健康増進法 第27条(喫煙をする際の配慮義務等)
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- 何人も、特定施設及び旅客運送事業自動車等(以下この章において「特定施設等」という。)の第二十九条第一項に規定する喫煙禁止場所以外の場所において喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。
- 2.特定施設等の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。
この条文の基本情報
喫煙をする際の配慮義務等とは何ですか?
定義喫煙をする際の配慮義務等とは、健康増進法第27条に定められた規定で、「何人も、特定施設及び旅客運送事業自動車等(以下この章において「特定施設等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第27条(喫煙をする際の配慮義務等)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第27条の条文原文は「何人も、特定施設及び旅客運送事業自動車等(以下この章において「特定施設等」という。」で始まります。
- 健康増進法第27条は第一節 総則に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第27条の前の条は健康増進法第26条です。
- 健康増進法第27条の次の条は健康増進法第28条です。
- 健康増進法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法27条は、喫煙禁止場所以外で喫煙する者に周囲への配慮を、管理権原者に喫煙場所選定時の配慮を義務づける。罰則はないが、民事上の過失判断で参照されうる。
Q · 隣のベランダ喫煙、健康増進法27条でやめさせられる?
直接の強制力はないが、管理組合や民事で根拠になる
健康増進法27条1項は、喫煙禁止場所以外で喫煙する人に、望まない受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況への配慮を求めています。自宅のベランダもこの「喫煙禁止場所以外」に当たります。ただし罰則も行政の勧告・命令もないため、本条だけで喫煙を止めさせることはできません。実際には、記録を添えた管理会社・管理組合への相談、使用細則の改定、民法709条に基づく慰謝料請求や民事調停で本条の趣旨が参照されます。
解説
罰則が一つも付いていない条文が、隣人との喫煙トラブルでは最初に引用される。健康増進法27条が定める義務は二つある。一つ目は、喫煙禁止場所以外の場所で吸う「何人も」に課される義務である。屋外の路上、自宅のベランダ、店の喫煙専用室などで吸う人は、望まない受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況に配慮しなければならない。二つ目は、施設の管理権原者(建物や敷地を管理し、ルールを決める権限を持つ者。ビルのオーナーや店長など)に課される義務である。喫煙場所を決めるとき、その場所で望まない受動喫煙が生じないよう配慮しなければならない。違反しても過料(役所が科す行政上の金銭罰)はない。だが無意味な条文ではない。本条ができる前にも、マンションのベランダ喫煙について、自宅であっても周囲への配慮が必要だとして慰謝料5万円を認めた判決がある(名古屋地判平成24.12.13)。配慮が明文化された今、配慮を欠いた喫煙は民法709条の「過失」を主張する材料になりうる。ただし、配慮義務違反がそのまま不法行為になるかは、実務上、解釈が分かれている。
法的な位置づけ
健康増進法27条は、受動喫煙防止のための配慮義務を定める規定である。1項は喫煙禁止場所以外の場所で喫煙する者一般に周囲の状況への配慮を求め、2項は特定施設等の管理権原者に、喫煙可能な場所を定める際、望まない受動喫煙を生じさせない場所とするよう配慮することを求める。違反に対する罰則や行政上の勧告・命令の定めはない。
手順
- 1.被害の記録を2週間つける 煙が流れ込んだ日時・時間帯・風向き・におい・体調の変化を記録表に残し、写真や動画も添える。記録は途切れさせず継続する
- 2.管理会社・管理組合に書面で相談 喫煙者本人と直接対決する前に、記録を添えて管理会社・管理組合へ相談し、健康増進法27条1項を根拠に全戸向けの注意文の掲示・配布を依頼する
- 3.内容証明郵便で配慮を求める 改善がない場合、喫煙場所や時間帯の見直しを求める内容証明郵便を送る。感情的な表現を避け、事実と27条1項の趣旨を簡潔に記載する
- 4.民事調停・損害賠償請求を検討 なお続き、通院記録などの健康被害がある場合は、民法709条に基づく慰謝料請求や簡易裁判所の民事調停を検討する。目的は金銭より行動の変化に置く
よくある質問 AI による整理
Q1受動喫煙の配慮義務とは?
健康増進法27条が定める義務で、喫煙禁止場所以外で吸う人と喫煙場所を決める管理権原者に、望まない受動喫煙を生じさせないよう配慮を求めるものです。
Q2健康増進法27条に違反したらどうなる?
罰則も過料もなく、行政の勧告・命令の対象でもありません。ただし配慮を欠いた経緯は、民事の損害賠償請求で過失を判断する材料として主張されることがあります。
Q3路上喫煙は健康増進法で禁止されている?
健康増進法は路上喫煙を直接禁止していません。路上では27条の配慮義務がかかり、禁止や過料は各自治体の路上喫煙防止条例によって定められます。
Q4ベランダ喫煙の慰謝料の相場は?
認容額は低額にとどまる傾向で、マンションのベランダ喫煙で慰謝料5万円を認めた判決(名古屋地判平成24年12月13日)があります。通院記録など被害の立証が鍵です。
Q5管理権原者とは誰のこと?
施設の管理について権原を持ち、喫煙場所などのルールを決められる者です。ビルや店舗のオーナー、事業者、店長などが当たり、27条2項の配慮義務を負います。
Q6加熱式タバコも配慮義務の対象?
対象です。健康増進法の「喫煙」は、たばこを燃焼させる場合だけでなく加熱して煙(蒸気を含む)を発生させる場合も含むため、加熱式でも周囲への配慮が求められます。
Q7賃貸アパートのベランダ喫煙、大家に苦情を言える?
言えます。賃貸人には建物を適切に使用させる立場があり、記録を添えて相談すれば注意喚起を求められます。賃貸借契約や入居規則に喫煙条項があるかも確認しましょう。
Q8受動喫煙の苦情はどこに相談する?
まずは管理会社・管理組合や大家に相談します。自治体の受動喫煙相談窓口に問い合わせる方法もありますが、27条には強制措置がないため、最終的には民事調停や訴訟になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣のベランダのタバコ、健康増進法違反で保健所に通報できますか?
本条(27条)は配慮義務であり、罰則も行政の勧告・命令の対象にもならない。保健所に相談しても強制的な措置は期待しにくい。動かす相手は、管理会社・管理組合と、最終的には民事(民法709条)になる。実務のポイント:管理会社が動くのは、一回の口頭クレームより、日時と写真がそろった記録の束である。2週間分の記録表を作ってから相談すると、対応の優先度が目に見えて変わる
Q2喫煙者なんですが、もう家で吸うのも違法になったんですか?
違法ではない。29条の喫煙禁止場所は学校や飲食店などの特定施設等が対象で、人が住む住居部分は対象外である。自宅で求められるのは本条1項の「配慮」であって、禁止ではない。実務のポイント:ただし分譲マンションでは、使用細則でベランダを共用部分と位置付けて喫煙を禁止している例がある。その場合は健康増進法ではなく規約違反として、管理組合から是正を求められる。まず規約を読む
Q3お店の喫煙所、どこに作れば文句を言われませんか?
屋内の喫煙専用室には、29条以下と施行規則で、出入口の気流や煙の排出など技術的な基準が定められている。屋外の喫煙所には細かな数値基準がないが、本条2項は「望まない受動喫煙を生じさせない場所」への配慮を求めている。実務のポイント:苦情の多くは喫煙所そのものではなく、出入口の正面、通学路、隣家の窓、換気口の近くといった「置き場所」から生じる。設置前に風下に何があるかを歩いて確かめるだけで、移設コストのほとんどを避けられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰則がないなら守らなくていい」と考える喫煙者は多い。確かに本条違反で過料を取られることはない。しかし民事の場では話が変わる。配慮を怠った経緯は、損害賠償請求で過失を判断する材料として主張されうる。罰金がないことと、責任がないことは別物である
- 「自宅で吸うのは自由か、禁止か」という二択の問いそのものがずれている。本条は禁止ではなく配慮を求める条文だ。問われるのは吸うかどうかではない。どこで、いつ、どう吸うかである。窓を閉めた室内か、ベランダか。隣家に洗濯物が干してある時間帯か。この具体的な状況が争点になる
- 店のオーナーから見れば、29条などの基準を満たした喫煙所は「法律上OKな設備」である。だが2項が見ているのは設備の性能ではなく、どこに置いたかだ。出入口や換気口が通学路や隣家の窓に向いていれば、基準を満たした喫煙所でも配慮義務の問題は残る。この認識のずれが、近隣クレームと移設費用という形で跳ね返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 27条:喫煙する何人も(1項)、特定施設等の管理権原者(2項) | 29条:喫煙禁止場所で喫煙しようとする何人も 30条:特定施設等の管理権原者等 |
| 義務の性質 | 配慮義務(周囲の状況・喫煙場所の選定への配慮) | 禁止(喫煙禁止場所での喫煙をしてはならない) 具体的な措置義務(喫煙器具の設置禁止等) |
| 対象となる場所 | 喫煙禁止場所以外(住宅・屋外・喫煙室など) | 特定施設等の喫煙禁止場所 管理権原者が管理する特定施設等 |
| 違反時の扱い | 罰則・行政の勧告命令なし(民事で過失の判断材料になりうる) | 都道府県知事等の指導・命令、命令違反は過料 都道府県知事等の指導・勧告・命令、命令違反は過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は菸害防制法で禁菸場所を列挙し、住宅内の煙害は民法の相隣規定や公寓大廈管理條例による管理委員会の対応で処理する。日本の配慮義務と同じく、私的空間には禁止ではなく調整で臨む構造
韓国は共同住宅でのベランダ・階段等の喫煙について、居住者の努力義務と管理主体による中止勧告を法律で定めており、日本より一歩踏み込んだ集合住宅向け規定を持つ
ドイツでは連邦最高裁(BGH)が、バルコニー喫煙による煙の侵入について近隣者の差止請求を認めうるとし、時間帯で喫煙を調整する解決を示した例がある
米国では集合住宅の煙害は private nuisance や賃貸借の平穏享有条項で争われ、州・自治体によっては集合住宅内禁煙条例を置く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 下の階の住人がベランダで吸い、その煙が毎晩あなたの寝室に上がってくる。注意すると「自分の家で吸って何が悪い」と返された。法的にはどうなるのか? 本条1項は自宅でも周囲への配慮を求めている。罰則はないが、配慮を欠いた状態が続けば、民法709条に基づく慰謝料請求の土台になりうる
- 居酒屋の店長として裏口に灰皿を置いた。そこは隣の保育園の窓の真下だった。2項の配慮義務が問題になる典型例である
- あなたは喫煙者で、会社近くの公園の端でいつも一服している。そこは喫煙禁止場所ではない。だが風下のベンチでは毎日、ベビーカーを押した親子が休んでいる。法律上「吸ってよい場所」でも、本条は風向きと周りにいる人まで見ろと言っている。自治体の路上喫煙禁止条例に当たる場合は、条例による過料もありうる(各自治体の条例をご確認ください)
- マンションの使用細則の改定案が3週間後の総会で採決される。ベランダ喫煙を「禁止」にするか「配慮義務」にとどめるか、賛成票を集める時間はほとんど残っていない。本条1項の趣旨を資料に添え、規約で何を定めるかと決議要件(区分所有法・管理規約)を同時に詰める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 煙が流れ込んだ日時・時間帯・風向き・におい・体調の変化を、最低2週間分記録する。写真や動画も残す2. 喫煙者本人と直接対決する前に、記録を添えて管理会社・管理組合に相談し、本条1項を根拠に全戸向けの注意文を依頼する3. 改善しなければ、内容証明郵便で配慮を求める4. それでも続き、通院記録などの健康被害があれば、民法709条に基づく慰謝料請求や民事調停を検討する。賠償額の相場は低いので、目的を「金銭」より「行動を変えさせること」に置く
訴えられた側:1. 苦情が来たら感情的に反論せず、吸う場所・時間帯・回数を見直す。窓を閉めた室内や換気扇の下に移ることが、最も安価な防御になる2. 改善した内容を管理会社に書面で伝え、記録に残す。配慮を尽くした経緯は、民事で過失を否定する材料になる3. 管理規約や使用細則にベランダ喫煙の禁止規定がないか確認する。規定がある場合は、本条とは別に規約違反として扱われる4. 店舗の管理権原者であれば、喫煙所の位置を見直し、2項への配慮の記録を残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限はない。損害賠償を請求する場合は、民法724条により損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、724条の2)、不法行為の時から20年。受動喫煙は継続的な侵害であるため、記録は直近分から途切れさせずに残す
学説
配慮義務の私法的効果をめぐる議論:本条は罰則を持たない公法上の配慮義務であり、その違反がただちに民法709条の不法行為を構成するかについては、実務上も解釈が分かれる。受忍限度論の枠組みの中で、過失や違法性を判断する一要素として考慮する見方が有力である。
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正、平成31年(2019年)1月24日施行 健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)による第6章「受動喫煙防止」の再編に伴い新設。喫煙者一般と管理権原者に対する受動喫煙防止の配慮義務を明文化した
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 新設:健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)により受動喫煙防止の章が再編され、喫煙者一般と管理権原者の配慮義務として新設。平成31年(2019年)1月24日施行
- 健康増進法 第25条国・地方公共団体の受動喫煙防止責務
- 健康増進法 第28条特定施設・喫煙等の定義
- 健康増進法 第29条喫煙禁止場所の範囲を画定
- 健康増進法 第30条管理権原者の具体的責務
- 民法 第709条配慮欠如による受動喫煙被害の賠償
- 労働安全衛生法 第68条の2事業者の職場受動喫煙防止努力義務
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