金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第36条(立入検査)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、金融サービス仲介業者の金融サービス仲介業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に当該金融サービス仲介業者の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.内閣総理大臣は、金融サービス仲介業者の金融サービス仲介業の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該金融サービス仲介業者と金融サービス仲介業務に関して取引する者、当該金融サービス仲介業者から業務の委託を受けた者若しくは保証業者の施設に立ち入らせ、当該金融サービス仲介業者に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 3.前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
- 4.第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
- 5.金融サービス仲介業者と金融サービス仲介業務に関して取引する者、金融サービス仲介業者から業務の委託を受けた者又は保証業者は、正当な理由があるときは、第二項の規定による質問又は検査を拒むことができる。
この条文の基本情報
立入検査とは何ですか?
定義立入検査とは、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、金融サービス仲介業者の金融サービス仲介業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に当該金融サービス仲介業者の営業所若…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条(立入検査)は、日本の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に含まれる条文です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条の条文原文は「内閣総理大臣は、金融サービス仲介業者の金融サービス仲介業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に当該金融サービス仲介業者の営業所若…」で始まります。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条は第四節 監督に置かれています。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律の公布日は平成12年5月31日です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条の前の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第35条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条の次の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第37条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000101 - 本サイト収録
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000101/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融サービス提供法36条は、内閣総理大臣が金融サービス仲介業者に立入検査できると定め、特に必要なときは委託先・取引先・保証業者にも及ぶ。第三者は正当な理由で拒否できる。
Q · 金融庁の立入検査って、断ることはできるの?
仲介業者本体は拒めず、委託先等は正当な理由があれば拒める
金融サービス提供法36条1項により、金融サービス仲介業者本体は立入り・質問・帳簿検査の対象となり、拒否を認める規定はありません。一方、2項で検査対象となる取引先・業務委託先・保証業者は、5項により「正当な理由」があれば質問や検査を拒めます。ただし第三者への検査は「特に必要があると認めるとき」に「必要の限度」でのみ行われ、検査官は身分証明書を携帯し、請求があれば提示しなければなりません(3項)。
解説
金融庁の検査といえば大手銀行の話だと思われがちだが、ポイ活アプリや家計簿アプリから保険・ローン・投資信託をまとめて紹介するフィンテック企業も、登録すれば「金融サービス仲介業者」として同じ検査を受ける。本条の要点は五つある。第一に、仲介業者本体には、営業所への立入り、質問、帳簿の検査が及ぶ(1項)。第二に、その仲介業者の取引先、システム開発やコールセンターの委託先、保証業者まで検査の手が届く(2項)。ただし要件は「特に必要があると認めるとき」に絞られ、しかも「必要の限度」に限られる。第三に、検査官は身分証明書を持ち、求められれば見せなければならない(3項)。第四に、この権限を犯罪捜査に使ってはならない(4項)。第五に、取引先や委託先には「正当な理由」があれば拒む余地がある(5項)。一方で、仲介業者本体についてはこの拒否の規定がない。どちら側に立つかで、検査官に返せる言葉が違うのである。
法的な位置づけ
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律36条は、金融サービス仲介業者に対する行政上の立入検査を定める規定である。内閣総理大臣は、仲介業者本体には必要があると認めるとき、取引先・業務委託先・保証業者には特に必要があると認めるときに限り必要の限度で、立入り・質問・帳簿書類等の検査を行わせることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社の立場を特定する 自社が仲介業者本体(1項)なのか、取引先・業務委託先・保証業者(2項)なのかを確認する。本体なら拒否規定がなく、第三者なら5項の正当な理由による拒否の余地がある
- 2.検査官の身分と範囲を確認する 立入りの冒頭で身分証明書の提示を求め(3項)、所属・氏名・どの仲介業者に関する検査か・対象範囲を書面かメールで記録する
- 3.窓口を一本化し資料を提出する 対応窓口を一人に絞り、説明記録・手数料開示記録・苦情処理簿・委託先管理記録など日常の記録をそのまま提出する。提出資料はコピーを保管する
- 4.範囲外の要求は根拠を示して整理を求める 第三者として範囲外の資料や他顧客の秘密に関わる資料を求められた場合、2項の「必要の限度」や5項の「正当な理由」にあたるかを顧問弁護士と検討する
- 5.指摘事項に改善計画で応える 検査での指摘は事実関係で答え、推測で認めない。指摘を受けたら行政処分の前に自主的な改善計画を示す
よくある質問 AI による整理
Q1金融サービス仲介業とは何ですか?
一つの登録で銀行・証券・保険・貸金業の商品を横断的に仲介できる業種です。2021年に創設され、フィンテック企業の参入が想定されています。
Q2金融サービス仲介業者の立入検査は誰が行いますか?
条文上の権限者は内閣総理大臣ですが、実務では権限の委任を受けた金融庁や財務局の職員が検査を行います(委任の根拠条文は要確認)。
Q3金融庁の検査で何を調べられますか?
業務や財産の状況についての質問と、帳簿書類その他の物件の検査です。説明記録、手数料開示、苦情処理、委託先管理の記録などが対象になりやすいです。
Q4システム開発の委託先にも金融庁の検査は来ますか?
来る可能性があります。36条2項により、仲介業者から業務の委託を受けた者も、特に必要がある場合に必要の限度で立入検査の対象となります。
Q5立入検査で検査官の身分証は確認できますか?
確認できます。36条3項により、検査官は身分を示す証明書を携帯し、関係人から請求があれば提示しなければなりません。
Q6金融庁の検査を拒否したらどうなりますか?
仲介業者本体が正当な理由なく拒否・虚偽答弁をすると罰則の対象となりえます。法定刑は最新の条文で確認してください。
Q7行政の立入検査に令状は必要ですか?
不要とされています。最高裁は、刑事責任追及を目的としない行政調査に令状主義が直ちに及ぶわけではないと判断しています(川崎民商事件)。
Q8金融庁の検査結果で業務改善命令が出たら争えますか?
行政処分として取消訴訟(処分を知った日から6か月以内)や審査請求(原則3か月以内)で争う余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1金融庁の検査って、予告なしでいきなり来ることもあるんですか?
本条には事前通知の義務は書かれていない。実務では事前に連絡が来ることが多いが、法律上は予告なしの立入りも排除されていない。実務のポイント:検査ではまず「日常の記録がそのまま出てくるか」が見られる。検査のために作り直した資料はかえって疑われやすい。普段のログが整っている会社ほど、検査は短く終わる
Q2委託先なので、正直検査には協力したくないです。断れますか?
36条5項により、委託先や取引先は「正当な理由」があれば質問や検査を拒める。たとえば、他の顧客の営業秘密にかかわる資料は理由になりうる。ただし、単に面倒だというだけでは正当な理由とは言いにくい。実務のポイント:委託先が拒否すると、委託元である仲介業者の委託先管理が問題にされやすい。契約を切られるリスクのほうが大きいことは覚えておきたい
間違えやすい点 AI による整理
- 「行政の検査なら令状がないから断ってもいい」と考える人がいる。しかし仲介業者本体には5項のような拒否の規定がなく、正当な理由のない拒否や虚偽の答弁は罰則の対象になる(法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。最高裁は、刑事責任の追及を目的としない行政調査には、令状主義が直ちに及ぶわけではないとしてきた(川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)
- 委託先は「うちは仲介業者ではないから関係ない」と考えやすい。だが2項は委託先の施設にも立入りを認める。逆に、委託先が5項で拒否できるからといって何でも断れば、その記録は委託元である仲介業者の管理態勢の不備として跳ね返る。法的には拒める立場でも、取引関係の上では拒みにくい。このずれを契約書で先に調整しておく必要がある
- 4項の「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」は、検査で見つかった違法行為が刑事事件に発展しないという意味ではない。検査結果を受けて告発や捜査が始まることはありうる。4項が禁じているのは、捜査の代わりに検査権限を使うことである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査対象 | 36条1項:金融サービス仲介業者本体の営業所・事務所等 | 36条2項:取引先・業務委託先・保証業者の施設 銀行法25条:銀行(および子会社・委託先等) |
| 発動要件 | 健全かつ適切な運営の確保のため「必要があると認めるとき」 | 「特に必要があると認めるとき」、かつ「必要の限度」 銀行業務の健全かつ適切な運営の確保のため必要があるとき |
| 質問の範囲 | 業務または財産の状況全般 | 仲介業者に対する質問・検査に必要な事項に限る 銀行の業務または財産の状況 |
| 拒否の余地 | 拒否規定なし | 5項:正当な理由があれば拒否可 銀行本体には拒否規定なし(第三者の扱いは条文で要確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では金融監督管理委員会が業態別法律に基づき検査を行う。日本の金融サービス仲介業のような業態横断の仲介業類型はなく、委託先管理は辦法レベルで規律される。
韓国は2021年施行の金融消費者保護法で販売代理・仲介業者を横断的に規律し、金融監督院が検査する点で日本と発想が近い。
ドイツでは BaFin が金融機関に加え外部委託先(Auslagerungsunternehmen)への情報請求・検査権限を持つ。
米国では銀行の業務受託者(サービスプロバイダー)を連邦銀行監督当局が検査できる。委託先まで監督が届く構造は本条2項と類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- フィンテック企業の基幹システムを請け負っている開発会社に、財務局の職員が来て「仲介業者のログを見せてほしい」と言ってきたら、どう対応する? あなたの会社は2項の「業務の委託を受けた者」にあたる。質問の範囲は仲介業者への検査に必要な事項に限られるから、まず身分証明書と、どの仲介業者に関する検査なのかを確認する
- あなたは保険も扱う金融サービス仲介業のスタートアップで、コンプライアンス担当をしている。検査の通知から立入りまでの日数は限られている。顧客への説明記録、手数料の開示記録、苦情の処理簿がバラバラのスプレッドシートに散っていて、準備の時間が足りない
- 検査官が帰り際、「この取引、詐欺にあたるかもしれませんね」と口にした。行政検査が犯罪捜査に変わったわけではない(4項)。ただ、ここから先の受け答えは記録に残す
取るべき行動
被害を受けた側:仲介業者の取引先や委託先として検査を受ける場合:1. 身分証明書の提示を求め、所属と氏名を記録する(3項)2. どの仲介業者に関する検査かを確認する。2項の質問は、その仲介業者への質問や検査に必要な事項に限られる3. 自社の他の顧客の秘密や範囲外の資料については、5項の「正当な理由」にあたるかを顧問弁護士と検討する4. 提出した資料のコピーと質問内容を社内に記録する
訴えられた側:仲介業者本体として検査を受ける場合:1. 拒否や虚偽の答弁はせず、窓口を一本化する2. 説明義務の記録、手数料の開示記録、苦情の処理記録、委託先の管理記録を日頃から一元管理しておく3. 検査官の指摘には事実関係で答え、推測で認めない4. 指摘を受けたら、業務改善命令が出る前に自主的な改善計画を示す5. 刑事事件への発展が懸念される場合は、早めに弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効や期限はない。検査の日程は当局の通知によって決まる。検査結果を受けて業務改善命令などの行政処分(役所が会社に直接出す具体的な命令や決定)が出た場合、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)、審査請求は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)
学説
通説:行政調査は間接強制(罰則)を伴うものであっても、刑事手続とは目的が異なるため令状は不要とされる。ただし調査の目的外利用、とくに犯罪捜査への転用は許されず、本条4項はこれを明文で確認した規定と解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正、令和3年(2021年)施行 金融商品の販売等に関する法律の改正で金融サービス仲介業が創設され、これに伴い仲介業者への立入検査規定が新設された(条番号は当時と異なる可能性あり、要確認)
- 令和5年(2023年)改正 法律名が「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改められ、章の構成と条番号が整理された(施行日と条番号の移動は要確認)
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:金融商品の販売等に関する法律の改正により金融サービス仲介業が創設され、仲介業者への立入検査規定が設けられた(施行は令和3年(2021年)、当時の条番号は要確認)。
- 2.令和5年(2023年) 改正:法律名が「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改められ、章構成と条番号が整理された(施行日・条番号の移動は要確認)。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第35条報告・資料提出命令、検査の前段(現行効力を要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第37条業務改善命令、検査結果の受け皿(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第56条の2金融商品取引業者等への同種の検査権限
- 銀行法 第25条銀行への立入検査、同型の監督権限
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。