事業者に対し、消費者が後見開始、保佐開始又は補助開始の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する消費者契約(消費者が事業者に対し物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものを提供することとされているものを除く。)の条項は、無効とする。
要点消費者契約法 8 条の 3 は、後見開始・保佐開始・補助開始の審判を受けたことのみを理由に事業者へ解除権を与える契約条項を無効とする。消費者が提供側となる契約は適用除外である。
Q · 契約書に「後見人がついたら解約できる」と書いてあったら、その解約は有効なの?
後見開始のみを理由とする解除条項は無効です
消費者契約法 8 条の 3 により無効です。同条は、消費者が後見開始・保佐開始・補助開始の審判を受けたことのみを理由として事業者に解除権を与える消費者契約の条項を無効と定めます(2019 年 6 月 15 日施行)。強行規定であるため、契約書に明記されていても、消費者が署名して同意していても効力は生じません。ただし、消費者が事業者へ物品・権利・役務を提供する側の契約は適用除外です。また家賃滞納など後見開始以外の具体的な債務不履行を理由とする解除まで否定されるわけではありません。
親が認知症と診断され、家庭裁判所が成年後見人を選任した。その審判の通知が届いて間もなく、賃貸アパートの大家から一通の書面が届く。「契約書第○条に基づき本契約を解除します」。かつてこの手の条項は当たり前のように契約書へ埋め込まれ、後見開始を引き金に高齢者や障害のある人が住まいやサービスから静かに締め出されてきた。消費者契約法8条の3は、2019年6月からこれを正面から否定する。後見開始、保佐開始、補助開始の審判を受けたこと「のみ」を理由に事業者へ解除権を与える条項は、無効。契約書に堂々と書いてあっても、法的にはゼロだ。あなたが押さえておくべきは二点。第一に、無効とは「初めからなかったこと」であり、いつでも主張できる。第二に例外があり、消費者が事業者へ物品や役務を提供する側の契約は対象外。つまり厚く守られるのは、あなたが受け取る側の契約である。
消費者契約法 8 条の 3 は、後見開始・保佐開始・補助開始の審判を受けたことのみを理由に事業者へ解除権を与える消費者契約の条項を無効とする規定である。消費者が事業者に対し物品、権利、役務その他の目的となるものを提供する契約は適用除外とされる。平成 30 年改正で新設され、令和元年 6 月 15 日に施行された。
後見開始・保佐開始・補助開始の審判を受けたことのみを理由に、事業者へ契約の解除権を与える条項を無効とする規定です。2019 年 6 月 15 日から施行されています。
平成 30 年改正で新設され、令和元年(2019 年)6 月 15 日施行です。施行後に締結された消費者契約の条項が対象となり、それ以前の契約は民法 90 条や 10 条で争うことになります。
無効です。8 条の 3 は後見・保佐・補助の三類型すべてを対象としています。判断能力の低下が比較的軽い補助類型でも、審判を受けたことのみを理由とする解除条項は等しく効力を失います。
解約の根拠が後見開始のみなら、その約款条項は 8 条の 3 で無効です。解約自体が法的に成立していないため、契約の継続を求めることができます。書面で無効を指摘してください。
口座取引の停止は解除権条項とは別問題で、金融機関の本人確認・取引安全の運用に基づく場合があります。ただし約款上の解約権が後見開始のみを根拠にしていれば 8 条の 3 で争えます。
解除の理由を書面で特定させることです。後見開始等のみが理由なら 8 条の 3 で無効、家賃滞納など別の理由が併記されていれば争点が変わります。通知の期限に法的拘束力はありません。
解除自体が無効なので、原状回復や引越費用・損害賠償を請求できる余地があります。ただし立証は難しくなるため、解除通知や当時のやり取りを保存しておくことが重要です。
後見・保佐・補助開始を解除事由とする条項を削除し、債務不履行(民法 541 条等)など具体的な事由に置き換えます。既発の解除通知が後見開始のみを根拠なら撤回を検討してください。
無効である。消費者契約法8条の3は、後見・保佐・補助開始の審判を受けたこと「のみ」を理由に事業者へ解除権を与える条項を無効とする(2019年6月施行)。契約書への記載や同意は関係なく、強行規定なので当事者の合意でも覆せない。業界裏話ヒント:事業者側の担当者ですら、古い雛形にこの条項が残っていることに気づいていないケースが多い。指摘すると「確認します」でほぼ引っ込む。書いてある=有効、という思い込みが最大の敵だ。
従う必要はない。後見開始のみを理由とする解除条項は8条の3で無効だ。加えて賃貸借の解除には借地借家法28条の「正当事由」が必要で、高齢や後見開始だけでは正当事由にならない。二重の壁で守られている。業界裏話ヒント:退去を急がせる通知には期限が書かれていることが多いが、無効な解除に基づく期限に法的拘束力はない。焦って明け渡すと、後で原状回復や引越費用を取り戻すのが一気に難しくなる。まず動かず、書面で理由を確認することだ。
例外がある。消費者が事業者へ物品・権利・役務を「提供する側」の契約は対象外だ(8条の3の括弧書き)。例えば消費者が出演や個人的役務を提供する契約では、判断能力が履行に直結するため一律無効とはされない。あなたが受け取る側の契約(賃貸・サービス利用・金融)が主に守られる。業界裏話ヒント:この「提供する側かどうか」の線引きは、実務上、解釈が分かれる場面がある。微妙なケースでは例外に当たると事業者が主張してくるので、契約の主目的が何かを丁寧に押さえておくと交渉で優位に立てる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 無効となる条項の内容 | 8 条の 3:後見・保佐・補助開始の審判のみを理由に事業者へ解除権を与える条項 | — |
| 判断の枠組み | 類型的・一律無効(該当すれば個別事情を問わず無効) | — |
| 適用除外 | 消費者が事業者へ物品・権利・役務等を提供する側の契約 | — |
| 実務上の使い方 | 解除通知の根拠が後見開始のみなら即座に無効主張できる最短ルート | — |
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