健康増進法 第25条(国及び地方公共団体の責務)
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国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙に関する知識の普及、受動喫煙の防止に関する意識の啓発、受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。
この条文の基本情報
国及び地方公共団体の責務とは何ですか?
定義国及び地方公共団体の責務とは、健康増進法第25条に定められた規定で、「国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙に関する知識の普及、受動喫煙の防止に関する意識の啓発、受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第25条(国及び地方公共団体の責務)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第25条の条文原文は「国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙に関する知識の普及、受動喫煙の防止に関する意識の啓発、受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動…」で始まります。
- 健康増進法第25条は第一節 総則に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第25条の前の条は健康増進法第24条です。
- 健康増進法第25条の次の条は健康増進法第26条です。
- 健康増進法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法25条は、国と自治体に、望まない受動喫煙を防ぐための知識の普及・意識の啓発・環境の整備を総合的に進める努力義務を課す規定で、罰則はない。
Q · 健康増進法25条を根拠に、受動喫煙について国や自治体に何か求められるの?
直接は訴えられないが、行政に対応を求める根拠になる
健康増進法25条は、国と地方公共団体に、望まない受動喫煙をなくすための知識の普及・意識の啓発・環境の整備を総合的に進めるよう求める努力義務規定です。罰則や個人の請求権は伴いませんが、自治体が設置した喫煙所の位置や煙の流出について、保健所や担当課に移設・改善を求める際の正当な根拠になります。屋内施設の具体的な禁煙義務は同法29条以下が定めています。
解説
「受動喫煙防止法」という名前の法律は、日本には存在しない。飲食店の原則屋内禁煙も、喫煙専用室の標識も、20歳未満の喫煙エリア立入禁止も、すべて健康増進法の第6章に収められている。その章の冒頭に置かれたのが本条で、国と自治体に対し、望まない受動喫煙をなくすための知識の普及、意識の啓発、環境の整備を「総合的かつ効果的に」進めるよう求めている。ただし文末は「努めなければならない」である。努力義務(守らなくても直ちに罰則や賠償に結びつかない、目標型の義務)であり、あなたが国を相手に「煙を止めろ」と直接請求できる権利を与えるものではない。では無力かといえば違う。駅前の喫煙所が通学路の真横にある、公園の灰皿から煙がベンチに流れてくる。そうした苦情を保健所や役所に持ち込むとき、本条の「環境の整備」という文言は、担当者が設置場所や予算を見直す正当な根拠になる。法律が役所に宿題を出している以上、あなたはその宿題の進み具合を問える立場にいる。
法的な位置づけ
健康増進法第25条は、受動喫煙の防止に関する国及び地方公共団体の責務を定める規定であり、望まない受動喫煙の防止を目的として、知識の普及、意識の啓発及び環境の整備その他の措置を総合的かつ効果的に推進する努力義務を課す。私人に対する具体的な請求権や罰則を伴わない目標型の規定である。
手順
- 1.煙の発生源と適用ルールを特定する 煙が屋内施設、屋外喫煙所、住宅のどこから来ているかを確認する。屋内施設なら健康増進法29条以下、屋外なら自治体の路上喫煙防止条例、住宅なら民法709条の領域と、相談先と根拠が変わる
- 2.日時・場所・煙の流れを記録する 煙が届く時間帯、方向、距離を写真やメモで数日分記録する。「臭い」という感想より、どこまで煙が届くかの客観的な記録の方が行政の検討を促しやすい
- 3.保健所・担当課へ書面で相談する 保健所の受動喫煙相談窓口や喫煙所を管理する区市町村の担当課に、記録を添えて書面で相談する。健康増進法25条の「環境の整備」を根拠に、移設やパーティション設置などの具体策を求める
- 4.計画段階で意見を出す 喫煙所の新設・移設が検討されている段階で、パブリックコメントや住民説明会を通じて意見を出す。完成後の撤去には予算と議会手続が必要になり動きが鈍るため、早い段階ほど反映されやすい
よくある質問 AI による整理
Q1健康増進法25条とは?
国と地方公共団体に、望まない受動喫煙を防ぐための普及啓発と環境整備を総合的に進めるよう求める努力義務規定です。受動喫煙対策を定める第6章の冒頭にあります。
Q2受動喫煙防止法という法律はある?
ありません。飲食店の原則屋内禁煙や喫煙専用室の標識などの規制は、すべて健康増進法の第6章(25条以下)に規定されています。
Q3健康増進法25条に違反すると罰則はある?
ありません。25条は国と自治体の努力義務で、罰則はありません。過料の対象となるのは、29条以下の義務に違反し、命令にも従わない施設の管理権原者などです。
Q4屋外の喫煙所は健康増進法で規制されている?
屋外での喫煙は原則として禁止されていません。27条の周囲への配慮義務と、自治体ごとの路上喫煙防止条例が規律しています。
Q5受動喫煙の苦情はどこに相談する?
屋内施設や自治体管理の喫煙所なら保健所の受動喫煙相談窓口へ。職場なら労働局の相談窓口も使えます。日時・場所・写真の記録を添えると効果的です。
Q6健康増進法の受動喫煙対策はいつから?
平成30年(2018年)改正で強化され、国・自治体の責務に関する本条部分は2019年1月24日施行、原則屋内禁煙は2020年4月1日に全面施行されました。
Q7加熱式たばこも健康増進法の対象?
対象です。ただし加熱式たばこ専用喫煙室では飲食しながらの喫煙が認められる場合があり、紙巻きたばこより扱いが緩やかです。
Q8飲食店でタバコを吸える条件は?
基準を満たす喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室を設けた場合や、経過措置の対象となる既存の小規模飲食店で標識を掲示した場合などに限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1駅前の喫煙所の煙がひどいんですけど、役所に言っても意味あります?
意味はあります。本条は国と自治体に、望まない受動喫煙が生じないよう環境を整備する努力義務を課しています。屋外喫煙所の設置にあたっては、周囲への煙の流出に配慮するよう国が自治体向けに技術的な留意事項を示しています。実務のポイント:苦情は「臭い」より「どの時間帯に、どの方向へ、どこまで煙が届くか」の記録で出すと強い。担当者が留意事項と照らして検討せざるを得なくなり、パーティションの設置や移設といった具体策につながりやすい
Q2隣のベランダのタバコ、健康増進法でなんとかなりませんか?
健康増進法は個人の住宅を規制対象にしていないため、直接の手段にはなりません。ただし民法709条の不法行為として、受忍限度を超える受動喫煙に慰謝料を認めた裁判例があります(名古屋地裁の平成24年判決)。実務のポイント:いきなり訴訟ではなく、まず管理組合に申し入れて、使用細則でベランダ喫煙を禁じてもらう方が現実的です。申し入れの記録は、仮に後で訴訟になったときの「配慮を求めたのに無視された」証拠にもなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が受動喫煙を防ぐ義務を負っているなら、煙で体調を崩したとき国を訴えられる」という発想は、問いの立て方自体がずれている。本条は「努めなければならない」という努力義務であり、個人に国への具体的な請求権を与える構造になっていない。現実に損害を請求する相手は、多くの場合、喫煙者本人(民法709条)か、施設の管理権原者である
- 屋内が原則禁煙になったことは多くの人が知っているが、屋外での喫煙は健康増進法では原則として禁止されていない、という点を知る人は少ない。屋外については27条の「周囲の状況への配慮義務」と、自治体ごとの路上喫煙防止条例が担っている。同じ駅前でも、区をまたぐとルールが変わるのはそのためだ
- 利用者から見れば「国の啓発ポスター」はただの飾りに見える。しかし法律から見れば、それは本条に基づく責務の履行そのものであり、啓発が尽くされたという前提があるからこそ、違反者への指導・勧告・命令、さらに過料が正当化される。啓発を軽く見て標識義務などを放置した事業者は、「知らなかった」という弁明が通りにくい立場に立たされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 25条:国及び地方公共団体 | 27条:喫煙をする者等(個人) 29条:特定施設等で喫煙する者・施設の管理権原者 |
| 義務の性質 | 総合的な対策推進の努力義務 | 周囲の状況に配慮する配慮義務 特定施設等の区域内での喫煙禁止 |
| 違反時の効果 | 罰則なし(行政の責務) | 罰則なし 指導・勧告・命令を経て過料の対象になり得る |
| 主な適用場面 | 普及啓発、喫煙所の設置・移設などの環境整備 | 屋外や家庭など規制区域外での喫煙 学校・病院・行政機関・飲食店などの屋内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は単一の菸害防制法で禁菸場所の指定、広告規制、啓発を一体的に規律する。日本のように一般的な健康増進法の一章に収める構造とは異なる
韓国も健康増進法の枠内で国・自治体の責任と禁煙区域を定める点で日本と構造が近い。禁煙区域の指定は日本より広範とされる
ドイツは連邦法が連邦施設・公共交通を、各州法が飲食店等を規律する分権型で、州ごとに規制の厳しさが異なる
フランスは集団利用場所での喫煙を法律で直接禁止し、日本の努力義務型よりも禁止規範が前面に出る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 区が駅前に新設した屋外喫煙所が、保育園の送迎ルートの真横にあったらどうなる? 本条は自治体に「望まない受動喫煙が生じないよう」環境を整備する努力義務を課している。設置主体が自治体自身なら、その喫煙所は本条の趣旨と正面から衝突する。保健所の受動喫煙相談窓口と区の担当課に、写真と時間帯の記録を添えて移設を求める根拠になる
- あなたは小さな居酒屋の店主で、保健所から喫煙専用室の標識について指導を受けた。腹立たしいが、指導の背景には本条に基づく国と自治体の普及啓発の責務がある。指導の段階で是正すれば話は終わるが、放置して勧告、命令と進むと過料の対象になる。国の助成金で喫煙専用室を整備できる可能性もあるので、指導を受けた日を起点に動くべきだ
- 職場の休憩室が事実上の喫煙所になっている。健康増進法の原則屋内禁煙に加え、労働安全衛生法68条の2は事業者に受動喫煙防止の努力義務を課している。社内で言いにくいなら、労働局の相談窓口がある
- マンションの隣人のベランダ喫煙。健康増進法は住宅を規制対象にしていない。だから本条の出番は、自治体の啓発事業や相談窓口の存在を知るところにとどまる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 煙の発生源を特定する:屋内の施設か、屋外の喫煙所か、住宅か。屋内施設なら29条以下の規制、屋外なら自治体の条例、住宅なら民法709条の領域になる2. 日時・場所・写真を記録する3. 屋内施設や自治体管理の喫煙所なら、保健所の受動喫煙相談窓口へ書面で相談し、本条の「環境の整備」を根拠に対応を求める4. 職場の場合は労働局の相談窓口も併用する(労働安全衛生法68条の2)
訴えられた側:1. 飲食店や事業所の管理権原者として保健所から指導を受けたら、指摘事項(標識、喫煙室の技術的基準、20歳未満の立入制限)を一覧化してすぐ是正する2. 指導の段階で直せば勧告・命令に進まず、過料も科されない(命令違反は50万円以下の過料、最新の改正状況をご確認ください) 3. 喫煙専用室の設置費用は、国の助成金を使える可能性があるので労働局に確認する4. 自治体の条例が法律より厳しい場合がある(例:東京都の条例)ので、所在地の条例も確認する
時効(請求できる期限):本条は国と自治体の努力義務を定めるもので、特定の時効はない。受動喫煙により損害を受けた場合の喫煙者への請求は、民法724条により損害および加害者を知った時から3年(人の生命または身体の侵害は5年、同724条の2)。行政の指導から勧告・命令への移行に法定の日数はなく、指導を受けた時点で速やかに是正するのが実務上の安全策
学説
通説:本条は国及び地方公共団体の責務を定める努力義務規定であり、私人に具体的な請求権を付与しない。ただし行政の施策判断の指針として機能し、喫煙所の設置や普及啓発事業の法的根拠となる
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正(平成30年法律第78号) 受動喫煙対策を強化する改正により第6章が再編され、本条は国及び地方公共団体の責務を定める規定となった。旧25条は多数の者が利用する施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務を課す規定であった。本条部分は平成31年(2019年)1月24日施行、原則屋内禁煙は令和2年(2020年)4月1日全面施行
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法制定。旧25条は、学校・病院・官公庁施設など多数の者が利用する施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務を課す規定として置かれた
- 2.平成30年(2018年) 改正:平成30年法律第78号により第6章が再編され、本条は国及び地方公共団体の受動喫煙防止の責務を定める規定となった。本条部分は2019年1月24日施行、原則屋内禁煙は2020年4月1日全面施行
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