人事訴訟法 第13条(人事訴訟における訴訟能力等)
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- 人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為については、民法第五条第一項及び第二項、第九条、第十三条並びに第十七条並びに民事訴訟法第三十一条並びに第三十二条第一項(同法第四十条第四項において準用する場合を含む。)及び第二項の規定は、適用しない。
- 2.訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が前項の訴訟行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を訴訟代理人に選任することができる。
- 3.訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が前項の申立てをしない場合においても、裁判長は、弁護士を訴訟代理人に選任すべき旨を命じ、又は職権で弁護士を訴訟代理人に選任することができる。
- 4.前二項の規定により裁判長が訴訟代理人に選任した弁護士に対し当該訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が支払うべき報酬の額は、裁判所が相当と認める額とする。
この条文の基本情報
人事訴訟における訴訟能力等とは何ですか?
定義人事訴訟における訴訟能力等とは、人事訴訟法第13条に定められた規定で、「人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為については、民法第五条第一項及び第二項、第九条、第十三条並びに第十七条並びに民事訴訟法第三十一条並びに第三十二条第一項(同法第…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第13条(人事訴訟における訴訟能力等)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第13条の条文原文は「人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為については、民法第五条第一項及び第二項、第九条、第十三条並びに第十七条並びに民事訴訟法第三十一条並びに第三十二条第一項(同法第…」で始まります。
- 人事訴訟法第13条は第三節 当事者に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第13条の前の条は人事訴訟法第12条です。
- 人事訴訟法第13条の次の条は人事訴訟法第14条です。
- 人事訴訟法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法13条は、離婚や認知などの人事訴訟で制限行為能力者の訴訟能力制限を外し、本人単独の訴訟行為を認める。必要なら裁判長が弁護士を訴訟代理人に選任できる。
Q · 成年後見人がついている人が離婚裁判を起こすのに、後見人の同意は必要?
要りません。人事訴訟は本人が単独で訴訟行為をできます
人事訴訟法13条1項は、人事訴訟の訴訟行為について民法9条(成年被後見人)や民事訴訟法31条(訴訟無能力)などの適用を除外しています。そのため、離婚・認知・嫡出否認などの人事訴訟では、成年被後見人や未成年者も後見人・親の同意なく本人名義で訴えを起こせます。ただし、訴え提起の意思を形成できないほど判断能力が失われている場合は、14条により成年後見人が訴訟を追行します。手続に不安があれば、13条2項により裁判長に弁護士の選任を申し立てられます。
解説
離婚したい。けれど自分は成年後見人がついている、あるいは未成年だ。普通の裁判なら、親や後見人の同意がなければ訴訟行為は一歩も進まない。ところが人事訴訟法13条1項は、その同意ルールをまるごと外す。民法5条(未成年者の法律行為の同意)、9条(成年被後見人の取消権)、13条(被保佐人の同意事項)、17条(被補助人の同意事項)、そして民事訴訟法31条(訴訟無能力)まで、すべて「適用しない」と宣言する。つまり、身分に関わる訴えについては、あなた自身の意思で訴訟を起こし、答弁し、争うことができる。誰と婚姻関係を続けるか、この子と親子であるかを決めるのは、後見人ではなくあなた本人だからだ。代わりに置かれた安全弁が2項から4項で、裁判長は弁護士を訴訟代理人に選任でき、その報酬額は裁判所が相当と認める額に抑えられる。権利は返す、ただし一人で放り出しはしない、という設計である。
法的な位置づけ
人事訴訟法13条は、人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為について、民法5条・9条・13条・17条および民事訴訟法31条・32条の行為能力・訴訟能力の制限規定を適用除外する規定である。あわせて、行為能力の制限を受けた者のため裁判長が申立てまたは職権で弁護士を訴訟代理人に選任でき、その報酬額は裁判所が相当と認める額とする旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1人事訴訟とは何ですか?
離婚、婚姻の無効・取消し、嫡出否認、認知、養子縁組関係など、身分関係の形成や存否を争う訴訟です。人事訴訟法2条が範囲を定め、家庭裁判所が管轄します。
Q2成年被後見人は離婚訴訟を起こせる?
起こせます。人事訴訟法13条1項が民法9条と民事訴訟法31条の適用を除外しているため、後見人の同意なく本人が訴訟行為をできます。
Q3被保佐人が離婚訴訟で訴えられたら保佐人の同意はいる?
不要です。13条1項は民法13条と民事訴訟法32条も適用除外しており、応訴や答弁書の提出を被保佐人本人が単独で行えます。
Q4人事訴訟で裁判長が弁護士を選任する条件は?
行為能力の制限を受けた者が訴訟行為をしようとし、裁判長が必要と認めるときです。本人の申立てによるほか、申立てがなくても職権で選任できます(13条2項・3項)。
Q5裁判長が選任した弁護士の報酬は誰が払う?
行為能力の制限を受けた本人です。報酬額は裁判所が相当と認める額に定まるため高額化は抑えられますが、刑事の国選弁護のような公費負担ではありません。
Q6未成年者が親の同意なく人事訴訟を起こすのは違法?
違法ではありません。人事訴訟の訴訟行為については民法5条1項・2項が適用されないため、法定代理人の同意がなくても本人名義で訴訟行為ができます。
Q7人事訴訟法13条と14条の違いは?
13条は本人が単独で訴訟行為をできるとする規定、14条は本人に代わって成年後見人等が訴訟を追行できるとする規定です。判断能力の程度で使い分けられます。
Q8財産分与も本人だけで争える?
13条の適用対象は人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為です。附帯処分として争われる財産分与などの扱いは、事案により慎重な検討が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が認知症で後見人がついています。本人が離婚したいと言っているんですが、後見人が反対しています。どうすればいいですか?
離婚訴訟は人事訴訟であり、人事訴訟法13条1項により民法9条の適用が外れるため、後見人の同意は不要です。本人名義で提訴できます。実務のポイント:実務で本当の争点になるのは同意ではなく、本人に訴え提起の意思が認められるかです。医師の診断書や日常の会話記録、本人の発言メモを早い段階から残しておくと、後の「本人の真意ではない」という反論を封じられる
Q2裁判長が選んでくれる弁護士って、刑事裁判の国選みたいにタダなんですか?
無料ではありません。同条4項は報酬額を裁判所が相当と認める額とすると定めるだけで、支払うのは本人です。上限が裁判所の判断で抑えられる点にメリットがあります。実務のポイント:資力が乏しい場合は日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助と併せて検討する。扶助が使えれば立替払い後の分割償還になり、実質的な負担時期を後ろにずらせる
Q3未成年でも親の同意なしに認知の訴えを起こせるんですか?
起こせます。認知の訴えは人事訴訟(人事訴訟法2条2号)であり、13条1項が民法5条1項・2項の適用を除外するため、法定代理人の同意なしに本人が訴訟行為をできます。実務のポイント:問題になりやすいのは訴訟能力ではなく費用と証拠。DNA 鑑定費用の負担と、相手方の任意の協力が得られない場合の進め方を、提訴前に弁護士と詰めておくと展開が速い
間違えやすい点 AI による整理
- 「成年後見人がついたら離婚も訴訟もできなくなる」と信じている家族は非常に多い。実際には逆で、人事訴訟においては本人が単独で訴訟行為をできる。後見人の同意を求めて時間を空費する必要はない
- 1項が適用除外にしているのは訴訟能力のルールであって、身分行為そのものの意思能力要件ではない。訴訟能力の制限は外れても、訴え提起の意思を形成できないほど判断能力が失われている場合は、成年後見人が法定代理人として訴訟を追行する(人事訴訟法14条)。「後見開始=本人単独で何でもできる」と読むのは、問いの立て方自体がずれている
- 「裁判長が弁護士を選任してくれるなら国選と同じで無料だろう」と考えると足をすくわれる。4項は報酬額を裁判所が相当と認める額とすると定めているだけで、支払義務者は本人である。金額の暴走は止まるが、負担がゼロになるわけではない
- 訴訟能力の制限が外れる効果は人事訴訟の訴訟行為に限られる。同じ事件で附帯処分として争われる財産分与や、別途の慰謝料請求の部分まで無制限に単独行為ができると理解するのは危険で、実務上の取扱いには慎重な検討を要する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の趣旨 | 人訴13条:訴訟能力の制限を外し本人が単独で訴訟行為 | 人訴14条:成年後見人等が本人のために訴訟を追行 民訴31条:未成年者・成年被後見人は法定代理人によらなければ訴訟行為不可(一般原則) |
| 想定される本人の状態 | 制限行為能力者だが訴訟行為の意思を形成できる | 判断能力が乏しく本人による訴訟追行が困難 通常の民事訴訟における未成年者・成年被後見人 |
| 本人を支える仕組み | 裁判長による弁護士の訴訟代理人選任(2項・3項)、報酬は裁判所が相当額を定める(4項) | 成年後見人・成年後見監督人が原告または被告となる 法定代理人による代理 |
| 適用範囲 | 人事訴訟(人訴2条)の訴訟手続に限る | 人事訴訟(人訴2条)の訴訟手続に限る 民事訴訟全般 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も身分・人身自由に関する事件では、意思能力を有する制限行為能力者に程序能力を認め、程序監理人の選任で支える構造をとる
ドイツは婚姻事件について、行為能力が制限された配偶者にも手続能力を認めており、日本の13条1項と発想が近い
フランスは保護成年者の離婚で後見人・保佐人の代理または補佐を求めており、本人単独を原則とする日本とは方式が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認知症の診断を受け成年後見が開始した父が、長年別居していた配偶者との離婚を望んでいる。後見人は「財産管理が面倒になる」と消極的。だがこの条文により、離婚訴訟の提起に後見人の同意は不要。本人の意思能力が訴訟遂行に足りるかは別途問題になるが、「後見人が反対だから無理」という説明は誤りである
- もし17歳で子どもを産み、相手の男性に認知を求めたいとしたら、どうなる? 認知の訴え(人事訴訟法2条2号)は人事訴訟であり、民法5条の適用が外れる。親の同意書を取りに行かなくても、本人名義で訴えを起こせる
- 被保佐人として訴えられた側に立つ場面。相手方が離婚訴訟を起こしてきたとき、保佐人が「同意しない」と言っても、応訴も答弁書の提出も本人が単独でできる。逆に言えば、届いた訴状を本人が放置すれば、誰も止めてくれないまま手続が進む
- 弁護士費用が払えないと思い込んで、届いた期日呼出状を引き出しにしまい込んだまま三週間。次の期日まであと5日。この条文の2項を知っていれば、裁判長への申立てで弁護士を選任してもらい、報酬額も裁判所が相当額に定める道があった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が起こしたい訴えが人事訴訟(離婚、婚姻無効・取消し、嫡出否認、認知、養子縁組関係など)に当たるか確認する2. 当たるなら、後見人・保佐人・補助人の同意書は不要。家庭裁判所に本人名義で訴状を提出できる3. 一人での手続が不安なら、訴状提出と同時に13条2項の弁護士選任を申し立てる4. 報酬は4項により裁判所が相当と認める額に定まるので、見積りの不透明さに怯えて申立てを先送りしない5. 判断能力の程度によっては14条の法定代理が問題になるため、その点は早い段階で裁判所書記官または弁護士に確認する
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、制限行為能力者であっても「後見人に回せば済む」と考えて放置しない。本人が訴訟行為をできる以上、放置は不利益に直結する2. 答弁書の提出期限を確認し、間に合わないなら期日変更または期限延長を書記官に相談する3. 自分で書面を作れる自信がなければ、2項の選任申立てを最優先で出す4. 相手方が「あなたには訴訟能力がない」と主張してきた場合、1項が訴訟能力の制限を適用除外にしている点を反論の軸にする
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。実際の期限は訴えの類型ごとに決まり、例えば嫡出否認の訴えは原則として子の出生を知った時から3年(民法777条、令和4年改正による。改正法の施行日と経過措置は最新の状況をご確認ください)、答弁書の提出は訴状に記載された期限、控訴は判決書送達の日から2週間である。弁護士選任の申立てに期限はないが、期日が進むほど選任の実益は減る
学説
通説:身分行為は本人の意思を尊重すべきものであるため、人事訴訟では意思能力がある限り制限行為能力者にも訴訟能力を認めるのが本条の趣旨とされる。意思能力を欠く場合は14条の法定代理による
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法に代わる人事訴訟法の制定により本条が置かれた。平成16年(2004年)4月1日施行
- 人事訴訟法 第14条成年後見人等による訴訟追行、本条の補完
- 人事訴訟法 第2条人事訴訟の定義、本条の適用範囲を画定
- 人事訴訟法 第12条被告適格、当事者構造の前提規定
- 民法 第9条成年被後見人の行為取消権、1項で適用除外
- 民事訴訟法 第31条訴訟無能力の一般原則、1項で適用除外
- 民事訴訟法 第32条被保佐人等の訴訟行為の特則、1項で適用除外
- 家事事件手続法 第17条家事事件における手続行為能力の並行規律
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