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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

仲裁法 第38条(和解)

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  1. 仲裁廷は、仲裁手続の進行中において、仲裁手続に付された民事上の紛争について当事者間に和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあるときは、当該和解における合意を内容とする決定をすることができる。
  2. 2.前項の決定は、仲裁判断としての効力を有する。
  3. 3.第一項の決定をするには、次条第一項及び第三項の規定に従って決定書を作成し、かつ、これに仲裁判断であることの表示をしなければならない。
  4. 4.当事者双方の承諾がある場合には、仲裁廷又はその選任した一人若しくは二人以上の仲裁人は、仲裁手続に付された民事上の紛争について、和解を試みることができる。
  5. 5.前項の承諾又はその撤回は、当事者間に別段の合意がない限り、書面でしなければならない。

この条文の基本情報

和解とは何ですか?

定義和解とは、仲裁法第38条に定められた規定で、「仲裁廷は、仲裁手続の進行中において、仲裁手続に付された民事上の紛争について当事者間に和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあるときは、当該和解における合意を内…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 仲裁法第38条(和解)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
  2. 仲裁法第38条の条文原文は「仲裁廷は、仲裁手続の進行中において、仲裁手続に付された民事上の紛争について当事者間に和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあるときは、当該和解における合意を内…」で始まります。
  3. 仲裁法第38条は第六章 仲裁判断及び仲裁手続の終了に置かれています。
  4. 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
  5. 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 仲裁法第38条の前の条は仲裁法第37条です。
  7. 仲裁法第38条の次の条は仲裁法第39条です。
  8. 仲裁法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第38条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138
  • 本サイト収録仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/38

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点仲裁法38条は、仲裁手続中に和解が成立し当事者双方が申し立てたとき、仲裁廷が和解内容を決定にでき、その決定は仲裁判断と同じ効力を持つと定める。

Q · 仲裁中に相手と和解したら、その和解書だけで差押えできる?

和解書だけでは不可。手続中に38条の決定を得る必要がある

仲裁手続の途中で和解しても、和解書だけでは民法上の和解契約にとどまり、強制執行の根拠になりません。仲裁法38条1項により、手続の進行中に当事者双方が申し立てれば、仲裁廷は和解内容を決定にでき、その決定は仲裁判断としての効力を持ちます(2項)。さらに裁判所の執行決定(46条)を得れば差押えが可能になります。取下げや手続終了の後では申し立てられない点に注意が必要です。

解説

仲裁の途中で相手と和解がまとまっても、ただ握手して終わるだけなら、その合意は普通の契約書にすぎない。相手が約束どおりお金を払わなければ、改めて訴訟を起こして判決を取るところからやり直しになる。仲裁法38条は、ここを一段で飛び越える方法を用意している。当事者双方が申し立てれば、仲裁廷は和解の内容をそのまま「決定」にでき、その決定は仲裁判断と同じ効力を持つ(2項)。裁判所の執行決定(46条)を得れば、相手の財産を差し押さえられる(強制執行できる)書面になるということだ。条件は三つ。仲裁手続がまだ続いていること、双方が申し立てること、39条に従った決定書に「仲裁判断である」と書くこと。もう一つの論点は4項である。仲裁人が自分で和解を仕切ること(いわゆるアーブ・メッド)は、双方の承諾があるときに限って許される。その承諾は、別段の合意がなければ書面で行う。承諾していないのに仲裁人が和解を仕切った場合、仲裁判断の取消しを争う材料になる可能性がある

法的な位置づけ

仲裁法38条は、仲裁手続の進行中に成立した和解を、当事者双方の申立てに基づき仲裁廷が決定の形式で確認し、これに仲裁判断としての効力を付与する制度を定める規定である。決定書は39条1項・3項の方式に従い作成し、仲裁判断である旨を表示する。あわせて、仲裁廷による和解の試みを当事者双方の承諾に係らしめ、承諾と撤回は原則として書面による。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.和解条項を強制執行できる形に詰める 支払額・支払期限・振込先・遅延損害金・期限の利益喪失条項など、給付の内容を第三者が読んでも特定できる具体性で書く。作為義務がある場合は、内容・期限・完了基準を明記する
  2. 2.取下げ前に双方連名で決定を申し立てる 仲裁手続の進行中に、当事者双方の名義で仲裁廷に対し、和解における合意を内容とする決定(38条1項)を申し立てる。取下げや終了の合意より先に行う
  3. 3.決定書の記載事項を確認する 決定書が書面で作成され仲裁人が署名しているか、作成年月日と仲裁地が記載されているか(39条1項・3項)、「仲裁判断である」旨の表示があるか(38条3項)を確認する
  4. 4.不履行なら裁判所に執行決定を申し立てる 相手が支払わない場合、地方裁判所に執行決定(46条)を申し立てる。仲裁判断書の写し、その写しが原本と同一であることを証明する文書、外国語の場合は日本語訳を添付する。執行決定を得てから強制執行に進む

よくある質問 AI による整理

Q1和解的仲裁判断とは何ですか?

仲裁手続中に成立した和解を、当事者双方の申立てにより仲裁廷が決定にしたものです。仲裁法38条2項により仲裁判断としての効力を持ちます。

Q2仲裁で和解したら、すぐ取り下げてもいい?

取り下げる前に38条1項の決定を申し立てるべきです。手続が終わった後では申し立てられず、和解は執行力のない契約にとどまります。

Q3和解の決定は片方の申立てだけでできますか?

できません。仲裁法38条1項は「当事者双方の申立て」を要件としています。相手が申立てに応じない場合、決定にはできません。

Q438条の決定書に理由の記載は必要ですか?

38条3項は39条1項(書面・署名)と3項(年月日・仲裁地)だけを挙げ、理由記載を定める2項を含まないため、理由は不要と解されています。

Q5仲裁人が和解を試みるには承諾が必要?

必要です。仲裁法38条4項により当事者双方の承諾が要件で、5項により承諾は別段の合意がない限り書面で行います。

Q6仲裁人の和解勧試への承諾は撤回できますか?

撤回できます。38条5項は承諾の撤回も規定しており、別段の合意がない限り書面で撤回します。撤回後、仲裁人は和解を試みられません。

Q7和解を内容とする仲裁判断は海外で執行できる?

仲裁判断としての効力を持つため、ニューヨーク条約による承認・執行の対象になると一般に考えられています。執行国での扱いは事前確認が必要です。

Q8和解を内容とする決定は取り消せますか?

仲裁判断として扱われるため、公序良俗違反など44条の取消事由があれば取消しを申し立てられます。申立期間は通知から3か月以内です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1仲裁を申し立てる前に話がついちゃったんですが、それを仲裁判断にできますか?

38条1項は「仲裁手続の進行中」に成立した和解が対象です。和解を仲裁判断にするためだけに形式的に仲裁を始める方法が許されるかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:国境を越えた和解では、2023年に日本が加入した調停に関するシンガポール条約と、その実施法を使えないかを先に検討するほうが筋がよい場合があります

Q2仲裁人に和解を任せると、こっちが不利になることってあります?

あります。個別面談で相手の弱点を聞いた仲裁人が、和解が失敗した後にその事件を判断する可能性があるためです。だからこそ38条4項・5項は、双方の承諾とその書面化を求めています。実務のポイント:承諾書に「和解が不成立となった場合、個別面談で得た情報は判断の基礎にしない」と一文入れておくと、後で忌避(18条)や取消し(44条)を主張する根拠になります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「仲裁中に和解したのだから、その和解は仲裁判断と同じ重みがある」と思われがちだが、そうはならない。仲裁判断と同じ効力が生まれるのは、当事者双方の申立てを受けて、仲裁廷が38条1項の決定をした場合だけである。決定がなければ、それは民法上の和解契約(民法695条)にとどまり、それだけでは強制執行できない
  • 和解を勧めてくれる仲裁人はありがたい存在だという見方は、当事者からは自然に見える。だが法律から見ると、和解の席で相手の本音や弱みを聞いた人物が、和解が失敗すれば同じ事件を判断する立場に戻ることになる。だからこそ4項・5項は、双方の承諾とその書面化を求めている。仲裁人に和解を任せるかどうかは、判断者に何を聞かせるかを選ぶことでもある
  • 「和解を仲裁判断にすれば、もう誰も文句を言えない」は半分しか正しくない。38条の決定も仲裁判断として扱われるため、公序良俗に反する内容などがあれば44条の取消しや46条の執行拒否の対象になりうる。違法な合意を、仲裁判断の形にして通すことはできない
比較の観点この条文ほかの条文
効力仲裁法38条の決定:仲裁判断としての効力(執行決定で強制執行可能)仲裁法40条の終了決定(38条決定なし):手続を終わらせるのみ、和解は私法上の契約
民事訴訟法267条:和解調書の記載は確定判決と同一の効力
要件手続の進行中・和解成立・当事者双方の申立て和解の成立(申立て不要)
訴訟係属中に期日で和解し調書に記載
強制執行までの手順裁判所の執行決定(46条)を得る必要がある改めて訴訟等で債務名義を取得する必要がある
和解調書がそのまま債務名義になる
争う手段取消し(44条)、執行決定手続での拒否事由(46条)和解契約の無効・取消しを一般の訴訟で主張
和解の無効を主張する期日指定申立て等

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
仲裁法第44条

仲裁判断前の和解について仲裁人が和解書を作成し、仲裁判断と同一の効力を認める。強制執行には法院の執行裁定が必要とされ、日本の執行決定と同じ構造

韓国
중재법 제31조

モデル法第30条に倣い、和解を内容とする仲裁判断を認める。日本と同じ系統の規定

ドイツ
ZPO § 1053

当事者の申立てにより和解を合意内容による仲裁判断(Schiedsspruch mit vereinbartem Wortlaut)として記録できる。公序違反の場合は拒否できる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 海外の部品メーカーと仲裁中、相手が「1億円を分割で払う」と折れてきた。和解書にサインして仲裁を取り下げれば、それで決着したように見える。だが三回目の支払いが止まったら、その和解書だけでは差押えに進めない。取り下げる前に38条1項の決定を申し立てていたかどうかで、回収までの時間が年単位で変わる
  • 仲裁人から「一度、双方と個別に話してみたい」と言われたら、何を確認すべきか? 4項の承諾は原則として書面でする必要がある。片方だけと個別に話す方式(コーカス)を認めるか、和解が失敗したら仲裁人が判断に戻ってよいか。これを書面で決めないまま承諾すると、後で仲裁人の公正さを疑う理由ができても争いにくくなる
  • あなたは受注側の工務店で、施主との仲裁で和解がまとまりかけている。相手方代理人が今週中に、和解内容を仲裁判断にする申立書へ連名で署名するよう求めてきた。署名すれば、支払条項も免責条項も執行力を持つ。その前に、自社が負う作業義務の書き方が強制執行に耐えるほど具体的か、一行ずつ確認する時間を確保すること

取るべき行動

被害を受けた側:1. 和解がまとまったら、取下書を出す前に双方連名で38条1項の決定を申し立てる2. 支払額・期限・振込先・遅延損害金などの給付条項は、強制執行できるほど具体的に書く3. 決定書に「仲裁判断である」と明記されているか確認する(3項) 4. 相手が支払わなければ、裁判所に執行決定を申し立てる(46条)。海外の相手であれば、ニューヨーク条約の締約国で承認・執行できるかを事前に専門家に確認する

訴えられた側:1. 自分が払う側の場合も、決定にすると執行力が生まれることを前提に、分割払いの期限の利益喪失条項(一回でも遅れたら残額を一括で払う条項)や免責条項を慎重に詰める2. 仲裁人から和解の打診があれば、承諾の範囲と撤回の方法を書面で定める(5項) 3. 承諾していないのに仲裁人が和解を仕切った、和解の内容に重大な違法がある、という場合は取消申立て(44条)を検討する

時効(請求できる期限):38条1項の決定は、仲裁手続の進行中にしか申し立てられない。手続が終わったり取り下げたりした後は申し立てられない。決定(仲裁判断)の取消しは、決定書の写しの送付を受けた日から3か月以内に申し立てる(仲裁法44条2項)。執行決定の申立てには特定の期限はないが、和解に基づく債権そのものには一般消滅時効(民法166条、5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:38条1項の決定は仲裁判断として扱われるため、取消し(44条)や執行決定(46条)の審査対象となる。和解の内容が公序良俗に反する場合は、仲裁判断の形を取っても取消し・執行拒否を免れない

解釈が分かれる論点:仲裁開始前に成立した和解を仲裁判断にするためだけに形式的に仲裁手続を始める方法が許されるかは、「仲裁手続の進行中」要件との関係で見解が分かれている

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)制定 UNCITRAL モデル法に準拠した仲裁法の制定により新設された。和解を内容とする決定と、仲裁人による和解の試みの承諾要件を定めた。その後の改正の有無は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成15年(2003年) 新設:UNCITRAL モデル法に準拠した仲裁法の制定により新設。和解を内容とする決定と、仲裁人による和解の試みの承諾要件を定めた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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