仲裁法 第3条(適用範囲)
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- 次章から第七章まで、第九章及び第十章の規定は、次項及び第八条に定めるものを除き、仲裁地が日本国内にある場合について適用する。
- 2.第十四条第一項及び第十五条の規定は、仲裁地が日本国内にある場合、仲裁地が日本国外にある場合及び仲裁地が定まっていない場合に適用する。
- 3.第八章の規定は、仲裁地が日本国内にある場合及び仲裁地が日本国外にある場合に適用する。
この条文の基本情報
適用範囲とは何ですか?
定義適用範囲とは、仲裁法第3条に定められた規定で、「次章から第七章まで、第九章及び第十章の規定は、次項及び第八条に定めるものを除き、仲裁地が日本国内にある場合について適用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第3条(適用範囲)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第3条の条文原文は「次章から第七章まで、第九章及び第十章の規定は、次項及び第八条に定めるものを除き、仲裁地が日本国内にある場合について適用する。」で始まります。
- 仲裁法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第3条の前の条は仲裁法第2条です。
- 仲裁法第3条の次の条は仲裁法第4条です。
- 仲裁法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法3条は、仲裁法の大半を仲裁地が日本国内の場合に限って適用すると定める。ただし訴えの却下・保全処分・承認執行の規定は仲裁地が国外でも適用される。
Q · 仲裁地が海外の契約でも、日本の仲裁法は使えるの?
仲裁地が日本なら全面適用、国外なら却下・保全・執行のみ
仲裁法3条1項により、仲裁合意の方式、仲裁人の選任、審理手続、仲裁判断の取消しなど仲裁法の大部分は、仲裁地が日本国内にある場合にだけ適用されます。ただし同条2項により、仲裁合意を理由とする訴えの却下(14条1項)と保全処分(15条)は仲裁地が国外または未定でも適用され、同条3項により、第八章の承認・執行の規定は外国仲裁判断にも適用されます。
解説
仲裁法は五十条あまりの条文からなる。そのうちどれがあなたの紛争に効くのかを仕分けているのが本条である。基準は一つしかない。「仲裁地」(仲裁手続の法的な本拠地のこと。審理を実際に開く会場とは別物)がどこにあるかである。仲裁地が日本なら、仲裁合意の方式、仲裁人の選任、審理手続、仲裁判断の取消しまで、ほぼ全章が適用される。仲裁地が海外なら、日本の仲裁法の大半は適用されない。それでも、国境を越えて効く規定が二つある。一つは14条1項で、仲裁合意があるのに裁判を起こされた被告は、申立てによって訴えを却下させられる。もう一つは15条で、仲裁の最中でも日本の裁判所に仮差押えなどの保全処分(判決の前に相手の財産を凍結しておく手続)を求めることができる。さらに第八章によって、海外で出た仲裁判断も、日本の裁判所で執行決定を得れば日本国内の財産に強制執行できる。契約書の「仲裁地」の一語を読み飛ばすと、負けたときに日本の裁判所で取消しを争えるかどうかまで、知らないうちに決まってしまう。
法的な位置づけ
仲裁法3条は仲裁法の場所的適用範囲を定める規定であり、仲裁地が日本国内にあるか否かを基準として各章の適用の有無を振り分ける。仲裁地が日本国内の場合は原則として全章が適用され、仲裁地が国外または未定の場合でも、仲裁合意を理由とする訴えの却下、裁判所の保全処分、仲裁判断の承認及び執行に関する規定は適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約書から仲裁地を特定する 紛争解決条項から「仲裁地(seat of arbitration / place of arbitration)」の記載を探す。審理会場(venue)や仲裁機関の所在地とは区別し、仲裁地が日本・国外・未定のどれに当たるかを確定する
- 2.適用される仲裁法の規定を振り分ける 仲裁地が日本なら仲裁法の第二章から第十章までが原則として適用される。国外または未定なら、14条1項・15条・第八章(国外の場合)・8条(未定の場合の一定事項)に絞って検討する
- 3.日本の裁判所で使える手段を確保する 日本で訴えられた場合は本案について弁論する前に14条1項の却下を申し立てる。相手方の資産が日本にあれば、15条と民事保全法に基づき仮差押えなどの保全処分を検討する
- 4.仲裁判断後の取消し・執行の場を決める 仲裁地が日本なら44条の取消し申立てを期限内に検討する。仲裁地が国外なら取消しは仲裁地国の裁判所で行い、日本では45条・46条に基づく執行決定の申立て、またはその拒否事由の主張で対応する
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁法の適用範囲とは?
仲裁法3条が定める、日本の仲裁法がどの仲裁に適用されるかの範囲です。基準は仲裁地で、日本国内なら原則として全章が適用されます。
Q2仲裁地が決まっていない場合、日本の仲裁法は適用される?
一部は適用されます。訴えの却下(14条1項)と保全処分(15条)は仲裁地未定でも適用され、一定の場合は8条により裁判所が仲裁人選任などに関与します。
Q3外国仲裁判断は日本で強制執行できる?
できます。仲裁法3条3項により第八章が外国仲裁判断にも適用され、日本の裁判所で執行決定を得れば国内の財産に強制執行できます。
Q4海外仲裁の仲裁判断を日本の裁判所で取り消せる?
取り消せません。取消しを定める第七章は仲裁地が日本の場合にしか適用されず、仲裁地国の裁判所に取消しを申し立てる必要があります。
Q5仲裁中に日本の裁判所で仮差押えはできる?
できます。15条は仲裁地が国外でも適用されるため、仲裁合意があっても日本の裁判所に仮差押えなどの保全処分を申し立てられます。
Q6仲裁法の第何章が仲裁地にかかわらず適用される?
第八章(仲裁判断の承認及び執行決定)は仲裁地が国内・国外のどちらでも適用されます。第二章の14条1項・15条は仲裁地未定の場合にも適用されます。
Q7仲裁法3条はいつから施行されている?
仲裁法は平成15年(2003年)に制定され、平成16年(2004年)3月1日に施行されました。本条は制定時から仲裁地を基準とする仕組みを採っています。
Q8日本の仲裁法は UNCITRAL 模範法と同じ?
基本的に模範法に準拠しています。3条の仲裁地基準(属地主義)も、模範法1条2項の考え方を取り入れたものです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁地って、ヒアリングをやる場所のことじゃないんですか?
違う。仲裁地は手続の法的な本拠地で、仲裁廷は仲裁地とは別の場所で審理を開ける(28条3項)。本条は審理会場ではなく仲裁地を基準に、日本の仲裁法をどこまで適用するかを決めている。実務のポイント:国際仲裁では、仲裁地をシンガポールにしたまま審理はオンラインや東京で行う、という組み合わせが珍しくない。交渉の場で「会場は譲るから、仲裁地はこちらの国にしてほしい」と切り出す実務家がいるのは、そのためである
Q2海外の仲裁で負けたけど、日本の裁判所で取り消してもらえますか?
できない。仲裁判断の取消しを定める第七章は、本条1項により仲裁地が日本の場合にしか適用されない。日本でできるのは、執行決定の手続の中で45条2項の事由を主張して執行を拒むことだけである。実務のポイント:仲裁地国の裁判所で仲裁判断が取り消されれば、日本の裁判所もそれを理由に執行を拒否できる(45条2項7号)。そのため、本当の勝負どころは仲裁地国での取消し申立てになり、しかもその期限は短いことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「審理を東京のホテルの会議室でやれば日本の仲裁になる」と考えがちだが、そうはならない。仲裁廷は、仲裁地にかかわらず適当な場所で審理を行える(28条3項)。仲裁地がロンドンなら、審理をすべて東京で行っても日本の仲裁法の大部分は適用されない。基準になるのは会場ではなく、法的な本拠地である
- 「どこの国の法律なら勝てるか」と準拠法ばかり気にしているなら、問いの立て方が間違っている。契約の中身を判断する準拠法と、手続を支配し取消しの管轄を決める仲裁地は、別々の論点である。準拠法を日本法にしても、仲裁地がニューヨークなら、仲裁判断に不服があるときに頼れるのは日本の裁判所ではない
- 海外の仲裁判断でも日本で執行できる、という点を知っている人は多い。見落とされているのはその重さで、日本の裁判所は仲裁判断の中身の当否を審査し直さない。不服を申し立てられる理由は45条2項の限られた事由に絞られる。「判断がおかしい」だけでは止められない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 仲裁法3条:仲裁地を基準に各章の適用範囲を振り分ける | 仲裁法44条:仲裁判断の取消しの申立て 仲裁法45条:仲裁判断の承認と拒否事由 |
| 仲裁地との関係 | 仲裁地が日本・国外・未定のどれかで適用規定が変わる | 仲裁地が日本の場合のみ適用(3条1項) 仲裁地が日本・国外のいずれでも適用(3条3項) |
| 敗れた側が取れる手段 | どの手段が日本で使えるかを決める入口 | 日本の裁判所で仲裁判断そのものを取り消す 執行決定の手続で拒否事由を主張して執行を拒む |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は仲裁判断が領域内で作成されたかどうかで内国・外国仲裁判断を区別し、外国仲裁判断は法院の承認を経て執行される。日本の仲裁地基準と考え方は近い
韓国も仲裁地が韓国の場合に適用するのを原則とし、訴えの却下や保全処分、承認執行の規定は仲裁地が国外でも適用する。日本の3条とほぼ同じ構造
ドイツも仲裁地基準を採用し、仲裁合意に基づく訴えの却下や保全処分、外国仲裁判断の承認執行は仲裁地が国外でも適用する。日本の本条の直接的な比較対象
米国は連邦仲裁法第2章でニューヨーク条約を実施し、外国仲裁判断の承認執行を規律する。仲裁法の適用範囲を一条で振り分ける日本型の規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 香港を仲裁地とする条項が入った取引先が、突然あなたを大阪地裁に訴えてきたら、どうなる? 仲裁地が海外でも14条1項は適用されるので、被告であるあなたは訴えの却下を申し立てられる。ただし本案(請求の中身)について弁論してしまった後では、この申立ては認められない。答弁書の書き方一つで、戦う場所が変わる
- シンガポール仲裁で負けたのはあなたの会社である。相手方は東京地裁に執行決定を申し立て、日本の銀行口座を狙っている。仲裁地が国外なので、日本の裁判所で仲裁判断を取り消すことはできない。審尋期日までの数週間で、使える武器は45条2項に列挙された拒否事由だけである。仲裁合意が無効だった、手続の通知を受けていなかった、公序良俗に反する、といった事由から、自社の案件に当てはまるものを探すしかない
- 仲裁地を空欄にしたまま契約し、仲裁人がいつまでも決まらない。一定の条件を満たせば、8条によって日本の裁判所が仲裁人の選任を手伝ってくれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書の仲裁条項で、仲裁地、仲裁機関、仲裁規則を確認する2. 相手の資産が日本にあれば、仲裁を申し立てる前でも15条と民事保全法に基づいて仮差押えを検討する3. 指定された仲裁機関に仲裁を申し立てる4. 勝訴したら、仲裁地が国外であっても45条・46条により日本の裁判所に執行決定を申し立て、国内の財産に強制執行する
訴えられた側:1. 仲裁合意があるのに日本で訴えられたら、本案について弁論する前に14条1項による却下を申し立てる2. 外国仲裁判断の執行決定を求められたら、45条2項の拒否事由(仲裁合意の無効、通知の欠如、公序違反など)を一つずつ点検する3. 仲裁地が日本なら44条の取消しの申立てを、国外なら仲裁地の裁判所での取消しを、それぞれ期限内に検討する
時効(請求できる期限):14条1項の却下の申立ては、本案について弁論または弁論準備手続で申述をする前にしなければならない。仲裁地が日本の場合、仲裁判断の取消しの申立ては、仲裁判断書の写しの通知を受けた日から3か月以内で、かつ執行決定が確定する前に限られる(44条2項)。仲裁地が国外の場合の取消し期限は仲裁地国の法令による
学説
通説(属地主義):本条は UNCITRAL 模範法に倣い、仲裁地を唯一の基準として仲裁法の適用範囲を画するものと解される。当事者が仲裁地を日本と合意すれば、審理を国外で行っても日本の仲裁法が手続を規律し、日本の裁判所が取消しの管轄を持つ。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 明治期の「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」の仲裁編に代わり、UNCITRAL 模範法に準拠した仲裁法が制定され、本条で仲裁地を基準とする属地主義が採用された(平成16年3月1日施行)
- 令和5年(2023年)改正 暫定保全措置の執行制度の整備、仲裁合意の書面性の緩和などが行われ、令和6年4月1日に施行された。本条の文言が変更されたかどうかは人による確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:仲裁法の制定により新設。旧「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」に代わり、UNCITRAL 模範法に準拠した仲裁地基準の適用範囲規定が設けられた(平成16年3月1日施行)。
- 仲裁法 第14条仲裁合意を理由とする訴えの却下
- 仲裁法 第15条仲裁合意と裁判所の保全処分の両立
- 仲裁法 第28条仲裁地の決定方法と審理場所の分離
- 仲裁法 第44条日本が仲裁地の場合のみの取消し
- 仲裁法 第45条仲裁地を問わない承認と拒否事由
- 民事訴訟法 第3条の7国際裁判管轄の合意との使い分け
- 法の適用に関する通則法 第7条仲裁合意の準拠法の決定基準
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