健康増進法 第29条(特定施設等における喫煙の禁止等)
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- 何人も、正当な理由がなくて、特定施設等においては、次の各号に掲げる特定施設等の区分に応じ、当該特定施設等の当該各号に定める場所(以下この節において「喫煙禁止場所」という。)で喫煙をしてはならない。
- 一第一種施設1次に掲げる場所以外の場所2
- 二第二種施設1次に掲げる場所以外の屋内の場所2
- 三喫煙目的施設1第三十五条第三項第一号に規定する喫煙目的室以外の屋内の場所2
- 四旅客運送事業自動車及び旅客運送事業航空機1内部の場所2
- 五旅客運送事業鉄道等車両及び旅客運送事業船舶1第三十三条第三項第一号に規定する喫煙専用室以外の内部の場所2
- 2.都道府県知事は、前項の規定に違反して喫煙をしている者に対し、喫煙の中止又は同項第一号から第三号までに掲げる特定施設の喫煙禁止場所からの退出を命ずることができる。
この条文の基本情報
特定施設等における喫煙の禁止等とは何ですか?
定義特定施設等における喫煙の禁止等とは、健康増進法第29条に定められた規定で、「何人も、正当な理由がなくて、特定施設等においては、次の各号に掲げる特定施設等の区分に応じ、当該特定施設等の当該各号に定める場所(以下この節において「喫煙禁止場所…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第29条(特定施設等における喫煙の禁止等)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第29条の条文原文は「何人も、正当な理由がなくて、特定施設等においては、次の各号に掲げる特定施設等の区分に応じ、当該特定施設等の当該各号に定める場所(以下この節において「喫煙禁止場所…」で始まります。
- 健康増進法第29条は第二節 受動喫煙を防止するための措置に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第29条の前の条は健康増進法第28条です。
- 健康増進法第29条の次の条は健康増進法第30条です。
- 健康増進法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法29条は、何人も正当な理由なく特定施設等の喫煙禁止場所で喫煙してはならないと定める。違反者には知事が喫煙の中止や退出を命じることができる。
Q · 病院の駐車場みたいな屋外なら、たばこを吸ってもいいの?
原則ダメ。指定の屋外喫煙場所以外は敷地内禁煙
健康増進法29条1項1号により、病院・学校・行政機関の庁舎などの第一種施設では、特定屋外喫煙場所を除く敷地内全体が喫煙禁止場所になります。駐車場や屋外ベンチも例外ではありません。違反してすぐ過料になるわけではなく、まず指導、従わなければ同条2項による喫煙中止命令や退出命令が出され、その命令に違反した段階で過料の対象となります。
解説
この条文の主語は「何人も」である。店の主人でも会社でもなく、たばこを手にしたあなた個人が直接の名宛人(法律が義務を課す相手)になる。2020年4月の全面施行以降、どこまで吸ってよいかは、その場所が次のどれに当たるかで決まる。学校・病院・児童福祉施設・行政機関の庁舎などの第一種施設では、屋外を含む敷地内が原則禁煙となる。例外は、定められた要件を満たす特定屋外喫煙場所だけである。飲食店やオフィスなどの第二種施設では、屋内が原則禁煙となる。タクシー・バス・航空機は車内・機内が全面禁煙で、喫煙室を作る道すら用意されていない。鉄道と船舶は喫煙専用室の中に限って喫煙できる。ここで押さえておきたいのは、違反してもその場で罰金になるわけではないという点である。知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)による指導があり、それでも従わない者には喫煙の中止や退出が命じられる。この命令にさらに背いたときに、初めて過料(刑罰ではない行政上の金銭制裁)の対象になる。この段階を知っていれば、吸う側は無用に怯えず、煙を浴びる側は「どこに何を言えば動くか」が分かる。
法的な位置づけ
健康増進法29条は、受動喫煙防止のため喫煙者個人に課される喫煙禁止義務を定める規定である。何人も正当な理由なく、第一種施設・第二種施設・喫煙目的施設・旅客運送事業の自動車・航空機・鉄道車両・船舶の区分ごとに定められた喫煙禁止場所で喫煙してはならず、違反者には都道府県知事が喫煙の中止または退出を命ずることができる。
手順
- 1.施設の種別と標識を確認する 煙が流れてきた場所が第一種施設(学校・病院・庁舎等)なのか、第二種施設の屋内なのか、乗り物の中なのかを確認する。あわせて、喫煙専用室・特定屋外喫煙場所などの標識が掲示されているかも見ておく
- 2.日時・場所・状況を記録する 喫煙が行われた日時、具体的な位置、頻度、標識の有無を写真とメモで残す。具体的な記録があるほど保健所が現地確認に動きやすい
- 3.施設の管理権原者に申し出る 店長・施設管理者・社内の総務窓口などに状況を伝え、改善を求める。管理権原者には喫煙器具の撤去などの義務が別の条文で課されている
- 4.所管の保健所に相談・通報する 改善されなければ、施設所在地を所管する保健所に相談する。行政の指導に従わない喫煙者には、29条2項に基づく喫煙中止命令・退出命令が出されうる
よくある質問 AI による整理
Q1喫煙禁止場所とは何ですか?
健康増進法29条1項が施設の区分ごとに定める、喫煙してはならない場所です。第一種施設は敷地内、第二種施設は屋内、タクシー・航空機は内部全体が該当します。
Q2第一種施設と第二種施設の違いは?
第一種施設は学校・病院・児童福祉施設・行政機関の庁舎などで、敷地内が原則禁煙です。第二種施設は飲食店やオフィスなどそれ以外の多数の者が利用する施設で、屋内が原則禁煙です。
Q3喫煙中止命令は誰が出すのですか?
条文上は都道府県知事です。保健所を設置する市や特別区では市長・区長が権限を行使し、実務は保健所が担当します。
Q4新幹線でたばこは吸えますか?
鉄道車両は喫煙専用室の中に限って喫煙できます。喫煙専用室の外のデッキや客室で吸えば、健康増進法29条違反になります。
Q5タクシーの運転手が車内で吸うのは違法?
違法です。旅客運送事業自動車は内部全体が喫煙禁止場所で、喫煙専用室を設ける余地もありません。運転手本人も「何人も」に含まれます。
Q6喫煙禁止場所で吸うと前科がつく?
つきません。最終的な制裁は命令違反に対する過料で、刑罰ではない行政上の金銭制裁です。ただし指導・命令の記録は行政側に残ります。
Q7「正当な理由」があれば禁煙場所で吸える?
本条は正当な理由がある場合を除外しています。ただし具体的にどんな事情が該当するかは限定的に解されるとみられ、個別に判断されます。
Q8シガーバーで吸えるのはなぜ?
喫煙目的施設として、35条に定める喫煙目的室の中では喫煙が認められるためです。29条1項3号は、喫煙目的室以外の屋内だけを喫煙禁止場所としています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1加熱式たばこなら、お店の中で吸っても大丈夫ですよね?
大丈夫ではない。加熱式も健康増進法28条の「たばこ」に含まれ、29条の喫煙禁止場所では吸えない。ただし経過措置として「加熱式たばこ専用喫煙室」が認められており、その中では飲食しながら吸えるのが紙巻きとの違いである。実務のポイント:ニコチンを含まないベイプは法律上の「たばこ」に当たらない。だが、それを理由に吸い始めた客を店が施設のルールで止めることは自由で、トラブルの多くはこの法と店ルールの境目で起きる
Q2禁煙の場所で吸ったら、いきなり罰金を取られるんですか?
いきなりではない。まず指導があり、それでも続ければ29条2項に基づく喫煙の中止命令や退出命令が出る。その命令にも違反したときに初めて30万円以下の過料となる。過料は刑罰ではないので前科はつかない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実際に動くのは保健所であり、通報は匿名でも受け付けられることが多い。ただし、日時と場所が具体的な通報ほど現地確認につながりやすい
Q3会社の非常階段で吸うのはセーフですか?
オフィスは通常第二種施設で、29条が禁じるのは「屋内」の喫煙禁止場所である。屋外の非常階段は本条の直接の対象外になりうる。ただし27条で、周囲に望まない受動喫煙を生じさせないよう配慮する義務がある。実務のポイント:煙が窓から室内に流れ込んで苦情が出ると、会社は労働安全衛生法上の受動喫煙防止の努力義務を理由に、就業規則で全面禁止にすることができる。法律上はセーフでも、懲戒の対象にはなりうる
Q4古い個人経営の喫茶店でまだ吸えるのは、違法じゃないんですか?
違法とは限らない。一定規模以下で、法施行時点から営業していた既存の小規模飲食店には経過措置があり、標識を掲示すれば店内の喫煙が認められる場合がある。シガーバーなどの喫煙目的施設も、35条の喫煙目的室として扱われる。実務のポイント:東京都などは条例で「従業員を使用する飲食店は原則屋内禁煙」と国より厳しく定めている。同じ規模の店でも、所在地の自治体で結論が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「禁煙違反の責任を負うのは店のほうで、客は注意されるだけ」という問いの立て方そのものがずれている。本条は「何人も」に喫煙を禁じており、客個人が独立した義務を負う。管理権原者の義務は別の条文で定められていて、両者は並行して成立する。店が灰皿を出したからといって、客の違反が帳消しになるわけではない
- 屋外なら規制の外だと思っている人は多い。第二種施設については確かに規制の中心は屋内だが、学校・病院・行政機関の庁舎などの第一種施設は敷地内全体が対象であり、屋外のベンチも喫煙禁止場所になりうる。どの種別の施設の敷地かという一点で、同じ屋外でも結論が反転する
- 吸う側から見れば「たった一本」でも、法律は「繰り返し指導しても止めない者」を想定して段階的な仕組みを組んでいる。最初の一本で処罰されないのは、見逃されているからではない。指導と命令の記録が積み上がり、命令違反の時点で過料に届くよう設計されているのである。記録が残っていることに気付かない人ほど危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 健康増進法29条:喫煙する個人(何人も) | 健康増進法33条:喫煙専用室を設置する施設側 健康増進法35条:喫煙目的施設の管理権原者 |
| 規範の内容 | 喫煙禁止場所での喫煙の禁止 | 技術的基準を満たした喫煙専用室の設置と標識掲示 喫煙目的室の設置と標識掲示・要件の遵守 |
| 喫煙可能な場所 | 喫煙禁止場所以外(喫煙専用室・喫煙目的室・特定屋外喫煙場所など) | 喫煙専用室の内部(飲食は不可) 喫煙目的室の内部 |
| 違反時の行政対応 | 知事による喫煙中止命令・退出命令(2項) | 基準不適合時の勧告・命令等 要件不適合時の勧告・命令等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は全面禁菸場所と吸菸區を設置できる場所を列挙する方式で、日本の施設区分方式に近い。違反者個人への直接の罰鍰規定を持つ点で、日本の命令前置型より直接的
韓国は施設の所有者等に禁煙区域の指定義務を課し、禁煙区域での喫煙者に過怠料を科す。命令を前置しない点が日本と異なる
連邦法は連邦施設・公共交通機関を対象とし、飲食店等は州法で規律する二層構造
連邦レベルでは航空機内禁煙などに限られ、屋内禁煙の大部分は州法・自治体条例が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 入院中の父を見舞いに行き、病院の駐車場の隅で一服した。屋外だから大丈夫と思っていたが、病院は第一種施設であり、指定された特定屋外喫煙場所以外では敷地内全体が喫煙禁止場所になる
- タクシー運転手のあなたが、客を降ろした直後に車内で一本吸ったらどうなるか? 旅客運送事業自動車の内部は、喫煙専用室を設けることすら認められていない全面禁煙区域である。次の客のにおいの苦情が、保健所への通報につながることもある
- 居酒屋の店長として、常連客に「ここ吸っていいでしょ」と言われ、灰皿を出した。客本人は本条に違反し、店側も管理権原者(施設を管理する権限を持つ人)としての義務違反を問われうる。義務違反は二つ、同時に成立する
- 保健所の職員から指導を受けたのに、オフィスの給湯室で吸い続けていた同僚に、ついに中止命令が出た。ここから先、命令を無視した一本は過料の対象になる。残された猶予はほぼない
- 新幹線の喫煙専用室で吸う分には問題ない。だが、その一歩外のデッキで吸えば違反である。境界線は「室」の壁一枚である
取るべき行動
被害を受けた側:1. その場所の種別(第一種施設か、第二種施設の屋内か、乗り物の中か)と、喫煙室の標識があるかを確認する2. 日時・場所・状況を写真やメモで記録する3. まず施設の管理者に申し出る。改善されなければ、所管の保健所に通報・相談する4. 職場での受動喫煙であれば、労働安全衛生法上の事業者の努力義務も併せて社内窓口に伝える5. 健康被害がある場合は診断書を取り、民法上の損害賠償を検討する
訴えられた側:1. 指導を受けたら、その場で喫煙をやめる。命令に進ませないことが最大の防御になる2. 喫煙した場所が本当に喫煙禁止場所だったか(喫煙専用室・特定屋外喫煙場所・喫煙目的室の中ではなかったか)を確認し、標識の写真を残す3. 「正当な理由」があったと考えるなら、その事情を具体的に説明できるよう整理する4. 過料は刑罰ではなく前科はつかないが、命令違反の記録は残るため、繰り返さない
時効(請求できる期限):本条には特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。受動喫煙による健康被害を不法行為として請求する場合は、損害と加害者を知った時から5年(人の身体侵害、民法724条の2)、行為時から20年。過料の金額は30万円以下(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正、令和2年(2020年)4月1日全面施行 健康増進法の一部を改正する法律により受動喫煙対策が努力義務から義務へ転換され、施設区分ごとの喫煙禁止場所を定める現行の規定が整備された。第一種施設は令和元年(2019年)7月1日に先行施行。条番号の変遷と改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法制定。受動喫煙の防止は、多数の者が利用する施設の管理者の努力義務として規定されるにとどまった
- 2.平成30年(2018年) 改正:健康増進法の一部を改正する法律により、受動喫煙対策が努力義務から義務へ転換され、施設区分ごとの喫煙禁止場所を定める規定が整備された
- 3.令和2年(2020年) 改正:4月1日に改正法が全面施行。第一種施設に関する部分は令和元年(2019年)7月1日に先行施行された
- 健康増進法 第28条特定施設・たばこ等の定義規定
- 健康増進法 第27条望まない受動喫煙防止の配慮義務
- 健康増進法 第33条喫煙専用室の設置と要件
- 健康増進法 第35条喫煙目的室を設ける施設の特例
- 健康増進法 第25条国・自治体の受動喫煙防止責務
- 労働安全衛生法 第68条の2事業者の職場受動喫煙防止努力義務
- 二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律 第1条二十歳未満の喫煙禁止との併存
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