介護保険法 第65条
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市町村は、介護給付等を受ける者が、正当な理由なしに、第二十三条の規定による求め(第二十四条の二第一項第一号の規定により委託された場合にあっては、当該委託に係る求めを含む。)に応ぜず、又は答弁を拒んだときは、介護給付等の全部又は一部を行わないことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第65条は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第65条の条文原文は「市町村は、介護給付等を受ける者が、正当な理由なしに、第二十三条の規定による求め(第二十四条の二第一項第一号の規定により委託された場合にあっては、当該委託に係る求…」で始まります。
- 介護保険法第65条は第六節 保険給付の制限等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第65条の前の条は介護保険法第64条です。
- 介護保険法第65条の次の条は介護保険法第66条です。
- 介護保険法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法65条により、正当な理由なく市町村の文書提出等の求めに応じない介護サービス利用者は、介護給付等の全部又は一部を止められることがある。
Q · 市役所から届いた介護保険の書類提出の求めを無視したら、どうなるの?
罰金はないが、介護給付の全部又は一部を止められることがある
介護保険法65条により、介護給付等を受ける人が正当な理由なく23条の文書提出等の求めに応じない場合、又は答弁を拒んだ場合、市町村は介護給付等の全部又は一部を行わないことができます。止めるかどうか、どこまで止めるかは市町村の裁量です。入院や認知症などで応じられない事情は「正当な理由」になり得るため、期限内に市町村へ連絡して記録に残すことが重要です。
解説
市役所から届いた封筒に「文書提出のお願い」とある。命令ではなく、お願いだ。介護保険法23条は市町村に「求め、若しくは依頼し」とだけ書いていて、24条のような報告「命令」の権限は与えていない。だから無視しても罰金は一円もかからない。208条の30万円以下の罰金は、厚生労働大臣か都道府県知事が出す24条2項の報告命令を拒んだ場合の話で、市町村の23条の求めには刑事罰が一切ぶら下がっていない。その空白を埋めるために置かれているのが65条だ。正当な理由なしに応じず、または答弁を拒めば、市町村は介護給付等の全部または一部を行わないことができる。訪問介護もデイサービスも福祉用具貸与も、1割(所得により2割・3割)だった自己負担が、丸ごと10割になる。罰金を取らない代わりに、生活の側を止める構造である。ただし条文は「行わないことができる」と書く。これは裁量処分(役所が状況を見て重さを決められる処分)であり、争える余地はまさにそこにある。
法的な位置づけ
介護保険法65条は、同法23条に基づく市町村の文書提出等の求めに対し、介護給付等を受ける者が正当な理由なく応じない場合又は答弁を拒んだ場合に、市町村が介護給付等の全部又は一部を行わないことを認める裁量的な給付制限規定である。24条の2により委託を受けた法人が行う求めも対象に含まれる。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法65条とは何ですか?
市町村の文書提出等の求め(23条)に正当な理由なく応じない介護サービス利用者に対し、市町村が介護給付等の全部又は一部を行わないことができるとする規定です。
Q2介護保険の給付制限とは?
一定の事由がある場合に市町村が介護給付を行わない、又は減らす措置です。調査拒否(65条)、故意の犯罪行為等(64条)、保険料滞納(66条以下)など、根拠ごとに要件と効果が異なります。
Q3介護保険 調査 拒否 できる?
拒否しても刑事罰はありません。ただし正当な理由がなければ、65条により介護給付等を止められる可能性があります。応じられない事情があれば市町村に伝えておくべきです。
Q4介護給付を止められたら自己負担はどうなる?
給付が行われない範囲では、通常1割から3割の自己負担が実質10割になります。66条の支払方法変更と違い、後から9割分が戻ってくる仕組みではありません。
Q5介護保険の給付制限 不服申立て いつまで?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、都道府県の介護保険審査会へ審査請求します(183条、192条)。正当な理由があれば期間経過後も認められる余地があります。
Q6介護保険の給付制限処分は違法?
65条自体は適法な制度ですが、正当な理由を無視した場合や、理由の提示を欠いた場合、全部停止が重すぎる場合などは、違法として取り消される余地があります。
Q7委託法人の職員に回答を拒否しても給付制限される?
されうります。65条は24条の2第1項第1号により委託された法人が行う求めも対象に含めています。相手の身分と委託元の市町村名を確認したうえで対応しましょう。
Q8ケアマネや介護事業所が調査を拒否したらどうなる?
65条の対象は介護給付等を受ける者だけで、事業者には適用されません。事業者側は76条の報告・立入検査や、指定取消しなど別の枠組みで扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1返事をしなかったら、いきなり介護サービスが止まるんですか?
条文は「行わないことができる」であって、自動的に止まるわけではありません(65条)。実務上は督促、事情確認、弁明の機会を経て処分に至ります。実務のポイント:行政手続法の適用除外(同法3条3項)は、地方公共団体の処分でも根拠が条例や規則に置かれているものに限られます。65条は法律に根拠があるので除外されません。理由の提示も弁明の機会もないまま止められた通知が届いたら、それ自体が争う材料になります。
Q2処分に納得できないんですが、すぐ裁判を起こせますか?
できません。介護保険法196条が審査請求前置を定めており、介護保険審査会の裁決を経ない取消訴訟は却下されます。まず都道府県に置かれた審査会へ、3か月以内に文書または口頭で(183条、184条、192条)。実務のポイント:要介護認定以外の事件を扱う合議体には、被保険者を代表する委員が必ず入ります(189条1項)。市町村の言い分だけで結論が出る場になっていない、という点は主張の組み立てに効きます。
Q3本人が認知症で答えられない場合も「答弁を拒んだ」ことになりますか?
答えられない状態は、65条の「正当な理由」にあたる典型です。ただし市町村がその事情を知らなければ、記録上は無応答としか残りません。実務のポイント:23条には回答期限が書かれていません。期限のない求めに沈黙した場合、いつから拒否と評価するかは市町村の運用次第で、ここは実務上の解釈が分かれています。家族が一報を入れて記録に残すことが、法律論より先に効く防御になります。
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰せられるのか」を調べている時点で、問いの立て方が外れている。23条の求めを断っても刑事罰はない。本当に問うべきは「止まった給付を取り戻すのに何か月かかり、その間の自己負担を誰が立て替えるのか」である。答えは、審査請求と裁決を経て数か月、その間の費用は自腹だ。
- 保険料を滞納したときのペナルティと同じだと思われがちだが、中身はまったく違う。66条の支払方法変更は、いったん全額払っても最終的に9割が戻ってくる立替払い化にすぎない。65条は給付そのものを行わない処分であり、払った分は戻らない。似た顔をして、片方は資金繰りの問題、もう片方は損失の確定である。
- あなたから見れば「まだ答えていないだけ」でも、市町村の記録上は「答弁を拒んだ」と評価されうる。23条には法定の回答期限が書かれておらず、いつから拒否とみなすかは各市町村の運用に委ねられている。実務上、この評価の分かれ目は解釈が固まっておらず、争点になりやすい。落差を埋めるのは、返事ではなく連絡の記録だ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制限の原因 | 65条:正当な理由なく23条の文書提出等の求めに応じない、又は答弁を拒否 | 64条:故意の犯罪行為・重大な過失等により要介護状態等を生じさせた、又は悪化させた 66条:第1号被保険者の保険料滞納 |
| 効果 | 介護給付等の全部又は一部を行わない | 当該要介護状態等を支給事由とする介護給付等の全部又は一部を行わない 支払方法の変更(いったん全額を支払い、後で償還を受ける) |
| 市町村の裁量 | 「行わないことができる」裁量処分 | 「行わないことができる」裁量処分 滞納期間等の要件と特別の事情の有無によって判断 |
| 利用者の最終的な損失 | 制限された範囲の給付は受けられず、費用は戻らない | 制限された範囲の給付は受けられず、費用は戻らない 原則として保険給付分は償還されるため、主に資金繰りの負担 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は長期介護を税財源のサービスとして提供しており、保険給付制限という形の直接的な対応規定はない
韓国の老人長期療養保険でも、正当な理由なく調査や資料提出の要求に応じない場合に長期療養給付を制限できる仕組みがある
ドイツでは社会給付全般について申請者の協力義務を定め、協力がない場合は給付を拒否又は停止できる。事前の書面警告を要件とする点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、その封筒が認知症の父親本人あてに届き、家族の誰も存在に気付かないまま返信期限だけが過ぎていたら? 市町村の記録には「応答なし」としか残らない。本人が答えられない状態であることは、家族が申し出ない限り誰も市に伝えない。正当な理由は、主張して初めて理由になる。
- 玄関に来たのは市の職員ではなく、見慣れない法人の名刺を持った人だった。24条の2で市町村は23条の事務を民間法人に委託できる。その職員への回答拒否も、65条の引き金になる。
- 返送期限まであと5日、必要な領収書とサービス利用票が見つからない。ここで黙っているのが最悪の一手になる。「探しているが期限内には揃わない」と電話して記録に残せば、それは非協力ではなく協力の途中経過として残る。沈黙だけが、拒否と読まれる。
- あなたがケアマネジャーや訪問介護事業所の側で、同じ23条の求めを断ったとする。65条はあなたには届かない。65条の名宛人は「介護給付等を受ける者」だけだからだ。代わりに事業者側へ来るのは76条の立入検査であり、その先の指定取消しである。同じ一枚の紙を断っても、誰が断ったかで落ちてくる制裁がまったく違う。
取るべき行動
被害を受けた側:給付制限の処分を受けた側の手順。1. 通知書を捨てずに保管し、理由の記載と根拠条文(65条か、保険料滞納の66条から69条か)を確認する。2. 応じられなかった事情(入院、認知症、家族の不在、書類の保管先不明)の裏付けを集める。診断書、入院記録、通話履歴が効く。3. 処分を知った日の翌日から3か月以内に、都道府県の介護保険審査会へ審査請求する(183条、192条)。4. 全部停止なのか一部なのか、比例が取れているかを裁量権の逸脱濫用として具体的に主張する。
訴えられた側:まだ求めの段階にいる側、または拒否と評価されそうな側の手順。1. 期限内に応じられないなら、応じない旨ではなく「いつなら応じられるか」を電話で伝え、担当者名と日時をメモする。2. 求めの範囲が広すぎると感じたら、何の給付についての確認かを書面で照会する。23条は保険給付に関して必要な範囲に限られている。3. 委託法人の職員が来た場合は、身分と委託元の市町村名を確認する。4. 一部でも提出できる資料は先に出す。全面拒否と部分協力では、裁量処分の重さが変わる。
時効(請求できる期限):審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(介護保険法192条、正当な理由を疎明した場合は例外)。介護保険審査会の裁決を経なければ取消訴訟は提起できない(同196条の審査請求前置)。裁決後の取消訴訟は、裁決があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条1項)。なお保険給付を受ける権利自体は、行使できる時から2年で時効消滅する(同200条)。
学説
通説的理解:65条は保険給付の適正な確認を担保するための間接強制の手段であり、「正当な理由」と「全部又は一部」の文言により、制限は確認目的に必要な範囲にとどめるべきものと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定により新設(2000年4月施行)。市町村の文書提出等の求めに応じない場合の給付制限を定めた。
- 介護保険法 第23条制限の前提となる文書提出の求め
- 介護保険法 第24条の2求めを民間法人へ委託する根拠
- 介護保険法 第64条故意犯罪等によるもう一つの裁量的給付制限
- 介護保険法 第183条給付制限処分に対する審査請求先
- 介護保険法 第196条取消訴訟の審査請求前置
- 行政手続法 第13条不利益処分前の意見陳述手続
- 行政手続法 第14条処分理由の提示義務
- 行政事件訴訟法 第14条裁決後の取消訴訟の出訴期間
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