介護保険法 第56条(介護予防福祉用具購入費の支給)
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- 市町村は、居宅要支援被保険者が、特定介護予防福祉用具販売に係る指定介護予防サービス事業者から当該指定に係る介護予防サービス事業を行う事業所において販売される特定介護予防福祉用具を購入したときは、当該居宅要支援被保険者に対し、介護予防福祉用具購入費を支給する。
- 2.介護予防福祉用具購入費は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。
- 3.介護予防福祉用具購入費の額は、現に当該特定介護予防福祉用具の購入に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。
- 4.居宅要支援被保険者が月を単位として厚生労働省令で定める期間において購入した特定介護予防福祉用具につき支給する介護予防福祉用具購入費の額の総額は、介護予防福祉用具購入費支給限度基準額を基礎として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。
- 5.前項の介護予防福祉用具購入費支給限度基準額は、同項に規定する厚生労働省令で定める期間における特定介護予防福祉用具の購入に通常要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額とする。
- 6.市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の介護予防福祉用具購入費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における介護予防福祉用具購入費支給限度基準額とすることができる。
- 7.介護予防福祉用具購入費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該介護予防福祉用具購入費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。
この条文の基本情報
介護予防福祉用具購入費の支給とは何ですか?
定義介護予防福祉用具購入費の支給とは、介護保険法第56条に定められた規定で、「市町村は、居宅要支援被保険者が、特定介護予防福祉用具販売に係る指定介護予防サービス事業者から当該指定に係る介護予防サービス事業を行う事業所において販売される特定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第56条(介護予防福祉用具購入費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第56条の条文原文は「市町村は、居宅要支援被保険者が、特定介護予防福祉用具販売に係る指定介護予防サービス事業者から当該指定に係る介護予防サービス事業を行う事業所において販売される特定…」で始まります。
- 介護保険法第56条は第四節 予防給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第56条の前の条は介護保険法第55条です。
- 介護保険法第56条の次の条は介護保険法第57条です。
- 介護保険法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法56条は、要支援者が指定事業者の事業所で特定介護予防福祉用具を買ったとき、市町村が必要と認めれば購入費の9割を支給すると定める。
Q · 要支援の親の入浴用イス、介護保険で買えるの?
指定事業所で買えば原則9割戻る(年度10万円枠)
介護保険法56条により、要支援1・2の人が特定介護予防福祉用具販売の指定を受けた事業者の事業所で入浴補助用具や腰掛便座などを購入した場合、市町村が必要と認めれば購入費の9割(一定以上所得者は8割または7割)が支給されます。上限は国の基準で年度10万円の9割です。通販やホームセンターなど指定外の店で買った場合は支給されず、原則は一度全額を支払ってから払い戻しを受ける償還払いです。
解説
腰掛便座、入浴用のイス、簡易浴槽。これらは介護保険で借りることができない。排泄や入浴に直結して他人と回し使いできないため、買うしかないからだ。そこで56条が、要支援1・2と認定されたあなた(または親)に購入費の9割を戻す。ただし1項に落とし穴がある。支給の対象は「特定介護予防福祉用具販売の指定を受けた事業者の事業所で販売されたもの」だけだ。同じ型番を通販サイトやホームセンターで買っても、1円も出ない。しかも原則は償還払い、つまり一度は全額を自分の財布から出す。さらに2項は「市町村が必要と認める場合に限り」と条件をつける。買ってから相談では遅い。年度(4月1日から翌年3月31日)で10万円という枠も、使い方を知っている人と知らない人で支給額が数万円ずれる。
法的な位置づけ
介護予防福祉用具購入費とは、居宅要支援被保険者が特定介護予防福祉用具販売の指定を受けた事業者の事業所で特定介護予防福祉用具を購入した場合に、市町村が必要と認めたときに限り、購入費用の百分の九十を支給する予防給付である。年度単位の支給限度基準額による上限があり、市町村は条例で基準額を引き上げることができる。
手順
- 1.購入前にケアマネジャーか地域包括支援センターへ相談 用具を買う前に担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ連絡し、必要な種目と理由を伝える。介護予防サービス計画に位置づけてもらい、市町村が必要と認める判断材料を先に揃える
- 2.指定事業者の事業所を選ぶ 市町村の指定事業者一覧または厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、特定介護予防福祉用具販売の指定を受けた事業所を探す。指定は事業所単位なので、店舗そのものが指定を受けているかを確認する
- 3.福祉用具専門相談員と選定し選定理由書を作成 事業所の福祉用具専門相談員と身体状況や住環境に合う用具を選び、選定理由書などの書面を作成してもらう。年度末なら購入を4月以降に分けられるかも検討する
- 4.購入し、領収書と商品資料を保管 指定事業所で購入し、利用者本人名義の領収書、種目と型番が分かるカタログ等を受け取る。償還払いなら全額を、受領委任払いなら自己負担分を支払う
- 5.市町村へ支給申請 支給申請書に領収書、商品資料、選定理由書などを添えて市町村の介護保険担当課へ提出する。支払日の翌日から2年で時効になるため早めに出す。不支給決定には3か月以内に審査請求できる
よくある質問 AI による整理
Q1介護予防福祉用具購入費とは?
要支援1・2の人が指定事業所で入浴や排泄用の福祉用具を買ったとき、購入費の9割を市町村が支給する制度です。介護保険法56条が根拠です。
Q2特定介護予防福祉用具の対象品目は?
腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分、自動排泄処理装置の交換可能部品、排泄予測支援機器などで、厚生労働大臣の告示で定められます。
Q3福祉用具購入費の申請に必要な書類は?
一般的には支給申請書、領収書、商品のカタログやパンフレット、選定理由書などです。必要書類は市町村ごとに異なるため事前に確認します。
Q4要支援1でも福祉用具は買える?
買えます。56条の対象は要支援1・2の居宅要支援被保険者です。要介護1以上の人は同じ趣旨の44条(居宅介護福祉用具購入費)の対象になります。
Q5福祉用具購入費の10万円枠はいつリセットされる?
毎年4月1日から翌年3月31日までの年度単位でリセットされます。使い残した枠の繰り越しはできません。
Q6受領委任払いとは?
利用者は販売店に自己負担分だけを払い、残りを市町村が販売店に直接支払う方式です。導入の有無は市町村ごとに異なります。
Q7福祉用具はレンタルと購入どっちが得?
入浴・排泄用品は衛生上、原則購入の対象です。一部の杖・歩行器・スロープは2024年から貸与と販売の選択制になり、使用期間の見込みで判断します。
Q8福祉用具購入費の支給はいつ振り込まれる?
償還払いの場合、申請から入金まで1〜2か月程度かかるのが一般的です。その間の立替資金を用意しておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ネットで同じ商品が半額なんですが、そっちで買っちゃダメですか?
買うのは自由だが、支給は出ない。56条1項は「指定に係る介護予防サービス事業を行う事業所において販売される」ことを要件にしており、販売ルートが要件そのものだからだ。差額より9割の支給の方が大きいことが多い。実務のポイント:指定事業者の一覧は多くの市町村がホームページに載せているが検索に出てきにくい。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでサービス種類を絞れば、全国どの地域でも一覧が引ける
Q2必ず9割戻ってくるんですよね?
条文は3項で「百分の九十」と書くが、65歳以上で一定以上の所得がある人は8割または7割になる(介護保険法59条の2の給付率特例。最新の改正状況をご確認ください)。40歳から64歳の第2号被保険者は所得にかかわらず9割。実務のポイント:自分の割合は毎年7月に届く介護保険負担割合証に書いてあり、有効期間は8月1日から翌年7月31日。年をまたぐ購入計画では、8月の切り替わりで割合が動く可能性まで見ておく
Q310万円の枠って、うちの市だと増やせないんですか?
増やせる余地はある。6項が、市町村は条例で定めるところにより国の支給限度基準額を超える額を自分の市町村の基準額にできると明記している(いわゆる上乗せ)。財源は第1号被保険者の保険料なので実施自治体は多くないが、ゼロではない。実務のポイント:確認先は担当課への電話ではなく、市町村ホームページの例規集。介護保険条例を開いて支給限度基準額の条を見れば、上乗せの有無が一分で判明する
Q4買ってから申請じゃダメなんですか?
申請自体は購入後だが、2項が「市町村が必要と認める場合に限り」と条件をつけており、その必要性の判断材料は購入前の相談記録と介護予防サービス計画への位置づけで作られる。買った後から理由を述べても、記録がなければ通りにくい。実務のポイント:多くの市町村では、福祉用具専門相談員が作る選定理由書の提出を求める。この書面の有無で審査の通りやすさが変わるのに、購入時にこちらから求めないと作ってもらえないことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「福祉用具はどれを買えば保険が出ますか」という問いの立て方が、すでに半分ずれている。56条が見ているのは商品ではなく販売ルートと事前手続だ。厚生労働大臣の定める種目(腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分、自動排泄処理装置の交換可能部品、排泄予測支援機器など)に当たるかは前提条件にすぎず、指定事業者の事業所で販売されたか、市町村が必要と認めたか、この二つを外せば種目が合っていても支給されない
- 償還払いであることは知っていても、その資金繰りの重さを見落としている人が多い。10万円の用具なら申請から入金まで1か月前後、自治体によってはそれ以上かかる。年金収入の世帯にとって、この立替期間の方が自己負担1割より痛い。受領委任払いを導入している市町村なら最初から1割の支払いで済むが、全国一律ではなく、自分の市町村にあるかは窓口で聞くまで分からない
- 一度買った種目は二度と支給されないと諦められがちだが、破損した場合、身体状況が著しく変化した場合、その他市町村が特別の事情を認めた場合は再支給の余地がある。「前に買ったからもう無理」は法律上の結論ではなく、窓口で確認していないだけのことが多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 介護保険法56条:居宅要支援被保険者(要支援1・2) | 介護保険法44条:居宅要介護被保険者(要介護1〜5) 介護保険法57条:居宅要支援被保険者(要支援1・2) |
| 給付の中身 | 特定介護予防福祉用具の購入費 | 特定福祉用具の購入費 手すり取付けや段差解消などの住宅改修費 |
| 上限額(国の基準) | 年度10万円の9割(原則) | 年度10万円の9割(原則) 原則1住宅につき20万円の9割 |
| 要件の特徴 | 指定事業所での購入+市町村が必要と認めること | 指定事業所での購入+市町村が必要と認めること 事前申請と工事内容の確認が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税を財源とする長照給付の中で、輔具購入と居家無障礙改善を一定期間の額度内で補助する。社会保険方式の日本とは財源構造が異なる
韓国は福祉用具を購入品目と貸与品目に分け、年間限度額の範囲で給付する。日本の購入と貸与の二分法に近い
ドイツは介護補助具を貸与中心で給付し、消耗品は月額定額で支給する。住環境改善には措置ごとの上限を設ける
米国 Medicare は医療上必要な耐久医療機器を Part B で給付するが、浴室用品の多くは対象外とされることが多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし退院前日にケアマネジャーから「お風呂のイスを用意してください」と言われたら? 家族は近所のホームセンターへ走る。それが最悪手だ。指定事業者を通さない購入は56条1項の対象外で、2万円の入浴台がまるごと自己負担になる。退院日は動かせないが、指定事業者でも即日手配できるところは珍しくない
- 父の要支援2の認定が下りたのが3月10日。腰掛便座6万円と入浴補助用具5万円、合計11万円を今月中にまとめて買うと、年度枠10万円の9割で支給は9万円。だが1点を4月1日以降にずらせば二年度分の枠が立ち、支給は9万9千円になる。残り3週間の買い方だけで差が出る
- あなたが福祉用具の販売店を営んでいて、指定を受けないまま常連客へ入浴台を売った。客は市町村に申請して不支給。返品と返金を求められるのはあなただ
- 友人から「親の介護で20万円分の用具を買ったのに9万円しか戻らなかった、おかしくないか」と相談される。おかしくはない。4項が支給限度基準額の9割を天井にしているからだ。ただし友人の市町村が6項の条例で上乗せをしていれば話は別で、そこまで調べた人はほとんどいない
- 浴室に手すりをつけたい。壁に固定する工事をすれば57条の介護予防住宅改修費(上限20万円)、浴槽の縁に挟む型なら56条の購入費、床に置く据置型なら福祉用具貸与。同じ「手すり」が三つの制度に割れ、どれを選ぶかで自己負担も使う枠も変わる
取るべき行動
被害を受けた側:購入前なら、まず地域包括支援センターかケアマネジャーに連絡し、選定理由書と介護予防サービス計画への位置づけを先に整える。次に市町村の指定を受けた特定介護予防福祉用具販売事業者の一覧から選び、領収書と種目・型番の分かる書面を保管する。すでに指定外の店で買ってしまったなら、返品して買い直せるか販売店と交渉するのが最短。不支給決定が届いたら通知書の教示欄を読み、3か月以内に介護保険審査会への審査請求を検討する
訴えられた側:販売事業者側なら、指定の有効期間と、指定が事業所単位である点をまず確認する。指定外事業所での販売は顧客の不支給に直結し、返金紛争の原因になる。利用者には種目該当性と購入前相談の要否を書面で説明し、控えを残す。市町村から過誤請求として返還を求められた場合は、根拠となる通知と対象期間を特定させたうえで、計画への位置づけ記録と販売記録を突き合わせて反論する
時効(請求できる期限):保険給付を受ける権利は2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。起算点は実務上、購入費を支払った日の翌日。不支給決定に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に都道府県の介護保険審査会へ(介護保険法183条、行政不服審査法18条)。支給限度基準額の10万円枠は毎年4月1日にリセットされ、繰り越しはできない
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正、平成18年4月1日施行 予防給付の再編に伴い、要支援者向けの福祉用具購入費として新設された。従来の要介護者向け給付(現44条)から要支援者分を切り出し、指定事業者からの購入を支給要件とする仕組みが導入された
- 令和6年(2024年)4月 固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖について貸与と販売の選択制が導入され、特定介護予防福祉用具の種目が拡大した。条文本体ではなく厚生労働大臣告示および関係省令の改正による
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定(平成9年法律第123号)。要支援者向けの予防給付として、福祉用具購入費の支給が制度化された
- 2.平成17年(2005年) 改正:予防給付の再編に伴い、介護予防福祉用具購入費として要件が整理された。平成18年4月1日施行
- 介護保険法 第55条区分支給限度基準額、購入費が別枠である根拠
- 介護保険法 第57条介護予防住宅改修費、手すり等で適用が分岐
- 介護保険法 第44条要介護者側の居宅介護福祉用具購入費
- 介護保険法 第53条介護予防サービス費、福祉用具貸与との振り分け
- 介護保険法 第59条の2一定以上所得者の給付率を8割・7割に修正
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年時効
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第7条介護保険優先原則、補装具費支給との調整(通称 障害者総合支援法)
- 老人福祉法 第10条の4保険給付が使えない場合の市町村措置による代替
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