐々に上がっていった人は使えないため、認定更新のタイミングと改修計画を照らし合わせる価値がある
Q3業者が「介護保険対応です」と言えば信用していいんですか?
信用してはいけない。住宅改修には介護サービス事業者のような指定制度がなく、原則としてどの工務店でも工事できる。書類の作成経験がない業者に頼むと申請が通らないリスクを家族が負う。実務のポイント:第8項により市町村長は住宅改修を行う者に報告命令と立入検査ができ、市町村の担当窓口は過去に書類不備や過大請求を繰り返した業者を実質的に把握している。窓口で「この業者で問題ありませんか」と社名を出して尋ねると、明言はされなくても反応の温度差で判断材料が得られる
Q4賃貸に住んでいる親の家でも使えますか?
使える。ただし申請には建物所有者の承諾書が必要で、大家が拒否すれば工事自体ができない。給付の対象は被保険者が現に居住する住宅であり、住民票上の住所と一致していることが求められる。実務のポイント:大家への交渉では、退去時に原状回復する旨の書面と、手すり設置が次の入居者にも訴求点になるという説明が効く。実際には撤去を求めない大家も多く、高齢者向け賃貸として付加価値になると伝えると態度が変わる例が少なくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「工事してから領収書を出せば9割戻る」と思い込んでいる人が圧倒的に多い。第2項は「市町村が必要と認める場合に限り」支給すると定めており、実務では原則として事前申請が必須。工事完了後の申請は、緊急性など特別な事情を市町村が認めない限り却下される。工事業者が「後から申請できます」と言ったとしても、それは業者の希望的観測であってルールではない
- 限度額20万円という数字は知っていても、その重さを理解していない人が多い。これは一年ごとにリセットされる枠ではなく、同一住宅・同一被保険者について原則一回限りの総枠である。例外は転居した場合と、要介護度が3段階以上上がった場合のみ。1万円の手すり一本で申請すると、残り枠は19万円に減ったまま生涯続く。小さな工事で枠を削るかどうかは、将来の改修計画と合わせて判断すべき戦略的決定である
- 「限度額は全国一律の法律の数字だから交渉の余地がない」という問いの立て方そのものが誤っている。第6項は市町村が条例で上限を引き上げられると明記している。つまり調べるべきは法律ではなく、あなたの市町村の条例だ。自治体のウェブサイトの介護保険課のページ、または窓口で「上乗せの条例はありますか」と直接聞く、これが正しい問いである
- 給付率が一律9割だと思われているが、第3項の9割は原則規定。実際には所得に応じて8割(一定以上所得者)または7割(現役並み所得者)になる場合があり、第7項も限度額超過時の別計算を政令に委ねている。自己負担2万円を前提に予算を組むと、通知が来たときに計算が狂う(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる給付 | 介護保険法45条:住宅改修費(手すり取付け・段差解消等の工事) | 介護保険法44条:福祉用具購入費(据置型手すり・入浴補助用具等の購入) 介護保険法57条:介護予防住宅改修費(要支援者向け) |
| 対象者 | 居宅要介護被保険者(要介護1〜5) | 居宅要介護被保険者 居宅要支援被保険者(要支援1・2) |
| 限度額の性質 | 原則20万円の総枠(転居・介護度3段階上昇で再設定) | 年間10万円(毎年度リセット) 原則20万円の総枠(45条と通算) |
| 工事の有無 | 住宅への取付け工事を伴う | 工事を伴わない用具の購入 住宅への取付け工事を伴う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税財源の長期照顧制度の中で、輔具及び居家無障礙環境改善服務として手すり設置等の改修費を補助する。社会保険方式の日本とは財源構造が異なる
韓国の長期療養保険は福祉用具の購入・貸与を給付するが、住宅改修そのものは原則給付対象外で、日本より給付範囲が狭い
ドイツ介護保険は住環境改善措置として1措置ごとに定額上限の補助を行う。日本の住宅改修費と発想が近く、制度設計上の参照元とされる
米国には公的介護保険がなく、低所得者向けMedicaidの在宅・地域ケア免除プログラムの中で州ごとに住宅改修が給付される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 母が退院してくる、あと5日。病院のソーシャルワーカーは「手すりを付けておいてください」と言うだけで、9割給付の話はしなかった。工事業者は「明日入れますよ」と言う。ここで工事を始めたら、第2項の事前申請を飛ばすことになり、給付はゼロになりうる。先に市町村の窓口かケアマネジャーに連絡する、それが今夜やるべき唯一のこと
- リフォーム業者から「介護保険が使えますよ、うちで全部やります」と勧められた。この場合、あなたが確認すべきは、その業者が住宅改修費の申請書類(理由書、見積書、図面、写真)を揃えられるかどうか。第8項により市町村長は業者に帳簿検査を入れる権限を持っており、不適切な業者が市町村から要注意リストに載っていることもある
- 父の家をバリアフリー化するため、玄関スロープと浴室改修を同時に40万円で発注した。限度額は20万円なので、給付は18万円。残り22万円は自己負担。もし工事を二期に分け、要介護度が3段階上がった時点(介護の必要度が著しく高くなった場合)で新たに20万円の枠がリセットされる制度を使えたら、負担は半分で済んだ
- 賃貸アパートに住む要介護の伯母。大家の許可なく手すりを付けられるか? 住宅改修費の申請には所有者の承諾書が必要になる。大家が拒否すれば給付も工事もできない。ここで交渉材料になるのは、手すり設置が建物の価値を下げないこと、退去時の現状回復を約束する書面を用意できることだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 工事に着手する前に必ずケアマネジャーまたは市町村の介護保険担当窓口へ連絡、事前申請の書式と必要書類(住宅改修が必要な理由書、見積書、改修前の写真、図面、所有者の承諾書)を確認2. 自分の市町村が第6項の条例で限度額を上乗せしているか窓口で明示的に質問3. 工事対象が厚生労働大臣の定める6種類に含まれるか、見積書の項目ごとに切り分けて確認4. 支給決定通知を受けてから着工、完了後に領収書と完成写真を提出5. 却下された場合は、処分通知に記載された審査請求の教示欄を読み、介護保険審査会への審査請求を検討
訴えられた側:工事業者側の立場であれば、第8項により市町村長は帳簿書類の提出命令、職員による質問、事業所への立入検査の権限を持つ。1. 住宅改修ごとの見積書、図面、施工前後の写真、領収書を案件別に保管し、改修理由書との整合性を保つ2. 給付対象外の工事(意匠変更など)と対象工事を見積書上で明確に区分、混在させると全体が疑われる3. 立入検査を受けたら、第9項が準用する第24条の規定に基づき、職員の身分証提示を確認してから応じる4. 不正請求と認定されれば介護保険法上の返還請求に加え、詐欺罪(刑法246条)の立件もありうるため、疑義段階で弁護士に相談
時効(請求できる期限):住宅改修費の支給申請は工事完了後に行うが、事前申請は着工前に済ませる必要がある。市町村の処分に不服がある場合、介護保険審査会への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)。給付を受ける権利の消滅時効は2年(介護保険法200条、起算点は工事費用を支払った日の翌日)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により、居宅介護住宅改修費の支給制度が創設された。同法は平成12年(2000年)4月に施行
- 介護保険法 第44条福祉用具購入費、手すり据置型との棲み分け
- 介護保険法 第43条居宅サービス費の支給限度額との枠の分離
- 介護保険法 第57条介護予防住宅改修費、要支援者向けの並行制度
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年消滅時効
- 介護保険法 第24条第9項が準用する質問検査権の手続規律
- 行政不服審査法 第18条支給却下処分への審査請求期間
- 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 第1条バリアフリー政策の建築側からの補完(通称 バリアフリー法)
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