健康増進法 第26条(関係者の協力)
クイックジャンプ
国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設(敷地を含む。以下この章において同じ。)及び旅客運送事業自動車等の管理権原者(施設又は旅客運送事業自動車等の管理について権原を有する者をいう。以下この章において同じ。)その他の関係者は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置の総合的かつ効果的な推進を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。
この条文の基本情報
関係者の協力とは何ですか?
定義関係者の協力とは、健康増進法第26条に定められた規定で、「国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設(敷地を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第26条(関係者の協力)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第26条の条文原文は「国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設(敷地を含む。」で始まります。
- 健康増進法第26条は第一節 総則に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第26条の前の条は健康増進法第25条です。
- 健康増進法第26条の次の条は健康増進法第27条です。
- 健康増進法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法26条は、国・都道府県・市町村、施設や旅客運送事業自動車等の管理権原者その他の関係者に、望まない受動喫煙防止のため相互に連携し協力する努力義務を課す規定である。
Q · 健康増進法26条って、結局だれに何を義務づけているの?
罰則はないが、関係者全員に連携・協力の努力義務を課す
健康増進法26条は、国・都道府県・市町村、多数の者が利用する施設(敷地を含む)や旅客運送事業自動車等の管理権原者その他の関係者に、望まない受動喫煙を防ぐため相互に連携し協力するよう努める義務を課しています。違反しても直接の罰則はありませんが、自治体の指導の土台となります。屋内喫煙の原則禁止は29条、喫煙者の配慮義務は27条が別に定めています。
解説
条文には罰則が一行もない。それでも、受動喫煙をめぐる日本のルール全体をつなぎ合わせているのは第26条である。名前が挙がっているのは、国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設の「管理権原者」、そしてバスやタクシーなど旅客運送事業自動車等の管理権原者だ。この全員に「お互いに連携し、協力せよ」という努力義務を課している。努力義務とは、守らなくても直接の罰はないが、行政の指導や紛争での判断材料になりうる義務のことだ。押さえておくべき点は二つある。一つ目は、ここでいう「施設」には敷地も含まれることだ。建物の中だけでなく、入口横の灰皿や駐車場の喫煙所の置き場所も、この連携の対象になる。二つ目は、「管理権原者」が所有者のことではなく、その場所を管理する権限を持つ者を指すことだ。テナントの店内は店主、共用廊下はビルのオーナーが管理権原者になる。煙に悩んだとき、誰に何を言うかで結果はまったく変わる。
法的な位置づけ
健康増進法26条は、望まない受動喫煙の防止に関する関係者の協力義務を定める規定である。国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設(敷地を含む)及び旅客運送事業自動車等の管理権原者その他の関係者に対し、受動喫煙防止措置の総合的かつ効果的な推進のため、相互に連携し協力する努力義務を課す。違反に対する罰則は伴わない。
よくある質問 AI による整理
Q1管理権原者とは誰のことですか?
施設や旅客運送事業自動車等の管理について権原を持つ者です。所有者とは限らず、テナント店内は店主、共用部分はビルオーナーなど、場所ごとに異なります。
Q2健康増進法26条に罰則はありますか?
ありません。本条は努力義務です。ただし禁煙場所での喫煙や標識掲示義務違反など、29条以下の義務には指導・勧告・命令・過料の仕組みがあります。
Q3受動喫煙の相談はどこにすればいい?
まず発生場所の管理権原者に伝え、改善しなければ都道府県や保健所設置市・特別区の保健所に相談します。日時と状況の記録があると対応が早まります。
Q4店の前の路上喫煙は健康増進法違反?
路上は多数の者が利用する施設の規制対象外のことが多く、直ちに違反とはいえません。ただし喫煙者の配慮義務(27条)や自治体の路上喫煙条例が問題になります。
Q5病院の駐車場でたばこを吸ってもいい?
病院は第一種施設で、敷地内は原則禁煙です。駐車場も敷地に含まれます。屋外に特定屋外喫煙場所が設けられている場合のみ、その場所で吸えます。
Q6タクシーの車内でたばこは吸える?
旅客運送事業自動車は規制対象で、車内は喫煙禁止です。管理権原者であるタクシー事業者も、受動喫煙防止の関係者として本条で名指しされています。
Q7受動喫煙防止の努力義務とはどういう意味?
守らなくても直接の罰はないが、法が目指す方向として実施に努めるべき義務です。行政指導の根拠や、紛争で注意義務を判断する材料になりえます。
Q8受動喫煙防止法はいつから施行された?
独立の「受動喫煙防止法」はなく、健康増進法の平成30年改正で規制が整備されました。段階的に施行され、令和2年(2020年)4月1日に全面施行されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の席の人が加熱式たばこを吸ってるんですけど、これも違反ですか?
加熱式たばこも規制対象の「たばこ」に含まれ、多数の者が利用する施設の屋内では原則禁止である(本法29条)。ただし、加熱式たばこ専用の喫煙室では飲食も認められる経過措置がある。実務のポイント:本人に直接言うより、店に「管理者として対応してほしい」と頼むほうが筋が通る。管理権原者には、禁煙場所で吸う人に喫煙の中止や退出を求める努力義務があり、店側も断りにくい
Q2マンションの隣がベランダで吸ってて、煙がうちに入ってきます。この法律で止められますか?
個人の住居は、多数の者が利用する施設を対象とする規制の外にあり、本条の連携義務も直接は及ばない。頼れるのは、喫煙をする際の配慮義務(本法27条)、管理規約、そして受忍限度を超えた場合の民法709条である。ベランダ喫煙をめぐって慰謝料を認めた裁判例もある(名古屋地裁平成24年)。実務のポイント:現実に最も効くのは、管理組合の使用細則に「ベランダでの喫煙禁止」を入れることだ
Q3会社に言ったら「健康増進法は努力義務だから」って流されました。本当ですか?
条文によって違う。本条(26条)は確かに努力義務だが、多数の者が利用する施設での屋内喫煙は29条で原則禁止されており、基準を満たさない喫煙室は違法である。職場については、労働安全衛生法68条の2で事業者にも受動喫煙防止の努力義務がある。実務のポイント:「努力義務」を盾にされたら、「何条の話ですか」と条文番号で聞き返すとよい。屋内禁煙そのものは努力義務ではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「誰が悪いのか」と犯人探しから始める人が多いが、そもそもその問い方がずれている。本条は、受動喫煙が一人の責任では防げないことを前提に、関係者全員に連携を求めている。煙の苦情は「喫煙者 対 あなた」の構図で考えるより、「どの管理権原者の管理の隙間から煙が漏れているか」で考えたほうが解決は早い
- あなたにとってはビルの持ち主が「管理者」に見えるが、法律が見るのは「管理について権原を有する者」である。テナントの店内では店主が、共用部分ではビルオーナーが責任主体になる。相手を取り違えて苦情を出すと、「うちの管轄ではない」の一言でたらい回しにされる
- 「努力義務だから意味がない」は半分しか正しくない。確かに本条だけを根拠に罰を科すことはできない。ただ、自治体の指導の土台になり、民事紛争で施設側がどこまで注意すべきだったかを判断する材料として引かれる余地はある。どこまで考慮されるかは事案ごとに分かれ、実務上の評価は定まっていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 健康増進法26条:国・自治体・施設等の管理権原者その他の関係者 | 健康増進法25条:国と地方公共団体 健康増進法27条:喫煙をする者 |
| 義務の内容 | 相互に連携し協力するよう努める | 受動喫煙防止の知識普及・環境整備等の責務 喫煙時に周囲の状況へ配慮するよう努める |
| 法的性格 | 努力義務(罰則なし) | 責務規定(罰則なし) 努力義務(罰則なし。禁煙場所での喫煙禁止は29条で別途規律) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は全面禁菸場所を法定し、場所の負責人・從業人員に喫煙者の制止義務を課し罰則も伴う。日本の努力義務型の協力規定より強制力が強い
韓国は施設所有者・管理者に禁煙区域の指定・表示義務を課し、違反に過料を設ける
ドイツは連邦施設・公共交通を連邦法、飲食店等を州法で規律する分権型。職場は Arbeitsstättenverordnung が別途規律
フランスは公共の用に供する閉鎖空間での喫煙を原則禁止し、施設管理者の義務と罰則を政令で具体化している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- オフィスビル入口横の灰皿から、毎朝あなたの職場に煙が流れ込んできたらどうするか。文句を言う相手は、灰皿を置いたテナントか、敷地を管理するビルオーナーか、それとも区役所か。本条はこの三者が連携するよう求めている。だからこそ、相談先を一つに絞らず、複数の管理権原者に同時に伝えるのが効く
- あなたは居酒屋の店主だ。屋内禁煙のルールは守っているが、客が店の前の路上に出て吸い、隣の保育園から苦情が来た。店内のルールは守れていても、喫煙をする人には周囲への配慮義務(本法27条)がある。さらに自治体の路上喫煙条例にも触れうる。客を外へ追い出しただけでは、問題を隣に押し付けたにすぎない
- タクシーに乗ったら車内がたばこ臭い。運転手は「吸っていない」と言う。旅客運送事業自動車の管理権原者は、本条で名指しされている関係者の一つだ
- 来月オープンする飲食店で、喫煙専用室を作るか全面禁煙にするか、決めるまで残り2週間。どちらを選んでも出入口への標識掲示は義務であり、内装業者の工期にも関わる。近隣店舗との喫煙所の位置調整も、オープン後に揉めるより今のほうが安く済む
- 病院の駐車場で、見舞いに来た家族が車の横で一服している。友人から「敷地の外だからいいんでしょ?」と聞かれた。病院などの第一種施設は原則として敷地内禁煙であり、駐車場も敷地に入る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 煙が流れてきた日時、場所、発生源をスマホで記録し、写真やメモで1から2週間分ためる2. 発生源の場所を誰が管理しているか(店主、ビルオーナー、自治体)を確認し、管理権原者に書面で改善を求める3. 改善されなければ、都道府県や保健所設置市、特別区の保健所に相談する。禁煙場所での喫煙であれば、指導、勧告、命令、過料へと進むルートがある4. 健康被害が出たら診断書を取り、民法709条による損害賠償も検討する
訴えられた側:1. 自分の施設が、第一種施設、第二種施設、喫煙目的施設のどれに当たるかを確認する2. 喫煙場所を出入口、窓、隣接施設から離し、煙が流れ込みうる近隣施設とは事前に協議する3. 標識の掲示と喫煙室の技術基準を点検する4. 苦情窓口を一本化して対応を記録に残す。誠実に対応した記録が、行政指導を受けたときの最大の防御になる
時効(請求できる期限):本条に特有の期限はない。受動喫煙による損害賠償を求める場合は、損害と加害者を知った時から3年(健康被害など人の身体を害した場合は5年、民法724条、724条の2)、行為の時から20年で請求権が消える
学説
一般的理解:本条は努力義務規定であり、本条単独を根拠に行政処分や罰則を科すことはできない。ただし行政指導の根拠となり、民事紛争において施設管理者の注意義務の程度を判断する際の考慮要素となりうるとされる。考慮の程度は事案ごとに異なる
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正(平成30年法律第78号) 受動喫煙の防止をマナーの問題からルールへと転換した改正で、第6章が受動喫煙防止の章として整備された。その中に、国、自治体、管理権原者などの関係者の協力を定める規定として本条が置かれた。施行は段階的に行われ、令和2年(2020年)4月に全面施行された
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法制定。多数の者が利用する施設の管理者に受動喫煙防止措置の努力義務を課す規定が置かれた
- 2.平成30年(2018年) 改正:平成30年法律第78号により第6章(受動喫煙防止)を整備し、関係者の連携・協力を定める本条を新設。段階的に施行され、令和2年(2020年)4月に全面施行
- 健康増進法 第25条国と地方公共団体の受動喫煙防止の責務
- 健康増進法 第27条喫煙する者の周囲への配慮義務
- 健康増進法 第28条第一種施設、第二種施設等の定義
- 健康増進法 第29条喫煙禁止場所での喫煙の禁止
- 労働安全衛生法 第68条の2職場の受動喫煙防止の事業者努力義務
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める