介護保険法 第68条(医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止)
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- 市町村は、保険給付を受けることができる第二号被保険者である要介護被保険者等について、医療保険各法の定めるところにより当該要介護被保険者等が納付義務又は払込義務を負う保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。)又は掛金であってその納期限又は払込期限までに納付しなかったもの(以下この項及び次項において「未納医療保険料等」という。)がある場合においては、未納医療保険料等があることにつき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項、第四十二条の二第六項、第四十六条第四項、第四十八条第四項、第五十一条の三第四項、第五十三条第四項、第五十四条の二第六項、第五十八条第四項及び第六十一条の三第四項の規定を適用しない旨並びに保険給付の全部又は一部の支払を差し止める旨の記載(以下この条において「保険給付差止の記載」という。)をすることができる。
- 2.市町村は、前項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等が、未納医療保険料等を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る未納医療保険料等の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該保険給付差止の記載を消除するものとする。
- 3.第六十六条第四項の規定は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について準用する。
- 4.市町村は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。
- 5.市町村は、要介護被保険者等についての保険給付差止の記載に関し必要があると認めるときは、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者(当該要介護被保険者等が全国健康保険協会の管掌する健康保険の被保険者(健康保険法第三条第四項に規定する任意継続被保険者を除く。)若しくはその被扶養者又は船員保険の被保険者(船員保険法第二条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)若しくはその被扶養者である場合には、厚生労働大臣とし、当該要介護被保険者等が国民健康保険法の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「国民健康保険」という。)の被保険者である場合には、市町村とする。以下この条において同じ。)に対し、当該要介護被保険者等に係る医療保険各法の規定により徴収される保険料(地方税法の規定により徴収される国民健康保険税を含む。)又は掛金の納付状況その他厚生労働省令で定める事項について、厚生労働省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者に対し、情報の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止とは何ですか?
定義医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止とは、介護保険法第68条に定められた規定で、「市町村は、保険給付を受けることができる第二号被保険者である要介護被保険者等について、医療保険各法の定めるところにより当該要介護被保険者等が納付義務又は払込義務を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第68条(医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第68条の条文原文は「市町村は、保険給付を受けることができる第二号被保険者である要介護被保険者等について、医療保険各法の定めるところにより当該要介護被保険者等が納付義務又は払込義務を…」で始まります。
- 介護保険法第68条は第六節 保険給付の制限等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第68条の前の条は介護保険法第67条です。
- 介護保険法第68条の次の条は介護保険法第69条です。
- 介護保険法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法68条は、第二号被保険者に医療保険料(国民健康保険税を含む)の未納がある場合、市町村が被保険者証に差止の記載をし、介護保険給付の支払を一時差し止めることを定める。
Q · 介護保険料は払っているのに、なぜ介護サービスの給付が止まるの?
医療保険料の未納で、介護給付の支払が一時差し止められるためです
介護保険法68条により、40歳から64歳までの第二号被保険者が国民健康保険税などの医療保険料を納期限までに納めていない場合、市町村は被保険者証に「保険給付差止の記載」をすることができます。記載がされると、事業者への代理受領が使えなくなり、保険給付の支払が一時差し止められます(4項)。ただし災害などの特別の事情があれば記載されず、完納や未納額の著しい減少があれば記載は消除されます(2項)。
解説
40歳から64歳までの間に、あなたが介護保険のサービスを受ける立場になったとする。若年性認知症、脳血管疾患の後遺症、初老期のパーキンソン病。そういう形で第二号被保険者が要介護認定を受けることは、決して珍しくない。ところがそのとき、あなたが会社の健康保険ではなく国民健康保険に入っていて、保険料を滞納していたらどうなるか。介護保険法68条は、市町村があなたの被保険者証に「保険給付差止の記載」を打ち込み、介護サービス費の支払を一時的に止める権限を与えている。ここで見落とされがちなのは、止められる理由が「介護保険料の滞納」ではなく「医療保険料の滞納」だという点だ。別制度の未納が、介護給付という別の蛇口を閉める。しかも4項は「差し止めるものとする」と書かれており、記載がなされた以上、市町村に裁量の余地はほとんどない。逆に言えば、完納すれば2項で記載は消除される。押されたハンコは、消せる種類のハンコである。
法的な位置づけ
介護保険法68条は、第二号被保険者である要介護被保険者等に未納医療保険料等(国民健康保険税を含む)がある場合に、市町村が被保険者証の提出を求め、法定代理受領規定の不適用および保険給付の支払差止の旨を記載し、給付の支払を一時差し止める制度を定める規定である。災害その他の政令で定める特別の事情がある場合は除外され、完納等により記載は消除される。
手順
- 1.被保険者証の記載と根拠条文を確認する 被保険者証に保険給付差止の記載があるか確認し、根拠が68条(医療保険料の未納)か、66条・67条(介護保険料の滞納)かを市町村の介護保険担当に確認する。根拠によって解除の窓口が変わる
- 2.特別の事情があれば資料付きで申し出る 災害、事業の廃止・休止、著しい損失など政令で定める特別の事情に当たる可能性があれば、客観資料を添えて市町村に申し出る。記載前であれば1項但書で記載自体を回避できる余地がある
- 3.医療保険の窓口で納付相談・分割納付を取り決める 滞納している医療保険(国民健康保険等)の窓口に行き、納付計画を相談する。全額を一括で用意できなくても、未納額を著しく減少させれば2項の消除事由になりうる
- 4.完納・減少後に記載の消除を求める 完納または未納額の著しい減少に至ったら、納付を証明する書類を持って市町村の介護保険担当に記載の消除を求める。ケアマネジャー・事業所にも状況を共有し、支払方法を元に戻す調整を行う
よくある質問 AI による整理
Q1保険給付差止の記載とは何ですか?
市町村が被保険者証に、事業者への代理受領を適用しない旨と保険給付の支払を差し止める旨を書き込むものです。介護保険法68条1項が根拠です。
Q2国保税を滞納すると介護サービスは使えなくなる?
サービス自体の利用が禁止されるわけではありません。ただし給付の支払が差し止められるため、利用料をいったん全額自己負担で支払う形になりえます。
Q3介護保険 第二号被保険者 滞納 どうなる
医療保険料の未納があると、市町村から被保険者証の提出を求められ、保険給付差止の記載がされることがあります。災害等の特別の事情があれば除外されます。
Q4保険給付差止の記載を消してもらう方法は?
未納医療保険料等の完納、または未納額の著しい減少があれば、市町村は記載を消除するものとされています(68条2項)。分割納付も検討に値します。
Q5会社の健康保険に入っていても68条の対象になる?
条文上は医療保険各法の保険料または掛金が対象で、国保に限られません。ただし給与天引きの被用者保険では未納自体が生じにくいのが実情です。
Q6被保険者証の提出を求められたら拒否できる?
提出要求は68条1項に基づく手続です。拒否より、未納の理由となる災害・廃業・著しい損失などの事情を資料付きで早めに申し出るほうが実益があります。
Q7市町村は国保の納付状況をどうやって知るの?
68条5項により、市町村は加入先の医療保険者(協会けんぽ加入者は厚生労働大臣)に納付状況などの情報提供を求めることができます。
Q8差し止められた介護給付は後で受け取れる?
4項は「一時」差止と定めており、給付が当然に消滅するわけではありません。記載の消除後の取扱いは、差止額と未納分の関係を含め市町村に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1介護保険料はちゃんと払ってるのに、なんで給付が止まるんですか?
68条が止める根拠は医療保険料(国民健康保険税を含む)の未納であって、介護保険料の未納ではない。40歳から64歳までの第二号被保険者の介護保険料は医療保険料と一体で徴収されるため、医療保険料を滞納すると介護分も未納状態になるという制度的つながりがある。実務のポイント:65歳以上の滞納制裁は66条、67条、69条という別系統の条文で、給付率の引下げなど内容も違う。相談するとき「何歳か」を最初に伝えないと、窓口の説明が噛み合わないことがある
Q2「差止」ってことは、後から払ってもらえるんですか?それとも消えるんですか?
68条4項は「一時差し止める」と定めており、給付そのものが消滅するわけではない。2項により、完納または未納額の著しい減少、災害その他の特別の事情が認められれば記載は消除され、差し止められていた分の支払が再開される。実務のポイント:66条4項の準用(68条3項)により、差し止められた保険給付額から滞納分に充当される取扱いがある。放置するほど手元に戻る額が減る構造なので、早く動くほど有利
Q3収入が急に減って払えなくなった場合でも、容赦なく止められるんですか?
1項には「災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き」という除外がある。災害のほか、事業の廃止・休止、著しい損失などが政令上の特別の事情として整理されている。ただし自動的には適用されず、市町村が認めることが前提になる。実務のポイント:特別の事情は「言えば分かってもらえる」ものではなく、り災証明、廃業届、決算書など客観的な資料で裏付ける必要がある。窓口に行く前に何を持っていくかで、その日に結論が出るか出ないかが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険料さえ払っていれば介護サービスは受けられる」と考えるのが自然だが、68条は医療保険料(国民健康保険税を含む)の未納を理由に介護給付を止める。払っている制度と止まる制度が違うという、制度間をまたぐ設計になっている
- 滞納で給付が止まることは知っていても、止まる範囲の深刻度は理解されていない。1項が適用除外にする条文群(41条6項、46条4項、48条4項など)は、いずれも事業者が保険者から直接給付費を受け取る「法定代理受領」の根拠規定である。これが外れると、利用者はいったん全額を事業所に支払い、後から償還払いを請求する形になる。手元の現金が要る
- 第一号被保険者(65歳以上)と同じ仕組みだと思われがちだが、65歳以上の滞納制裁は介護保険料の滞納を理由とする別の条文群(66条、67条、69条)による。68条は第二号被保険者専用の、医療保険料連動型の規定である。年齢が変われば適用条文そのものが変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 68条:第二号被保険者(40〜64歳)である要介護被保険者等 | 67条:介護保険料を滞納する要介護被保険者等(主に第一号被保険者) 69条:介護保険料の徴収権が時効消滅した期間がある要介護被保険者等 |
| 発動の原因 | 医療保険料(国民健康保険税を含む)または掛金の未納 | 介護保険料の滞納 介護保険料の徴収権の消滅 |
| 措置の内容 | 被保険者証への保険給付差止の記載と、保険給付の支払の一時差止 | 保険給付の支払の一時差止 給付額の減額等(給付率の引下げ) |
| 解除・例外 | 災害等の特別の事情で除外、完納または著しい減少で記載消除(2項) | 特別の事情による除外規定あり 災害等の特別の事情による例外あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では健康保険について、支払能力がありながら保険料を納めない者への給付暫停の規定がある。長期照顧は税財源のため、日本のような保険料連動の差止はない
韓国では健康保険料の一定期間以上の滞納に対し保険給付を制限する規定がある。老人長期療養保険料は健康保険料と一体で徴収される点で日本の第二号被保険者と構造が近い
ドイツでは保険料滞納時に給付請求権が停止(Ruhen)する規定があるが、急性疾患の治療などは除外される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自営業で国民健康保険に入っていた58歳。脳梗塞で倒れ、要介護3の認定を受けた。ところが売上不振で国保税を1年半滞納していた。訪問介護とデイサービスの利用は始まったものの、給付費の支払が差し止められ、事業者への支払いが全額自己負担で立て替えになる。月20万円超の負担が家計を直撃する
- 市役所から「被保険者証を提出してください」という通知が届いた。何の話か分からず放置した。次に手元に戻ってきた保険証には見慣れない記載が入っていた。この提出要求が1項の入口であり、無視しても記載は進む。応答する機会が最初の分岐点だった
- もし、豪雨で自宅が浸水し、収入が止まって国保税を払えなくなったとしたら? 68条1項には「災害その他の政令で定める特別の事情」という除外規定がある。事業の廃止、休止、著しい損失も政令上の特別の事情に含まれうる。届け出ないまま黙っていると、この除外は適用されない
- あなたがケアマネジャーだとする。担当の第二号被保険者の被保険者証に見慣れない記載を見つけた。事業者への給付費支払いが止まる以上、サービス提供の継続可否を事業所と調整する必要がある。本人はまだ何が起きたか理解していない。残された時間は次の請求サイクルまで
取るべき行動
被害を受けた側:1. 給付が止まったら、まず被保険者証の記載内容を確認し、根拠が68条(医療保険料未納)か66条・67条・69条(介護保険料滞納)かを特定する。対処法が全く違う2. 68条であれば、滞納している医療保険(国保、健保など)の窓口へ直行し、納付相談と分割納付の合意を取る3. 災害、事業の廃止・休止、著しい損失などがあれば、政令で定める特別の事情として市町村に届け出る4. 完納または著しい減少に至った時点で、2項に基づく記載の消除を市町村に求める。差し止められていた給付は消除後に支払われる
訴えられた側:1. 市町村側の実務としては、被保険者証の提出要求と記載は厚生労働省令の定める手続に従う必要があり、特別の事情の有無の調査を省略できない2. 事業者の立場であれば、利用者の被保険者証に記載がある場合、法定代理受領が使えないため、利用者からの直接徴収と償還払いの説明を事前に書面で行う3. 記載は制裁ではなく納付を促すための一時差止であり、2項の消除要件を利用者に具体的に案内することが紛争回避になる
時効(請求できる期限):68条自体に期間の定めはなく、記載は未納が解消されるまで継続する。ただし市町村の処分に不服がある場合、介護保険審査会への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)。医療保険料の徴収権の消滅時効は各医療保険各法および地方税法の定めによる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定に伴い、第二号被保険者の医療保険料未納を理由とする保険給付の一時差止の仕組みが設けられた
- 介護保険法 第66条介護保険料滞納時の支払方法変更、4項を本条が準用
- 介護保険法 第67条介護保険料滞納による保険給付の一時差止
- 介護保険法 第69条徴収権消滅後の給付率引下げ等の措置
- 介護保険法 第41条居宅介護サービス費、6項の法定代理受領が適用除外に
- 介護保険法 第9条第二号被保険者の定義、本条の適用対象範囲
- 国民健康保険法 第76条国民健康保険料の賦課徴収、未納判定の前提
- 地方税法 第703条国民健康保険税、本条の未納対象に明示的に含まれる
- 行政不服審査法 第18条差止処分に対する審査請求期間
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