感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の28(事故届)
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特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、その所持する特定病原体等について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を警察官又は海上保安官に届け出なければならない。
この条文の基本情報
事故届とは何ですか?
定義事故届とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28に定められた規定で、「特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、その所持する特定病原体等について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を警察…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28(事故届)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28の条文原文は「特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、その所持する特定病原体等について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を警察…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28は第四節 所持者等の義務に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の29です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の28 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の28(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法56条の28は、特定病原体等の所持者や滅菌譲渡義務者に対し、盗取・所在不明等の事故が生じたとき、遅滞なく警察官又は海上保安官へ届け出る義務を課している。
Q · 研究室の病原体が行方不明になったら、どこに届け出ればいいの?
遅滞なく警察官か海上保安官へ届け出る
感染症法56条の28により、特定病原体等所持者と一種・二種滅菌譲渡義務者は、所持する特定病原体等に盗取、所在不明その他の事故が生じたとき、遅滞なく警察官又は海上保安官に届け出なければなりません。犯人の有無や原因調査の完了は要件ではなく、台帳と現物の不一致を把握した時点で義務が生じます。所管官庁への他の届出義務はこれとは別に残ります。
解説
炭疽菌やエボラウイルスの入ったバイアルが一本、研究室の冷凍庫から消えた。あなたが管理責任者なら、最初に電話すべき相手は誰か。保健所ではない。警察官、あるいは海上保安官である。感染症法56条の28はそう定める。多くの研究者は「感染症のことだから厚生労働省か都道府県に報告」と反射的に考えるが、本条が指定した届出先は治安機関だ。理由は単純で、特定病原体等の盗取や所在不明は、公衆衛生の事故である前に、生物テロの兆候として扱われているからである。しかも条文の義務者は「特定病原体等所持者」だけではない。滅菌譲渡義務者、つまり許可が失効したり廃止したりして病原体を処分する立場に移った者も含まれる。手を引いたつもりの段階でも、届出義務は残る。期限は「遅滞なく」、つまり合理的な理由のない遅れは、それ自体が違反になる。
法的な位置づけ
感染症法56条の28は、特定病原体等の事故届出義務を定める規定である。特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、所持する特定病原体等について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なくその旨を警察官又は海上保安官に届け出なければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所在不明・盗取の把握時刻を記録 台帳と現物の不一致や盗難の兆候を把握した時点の日時を分単位で記録する。これが「遅滞なく」を判断する起点になる
- 2.警察官又は海上保安官へ届出 原因調査の完了を待たず、陸上なら警察(110番や最寄り警察署)、海上輸送中なら海上保安官へ届け出る。応対者の所属・氏名・時刻を記録する
- 3.証拠の保全 入退室ログ、防犯カメラ映像、滅菌記録、運搬記録を、上書きや消去が起きる前に保全する
- 4.所管側の手続を別経路で確認 警察への届出で他の義務が済むわけではない。感染症法上の所管官庁向けの届出や報告の要否を別に確認し、並行して処理する
よくある質問 AI による整理
Q1特定病原体等とは何ですか?
感染症法が生物テロ対策として所持や運搬を規制する病原体と毒素の総称です。危険度に応じて一種から四種に区分され、種別ごとに禁止・許可・届出などの規制がかかります。
Q2病原体 紛失 届出先はどこ?
盗取や所在不明を含む事故は、感染症法56条の28により警察官又は海上保安官へ届け出ます。保健所や厚生労働省ではない点に注意が必要です。
Q3病原体の事故届 いつまでに出す?
条文上の期限は「遅滞なく」です。日数の定めはありませんが、原因調査の完了を待つことは正当な理由にならないと考えられており、把握した時点で直ちに動く必要があります。
Q4病原体の事故届は電話でもできる?
条文は届出の方式を限定していません。まず電話等で速やかに届け出て、応対者の所属・氏名・時刻を記録しておくのが実務上安全です。
Q5滅菌譲渡義務者とは?
許可の失効や取消し、施設廃止などにより、所持していた特定病原体等を滅菌するか譲り渡す義務を負う者です。この段階でも本条の事故届出義務は残ります。
Q6運搬委託中の病原体紛失は誰が届け出る?
本条の義務者は所持者側です。運搬業者に委託していても、届出義務が委託元から消えるわけではありません。海上輸送中であれば届出先は海上保安官も選択肢になります。
Q7病原体の届出を怠ると違法?
本条の届出義務に違反した状態になります。具体的な罰則の内容は感染症法の罰則規定によるため、最新の改正状況を確認してください。行政処分とは別に判断されます。
Q8在庫の数え間違いでも届け出るべき?
把握時点で所在不明であれば届出義務が生じます。後で計数ミスと判明しても、届け出たこと自体が不利になる構造ではなく、届出の遅れのほうが問題視されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1台帳と数が合わないだけで、本当に警察に電話しないとダメなんですか?
条文が「盗取、所在不明その他の事故」と並べているため、犯人の存在を問わず所在不明の事実だけで届出義務が立ち上がる(56条の28)。原因が計数ミスだったと後で判明しても、届け出たこと自体が不利に扱われる構造にはなっていない。実務のポイント:実務で重い処分を受けるのは紛失した施設ではなく、把握から届出までの空白が記録に残った施設である。「調べてから」で作った数日の空白が、紛失そのものより問題にされる
Q2もう許可を返して処分中なんですが、まだ義務があるんですか?
ある。本条の義務者には一種滅菌譲渡義務者・二種滅菌譲渡義務者が明記されており、許可の失効・取消し後に滅菌または譲渡の義務を負う立場でも届出義務は継続する(56条の28)。実務のポイント:撤退フェーズこそ管理が緩む。担当者の異動、設備の撤去、台帳の凍結が重なり差異が出やすい時期に、義務だけが残っている。廃止手続のチェックリストに本条を一行入れておくかどうかで差が出る
Q3警察に届け出たら、厚生労働省への報告はもうしなくていいんですよね?
別である。本条は盗取・所在不明等の事故について警察官または海上保安官への届出を定めるのみで、感染症法が所持者に課す他の届出・報告義務(所持の届出、変更、廃止等)を代替しない。実務のポイント:事故後の処分理由書で頻出するのが「警察には届けたが所管官庁への対応が欠けていた」という類型。回路が二本あると知っている担当者だけが、両方を同日に処理する
間違えやすい点 AI による整理
- 「感染症法の届出だから保健所か厚生労働省へ」という前提そのものが誤っている。本条の届出先は警察官または海上保安官であり、厚生労働大臣への事故届(施設基準・管理体制関連の報告)とは別経路。問いを「どの役所か」ではなく「盗取・所在不明か、それ以外か」で立て直さないと、届出先を間違える
- 盗取の届出義務を知っている担当者でも、「所在不明」が同じ重さで並列されていることの深刻度を見落としている。条文は「盗取、所在不明その他の事故」と書く。つまり犯人がいなくても、台帳と現物が合わないという事実だけで警察への届出義務が立ち上がる。在庫管理のミスと犯罪の境界は、届出義務のレベルでは引かれていない
- 「原因が分かってから届け出るのが誠実な対応」と考える施設が多いが、法律から見れば逆である。あなたから見れば調査は正確性の担保だが、法律から見れば遅滞そのものが違反状態だ。この落差が、事故対応で誠実だったはずの施設を違反者に変える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 56条の28:盗取・所在不明等の事故発生時の届出 | 56条の3:一種病原体等の所持等の原則禁止 56条の6:二種病原体等の所持の許可制 |
| 相手方 | 警察官又は海上保安官(治安機関) | 厚生労働大臣による指定等の枠組み 厚生労働大臣の許可 |
| 作動の時点 | 事故発生後、遅滞なく | 所持の前(事前規制) 所持の前(事前許可) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は衛生主管機関による感染性生物材料の管理体系の中で紛失時の通報を定める。日本のように治安機関を直接の届出先とする構造かは要確認
ドイツは病原体を扱う活動を許可制とする。紛失時の治安機関への届出の具体的な構造は要確認
米国の Select Agent 規則は盗難・紛失・漏出を CDC 又は APHIS へ直ちに報告させ、盗難等は法執行機関への報告も求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の BSL-3施設で在庫照合をしたら、二種病原体のバイアルが台帳と一本合わない。学内規程では「まず研究科長に報告、事実確認後に対外連絡」となっている。だがこの手順を踏んでいる間に「遅滞なく」の要件が崩れる。所在不明を把握した時点で届出義務は発生しており、原因調査の完了を待つ権限は条文上どこにも与えられていない
- もし、退職する研究員が無断で菌株を持ち出していたことが半年後に判明したら、誰が届け出るのか。届出義務者は所持者、つまり施設側である。持ち出した本人ではない。しかも「半年前の事故」であっても、把握した時点から遅滞なく届け出る義務が生じる。隠した側が罰せられ、持ち出した個人の責任追及とは別軌道で進む
- 輸送中の事故。病原体を積んだ車両が高速道路で横転し、容器の一部が所在不明になった。運搬を委託していても、所持者としての届出義務は委託元に残る。海上輸送中であれば届出先は海上保安官になる。この届出先の切り替えを把握していない担当者は、深夜に「どこに電話すればいいのか」で2時間を失う
- 許可を返上して病原体を全量滅菌処分する手続中、滅菌記録と現物の数が合わない。あなたはもう「所持者」ではないと考えていたが、滅菌譲渡義務者として本条の対象に入っている。あと数日で廃止届の期限、その前にこの一本の不足を届け出るかどうかの判断を迫られる
- 友人が勤める製薬会社で、研究員が「培養液を少し家に持ち帰った」と軽口を言ったと相談された。それが特定病原体等なら、会社には届出義務が、本人には別途の罰則が待っている。あなたが三分で説明できるかどうかで、その会社が隠蔽側に回るか報告側に回るかが分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 所在不明または盗取を把握した日時を分単位で記録、これが「遅滞なく」の起算点になる2. 原因調査の完了を待たず、警察官(陸上)または海上保安官(海上輸送中)へ届出、電話でも可。応対者の所属・氏名・時刻を記録3. 並行して施設内の立入記録、防犯カメラ、入退室ログ、滅菌記録を保全。上書き消去される前が勝負4. 厚生労働大臣・都道府県への管理体制関連の報告は別経路として整理、警察届出で済んだと誤認しない
訴えられた側:1. 届出遅延を指摘された場合、争点は「いつ事故を把握したか」。把握日時と届出日時の差を、客観記録(メール、照合記録、カメラ)で立証する2. 把握が遅れた理由が制度的なもの(台帳運用の構造的欠陥)であれば、故意の隠蔽ではないことを改善計画とともに示す3. 譲渡義務者の立場であれば、自分がどの時点で義務者に該当したかを許可廃止・失効の日付で確定させる4. 行政処分と刑事責任は別軌道で進むため、弁護士(刑事側)と行政手続の対応を同時に走らせる
時効(請求できる期限):届出期限は「遅滞なく」、つまり事故を把握した時点から、合理的な理由のない遅れを許さない。日数の明示はなく、調査完了を待つことは正当な理由にならないと解されている。なお本条違反の罰則および関連する公訴時効については、最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:感染症法改正により特定病原体等の所持・運搬等の規制体系が導入され、その一環として盗取・所在不明等の事故時に警察官又は海上保安官へ届け出る義務が設けられた
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の3一種病原体等の所持禁止の原則規定
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の6二種病原体等の所持許可制
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の19特定病原体等の運搬に係る規制
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の27事故時の応急措置義務との役割分担
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の29病原体等の災害時における届出等の関連規定(現行効力を要確認)
- 刑法 第235条病原体の盗取行為自体を処罰する一般規定
- 放射性同位元素等の規制に関する法律 第33条危険物質の盗取・所在不明時の警察届出の並行モデル(現行効力を要確認)
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