介護保険法 第57条(介護予防住宅改修費の支給)
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- 市町村は、居宅要支援被保険者が、住宅改修を行ったときは、当該居宅要支援被保険者に対し、介護予防住宅改修費を支給する。
- 2.介護予防住宅改修費は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。
- 3.介護予防住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。
- 4.居宅要支援被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する介護予防住宅改修費の額の総額は、介護予防住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。
- 5.前項の介護予防住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額とする。
- 6.市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の介護予防住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における介護予防住宅改修費支給限度基準額とすることができる。
- 7.介護予防住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該介護予防住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。
- 8.市町村長は、介護予防住宅改修費の支給に関して必要があると認めるときは、当該支給に係る住宅改修を行う者若しくは住宅改修を行った者(以下この項において「住宅改修を行う者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該住宅改修を行う者等の当該支給に係る事業所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 9.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
介護予防住宅改修費の支給とは何ですか?
定義介護予防住宅改修費の支給とは、介護保険法第57条に定められた規定で、「市町村は、居宅要支援被保険者が、住宅改修を行ったときは、当該居宅要支援被保険者に対し、介護予防住宅改修費を支給する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第57条(介護予防住宅改修費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第57条の条文原文は「市町村は、居宅要支援被保険者が、住宅改修を行ったときは、当該居宅要支援被保険者に対し、介護予防住宅改修費を支給する。」で始まります。
- 介護保険法第57条は第四節 予防給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第57条の前の条は介護保険法第56条です。
- 介護保険法第57条の次の条は介護保険法第58条です。
- 介護保険法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法57条は、要支援者が自宅の住宅改修を行った場合に、市町村が費用の9割を介護予防住宅改修費として支給すると定める。ただし市町村が必要と認める場合に限る。
Q · 要支援の親の家に手すりを付けたら、介護保険でいくら戻ってくるの?
事前申請が認められれば費用の9割(所得により8割・7割)
介護保険法57条により、要支援認定を受けた人が手すりの取付けや段差解消などの住宅改修をした場合、市町村が必要と認めれば費用の9割が介護予防住宅改修費として支給されます。一定以上の所得がある人は8割または7割です。上限は厚生労働大臣が定める支給限度基準額(実務上20万円)が基礎ですが、市町村は条例で上乗せできます。実務上は着工前の事前申請が必須で、工事後の申請は原則として支給されません。
解説
手すり一本、段差解消のスロープ一枚。親が転んで骨折してから慌てて工事するのと、その前に市町村へ申請しておくのとでは、あなたの財布が負担する額が桁違いになる。介護保険法57条は、要支援認定を受けた人が自宅をバリアフリー化したとき、費用の9割(所得に応じて8割または7割)を市町村が支給すると定める。だが条文をよく読むと、ここには三つの罠が仕込まれている。第一に「市町村が必要と認める場合に限り」(2項)、つまり工事を終えてから申請しても、事前に必要性を認めてもらっていなければ突き返される。第二に支給限度基準額は「住宅改修の種類ごと」に厚生労働大臣が定める(5項)、実務上は生涯20万円が上限の目安である。第三に6項、市町村は条例でこの上限を上乗せできる。つまり、あなたが住んでいる自治体によって、受け取れる金額が違う。隣の市に引っ越した友人が30万円もらっていたのに自分は18万円だった、それは制度の不備ではなく、条例の差である。
法的な位置づけ
介護予防住宅改修費とは、介護保険法57条に基づき、居宅要支援被保険者が手すりの取付けや段差の解消等の住宅改修を行った場合に、市町村が必要と認めたときに限り支給される保険給付である。額は改修費用の100分の90を原則とし、住宅改修の種類ごとに厚生労働大臣が定める支給限度基準額を基礎に上限が画され、市町村は条例で基準額を引き上げることができる。
手順
- 1.市町村の介護保険課に二点を確認 工事の相談より先に、市町村の介護保険課へ電話し「条例による上乗せ(57条6項)はあるか」「認定申請中でも事前申請できるか」を確認する。回答した部署名と日付を控える
- 2.ケアマネジャーと改修内容を決め理由書を作成 地域包括支援センターまたはケアマネジャーに相談し、転倒リスクなど必要性を説明する住宅改修理由書を作成してもらう。対象工事の範囲も確認する
- 3.項目別見積と改修前写真をそろえて事前申請 施工業者から「一式」ではなく項目別の見積書を取り、改修予定箇所の写真を撮影する。賃貸なら大家の承諾書も用意し、着工前に市町村へ事前申請する
- 4.承認通知を受け取ってから着工 市町村から事前申請の確認・承認の通知が届いてから工事を始める。通知前の着工は原則として支給対象外になる
- 5.完成後に領収書と写真で支給申請 工事完了後、領収書、工事費内訳書、改修後の写真を添えて支給申請する。費用支払日の翌日から2年で時効になるため、完成後は速やかに提出する
よくある質問 AI による整理
Q1介護予防住宅改修費とは何ですか?
要支援認定を受けた人が手すり設置や段差解消などの住宅改修をしたとき、市町村が費用の9割を支給する介護保険の給付です。根拠は介護保険法57条です。
Q2介護保険の住宅改修で対象になる工事は?
手すりの取付け、段差の解消、滑り防止のための床材変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への取替えと、これらに付帯する工事が対象です。種類は厚生労働省令で定められています。
Q3住宅改修費の事前申請に必要な書類は?
一般に支給申請書、住宅改修が必要な理由書、工事費見積書、改修前の写真、賃貸なら住宅所有者の承諾書が必要です。細部は市町村ごとに異なるため窓口で確認します。
Q4住宅改修費の申請はいつまでにできますか?
工事完了後の支給申請は、費用を支払った日の翌日から2年で時効となります(介護保険法200条)。ただし着工前の事前申請が前提なので、実質的な期限は着工前です。
Q5要支援1でも住宅改修費は使えますか?
使えます。要支援1・2の居宅要支援被保険者は57条の介護予防住宅改修費の対象です。要介護の人は45条の居宅介護住宅改修費が根拠となり、枠組みは共通しています。
Q6住宅改修費は償還払いと受領委任払いのどちらですか?
原則は利用者が全額を立て替えて後から9割を受け取る償還払いです。多くの市町村では、自己負担分だけ業者に払う受領委任払いも選べます。
Q7賃貸住宅でも介護保険で手すりを付けられますか?
付けられますが、住宅所有者(大家)の承諾書が必要です。退去時の原状回復の扱いも工事前に書面で取り決めておくと、後のトラブルを防げます。
Q8住宅改修費の不正受給はどうなりますか?
市町村は支給額の返還と加算金の徴収を求めることができます(介護保険法22条)。57条8項により、市町村長は改修業者への報告命令や立入検査も行えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工事を先にやっちゃったんですけど、もうダメですか?
原則として支給されない。2項が「市町村が必要と認める場合に限り」と定め、省令上も事前申請が前提だからだ。ただし緊急退院で待てなかったなど、やむを得ない事情を認める運用をする自治体もある。実務のポイント:窓口で最初に「事後申請は無理ですよね」と聞くと確実に「無理です」と返ってくる。「やむを得ない事情がある場合の取扱いを教えてください」と聞き方を変えると、自治体内部の裁量基準の話になる。同じ窓口でも結論が変わることがある
Q220万円って、一生に一度きりなんですか?
同一住宅について原則一度だが、要介護度が3段階以上重くなった場合と、転居した場合はリセットされ、再び枠が使える。5項の基準額は「住宅改修の種類ごと」に定められる建て付けである。実務のポイント:20万円を一度に使い切る必要はない。手すりだけ5万円使い、残り15万円を将来の段差解消に残せる。分割利用を知らずに「どうせ20万円なら今全部やろう」と不要な工事まで詰め込む家族が多い
Q3業者が「全部うちでやります」って言うんですけど、任せて大丈夫ですか?
書類作成の代行自体は違法ではないが、8項により市町村長は業者へ報告命令や立入検査ができる。水増しや未施工が発覚した場合、支給は利用者に対して行われた建前なので、返還請求は利用者側に向かうことがある。実務のポイント:見積書の内訳が「一式」しか書かれていない業者は避ける。市町村の担当者は内訳の粗い見積書を見た時点で警戒する。逆に項目別の詳細見積を出せる業者は、その地域で何度も申請を通している証拠である
Q4要支援と要介護で、もらえる金額は違うんですか?
住宅改修費については実質的に同じ枠組みである。要支援者は本条57条の介護予防住宅改修費、要介護者は45条の居宅介護住宅改修費と根拠条文が分かれているだけで、支給割合も限度額の考え方も共通する。実務のポイント:条文が分かれているため、自治体のパンフレットも別ページになっていることが多い。要支援の親が要介護になったとき「制度が変わった」と誤解して再確認を怠り、改修のタイミングを逃す家族がいる。実態は同じ財布である
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険の住宅改修は20万円まで」と誰もが覚えているが、それは厚生労働大臣が定める基準額(5項)に過ぎない。6項は市町村が条例で上乗せできると明記している。上限を国が一律に決めていると思い込んだ瞬間、あなたは自分の自治体の上乗せ制度を調べなくなる。制度を知らないのではなく、調べる理由を失うことが損失を生む。
- 「工事が終わってから領収書を持って申請する」という発想そのものが誤っている。2項の「市町村が必要と認める場合に限り」は、厚生労働省令により事前の申請と承認を要求する運用になっている。あなたが立てるべき問いは「いくら戻るか」ではなく「いつ申請書を出すか」である。
- 支給額を「工事費の9割」と単純に覚えている人が多いが、3項の9割は原則であり、一定以上の所得がある人は8割または7割になる(介護保険法59条の2等の負担割合の仕組み)。親の年金収入を把握しないまま予算を組むと、想定より2割から3割多く自己負担することになる。
- 利用者から見れば「自分のお金で自宅を直す」話だが、法律から見れば市町村が保険給付を支出する公的支出である。だからこそ8項で市町村長に立入検査権が与えられている。この落差を理解していないと、業者に言われるまま書類にサインし、後日の返還請求であなたが矢面に立つ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 介護保険法57条:居宅要支援被保険者(要支援1・2) | 介護保険法45条:居宅要介護被保険者(要介護1〜5) 介護保険法56条:居宅要支援被保険者(特定介護予防福祉用具の購入) |
| 給付の対象 | 手すり取付け、段差解消などの住宅改修工事 | 同じ種類の住宅改修工事 入浴補助用具、腰掛便座などの福祉用具の購入 |
| 上限額の決まり方 | 改修の種類ごとの支給限度基準額(告示)、条例で上乗せ可(6項) | 同じ仕組み(居宅介護住宅改修費支給限度基準額) 年間の支給限度基準額(告示) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は社会保険ではなく税財源の長照制度で、居家無障礙環境改善を給付項目としている。日本と同様に手すりや段差解消が対象だが、給付額と自己負担割合は所得区分で定まる。
韓国は安全手すりや傾斜路などを福祉用具の給付として扱い、日本のような独立した住宅改修費の給付区分は設けていない。
ドイツは介護度が認定された人の住環境改善措置に、措置ごとの上限額付きで補助金を出す。日本の制度設計と発想が近く、事前の申請が求められる点も共通する。
米国には全国一律の介護保険がなく、州ごとのMedicaid在宅・地域ケアのウェイバー制度で住宅改修費を賄うのが一般的である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 要支援2の母が浴室で滑った。手すりを付けようと工務店に電話し、翌週工事完了。領収書を持って市役所へ行ったら「事前申請がないので支給できません」と言われる。工事費12万円、全額自腹。この順番の逆転が、住宅改修費で最も多い不支給理由である。
- ケアマネジャーから「住宅改修は20万円が上限です」と説明された。だが市の広報を調べたら、独自の上乗せ助成制度があった。57条6項が根拠だ。ケアマネが市町村ごとの条例まで把握しているとは限らない。自分で市役所の介護保険課に電話する10分が、10万円を生む。
- リフォーム業者が「介護保険が使えますよ、書類はうちで全部やります」と言ってきた。工事後、市町村長から業者に帳簿の提出命令が来た(8項)。水増し請求が疑われたケースだ。もしあなたが名義を貸した側だとしたら、返還請求はあなたに来る。業者ではない。
- 父が要支援1から要介護3に悪化した。以前20万円の枠を使い切っていたが、介護の必要度が3段階以上上がった場合、もう一度20万円の枠が使える。この「3段階リセット」を知っているかどうかで、二度目の改修費が丸ごと自己負担になるか、9割戻ってくるかが分かれる。
- 要支援の認定が出るまであと30日。その間に転倒事故が起きれば入院、そのまま要介護へ。改修を先にやってしまえば支給対象外、待てば事故リスク。この時間の板挟みに立たされたとき、市町村によっては「認定申請中でも事前申請を受理する」運用をしている。電話一本で確認できる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 工事契約より前に市町村の介護保険課とケアマネジャーへ連絡し、事前申請の書式と必要書類(見積書、改修前の写真、住宅所有者の承諾書、理由書)を確認する2. 条例による上乗せの有無を窓口で明示的に質問し、回答者の部署名と日付を控える3. 承認通知を受け取ってから着工、完成後に写真と領収書で支給申請4. もし事前申請前に工事してしまった場合でも、やむを得ない事情があれば事後申請を認める運用をする自治体があるため、諦める前に必ず窓口で相談する
訴えられた側:1. 市町村長から報告命令や立入検査(8項)を受けた事業者は、帳簿書類と施工写真を工事ごとに整理して提出する。拒否や虚偽報告は罰則の対象になりうる2. 実際の施工内容と見積書の齟齬があれば、設計変更の経緯を記録した書面で説明する3. 利用者側が名義だけ関与した場合でも、不正受給と認定されれば返還請求の名宛人になりうるため、業者任せにした経緯と自らの認識を時系列で整理しておく4. 質問や検査への対応は24条3項の準用(9項)を受けるため、手続の適法性を確認しながら進める
時効(請求できる期限):住宅改修費の支給申請権は、工事完了日(費用を支払った日)の翌日から2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。事前申請そのものには法定期限はないが、工事着手前でなければ原則として支給対象外となるため、実務上の期限は「着工の前日」である
学説
行政実務の一般的理解:2項の「市町村が必要と認める場合に限り」は、厚生労働省令による事前申請の手続と結びつき、着工前に必要性を確認する事前審査として運用されている。事後申請は、やむを得ない事情がある場合を除き原則として認められないと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定(平成9年法律第123号)。要支援者に対する住宅改修費の支給規定として第57条が置かれ、平成12年(2000年)4月に施行された。
- 2.平成17年(2005年) 改正:予防重視型システムへの転換に伴い予防給付が再編され、平成18年(2006年)4月から要支援者向けの給付が介護予防住宅改修費として位置づけられた。
- 介護保険法 第45条要介護者に対する居宅介護住宅改修費の並行規定
- 介護保険法 第24条質問検査権の準用元、8項の権限行使の根拠
- 介護保険法 第55条介護予防福祉用具購入費、改修と用具の役割分担
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年消滅時効
- 介護保険法 第22条不正受給時の返還及び加算金徴収
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律 第1条高齢者向け住宅改良支援との制度的接続
- 建築基準法 第6条改修が建築確認を要する場合の規制
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