介護保険法 第66条(保険料滞納者に係る支払方法の変更)
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- 市町村は、保険料を滞納している第一号被保険者である要介護被保険者等(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付を受けることができるものを除く。)が、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項、第四十二条の二第六項、第四十六条第四項、第四十八条第四項、第五十一条の三第四項、第五十三条第四項、第五十四条の二第六項、第五十八条第四項及び第六十一条の三第四項の規定を適用しない旨の記載(以下この条及び次条第三項において「支払方法変更の記載」という。)をするものとする。
- 2.市町村は、前項に規定する厚生労働省令で定める期間が経過しない場合においても、同項に規定する政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、同項に規定する要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に支払方法変更の記載をすることができる。
- 3.市町村は、前二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が滞納している保険料を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る滞納額の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該支払方法変更の記載を消除するものとする。
- 4.第一項又は第二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が、当該支払方法の変更の記載がなされている間に受けた指定居宅サービス、指定地域密着型サービス、指定居宅介護支援、指定施設サービス等、指定介護予防サービス、指定地域密着型介護予防サービス及び指定介護予防支援に係る居宅介護サービス費の支給、地域密着型介護サービス費の支給、居宅介護サービス計画費の支給、施設介護サービス費の支給、特定入所者介護サービス費の支給、介護予防サービス費の支給、地域密着型介護予防サービス費の支給、介護予防サービス計画費の支給及び特定入所者介護予防サービス費の支給については、第四十一条第六項、第四十二条の二第六項、第四十六条第四項、第四十八条第四項、第五十一条の三第四項、第五十三条第四項、第五十四条の二第六項、第五十八条第四項及び第六十一条の三第四項の規定は適用しない。
この条文の基本情報
保険料滞納者に係る支払方法の変更とは何ですか?
定義保険料滞納者に係る支払方法の変更とは、介護保険法第66条に定められた規定で、「市町村は、保険料を滞納している第一号被保険者である要介護被保険者等(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給そ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第66条(保険料滞納者に係る支払方法の変更)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第66条の条文原文は「市町村は、保険料を滞納している第一号被保険者である要介護被保険者等(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給そ…」で始まります。
- 介護保険法第66条は第六節 保険給付の制限等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第66条の前の条は介護保険法第65条です。
- 介護保険法第66条の次の条は介護保険法第67条です。
- 介護保険法第66条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第66条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第66条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/66
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法66条により、保険料を一定期間滞納した第一号被保険者は被保険者証に支払方法変更の記載を受け、介護サービス費をいったん全額負担する償還払いとなる。
Q · 介護保険料を滞納していると、介護サービスは受けられなくなるの?
受けられる。ただし全額を立て替え、後で請求して戻す形になる
介護保険法66条により、保険料を納期限から省令の期間(実務上は一年)滞納すると、市町村は被保険者証に支払方法変更の記載をします。記載後はサービス費をいったん全額事業者に支払い、後から市町村に申請して負担割合に応じた分の払戻しを受けます。給付を受ける権利そのものは残ります。災害や生計維持者の長期入院などの特別の事情があれば発動せず、滞納保険料を完納すれば記載は消除されます。
解説
介護保険料の督促を放置したまま納期限から一年が過ぎると、市町村は被保険者証を提出させ、そこに一行の記載を入れる。「支払方法変更の記載」である。この一行が入った瞬間、デイサービスでも特別養護老人ホームでも、窓口でいったん全額を払うことになる。一割負担だった人が十割払う。月二十万円のサービスなら、その月に二十万円を用意しなければならない。後から市町村に申請すれば九割は戻るが、戻るまでの数か月、その現金は口座から消えている。ここで誤解してはいけない。66条は給付を受ける権利を奪う条文ではなく、キャッシュフローを人質に取る条文である。危険なのはその先だ。滞納が続けば67条で償還分の支払そのものが差し止められ、しかも差止額から滞納保険料が直接控除される。さらに保険料が二年で時効にかかれば69条の給付額減額が確定する。一段目なら、完納すれば市町村は記載を消除しなければならない。
法的な位置づけ
支払方法変更の記載とは、介護保険法66条に基づき、保険料を一定期間滞納した第一号被保険者である要介護被保険者等の被保険者証に市町村が付す記載をいう。記載がある間は、居宅介護サービス費等の法定代理受領の規定が適用されず、被保険者がサービス費用の全額を事業者に支払ったうえで市町村に保険給付を請求する償還払いとなる。
手順
- 1.滞納状況を年度別に把握する 被保険者証に支払方法変更の記載があるかと記載日を確認し、納付書と督促状を年度別に並べて未納額の一覧を作る。二年の時効が迫る年度分を特定する
- 2.特別の事情があれば記載前に申し立てる 災害、生計維持者の死亡・長期入院・重大な障害、事業の休廃止や著しい損失などがあれば、市町村窓口に申し立てて疎明資料を出す。市町村は職権では調べないため申立てが前提となる
- 3.古い年度分から納付・分納を始める 完納できるなら完納し記載消除を求める。無理なら分納誓約を結び、時効消滅が近い古い年度分から充当して69条の給付額減額を防ぐ
- 4.立て替えた費用の償還払いを申請する 全額を払った介護サービス費について、領収証等を添えて市町村に償還払いを申請する。67条の差止や滞納保険料の控除の通知がないかも書面で確認する
- 5.完納後に記載の消除を確認する 完納または滞納額の著しい減少を示したうえで、被保険者証の記載が消除されたことを確認し、ケアマネジャーと各事業所に負担割合が戻ったことを伝える
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険料を払わないとどうなる?
督促・延滞金のあと、滞納が一年続くと被保険者証に支払方法変更の記載がされ、介護サービス費をいったん全額払う償還払いになります(介護保険法66条)。
Q2介護保険料 滞納 何年で給付制限?
実務上、一年で償還払い(66条)、一年六か月で給付の一時差止(67条)、二年で時効消滅した期間分は給付額減額(69条)という三段階で進みます。
Q3支払方法変更の記載はいつ消える?
滞納保険料を完納したとき、または滞納額の著しい減少や災害等の特別の事情があると市町村が認めたとき、市町村は記載を消除しなければなりません(66条3項)。
Q4介護保険料の滞納は年金天引きの人にも関係ある?
年金から特別徴収されている人は滞納が生じにくく、事実上ほぼ当たりません。対象になりやすいのは納付書で払う普通徴収の人です。
Q5償還払いの申請はどこでする?
住所地の市町村の介護保険担当窓口に、事業者の領収証やサービス提供証明書を添えて申請します。請求権は二年で時効消滅するので早めに手続きしましょう。
Q6介護保険料の滞納 特別な事情とは?
政令で定める事情で、災害、生計を維持する者の死亡・重大な障害・長期入院、事業の休廃止や著しい損失などが典型です。申立てと疎明資料が必要です。
Q7介護保険料を分割で払うことはできる?
多くの市町村で分納相談に応じています。分納で滞納額が著しく減少すれば記載消除の事由になり得るので、早い段階で窓口に相談するのが有効です。
Q8親の介護保険料の滞納を子が払える?
第三者である家族が代わりに納付することは実務上可能です。時効が近い古い年度分から優先的に納めると、69条の給付額減額を避けやすくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1十割払えと言われたんですが、介護サービス自体は受けられるんですか?
受けられる。66条が外すのは41条6項などの法定代理受領(事業者が九割分を市町村から直接受け取る仕組み)だけで、給付を受ける権利は残っている。全額を払い、後から市町村に償還払いを申請すれば負担割合に応じた分が戻る。実務のポイント:事業者は被保険者証の記載を確認して十割を請求する義務がある。記載を見落として一割しか受け取らなかった小規模事業所は差額を回収できず自腹になるため、記載のある利用者の新規受け入れに慎重になる事業所が実在する。断られた理由が要介護度ではないことがある
Q2親が滞納していたのを施設入所のときに初めて知りました。今から全部払えば元に戻りますか?
二年以内の分なら戻る。完納すれば市町村は記載を消除する義務がある(66条3項、「するものとする」)。問題は二年を過ぎた分で、徴収権が時効消滅した期間は納付そのものができず、69条の給付額減額(自己負担の引き上げと高額介護サービス費等の不支給)が別に発動する。実務のポイント:時効消滅期間の長さに応じて減額される期間が決まる。滞納に気づいた日にまずやるべきは全額の工面ではなく、どの年度分が時効到達間近かの特定である
Q3「災害その他の特別の事情」って、災害以外に何が入るんですか?
政令が定めており、災害のほか、生計を維持する者の死亡・心身の重大な障害・長期入院、事業の休廃止や著しい損失といった類型が典型である。これに当たれば1項の記載も67条の差止も発動しない。実務のポイント:市町村はこの事情を職権では調査しない。申立てと疎明資料がなければ「特別の事情なし」として自動的に処理される。入院していた事実があるのに診断書を出さなかったというだけで記載が入る例は珍しくない
Q4十割払って償還払いを申請したのに、お金が振り込まれません。なぜですか?
67条による保険給付の支払の一時差止が重なっている可能性が高い。さらに同条3項により、市町村は事前通知のうえ差し止めた給付額から滞納保険料額を控除できる。つまり立て替えた九割分が保険料に充当され、現金では戻らない。実務のポイント:控除には事前通知が要件になっているため、通知の有無と控除額の内訳は必ず書面で確認する。充当された分だけ滞納は減っているので、完納までの残額計算をやり直すと消除が見えてくる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「まだ払っていないだけ」とあなたは思っている。だが法律から見れば、納期限からの省令期間の経過は市町村の裁量ではなく義務発動の引き金である(1項は「するものとする」)。窓口の担当者が事情に同情しても、特別の事情の認定を経ないかぎり記載を止める権限はない。この落差が、相談の遅れを致命傷に変える
- 償還払いになるだけだと知っている人は多い。だが67条3項まで読んでいる人はほとんどいない。支払が一時差し止められた保険給付の額から、滞納している保険料額が直接控除される。十割を立て替えた後、戻るはずの九割が保険料に充当されて手元には来ない。深刻度の見積もりが一桁違っている
- 「いつ払えば許してもらえるか」という問いの立て方そのものが誤っている。66条の記載は完納すれば確実に消える。しかし保険料の徴収権は二年で時効消滅し(200条1項)、消滅した期間分は納めたくても納められず、69条の給付額減額だけが残る。問うべきは「どの年度分から先に納めるか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の内容 | 66条:支払方法変更の記載(償還払い化) | 67条:保険給付の支払の一時差止・滞納保険料の控除 69条:給付額減額(自己負担の引上げ等) |
| 発動の目安 | 納期限から省令期間の経過(実務上一年) | 省令期間の経過(実務上一年六か月) 保険料徴収権が時効消滅した期間がある場合 |
| 給付を受ける権利 | 残る(立替後に払戻し) | 残るが支払が止まり保険料に充当され得る 減額が期間中確定する |
| 回復方法 | 完納・滞納額の著しい減少・特別の事情で記載消除 | 滞納保険料の納付で差止解除 時効消滅分は納付できず、減額期間の経過を待つ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は医療保険で滞納時の給付暫停を定めるが、弱者保護のため運用は大きく制限されている。長期照顧は租税財源で保険料滞納の問題自体が生じない
韓国の老人長期療養保険は健康保険と一体で徴収され、滞納時の給付制限も健康保険のルールと連動する
ドイツは保険料滞納時に給付を停止する規定を置くが、緊急の治療など不可欠な給付は除外される設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、親の被保険者証に見慣れない一行が印字されていたら? ケアマネジャーはそれを見て、その日のうちに各事業所へ「この方は十割です」と連絡する。家族が気づくのは、翌月の請求書が桁違いになったときだ。介護を止めるか、貯金を崩すかの二択を、説明なしに突きつけられる
- 訪問介護事業所の管理者として新規利用者の被保険者証を確認する。支払方法変更の記載を見落として一割だけ請求すれば、残る九割は誰からも回収できない。確認漏れの損は事業所がかぶる
- 最初の納期限から十一か月目。あと一か月で市町村は記載を「するものとする」義務を負う(66条1項)。今なら窓口で分納の相談や特別の事情の申立てをして発動そのものを止められるが、記載後は完納か滞納額の著しい減少まで消えない(同3項)
- 年金が年額十八万円未満で、保険料は納付書で自分で払っていた。入院と転居が重なって数期分を落としたまま忘れていた。要介護2の認定が下りた日、窓口で告げられたのは一割ではなく全額だった。要介護認定に通ることと、一割で使えることは別の話である
- 一人暮らしの近所の高齢者から「施設に入ろうとしたら全額と言われた」と相談された。あなたが最初に確認するのは所得でも要介護度でもなく、滞納がどの年度分から始まっているかだ。二年より前の分が混じっていれば、話は66条ではなく69条になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被保険者証の記載の有無と、記載日を確認する2. 納付書と督促状を年度別に並べ、どの年度分がいくら残っているかを一覧にする3. 二年の時効が迫る古い年度分から優先して納付、完納できれば市町村は記載を消除する義務を負う(3項) 4. 完納が無理でも「滞納額の著しい減少」は消除事由なので、分納実績を作って市町村と交渉する5. 立て替えた十割分の償還払い申請を忘れない、この請求権も二年で時効消滅する(200条1項)
訴えられた側:1. 災害、生計を維持する者の死亡・長期入院・重大な障害、事業の休廃止や著しい損失があれば、政令の特別の事情として直ちに申し立てる。市町村は職権で調べてくれない2. 記載処分に納得できない場合は介護保険審査会への審査請求を検討(183条。66条の処分が明文列挙されていないため、対象性の解釈には実務上争いの余地がある) 3. 並行して分納誓約を結び、67条の支払差止まで進ませない4. 事業者側なら、被保険者証の記載確認を新規契約時の必須手順に組み込む
時効(請求できる期限):納期限から厚生労働省令で定める期間の経過で1項の記載が義務化される(実務上は一年、67条の支払差止は一年六か月として運用されている。最新の改正状況をご確認ください)。保険料の徴収権および保険給付を受ける権利はいずれも行使できる時から二年で時効消滅する(200条1項)。記載処分を争う審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から三か月以内(行政不服審査法18条1項)
学説
制度趣旨に関する一般的理解:66条は給付を受ける権利を奪うのではなく支給方法を変更するにとどまり、強制加入保険の納付秩序と要介護者の介護アクセスを両立させる段階的措置の第一段と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定により、保険料滞納者に対する支払方法変更の記載として新設(平成12年施行)
- 2.平成17年(2005年) 改正:地域密着型サービスおよび介護予防給付の創設に伴い、適用除外の対象となる法定代理受領規定の列挙が拡大された
- 介護保険法 第41条6項の法定代理受領、本条が適用を外す対象
- 介護保険法 第67条次段階の支払一時差止と滞納保険料の控除
- 介護保険法 第68条第二号被保険者に対する同型の給付差止
- 介護保険法 第69条時効消滅期間に応じた給付額減額の特例
- 介護保険法 第183条介護保険審査会への審査請求の受け皿
- 介護保険法 第200条保険料徴収権と給付請求権の二年時効
- 国民健康保険法 第9条医療保険での資格証明書交付、同型の滞納措置(現行効力を要確認)
- 行政不服審査法 第18条記載処分を争う審査請求期間の定め
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