仲裁法 第2条(定義)
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- この法律において「仲裁合意」とは、既に生じた民事上の紛争又は将来において生ずる一定の法律関係(契約に基づくものであるかどうかを問わない。)に関する民事上の紛争の全部又は一部の解決を一人又は二人以上の仲裁人にゆだね、かつ、その判断(以下「仲裁判断」という。)に服する旨の合意をいう。
- 2.この法律において「仲裁廷」とは、仲裁合意に基づき、その対象となる民事上の紛争について審理し、仲裁判断を行う一人の仲裁人又は二人以上の仲裁人の合議体をいう。
- 3.この法律において「主張書面」とは、仲裁手続において当事者が作成して仲裁廷に提出する書面であって、当該当事者の主張が記載されているものをいう。
この条文の基本情報
定義とは何ですか?
定義定義とは、仲裁法第2条に定められた規定で、「この法律において「仲裁合意」とは、既に生じた民事上の紛争又は将来において生ずる一定の法律関係(契約に基づくものであるかどうかを問わない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第2条(定義)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第2条の条文原文は「この法律において「仲裁合意」とは、既に生じた民事上の紛争又は将来において生ずる一定の法律関係(契約に基づくものであるかどうかを問わない。」で始まります。
- 仲裁法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第2条の前の条は仲裁法第1条です。
- 仲裁法第2条の次の条は仲裁法第3条です。
- 仲裁法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法2条は、民事上の紛争の解決を仲裁人にゆだね、その判断に服する旨の合意を「仲裁合意」と定義する。将来の紛争は一定の法律関係に関するものに限られる。
Q · 契約書に「仲裁で解決する」と書いてあれば、それだけで仲裁合意になるの?
仲裁人の判断に「服する」合意がなければ仲裁合意ではない
仲裁法2条1項によれば、仲裁合意といえるには、①民事上の紛争が対象であること、②将来の紛争なら一定の法律関係に関するものであること、③解決を仲裁人にゆだね、その判断に服する旨を合意していることが必要です。「専門家の意見を参考に協議する」程度の合意は仲裁合意に当たりません。成立した仲裁合意がある事項について訴えを起こすと、被告の申立てにより訴えは却下されえます(同法14条)。
解説
「仲裁」と「調停」は似た言葉に見えるが、中身は正反対である。調停は話し合いが決裂すれば終わる。仲裁は、第三者の判断に最初から従うと約束する仕組みである。結果に不満があっても、原則として裁判所でやり直すことはできない。仲裁法2条は、この約束が成立する条件を三つの部品で定義している。一つ目は、対象が民事上の紛争であること。二つ目は、将来の紛争を対象にするなら「一定の法律関係」に結び付いていること。三つ目は、仲裁人の判断に「服する」と合意していること。最後の一語が欠ければ、それはただの話し合いの約束にすぎない。逆に三つが揃っていれば、相手を裁判所に訴えても、相手が仲裁合意を持ち出した時点で訴えは却下されうる(同法14条)。契約書の末尾で「仲裁」の二文字を見つけたら、三つの部品が揃っているかを確かめることだ。それが、裁判という選択肢を守るか手放すかの分かれ目になる。
法的な位置づけ
仲裁法2条1項にいう仲裁合意とは、既に生じた民事上の紛争、または将来において生ずる一定の法律関係に関する民事上の紛争の全部または一部について、その解決を一人または二人以上の仲裁人にゆだね、かつ仲裁判断に服する旨の当事者間の合意をいう。同条2項は仲裁廷を、3項は主張書面を定義する。
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁合意とは何ですか?
紛争の解決を仲裁人にゆだね、その判断に従うと約束する当事者間の合意です。仲裁法2条1項が定義しており、成立すると原則として裁判所で争えなくなります。
Q2仲裁と調停の違いは?
調停は合意できなければ不成立で終わります。仲裁は第三者の判断に従うと最初に約束するため、仲裁判断は確定判決と同一の効力を持ちます(仲裁法45条)。
Q3仲裁判断に不服があれば控訴できる?
できません。仲裁に上訴制度はありません。裁判所に取消しを申し立てられるのは、仲裁法44条が列挙する手続上の重大な瑕疵などがある場合に限られます。
Q4仲裁廷とは何ですか?
仲裁合意に基づき紛争を審理し、仲裁判断を行う一人の仲裁人、または二人以上の仲裁人の合議体のことです(仲裁法2条2項)。
Q5「一切の紛争を仲裁で解決する」という条項は有効?
将来の紛争について法律関係を特定しない包括的な合意は、仲裁法2条1項の「一定の法律関係」要件を欠くと判断されうるため、有効性に疑いが残ります。
Q6不法行為の紛争も仲裁合意の対象になる?
なります。2条1項は「契約に基づくものであるかどうかを問わない」と明記しており、民事上の紛争であれば契約外の法律関係も対象にできます。
Q7仲裁合意があるのに訴えたらどうなる?
被告が本案について弁論する前に仲裁合意の存在を主張すれば、訴えは却下されえます(仲裁法14条1項)。主張が遅れると抗弁は失われます。
Q8主張書面とは何ですか?
仲裁手続で当事者が作成し仲裁廷に提出する、自分の主張を記載した書面です(仲裁法2条3項)。記載内容によっては仲裁合意の成立に影響します(同法13条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家のリフォーム契約に仲裁合意書が付いてたんだけど、消費者でも従わなきゃいけないの?
消費者と事業者の間の仲裁合意については、消費者が原則として解除できる特則が仲裁法附則に置かれている。ただし、消費者自身が仲裁を申し立てた場合など、解除できない例外がある。実務のポイント:事業者は仲裁合意書を「標準書式だから」と言って出してくることが多いが、付けるかどうかは任意である。署名前に外してほしいと言えば、多くの場合は通る
Q2仲裁人って誰がなるの?弁護士じゃないとダメ?
法律上の資格要件はない。当事者の合意で選ぶことができ、定めがなければ当事者が二人の場合は三人の合議体になる(仲裁法16条)。その一人または合議体が「仲裁廷」である(2条2項)。実務のポイント:建築士やエンジニアなど業界の専門家を仲裁人に選べることが、裁判にない最大の利点である。誰を選ぶかで結論の方向性が決まると言われるほど重要で、公正さに疑いがあれば忌避(18条)もできる
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲裁は調停の一種だから、納得できなければ裁判に行ける」と思われがちだが、それは誤りである。仲裁判断は確定判決と同一の効力を持つ(仲裁法45条1項)。取消しを求められるのは、手続上の重大な瑕疵など44条が限定的に列挙した事由がある場合に限られる。判断内容が不当だという不満は、原則として取消事由にならない
- 「仲裁と裁判、どちらが有利か」という問いは、順番を取り違えている。先に確かめるべきは、その条項がそもそも仲裁合意として成立しているかどうかである。将来の紛争について、法律関係を特定せずに当事者間の「一切の紛争」を仲裁に付すとした合意は、「一定の法律関係」という要件を欠くと判断されうる
- あなたにとって「主張書面」は手続上の書類の一つにすぎないかもしれない。しかし法律上は、仲裁合意が成立したかどうかを左右する書類になりうる。一方当事者の主張書面に仲裁合意の記載があり、相手方がこれを争わなければ、書面による合意があったものとみなされる規定がある(同法13条)。反論を書き忘れた一通の書面が、契約書のなかった合意を確定させてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 仲裁法2条:仲裁合意の中身(何を合意すれば仲裁合意か)を定義 | 仲裁法13条:仲裁合意の方式(書面要件)と効力を定める 仲裁法14条:仲裁合意がある場合の訴えの扱いを定める |
| 欠けたときの結果 | 「服する」旨や法律関係の特定を欠けば、そもそも仲裁合意に当たらない | 書面要件を欠けば仲裁合意は無効 被告が期限内に主張しなければ、裁判所で本案審理が進む |
| 実務で確認する点 | 対象紛争・仲裁人への委託・「服する」の文言 | 契約書・電磁的記録・主張書面のやり取りの有無 本案弁論前に仲裁合意の抗弁を出したか |
他国ではどう定めているか 4 か国
現在または将来の紛争について仲裁協議を締結できると定め、書面要件を課す。将来の紛争は一定の法律関係に基づくものに限る点で日本と共通する
韓国もモデル法を受容しており、仲裁合意を一定の法律関係に関する紛争を仲裁で解決する合意と定義する
ドイツもモデル法に準拠し、一定の法律関係に関する紛争を仲裁廷の判断に服させる合意としてほぼ同じ構造で定義する
米国は書面による仲裁条項を有効かつ執行可能とする。モデル法ではなく独自の連邦法体系で、消費者・労働者契約への強制仲裁の是非が大きな論点になっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の取引先と結んだ販売代理店契約に「本契約に関する紛争は、シンガポールにおける仲裁により最終的に解決する」とある。代金の未払いで東京地裁に訴えたら、どうなる? 仲裁地が海外でも、相手が仲裁合意を主張すれば訴えは却下されうる(仲裁法3条2項、14条)。払った印紙代と数か月の時間が消える
- 工務店を経営するあなたが、施主から欠陥工事で訴えられた。請負契約書には、建設工事紛争審査会の仲裁に付すという仲裁合意書が添付されている。第一回期日まで残り10日。答弁書で工事の正当性を論じる前に、まず仲裁合意の存在を主張しなければ、その防御手段は失われる。ただし施主が消費者なら、仲裁合意を解除される可能性も計算に入れておく
- 取引先とのメールで「専門家の意見を聞き、それを参考に話し合う」と合意した。判断に「服する」約束がない以上、これは仲裁合意ではない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書の紛争解決条項を確認する。対象の紛争、仲裁機関、仲裁地、「服する」旨の文言の四点を書き出す2. 自分が消費者なら、仲裁法附則による解除の可否を検討する。労働者であり、将来の労働紛争を対象とする合意なら無効を主張する3. 「一定の法律関係」の特定が不十分な場合や書面要件(13条)を欠く場合は、仲裁合意の不成立を主張し、裁判所で争う4. 仲裁に進むなら、仲裁人の選任(16条以下)に全力を注ぐ
訴えられた側:1. 仲裁合意がある契約で訴えられたら、答弁書の冒頭で仲裁合意の存在を主張し、訴えの却下を求める。本案の反論は後に回す2. 仲裁手続中に相手の主張書面で事実と異なる合意内容が記載されたら、必ず書面で争う3. 仲裁判断に重大な手続違反がある場合は、取消申立て(44条)を期限内に行う4. 費用と期間を比べ、仲裁と和解のどちらが得かを早期に試算する
時効(請求できる期限):仲裁合意の抗弁は、本案について弁論をする前に主張しなければならない(仲裁法14条1項)。仲裁判断の取消申立ては、仲裁判断書の写しの通知を受けた日から3か月以内に行う(同法44条2項)。紛争の対象となる債権には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。仲裁手続における請求には時効の完成猶予・更新の効力がある(仲裁法29条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
仲裁合意の法的性質をめぐる議論:仲裁合意を訴訟法上の効果を目的とする訴訟契約とみる立場、私法上の契約とみる立場、両者の性質を併せ持つとみる立場がある。いずれの立場でも、仲裁法の規律に従って成立・効力が判断される点に実務上の差は小さい
「一定の法律関係」要件:将来の紛争について、当事者間に生ずる一切の紛争を対象とする包括的合意は認めない趣旨と解されている。当事者が何を裁判から外すのかを予見できる範囲に限定するための要件である
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定、平成16年(2004年)3月1日施行 UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法に準拠する仲裁法の制定に伴い新設された。旧「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」の仲裁規定に代わるもの。令和5年(2023年)改正が本条の文言に及んだかどうかは要検証
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法に準拠した仲裁法の制定により新設。平成16年(2004年)3月1日施行。旧「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」の仲裁規定に代わる
- 仲裁法 第13条仲裁合意の書面要件と効力
- 仲裁法 第14条仲裁合意がある訴えの却下
- 仲裁法 第44条仲裁判断の取消事由と申立期間
- 仲裁法 第45条仲裁判断の確定判決同一効
- 建設業法 第25条建設工事紛争審査会による仲裁の特則
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