健康増進法 第62条(特別用途表示の許可の取消し)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、第四十三条第一項の許可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。
- 一第四十三条第六項の規定に違反したとき。
- 二当該許可に係る食品につき虚偽の表示をしたとき。
- 三当該許可を受けた日以降における科学的知見の充実により当該許可に係る食品について当該許可に係る特別用途表示をすることが適切でないことが判明するに至ったとき。
この条文の基本情報
特別用途表示の許可の取消しとは何ですか?
定義特別用途表示の許可の取消しとは、健康増進法第62条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第四十三条第一項の許可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第62条(特別用途表示の許可の取消し)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第62条の条文原文は「内閣総理大臣は、第四十三条第一項の許可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。」で始まります。
- 健康増進法第62条は第七章 特別用途表示等に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第62条の前の条は健康増進法第61条です。
- 健康増進法第62条の次の条は健康増進法第63条です。
- 健康増進法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法62条は、トクホなど特別用途表示の許可を、表示義務違反・虚偽表示・科学的知見の充実による不適切化の三つの事由で取り消せると定める。
Q · トクホの許可って、一度取ったらずっと有効なの?
いいえ。違反がなくても科学の進展で取り消されうる
健康増進法62条により、特別用途表示(トクホ・病者用食品・乳児用食品など)の許可は取り消されることがあります。取消事由は、43条6項の表示義務違反、許可食品についての虚偽表示、許可後の科学的知見の充実により表示が適切でないと判明したこと、の三つです。三つ目は事業者に落ち度がなくても適用されます。取消しは裁量によるもので、原則として事前に聴聞(行政手続法13条)が行われます。
解説
スーパーの棚でトクホ(特定保健用食品)のマークや「病者用」「乳児用」の表示を見ると、多くの人は「国がお墨付きを与えた」と受け止める。半分は正しい。こうした特別用途表示は健康増進法43条により内閣総理大臣(実務は消費者庁)の許可を受けたものである。ただ、多くの人が知らない点がある。この許可は一度取れば終わりの永久免許ではない。62条は三つの取消事由を定めている。一つ目は、43条6項で義務付けられた表示事項を守らなかったとき。二つ目は、その食品について虚偽の表示をしたとき。三つ目は、許可後に科学的知見が積み重なり、その表示が適切でないと分かったときである。三つ目では、事業者に落ち度があることすら必要とされない。かつては正しかった許可でも、科学が進めば取り消されうる。2016年には、関与成分が許可時の基準を満たしていなかったことを理由に、トクホの許可が史上初めて取り消された。マークは「許可された時点」の証明であって、「今も効く」という保証ではない。この時間のずれを知っているかどうかで、商品を選ぶ目も、事業者として許可を管理する目も変わってくる
法的な位置づけ
健康増進法第62条は、特別用途表示の許可の取消しに関する規定である。内閣総理大臣は、許可を受けた者が同法43条6項の表示義務に違反したとき、許可に係る食品につき虚偽の表示をしたとき、または許可日以降の科学的知見の充実により当該特別用途表示が適切でないと判明したときに、許可を取り消すことができる。
よくある質問 AI による整理
Q1特別用途表示の許可取消とは?
健康増進法62条に基づき、トクホや病者用食品などの表示許可を内閣総理大臣(実務は消費者庁)が取り消す行政処分です。取消事由は三つに限定されています。
Q2トクホ 取り消し 理由は?
表示義務違反(43条6項)、虚偽表示、許可後の科学的知見の充実による不適切化の三つです。関与成分が許可時の規格を満たさない場合なども問題になります。
Q3トクホ 取り消し 過去にあった?
あります。2016年に、関与成分が許可時の基準を満たしていなかったことを理由に、トクホの許可が初めて取り消されました。
Q4特別用途食品とは何ですか?
乳児用、妊産婦・授乳婦用、えん下困難者用、病者用など、特別の用途に適する旨の表示について国の許可を受けた食品です。トクホもこの許可制度に含まれます。
Q5トクホ 許可 取り消し されたら 販売できる?
取消し後は特別用途表示を付けて販売できません。表示を外した一般食品として売ることは別論ですが、効能をうたえば景品表示法などの問題が生じます。
Q6許可取消の前に反論できる?
できます。許可の取消しは不利益処分なので、原則として行政手続法13条の聴聞が行われ、事業者は意見陳述や証拠提出の機会を得ます。
Q7許可取消処分に不服があるときは?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または知った日から6か月以内に取消訴訟を提起できます。処分から1年経過後は原則不可です。
Q8取消された商品の一覧はどこで見られる?
消費者庁のウェブサイトで特別用途食品・特定保健用食品の許可品目一覧や関連の公表資料が確認できます。購入前に最新情報を確認するのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1トクホって一回取ったら、ずっと使えるんじゃないの?
使えない。健康増進法62条により、表示義務違反、虚偽表示、科学的知見の充実による不適切化のいずれかがあれば、許可は取り消されうる。実務のポイント:取消しまでいかなくても、販売終了時に事業者が許可の失効を届け出るケースは多い。許可品目一覧から静かに消えた商品は、表には出ない事情を抱えていることがある
Q2許可が取り消された商品を買っちゃったけど、お金は返ってくる?
62条の取消しは事業者の許可に対する処分であり、購入者への返金を直接命じるものではない。返金は事業者の自主対応か、景品表示法の措置命令、課徴金制度に基づく返金措置、民事上の請求に頼ることになる。実務のポイント:景品表示法の課徴金には、事業者が自主返金すると課徴金が減額される仕組みがある。事業者側にも返金に応じる動機があるので、早めに問い合わせた方が通りやすい
Q3違反してないのに、科学が変わったって理由で取り消されるのは納得できない
62条3号はまさにその場面を想定している。許可は表示の科学的妥当性を保証する制度なので、根拠が崩れれば維持できない。ただし「できる」規定なので取消しは裁量であり、聴聞(行政手続法13条)で反論する機会がある。実務のポイント:実務で決め手になるのは、事業者自身が許可後も研究を追い続けていたという記録である。何も追っていなかった会社は、聴聞の場で反論の弾がない
間違えやすい点 AI による整理
- 「トクホの許可は永久に有効」と思われがちだが、62条3号は科学的知見の充実を取消事由にしている。事業者に違反がなくても、科学の側が動けば許可は取り消されうる
- 取消しというと悪質な偽装だけを想像しがちだが、1号は43条6項の表示義務違反、つまり内閣府令で定められた表示事項の書き漏れや書き方の誤りも対象にしている。パッケージ改訂のときの単純な校正ミスが、取消事由の入口になりうる。重大さの程度が見えにくい分、現場では軽く扱われやすい
- 消費者の目には「マークが付いているかどうか」の二択に見える。法律の目から見れば、問われているのは「許可時の規格どおりの中身が、今も、すべてのロットで出荷されているか」という継続性である。この落差のために、品質管理の甘い事業者は許可を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 健康増進法62条:特別用途表示許可の取消し | 健康増進法43条:特別用途表示の許可と表示義務 健康増進法65条:健康保持増進効果等の誇大表示の禁止 |
| 対象者 | 43条1項の許可を受けた者 | 特別用途表示をしようとする者 食品として販売する物の広告等をする者(許可の有無を問わない) |
| 事業者の落ち度 | 1・2号は必要、3号(科学的知見の充実)は不要 | 許可要件の充足が問われる 著しく事実に相違・誤認させる表示であることが必要 |
| 効果 | 許可の取消し(裁量的処分) | 許可により特別用途表示が可能になる 勧告・命令等の行政措置の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は健康食品に許可証制度を採り、有効期間と更新を設けている。期限付き許可という点で、期限のない日本の許可+取消方式と構造が異なる
韓国は健康機能食品の機能性原料を個別認定し、安全性・機能性の再評価制度を持つ。科学的知見に応じた見直しという発想は日本の3号と共通する
ドイツを含む EU では健康強調表示を EU レベルで許可し、科学的評価に基づき変更・停止・取消を行う。個別商品ではなく表示文言単位で管理する点が異なる
米国では FDA が承認した健康強調表示について、新たな科学的証拠を踏まえ見直す手続がある。表示単位の規制であり、商品ごとの許可ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、毎朝飲んでいるトクホ飲料の許可がニュースで取り消されたら、手元の箱はどうなる? 取消しは事業者の許可に対する処分であり、あなたへの返金を自動的に生むものではない。返金や損害の請求は、景品表示法の措置や民事の交渉という別ルートで動くことになる
- あなたは健康食品メーカーの品質保証担当者である。抜き取り検査で、関与成分の含有量が許可申請時の規格を下回るロットが見つかった。消費者庁の収去検査より先に把握できたのは幸運と言える。あと数日で次の出荷が始まる。出荷停止、原因究明、自主報告のどれを先に動かすかで、許可を守れるかどうかが決まる
- 競合他社の病者用食品に、許可された内容を超える効能がパッケージに書かれている。黙って見過ごすか、消費者庁に情報提供するか。虚偽表示は62条2号の取消事由になりうる
- 介護施設の栄養士が、入居者向けのえん下困難者用食品を選ぶ場面。許可マークがあるから安心とは限らない。最新の許可品目一覧は消費者庁のサイトで公表されているので、取消しや失効がないかを確認してから採用するのが筋である
- あなたの会社のトクホ商品について、海外で関与成分の効果を否定する大規模研究が発表された。表示に虚偽はなく、品質にも問題はない。それでも3号を根拠に取消しの対象になりうる。研究動向を追う部署がないこと自体が経営リスクになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入した商品の許可が取り消された、または虚偽表示の疑いがあるときは、パッケージ・レシート・広告のスクショを保存する2. 消費者庁の公表資料で取消理由を確認する3. 返金は販売者に直接求め、応じなければ消費生活センター(188)に相談する4. 健康被害がある場合は医療記録を確保し、民法709条や製造物責任法に基づく請求を検討する
訴えられた側:1. 許可時の規格書と全ロットの検査記録を即座に照合し、逸脱の範囲を特定する2. 該当ロットの出荷停止と自主回収を検討し、経緯を時系列で記録する3. 聴聞の通知を受けたら期日までに弁明資料を整え、食品法務に詳しい弁護士を付ける4. 3号が問題になる場合は、最新の文献レビューと追試データで反論の材料をそろえる5. 取消処分が出たら審査請求または取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):取消処分に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。いずれも処分の日から1年を経過すると原則として不可。消費者側の民事請求は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
通説(撤回論):62条の「取消し」は、許可当初の瑕疵ではなく後発的事情に基づく講学上の撤回と解される。特に3号は相手方の帰責性を問わない撤回であり、比例原則と聴聞手続による統制が重要となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法の制定により、栄養改善法の特別用途表示制度を引き継ぎ、許可の取消規定が置かれた
- 2.平成21年(2009年) 改正:消費者庁の設置に伴い、特別用途表示の許可・取消の権限者が内閣総理大臣に改められた(実務は消費者庁長官に委任)
- 3.平成30年(2018年) 改正:受動喫煙対策の規定追加に伴う改正で条番号が繰り下げられ、本条は現行の第62条となった
- 健康増進法 第43条特別用途表示の許可と表示義務の根拠
- 健康増進法 第65条健康保持増進効果等の誇大表示の禁止
- 健康増進法 第61条特別用途食品の検査及び収去(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条許可取消前の聴聞手続の義務
- 不当景品類及び不当表示防止法 第5条優良誤認表示の禁止と並行規制(通称 景品表示法)
- 食品表示法 第4条食品表示基準、機能性表示食品の根拠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める