仲裁法 第5条(裁判所の管轄)
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- この法律の規定により裁判所が行う手続に係る事件は、次に掲げる裁判所の管轄に専属する。
- 一当事者が合意により定めた地方裁判所
- 二仲裁地(一の地方裁判所の管轄区域のみに属する地域を仲裁地として定めた場合に限る。)を管轄する地方裁判所
- 三当該事件の被申立人の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所
- 2.前項の規定にかかわらず、仲裁地が日本国内にあるときは、この法律の規定により裁判所が行う手続に係る申立ては、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所にもすることができる。
- 3.この法律の規定により二以上の裁判所が管轄権を有するときは、先に申立てがあった裁判所が管轄する。
- 4.裁判所は、この法律の規定により裁判所が行う手続に係る事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。
- 5.裁判所は、第三項の規定により管轄する事件について、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該事件の全部又は一部を同項の規定により管轄権を有しないこととされた裁判所に移送することができる。
この条文の基本情報
裁判所の管轄とは何ですか?
定義裁判所の管轄とは、仲裁法第5条に定められた規定で、「この法律の規定により裁判所が行う手続に係る事件は、次に掲げる裁判所の管轄に専属する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第5条(裁判所の管轄)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第5条の条文原文は「この法律の規定により裁判所が行う手続に係る事件は、次に掲げる裁判所の管轄に専属する。」で始まります。
- 仲裁法第5条は第一章 総則に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第5条の前の条は仲裁法第4条です。
- 仲裁法第5条の次の条は仲裁法第6条です。
- 仲裁法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法5条は、仲裁に関する裁判所の手続を、合意した地裁・仲裁地の地裁・被申立人の普通裁判籍の地裁の専属管轄とし、仲裁地が国内なら東京地裁・大阪地裁にも申立てを認める。
Q · 仲裁のことで裁判所に申し立てたいとき、どこの地裁に出せばいいの?
合意地・仲裁地・相手方住所地の地裁、国内仲裁なら東京・大阪も可
仲裁法5条1項により、仲裁人の選任や仲裁判断の取消し、執行決定などの申立ては、①当事者が合意した地裁、②仲裁地(一つの地裁の管轄区域に収まる場合に限る)を管轄する地裁、③被申立人の普通裁判籍の地裁のいずれかに専属します。仲裁地が日本国内なら東京地裁・大阪地裁にも申し立てられます(同条2項)。複数の候補があるときは先に申立てを受けた裁判所が管轄し(3項)、管轄違いの申立ては却下ではなく移送されます(4項)。
解説
仲裁を選べば裁判所とは縁が切れる、と考えて契約書にサインする人は多い。実際はそうではない。仲裁人が決まらないとき、仲裁人を忌避したいとき、出た仲裁判断を取り消したいとき、逆に仲裁判断を使って相手の財産を差し押さえたいとき、どの場面でも最後は地方裁判所に申し立てることになる。そのとき「どこの地裁か」を決めるのが仲裁法第5条だ。候補は三つある。当事者が合意した地裁、仲裁地を管轄する地裁、相手方の普通裁判籍(個人なら住所、法人なら主たる事務所)を管轄する地裁である。さらに仲裁地が日本国内なら、東京地裁と大阪地裁にも申し立てられる。候補が複数あれば、先に申し立てた裁判所が管轄を得る。ただし、その裁判所も相当と認めれば他の候補へ移送できる。見落としやすいのは仲裁地の書き方だ。「仲裁地は日本」としか書いていなければ、仲裁地を基準とする二号は使えない。仲裁地を一つの地裁の管轄区域に収まる形まで具体的に書いておくだけで、将来どこで争えるかの選択肢が変わる。
法的な位置づけ
仲裁法第5条は、仲裁法の規定により裁判所が行う手続に係る事件の管轄を定める規定である。合意された地方裁判所、一の地方裁判所の管轄区域に属する仲裁地を管轄する地方裁判所、被申立人の普通裁判籍所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄とし、仲裁地が国内にある場合は東京・大阪両地方裁判所への申立てを認め、競合時の優先と移送を併せて規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申し立てる手続の種類と期限を特定する 仲裁人の選任(17条)、仲裁廷の権限判断への不服(23条5項、30日)、仲裁判断の取消し(44条、写しの送付から3か月)、執行決定(46条)のどれに当たるかを特定し、期限から逆算して残り日数を確認する
- 2.契約書から管轄合意と仲裁地を抜き出す 仲裁合意書・契約書から、管轄地裁の合意(5条1項1号)と仲裁地の記載を確認する。仲裁地が一つの地方裁判所の管轄区域に収まる形で書かれているか(同項2号)をチェックする
- 3.候補となる地裁を一覧化する 合意した地裁、仲裁地の地裁、被申立人の普通裁判籍(個人は住所、法人は主たる事務所)の地裁を並べ、仲裁地が日本国内なら東京地裁・大阪地裁を加える
- 4.申立先を一つに絞り、早めに申し立てる 代理人弁護士の所在、相手方の財産の所在、国際案件の審理経験などを基準に申立先を決める。候補が複数ある場合は先に申し立てた裁判所が管轄するため(5条3項)、選んだ理由を申立書に添えて早期に申し立てる
- 5.相手方の申立てを受けたら移送の要否を検討する 申し立てられた地裁が5条の候補外なら移送(4項)を、候補内でも別の候補地裁のほうが相当と考えるなら、証人・資料の所在など具体的理由を添えて移送の申立て(5項)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁法5条とは何を定めた条文ですか?
仲裁人の選任、仲裁判断の取消し、執行決定など、仲裁法に基づいて裁判所が行う手続をどの地方裁判所が扱うかを定めた管轄規定です。
Q2仲裁事件の裁判所管轄は専属管轄ですか?
はい。5条1項は「管轄に専属する」と定めており、同項の三つの候補(国内仲裁なら東京地裁・大阪地裁も)以外の裁判所には管轄がありません。
Q3仲裁の執行決定はどこの裁判所に申し立てる?
5条の候補地裁、つまり合意した地裁、仲裁地の地裁、相手方の普通裁判籍の地裁に申し立てます。仲裁地が国内なら東京地裁・大阪地裁も選べます。
Q4管轄のない地裁に仲裁の申立てをしたらどうなる?
却下ではなく、裁判所が申立てまたは職権で管轄裁判所へ移送しなければなりません(5条4項)。ただし移送の分だけ時間がかかります。
Q5仲裁地は契約書にどう書けばいい?
「日本」だけでは5条1項2号の基準にならないため、「東京都」のように一つの地方裁判所の管轄区域に収まる形まで特定して書くのが安全です。
Q6仲裁で東京地裁・大阪地裁に申し立てられるのはいつから?
令和5年の仲裁法改正で追加され、令和6年(2024年)4月1日から施行されています。仲裁地が日本国内にあることが条件です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q7管轄裁判所が複数あるときはどこが優先?
先に申立てを受けた裁判所が管轄します(5条3項)。ただしその裁判所は相当と認めれば、他の候補裁判所へ移送することもできます(同条5項)。
Q8仲裁人の選任を裁判所に頼むときの申立先は?
仲裁人選任(17条)も5条の管轄に従います。仲裁地が未定の段階では8条の特則が関係するので、仲裁地が決まっているかをまず確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁判断に納得できなくて取り消したいんですけど、どこの裁判所に出せばいいんですか?
候補は5条1項の三つ(合意した地裁、一つの地裁の管轄区域に収まる仲裁地を管轄する地裁、相手方の普通裁判籍の地裁)で、仲裁地が国内なら東京地裁と大阪地裁も加わります(同条2項)。期限は写しの送付から3か月です(44条2項)。実務のポイント:取消事由は44条1項に限定列挙されており、判断内容が正しいかどうか自体は原則として争えません。申立先を選ぶ前に、取消事由に当たるかを見極めることが勝負を分けます
Q2相手が海外の会社でも、日本の裁判所で手続できますか?
仲裁地が日本国内なら、相手方の普通裁判籍が日本になくても、仲裁地の地裁や東京地裁・大阪地裁に申し立てられます(5条1項2号・2項)。仲裁地がまだ決まっていない段階でも、一定の場合には裁判所が関与できます(8条)。実務のポイント:令和5年改正で、執行決定の申立ての際に外国語の仲裁判断書の訳文添付を省略できる場合が設けられました(最新の改正状況をご確認ください)。東京・大阪を選ぶと、こうした国際案件の手続に慣れた裁判所で審理されることが期待できます
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲裁にしたから裁判所は関係ない」という前提で考えると、そこで足をすくわれる。仲裁人の選任(17条)、仲裁判断の取消し(44条)、執行決定(46条)など、仲裁法は要所で裁判所が関与することを予定している。考えるべきは裁判所が関わるかどうかではなく、どの地裁が関わるかである
- 管轄のない地裁に出したら門前払いされると思われがちだが、本条4項は、その裁判所が事件を管轄裁判所へ移送するよう義務づけている。却下されて終わるのではなく、事件ごと正しい地裁へ送られる。ただし移送には時間がかかるので、期限の迫った申立てを最初から正しい地裁に出すことの価値は変わらない
- 東京地裁と大阪地裁が加わったことは、当事者から見れば申立先が増えただけに見える。しかし立法側から見れば、国際仲裁の事件を経験の集まる裁判所に集め、日本を仲裁地として選ばれやすくするための制度設計である。相手方が海外企業の場合、この二庁を選べば審理の予測可能性という点で有利になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 仲裁法5条:仲裁法に基づく裁判所手続全般の管轄 | 仲裁法8条:仲裁地が未定の段階での裁判所の関与 民事訴訟法11条:通常の民事訴訟の第一審管轄の合意 |
| 管轄の基準 | 合意地・仲裁地・被申立人の普通裁判籍の三基準、国内仲裁なら東京・大阪を追加 | 仲裁地が定まっていないため、当事者の普通裁判籍を手がかりとする特則 当事者が書面または電磁的記録で合意した裁判所 |
| 管轄の性質 | 専属管轄(1項)。候補外の裁判所は移送義務(4項) | 5条1項の基準によらない特則として機能 専属的合意か付加的合意かは合意内容による |
| 競合時の調整 | 先に申立てを受けた裁判所が管轄(3項)、相当なら他の候補へ移送可(5項) | 本条の適用場面は限定的で、仲裁地確定後は5条に戻る 民訴16条・17条による移送 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は仲裁判断取消しの訴えを仲裁地の地方法院の管轄とし、法院の関与手続には非訟事件法・民事訴訟法を適用する。日本のような東京・大阪型の集中管轄はない
韓国も仲裁人の選任や仲裁判断取消しなどの申立てについて、合意した法院・仲裁地の法院・被申立人の住所地の法院等を基準に管轄を定める
ドイツは仲裁関係事件を原則として高等裁判所(Oberlandesgericht)の管轄とし、州ごとに一つの高裁へ集中させることも認める
米国連邦仲裁法は、仲裁判断が下された地区の連邦地方裁判所などに確認・取消しの申立てを認める。州法による扱いも並存する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の請負契約で建設工事紛争審査会の仲裁判断が出たが、どうしても納得できない。取り消したい場合、どこの地裁に出せばいいのか? 候補は合意した地裁、仲裁地の定め方次第ではその地を管轄する地裁、工務店の本店所在地を管轄する地裁、そして仲裁地が国内なので東京地裁と大阪地裁。期限は仲裁判断書の写しの送付を受けた日から3か月(44条2項)で、迷っている時間はそれほど長くない
- 仲裁地を横浜とした商事仲裁であなたの会社が負けた。本社は福岡にある。相手方代理人は、横浜地裁でも福岡地裁でもなく、東京地裁に執行決定を申し立ててきた。仲裁地が日本国内である以上、この申立ては2項によって適法である。「地元で争える」という前提はここで崩れる
- 仲裁廷から「当廷に仲裁権限あり」という決定の通知が届いた。不服なら、通知から30日以内に裁判所の判断を求められる(23条5項)。最初にやるべきは、本条で申立先の地裁を確定させることだ。残りの日数はそこから逆算する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仲裁合意書と契約書から、管轄地裁の合意と仲裁地の記載を抜き出す2. 仲裁地が一つの地裁の管轄区域に収まっているかを確認し、本条1項の三つの候補と、国内仲裁なら東京地裁・大阪地裁を並べて書き出す3. 弁護士へのアクセス、相手方の財産の所在、審理の専門性で申立先を一つに絞る4. 候補が複数ある類型なら、先に申し立てて管轄を確保する(3項)
訴えられた側:1. 申し立てられた地裁が本条の候補に入っているかを確認する。入っていなければ移送を求める(4項) 2. 候補に入っていても、自社に近い別の候補地裁のほうが相当だと考えるなら、5項に基づく移送の申立てを検討する。証人や資料の所在などの具体的理由を添える3. 取消事由(44条1項)や執行拒絶事由(45条2項)に当たる事情を、管轄の争いと並行して早めに整理しておく
時効(請求できる期限):本条自体には期限がない。ただし、本条で決まる地裁への申立てにはそれぞれ期限がある。仲裁判断の取消しは、仲裁判断書の写しの送付を受けた日から3か月以内で、執行決定が確定した後は申し立てられない(44条2項)。仲裁廷の権限判断への不服申立ては、決定の通知を受けた日から30日以内(23条5項)。忌避申立てを退けられたときの裁判所への申立ても、その通知を受けた日から30日以内(19条4項)である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 仲裁法の制定(平成16年3月1日施行)に伴い新設。合意地・仲裁地・被申立人の普通裁判籍の三基準による専属管轄、先に申し立てた裁判所の優先、移送の規定を置いた
- 令和5年(2023年)改正(令和6年4月1日施行) 仲裁地が日本国内にある場合に東京地裁・大阪地裁への申立てを可能とする第2項を追加し、あわせて移送規定を整備したとされる(各項の変遷は人的検証が必要)
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:仲裁法の制定に伴い新設(平成16年3月1日施行)。合意地・仲裁地・被申立人の普通裁判籍の三基準による専属管轄、先に申し立てた裁判所の優先、移送の規定を置いた
- 2.令和5年(2023年) 改正:仲裁地が日本国内にある場合に東京地方裁判所・大阪地方裁判所への申立てを認める規定を追加し、移送規定を整備(令和6年4月1日施行。各項の変遷は要確認)
- 仲裁法 第8条仲裁地未定の場合の裁判所の関与
- 仲裁法 第17条裁判所による仲裁人選任の申立て
- 仲裁法 第44条仲裁判断取消しの申立てと期間
- 仲裁法 第46条執行決定の申立て
- 民事訴訟法 第4条普通裁判籍の内容を定める一般規定
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