確定拠出年金法 第97条(加入者等の運用の指図に資する措置)
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確定拠出年金運営管理機関は、事業主又は連合会の委託を受けて、第二十二条第一項(第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を行うことができる。
この条文の基本情報
加入者等の運用の指図に資する措置とは何ですか?
定義加入者等の運用の指図に資する措置とは、確定拠出年金法第97条に定められた規定で、「確定拠出年金運営管理機関は、事業主又は連合会の委託を受けて、第二十二条第一項(第七十三条において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定拠出年金法第97条(加入者等の運用の指図に資する措置)は、日本の確定拠出年金法に含まれる条文です。
- 確定拠出年金法第97条の条文原文は「確定拠出年金運営管理機関は、事業主又は連合会の委託を受けて、第二十二条第一項(第七十三条において準用する場合を含む。」で始まります。
- 確定拠出年金法第97条は第二節 業務に置かれています。
- 確定拠出年金法の公布日は平成13年6月29日です。
- 確定拠出年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定拠出年金法第97条の前の条は確定拠出年金法第96条です。
- 確定拠出年金法第97条の次の条は確定拠出年金法第98条です。
- 確定拠出年金法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000088 - 本サイト収録
確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000088/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定拠出年金法97条は、運営管理機関が事業主や国民年金基金連合会の委託を受けて投資教育を行えると定める。ただし特定商品の推奨は100条で禁止される。
Q · 会社の DC 説明会を銀行や証券会社の人がやっているのは、法律上問題ないの?
問題ない。ただし特定商品を勧めることは禁止
確定拠出年金法97条により、運営管理機関は事業主(企業型)または国民年金基金連合会(iDeCo、73条で準用)の委託を受けて、22条1項の投資教育を行うことができます。そのため説明会の講師が金融機関の社員であること自体は適法です。ただし運営管理機関は100条の行為準則により特定の運用商品を勧めることが禁じられ、委託しても教育を講ずるよう努める主体は事業主側に残ります。
解説
会社の確定拠出年金(DC)説明会で前に立つ講師は、たいてい人事部の社員ではない。銀行、証券会社、保険会社の名刺を持った人だ。その配役を法的に支えているのが本条である。「投資教育」、つまり資産運用の基礎的な資料の提供などの措置は、本来、企業型なら事業主(22条)、iDeCo なら国民年金基金連合会(73条で準用)が講ずるよう努めるべきものだ。本条は、その実施を確定拠出年金運営管理機関(加入者の記録管理や、運用商品を選んで加入者に示す業務を担う金融機関など)に委託できると定める。押さえておくべきは、講師の所属機関が、あなたの前に並ぶ運用商品のメニューを選んだ側でもありうるという点だ。だから法律は100条で、運営管理機関が特定の商品を勧めることを禁じている。「どれがおすすめですか」と聞いても答えが返ってこないのは、講師が不親切だからではない。答えてはいけない立場にいるのだ。配分を決めるのは最初から最後まであなたである。
法的な位置づけ
確定拠出年金法97条は投資教育の委託に関する規定であり、確定拠出年金運営管理機関が事業主または国民年金基金連合会の委託を受け、同法22条1項(73条による個人型への準用を含む)に定める資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を実施できる旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1確定拠出年金の投資教育とは何ですか?
資産運用の基礎的な資料の提供などを通じ、加入者が自分で運用を判断できるよう支える措置です。企業型は事業主、iDeCo は国民年金基金連合会が講ずるよう努めます(22条・73条)。
Q2確定拠出年金運営管理機関とは何ですか?
加入者の記録管理や、運用商品を選定して加入者に提示する業務などを担う機関で、銀行・証券会社・保険会社などが登録を受けて行います。97条により投資教育も受託できます。
Q3投資教育を金融機関に委託したら会社の責任はなくなる?
なくなりません。97条は運営管理機関が実施できると定めるだけで、22条の措置を講ずるよう努める主体は事業主のままです。資料内容の確認や実施記録の保存は会社側の仕事です。
Q4DC の投資教育では何を教えてもらえる?
リスクとリターンの関係、分散投資、運用商品の仕組み、手数料など、判断の前提となる基礎的な知識と資料です。どの商品を買うべきかという個別の推奨は含まれません。
Q5企業型 DC の継続投資教育はどのくらいの頻度で行う?
法律上の回数の定めはなく、22条は「継続的に」講ずるよう努めることを求めています。頻度や方法は事業主と委託先の運営管理機関の契約・社内運用で決まるのが実務です。
Q6自分の会社の運営管理機関はどこで確認できる?
入社時に配られた DC の冊子、加入者向けウェブサイト、年1回届く残高のお知らせに記載されているのが一般的です。分からなければ人事部に確認するのが最も確実です。
Q7DC の配分を指定しないとどうなる?
規約で定めた指定運用方法(23条の2)で自動的に運用されます。定期預金などの元本確保型が設定されている例もあり、放置すると長期の運用成果に大きな差が出えます。
Q8投資教育を受けなかったら加入者に不利益はある?
罰則はありませんが、商品の手数料やリスクを知らないまま配分を決めることになります。運用の結果は加入者自身に帰属するため、判断材料を持たないこと自体が最大の不利益です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1説明会で講師にどれ買えばいいか聞いたら、はぐらかされたんだけど?
はぐらかしたのではなく、言えないのである。運営管理機関は特定の運用商品を勧めることを行為準則(100条)で禁じられている。実務のポイント:「おすすめは?」ではなく「この二本の信託報酬と、過去に最も下がった年の下落率を比べたい」と聞けば、講師は事実の提示として答えられる。質問の形を変えるだけで、引き出せる情報の量が大きく変わる
Q2iDeCo でも投資教育って受けられるんですか?
受けられる。22条は73条で個人型に準用され、国民年金基金連合会が措置を講ずる主体になる。本条により、その実施は運営管理機関に委託できる。実務のポイント:iDeCo では対面の説明会はほとんどなく、実態は運営管理機関のサイト、資料、コールセンターが中心だ。コールセンターは商品の推奨はできないが、手数料や移換手続の説明は丁寧にしてくれる。遠慮せず電話したほうが得である
Q3うちの会社、入社してから一度も投資教育やってないんだけど違法じゃないの?
22条は「講ずるよう努めなければならない」という努力義務であり、実施しないことが直ちに罰則につながるわけではない。ただし平成28年(2016年)改正を経て「継続的に」講ずることが求められている。実務のポイント:人事部は運営管理機関に追加委託するだけで実施できる場合が多く、要望が出ないから放置しているケースも少なくない。複数人の連名で要望すると動きやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 投資教育は入社時の説明会で一度受ければ終わりだと思われがちだ。実際には、平成28年(2016年)改正を経た22条は、事業主が「継続的に」措置を講ずるよう努めることを求めている。努力義務なので罰則はないが、入社後に一度も教育を受けていない状態を、法律は想定どおりとは見ていない
- 加入者の側から見れば、講師は中立な「先生」に見える。だが法律の構造から見ると、講師の所属する運営管理機関は、あなたが選べる運用商品のラインナップを選定・提示する立場(23条)でもありうる。教える側とメニューを作る側が同じになりうるからこそ、100条の推奨禁止という歯止めがある。この構造を知らずに説明会の「雰囲気」で配分を決めると、判断の軸を他人に預けたことになる
- 「どの商品がいちばん儲かるか教えてもらえるはず」という問いそのものがずれている。本条に基づく委託の中身は、あくまでリスクとリターンの関係、分散投資、商品の仕組み、手数料といった「基礎的な資料」の提供である。答えが出ない問いを投げるより、「この商品の信託報酬と過去の値動きの幅を資料で示してほしい」と聞くほうが、はるかに多くの情報が返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 97条:運営管理機関が投資教育を受託して実施できる | 22条:事業主が投資教育を講ずるよう努める 100条:運営管理機関の行為準則 |
| 名宛人 | 確定拠出年金運営管理機関(受託者) | 事業主(個人型は73条準用で国民年金基金連合会) 確定拠出年金運営管理機関 |
| 規範の性質 | 権限付与(「行うことができる」) | 努力義務(「講ずるよう努めなければならない」) 禁止規範(特定商品の推奨禁止など) |
| 加入者にとっての意味 | 説明会の講師が金融機関になる法的根拠 | 継続的な教育を会社に求める根拠 講師から商品を勧められない保護 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の勞退新制は個人専用口座方式だが、運用は勞動基金運用局が一括で行い、加入者が商品を選ぶ前提の投資教育の委託規定は置かれていない
韓国の退職年金制度も使用者に加入者教育を求め、その実施を退職年金事業者に委託する仕組みがあり、日本と構造が近い
米国は投資教育(education)と投資助言(advice)を区別し、中立的な教育であれば受託者責任上の助言に当たらないと整理する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 説明会の講師が、スライドの隅にある一本のファンドを指して「今年いちばん伸びているのはこれです」と言ったらどうなる? 過去実績の紹介なのか、特定商品を勧めているのか。後者なら、運営管理機関の行為準則(100条)に触れる疑いがある。日時と発言内容をメモしておくだけで、人事部への報告の重みがまったく変わる
- あなたは人事部の担当者で、来月入社する新卒80名の DC 導入研修を任された。社内に講師はいない。本条に基づいて運営管理機関に委託するのが通常のルートだが、委託しても22条の措置を講ずる主体は事業主のままだ。資料の中身を事前に一度も見ずに丸投げすると、教育の中身に問題があったとき、説明に困るのは会社の側になる
- 入社して4年。DC の残高は全額が定期預金のままだった。誰からも何も言われなかった。
- 転職が決まり、最終出社まであと2週間。前の会社の DC 資産をどこへ移すか、手元にあるのは入社時の冊子だけだ。企業型 DC の資格を喪失した月の翌月から6か月以内に移換手続をしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換され、運用されないまま手数料だけが引かれていく。退職前に運営管理機関のコールセンターと移換先の資料を確保しておくかどうかが、分かれ目になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の運用商品一覧で、各商品の信託報酬、リスク、過去の値動きの資料がそろっているか確認する(運営管理機関には情報提供の規律がある、24条)2. 講師が特定商品を勧めたと感じたら、日時・発言・資料のページを記録し、人事部に報告する3. 入社後に教育を受けていないなら、22条の継続教育を根拠に実施を要望する4. 社内で改善されなければ、企業型 DC を監督する地方厚生局への相談を検討する
訴えられた側:1. 事業主は、委託契約で教育の内容・頻度・対象者・中立性の確保を明記する2. 講師資料を事前に確認し、特定商品の推奨と受け取られる表現を削る3. 実施日・参加者・使用資料の記録を保存し、継続的に講じている証拠を残す4. 指定運用方法のまま放置されている加入者を抽出し、個別のフォロー教育を組む。運営管理機関は100条の行為準則を講師全員に周知しておく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。運営管理機関の説明に問題があったとして不法行為で請求する場合は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。転職で企業型 DC の資格を喪失した場合、喪失月の翌月から6か月以内に移換手続をしないと国民年金基金連合会へ自動移換される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定拠出年金法(平成13年法律第88号)の制定。事業主・連合会の投資教育の措置を運営管理機関が受託して行える仕組みが置かれた
- 2.平成28年(2016年) 改正:本条が引用する22条について、事業主が投資教育を継続的に講ずるよう努める旨が明確化され、委託先である運営管理機関の役割も継続教育を含むものとなった
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