介護保険法 第210条の2
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第二百五条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第210条の2は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第210条の2の条文原文は「第二百五条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。」で始まります。
- 介護保険法第210条の2は第十四章 罰則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第210条の2の前の条は介護保険法第210条です。
- 介護保険法第210条の2の次の条は介護保険法第211条です。
- 介護保険法第210条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第210条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第210条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/210_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法210条の2は、匿名介護データの不正開示・不当利用や是正命令違反(205条の3の罪)について、日本国外で犯した者も処罰対象とする規定。
Q · 海外の研究拠点で匿名の介護データを漏らしたら、日本の法律で罰せられるの?
罰せられます。205条の3の罪は国外犯にも適用されます
介護保険法210条の2により、205条の3の罪は日本国外で犯した者にも適用されます。対象は、厚生労働大臣から提供を受けた匿名介護保険等関連情報をみだりに他人に知らせたり不当な目的に利用したりする行為と、是正命令に従わない行為です。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(併科あり)で、210条の両罰規定により所属法人にも罰金が科されます。国外にいる間は公訴時効も停止します(刑事訴訟法255条1項)。
解説
日本の刑罰法規は、原則として日本国内で犯された罪にしか届かない(刑法1条)。だから、海外の研究機関に籍を置く人が現地の端末で介護データベースの中身を外部に流しても、原則論だけなら日本の刑罰は空振りする。介護保険法210条の2は、その原則に一点だけ穴を開けた条文である。205条の3の罪、すなわち厚生労働大臣から提供を受けた匿名介護保険等関連情報を、みだりに他人に知らせたり不当な目的に利用したりする行為(118条の7違反)と、厚生労働大臣の是正命令に従わない行為(118条の9違反)は、日本国外で犯した者にも適用される。あなたが研究者でも、解析を受託する事業者の担当者でも、作業場所がボストンでもシンガポールでも結論は変わらない。提供を受けた瞬間、あなたは日本の罰条を背負ったまま国境を越えることになる。しかも210条の両罰規定により、所属する法人にも罰金が科される。
法的な位置づけ
介護保険法210条の2は、同法205条の3に定める匿名介護保険等関連情報の不正開示・不当利用の罪および是正命令違反の罪について、日本国外で犯した者にも刑罰の適用を及ぼす国外犯処罰規定である。刑法1条の属地主義に対する特則であり、刑法8条ただし書にいう「特別の規定」として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法210条の2とは?
205条の3の罪(匿名介護データの不正開示・不当利用、是正命令違反)を、日本国外で犯した者にも適用する国外犯処罰規定です。
Q2匿名介護保険等関連情報とは何ですか?
介護保険の給付やサービス利用のデータを、特定の個人を識別できないよう加工した情報です。厚生労働大臣が研究者等に提供する仕組みがあります(118条の3)。
Q3介護 DB のデータを漏らしたら罰則は?
205条の3により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、併科もあります。210条の両罰規定で所属法人にも罰金が科されます。
Q4国外犯処罰規定とは何ですか?
日本国外で行われた犯罪にも日本の刑罰法規を適用する規定です。刑法は属地主義が原則のため、個別の法律で明示的に定める必要があります。
Q5海外クラウドで介護データを解析しても違法?
解析自体は提供申出の範囲内なら直ちに違法ではありません。ただし範囲外の者への開示や目的外利用があれば、国外でも205条の3の罪が問われえます。
Q6介護データ漏洩の時効はいつまで?
205条の3の罪の公訴時効は3年です。ただし犯人が国外にいる間は時効の進行が停止するため、海外滞在中は時効期間が消化されません。
Q7外国籍の研究者にも日本の罰則は及ぶ?
本条は「日本国外において同条の罪を犯した者」と定めており、国籍を限定していません。提供を受けたデータを扱う者であれば、条文上は対象となりえます。
Q8介護データの不正利用で会社も処罰される?
されえます。210条の両罰規定により、従業員が業務に関して205条の3の罪を犯した場合、行為者のほか法人にも罰金刑が科されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外の大学に移ったあとで漏らした場合、日本の警察は手が出せないんじゃないですか?
210条の2があるため、205条の3の罪は国外で犯しても処罰対象です。もっとも現実の捜査には国際捜査共助や身柄引渡しが要り、時間はかかります。実務のポイント:刑事訴訟法255条1項で、犯人が国外にいる間は公訴時効が停止します。つまり海外に居続けても3年の時効は消化されず、帰国して入国した日から再び動き出す。逃げ切りを前提にした沈黙が、最も不利な選択になる類型です
Q2うちの社員が海外拠点で勝手にやったことでも、会社に罰金が来るんですか?
来ます。210条の両罰規定は205条の2から206条の2までを対象としており、205条の3もその範囲です。行為者を罰するほか、法人にも各本条の罰金刑が科されます。実務のポイント:両罰規定の法人責任は、事業主の選任監督上の過失を推定する構造と解されています。アクセス権限台帳、再委託の承認記録、教育履歴が残っていれば、注意を尽くしたことの反証材料になる。事故が起きてから作った書類では間に合わない
Q3匿名化されたデータなのに、どうしてここまで重い扱いなんですか?
匿名でも、外部の情報と突き合わせれば個人が特定されうるからです。だから118条の4は照合を禁じ、118条の7はみだりな開示と不当な目的での利用を禁じ、その違反に205条の3が刑罰を付けています。実務のポイント:提供の際には社会保障審議会の意見を聴く手続があり(118条の3)、提供申出書に書いた利用目的と利用者の範囲が実質的な許可証になります。捜査でも監査でも、申出書の記載と実際の利用の差分が最初に見られる
間違えやすい点 AI による整理
- 「海外で処理すれば日本法の対象外か」という問いの立て方自体がずれている。本当に問うべきは、扱っているデータが205条の3の対象、つまり厚生労働大臣から提供を受けた匿名介護保険等関連情報かどうかである。対象であれば、処理場所は答えにならない
- 匿名化されているのだから漏れても軽い処分で済む、と考える人は多い。だが205条の3の法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、しかも併科できる。加えて210条の両罰規定により、行為者個人を罰するほか所属法人にも罰金が科される。始末書と再発防止報告書で終わる話ではない
- あなたから見れば「共同研究者に画面を見せただけ」である。法律から見れば、提供申出で認められた利用者の範囲外の人物に内容を知らせた行為であり、118条の7の「みだりに他人に知らせ」に該当しうる。この見え方の落差が、善意でやった人ほど無防備に線を越えさせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 210条の2:処罰の場所的範囲を国外に拡張 | 205条の3:処罰される行為と法定刑を定める実体規定 210条:法人・使用者にも罰金を科す両罰規定 |
| 誰が対象か | 日本国外で205条の3の罪を犯した者 | 118条の7・118条の9に違反した者 行為者が所属する法人・個人事業主 |
| 単独で処罰根拠になるか | ならない(205条の3と組み合わせて機能) | なる(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金) ならない(各本条の罰金刑を法人に及ぼす) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個資法で国外での台湾国民の個人資料の取扱いにも同法を適用すると定める。日本のように特定データベースに限った国外犯規定ではなく、法律全体の域外適用として構成される。
韓国は刑法総則で自国民の国外犯を一般的に処罰対象とするため、個別法ごとに国外犯規定を置く必要性が日本より小さい。
中国は国外での国内自然人の個人情報処理にも一定の場合に同法を適用する。データ保護法の域外適用という発想で、日本の刑罰規定の場所的拡張とは構造が異なる。
ドイツは刑法総則で一定の国外行為を処罰対象とする。データ保護違反は主に GDPR 上の行政制裁金で対応され、刑事罰は補充的である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、解析用の匿名介護データを海外の共同研究者の個人ノート PC に転送したら? 送信ボタンを押した場所が日本でも、受け取って中身を第三者に見せた行為地は国外である。210条の2は、その国外の行為者にまで205条の3を届かせる。
- あなたは受託解析会社の担当者で、納期に追われて処理の一部を海外拠点のエンジニアに投げた。提供申出書に書いた利用者の範囲には、その拠点の名前はない。範囲外の人間に中身を見せた時点で118条の7の「みだりに他人に知らせ」に触れうる。海外でやったから安全という発想が、そのまま起訴の理由になる
- 厚生労働大臣から是正措置命令(118条の9)が届き、履行期限は2週間後。海外の再委託先で誰がどのデータに触れたかログを洗い出す必要があるが、クラウドの監査ログ保存は90日。今日動かなければ、自社が命令に誠実に対応した証拠の方が先に消える。命令違反は205条の3第2号で、国外にいる担当者にも及ぶ
- 大学の研究室が介護 DB の提供を受け、留学中の院生が現地から解析環境に入って作業していた。指導教員は「学生は日本の法律の外にいる」と考えていたが、210条の2はその前提を否定する。さらに学生が個人として処罰されるだけでなく、法人としての大学にも罰金が及びうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提供申出の範囲外の人物や海外拠点に匿名介護データが渡った形跡を見つけたら、その時点でアクセスログ、送信履歴、共有リンクの権限設定を保全する。多くの環境でログ保存は90日前後で消える2. 厚生労働省の担当部局に情報提供する。118条の8の報告徴収・立入検査、118条の9の是正命令という行政ルートが先に動くことが多い3. 刑事告発を検討する場合は、行為地が国外でも210条の2により処罰可能である旨を告発状に明記する
訴えられた側:1. まず自分の行為が205条の3第1号(118条の7違反の開示・不当利用)なのか第2号(是正命令違反)なのかを切り分ける。両者は防御の中身が全く違う2. 提供申出書に記載した利用目的と利用者の範囲を取り寄せ、実際の共有相手と突き合わせる。範囲内であれば「みだりに」の要件を争える3. 是正命令が出ている段階なら、期限内に履行して第2号該当を止めるのが最優先4. 法人側は選任監督上の注意を尽くした記録を揃え、両罰規定の免責を主張する
時効(請求できる期限):205条の3の罪は長期5年未満の拘禁刑または罰金に当たるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。ただし犯人が国外にいる間はその期間、時効の進行が停止する(同法255条1項)。是正命令違反は命令の履行期限経過時が起算点となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:刑法8条により刑法総則は他の法令の罪にも適用されるが、その法令に特別の規定があればそれが優先する。本条は属地主義(刑法1条)を修正し、205条の3の罪の処罰範囲を国外の行為にまで拡張する特別の規定と位置付けられる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を拘禁刑に統合する刑法改正に伴い、本条が指す205条の3の法定刑が「一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金」に改められた。210条の2自体の文言は変わらないが、実際に適用される刑の呼称が変わっている
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:健康保険法等の一部を改正する法律により、匿名介護保険等関連情報の第三者提供制度(118条の3以下)と罰則が整備され、国外犯処罰規定も置かれた(令和2年10月施行)。
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法改正に伴う整理により、本条が指す205条の3の法定刑が懲役から拘禁刑に改められた(令和7年6月1日施行)。本条の文言自体は変わらない。
- 介護保険法 第205条の3国外犯とされる罪の実体規定
- 介護保険法 第118条の7みだりな開示・不当利用の禁止義務
- 介護保険法 第118条の9是正命令、その違反が処罰対象
- 介護保険法 第118条の3匿名介護保険等関連情報の提供の根拠
- 介護保険法 第210条両罰規定、法人にも罰金を科す
- 刑法 第1条属地主義の原則、国外犯には特則が必要
- 刑法 第8条他の法令の罪への総則適用と特則優先
- 刑事訴訟法 第255条国外滞在中の公訴時効の停止
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