健康増進法 第61条(特別用途食品の検査及び収去)
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- 内閣総理大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に特別用途食品の製造施設、貯蔵施設又は販売施設に立ち入らせ、販売の用に供する当該特別用途食品を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において当該特別用途食品を収去させることができる。
- 2.前項の規定により立入検査又は収去をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
- 3.第一項に規定する当該職員の権限は、食品衛生法第三十条第一項に規定する食品衛生監視員が行うものとする。
- 4.第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
- 5.内閣総理大臣は、研究所に、第一項の規定により収去された食品の試験を行わせるものとする。
この条文の基本情報
特別用途食品の検査及び収去とは何ですか?
定義特別用途食品の検査及び収去とは、健康増進法第61条に定められた規定で、「内閣総理大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に特別用途食品の製造施設、貯蔵施設又は販売施設に立ち入らせ、販売の用に供する当該特別用途食品を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第61条(特別用途食品の検査及び収去)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第61条の条文原文は「内閣総理大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に特別用途食品の製造施設、貯蔵施設又は販売施設に立ち入らせ、販売の用に供する当該特別用途食品を…」で始まります。
- 健康増進法第61条は第七章 特別用途表示等に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第61条の前の条は健康増進法第60条です。
- 健康増進法第61条の次の条は健康増進法第62条です。
- 健康増進法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法61条は、内閣総理大臣又は都道府県知事が職員に特別用途食品の製造・貯蔵・販売施設へ立ち入らせ、検査や試験に必要な限度での収去をさせる権限を定める。
Q · 保健所の職員が店に来てトクホ商品を持ち帰ると言われたら、断れるの?
原則断れない。ただし身分証明書の提示は求められる
健康増進法61条1項により、内閣総理大臣(権限は消費者庁長官に委任)又は都道府県知事は、職員に特別用途食品の製造・貯蔵・販売施設へ立ち入らせ、検査や試験に必要な限度での収去をさせることができます。職員は身分証明書を携帯・提示しなければなりません(同条2項)。正当な理由なく検査を拒否・妨害すると罰則の対象となりうるため、証明書を確認したうえで協力し、収去品目とロットを記録しておくのが実務上の対応です。
解説
ドラッグストアの棚にあるトクホのお茶、病院の売店に置かれた低たんぱく食品、ベビー用品売り場の粉ミルク。どれも国の許可を受けた「特別用途食品」である。本条により、内閣総理大臣(実際の権限は消費者庁長官に委任されている)または都道府県知事は、職員を製造工場・倉庫・店舗に立ち入らせることができる。職員はそこで商品を検査し、試験に必要な量に限って持ち帰る(「収去」:行政が検査のために商品を持ち去ること)。来るのは食品衛生監視員で、身分証明書を持ち歩き、提示する義務がある。国が収去した商品は国の研究所で分析され、許可を受けた表示どおりの成分かが確かめられる。売る側が押さえておくべき点は二つある。証明書の提示を求めるのは正当な権利であること。そして、正規の検査を拒めば罰則があること。買う側にとっては、パッケージのマークの裏側にこの抜き打ち検査の仕組みがあるという事実が大事である
法的な位置づけ
健康増進法61条は、特別用途食品に関する行政の立入検査及び収去の権限を定める規定である。内閣総理大臣又は都道府県知事は、必要と認めるとき、食品衛生監視員に製造施設・貯蔵施設・販売施設へ立ち入らせ、販売用の特別用途食品を検査させ、試験に必要な限度で収去させることができる。収去品の試験は研究所が行い、権限は犯罪捜査のためと解してはならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の身分証明書を確認する 「保健所の者です」と名乗る職員が来たら、まず身分証明書の提示を求め、氏名・所属を書き留める。提示は職員の法的義務である(健康増進法61条2項)
- 2.責任者・本部へ連絡する 店長や品質管理責任者、本部に電話で連絡し、検査に協力する方針を確認する。断ると拒否と受け取られかねないため、協力姿勢を記録に残す
- 3.収去品目・ロット・数量を記録し控えを受け取る 収去された商品の品名、ロット番号、数量、日時を記録し、行政側の控えを求める。収去分は在庫差異として経理に回す
- 4.同一ロットの保存サンプルと製造記録を確保する 行政の分析結果が出る前に、同じロットの保存サンプルを確保して外部検査機関に分析を依頼し、製造記録と規格書をそろえる
- 5.分析値の不一致を告げられたら反証する 許可値と合わないと連絡を受けた場合、自社データと外部検査結果で反証し、必要に応じて弁護士に相談して許可取消し等の不利益処分に備える
よくある質問 AI による整理
Q1特別用途食品の収去とは何ですか?
行政の職員が、試験に必要な限度で店舗や工場から特別用途食品を持ち帰ることです。健康増進法61条1項が根拠で、収去品は研究所で分析されます。
Q2特別用途食品の立入検査は誰が来る?
食品衛生法30条1項に規定する食品衛生監視員が行います(健康増進法61条3項)。身分証明書の携帯と提示が義務づけられています。
Q3立入検査 身分証明書 見せてもらえる?
見せてもらえます。健康増進法61条2項は、立入検査や収去をする職員に身分証明書の携帯と関係者への提示を義務づけています。
Q4特別用途食品の立入検査に令状は必要?
不要です。行政調査として法律で認められた権限であり、同条4項は犯罪捜査のためと解してはならないと定めています。
Q5小売店も特別用途食品の検査対象?
対象です。条文は製造施設・貯蔵施設に加え販売施設を明記しており、ドラッグストアやスーパー、薬局も立入りと収去を受けえます。
Q6収去された商品の分析はどこでする?
内閣総理大臣が研究所に試験を行わせます(健康増進法61条5項)。許可された表示どおりの成分かどうかが確認されます。
Q7立入検査を拒否したら違法?
正当な理由なく拒否・妨害・忌避すると罰則の対象となりえます。日程相談自体は可能ですが、協力姿勢を記録に残すことが重要です。
Q8物流倉庫にも立入検査は来る?
特別用途食品を保管していれば「貯蔵施設」に当たりうるため、通販用の外部倉庫でも立入りの対象になる可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の人が来て商品を持って行ったけど、お金はもらえるの?
本条は、試験に必要な限度での「収去」を認めているだけで、代金の支払いについては書いていない。食品衛生法28条は「無償で収去」と明記しているので、本条の運用もそれに近いと考えておくのが現実的である。実務のポイント:収去で棚から消えた分は在庫差異として記録しておかないと、店の棚卸しで万引きロスと区別できなくなる。収去の控えは経理に回す
Q2忙しい時間に来られたら、後日にしてもらうのはダメですか?
日程の相談そのものは違法ではない。ただし、正当な理由なく検査を拒んだり、妨げたり、避けたりすると罰則の対象になる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:本条の検査は、犯罪捜査とは違って裁判所の令状がいらない(本条4項)。そのぶん「拒否」と受け取られやすい。断る前に責任者へ電話をつなぎ、協力する姿勢を記録に残す方が、後々の行政対応で有利になる
間違えやすい点 AI による整理
- 保健所の立入りは、衛生状態や食中毒の検査だと思われがちだ。しかし本条の検査が見るのは、商品が許可された「特別用途」の表示どおりの中身になっているかである。厨房がきれいでも、成分値がずれていれば問題になる。店側から見れば衛生検査、法律から見れば表示の真実性の検証であり、この見方のずれが準備不足を生む
- 第4項に「犯罪捜査のためと解してはならない」とあるので、検査結果が刑事事件に使われることはないと安心するのは早い。最高裁は別の法律(法人税法)の事案で、行政調査で集めた資料が後に刑事手続で使われる可能性があっても、それだけで直ちに違法な調査にはならないと判断した(最決平成16.1.20)。この判断が本条にどこまで及ぶかは、実務上解釈が分かれうる
- 「店に置いているだけで、作ったのはメーカーだから関係ない」というのは前提が誤っている。本条の対象には販売施設も明記されており、小売店も立入りと収去を受ける当事者である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 健康増進法61条:特別用途食品(許可を受けた特別用途表示の商品) | 食品衛生法28条:食品一般・添加物・器具等 食品表示法8条:食品表示基準の対象となる食品 |
| 検査の目的 | 特別用途表示どおりの中身かの確認 | 衛生上の危害防止 食品表示基準の遵守確認 |
| 前提となる同法の規定 | 健康増進法43条(特別用途表示の許可) | 食品衛生法上の規格基準等 食品表示法4条(食品表示基準) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も主管機関による製造・販売場所への立入検査と抽樣検験を認める。特別用途に限らず食品一般を対象とする点で日本より包括的な規定構造である。
韓国も公務員による出入・検査・収去を定め、権限を示す証票の提示を求める点で日本と類似する。
米国 FDA は書面通知と身分提示のうえで工場等を合理的な時間・方法で検査できる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある平日の午後、店長が不在の調剤薬局に「保健所の者です」と名乗る二人組が来て、病者用食品の棚を見せてほしいと言った。パートのあなたは、まず何を確認すべきか? 答えは身分証明書である。提示は職員の義務であり(本条2項)、見せてもらってから本部と店長へ連絡すればよい
- あなたは介護食メーカーの品質管理担当者である。工場に立入検査が入り、出荷前の嚥下困難者用食品が3ロット分収去された。結果が出るまでの数週間、許可どおりの規格で作った記録をすぐに出せなければ、表示許可そのものが揺らぐ
- 隣町のスーパーで、トクホのお茶の棚から数本が持ち去られていた。万引きではなく、行政の収去である
- 明日、取引先のドラッグストアチェーンから「行政に収去された御社製品の成分値が許可値と合わないと連絡があった」と知らされた。回答期限はあと3日。製造ロットの記録、保存サンプル、外部検査機関の成績書をそろえて、反証できるかどうかがこの3日で決まる
取るべき行動
被害を受けた側:特別用途食品を買って、表示どおりの効果や成分ではないと疑ったときの手順。1. 商品の現物、パッケージ、レシートを保管する2. 許可マークと許可番号を確認し、消費者庁の許可品目一覧と照らし合わせる3. 消費者庁、または都道府県の保健所・消費生活センターに情報提供する。これが本条の検査のきっかけになりうる4. 健康被害が出ている場合は、受診記録を残したうえで、民法709条による損害賠償も検討する
訴えられた側:検査や収去を受ける事業者側の手順。1. 職員の身分証明書を確認する(本条2項) 2. 検査を拒んだり妨げたりしない。罰則の対象になる3. 収去された品名、ロット、数量を記録し、控えを求める4. 同じロットの保存サンプルと製造記録を確保する5. 分析値が合わないと告げられたら、自社または外部機関の検査データで反証し、必要に応じて弁護士に相談して許可の取消し等に備える
時効(請求できる期限):本条の立入検査・収去そのものに時効はない。検査の拒否・妨害が罰金刑の対象になる場合、罰金のみの罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。罰則の条番号と金額は最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:本条の立入検査・収去は行政目的のための行政調査であり、令状は不要と解される。ただし身分証明書の提示、必要限度の収去、犯罪捜査目的の禁止という条文上の制約に服し、比例原則の範囲内で行使される必要がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法の制定により、特別用途食品に関する立入検査・収去の規定が置かれた(当時は別の条番号)。
- 健康増進法 第43条特別用途表示の許可、検査対象の前提
- 健康増進法 第62条特別用途表示の承認(現行効力を要確認)
- 健康増進法 第65条健康保持増進効果等の誇大表示の禁止(現行効力を要確認)
- 健康増進法 第74条検査・収去の拒否等への罰金(現行効力を要確認)
- 食品衛生法 第28条一般食品の臨検検査・無償収去権限
- 食品衛生法 第30条食品衛生監視員の設置、本条3項の実施者
- 食品表示法 第8条食品表示基準に係る立入検査・収去
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