仲裁法 第53条(収賄、受託収賄及び事前収賄)
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- 仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
- 2.仲裁人になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、仲裁人となった場合において、五年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
収賄、受託収賄及び事前収賄とは何ですか?
定義収賄、受託収賄及び事前収賄とは、仲裁法第53条に定められた規定で、「仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第53条(収賄、受託収賄及び事前収賄)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第53条の条文原文は「仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 仲裁法第53条は第十章 罰則に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第53条の前の条は仲裁法第52条です。
- 仲裁法第53条の次の条は仲裁法第54条です。
- 仲裁法第53条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第53条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第53条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法53条は、仲裁人が職務に関し賄賂を収受・要求・約束すると五年以下、請託があれば七年以下の拘禁刑と定める。選任前の事前収賄も、就任時点で処罰対象となる。
Q · 仲裁人は公務員じゃないのに、賄賂をもらったら罪になるの?
なる。要求だけでも5年以下、請託付きなら7年以下
仲裁法53条1項により、仲裁人が職務に関して賄賂を収受し、または要求・約束したときは五年以下の拘禁刑、請託を受けていれば七年以下の拘禁刑に処されます。2項は、仲裁人になろうとする者が請託を受けて賄賂を収受・要求・約束した場合も、実際に仲裁人となった時点で処罰すると定めます。ただし刑事処罰とは別に、仲裁判断を覆すには仲裁法44条の取消し申立てが必要です。
解説
仲裁人は国家公務員ではない。弁護士、元裁判官、業界の専門家など、当事者が選んだ民間人である。それでも金品を受け取った瞬間、公務員の収賄罪(刑法197条)とほぼ同じ構造で処罰される。仲裁法53条によれば、職務に関して賄賂を受け取ること、要求すること、約束することのどれでも5年以下の拘禁刑になる。「この件をよろしく」という請託(具体的な職務行為についての依頼)があれば7年以下に上がる。仲裁人に選ばれる前に請託を受けて約束した者も、実際に仲裁人になった時点で処罰される。理由ははっきりしている。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持ち、上訴の道がない。裁判官のような公的な身分保障も監視もない一人の判断で、数億円の紛争が終わる。その判断がお金で動いたなら、敗れた側に残る手段は限られている。だからこそ、あなたが仲裁条項付きの契約にサインする時点で、刑罰による防壁が一枚あることを知っておく価値がある。あわせて、その防壁は事後の処罰にすぎず、仲裁判断そのものを自動的に消すものではないことも知っておくべきだ
法的な位置づけ
仲裁法第53条は仲裁人の収賄罪を定める罰則規定であり、仲裁人が職務に関して賄賂を収受・要求・約束する単純収賄、請託を伴う受託収賄、および仲裁人になろうとする者が請託を受けて行う事前収賄の三類型を処罰する。民間人である仲裁人の職務の公正と、仲裁判断に対する信頼を保護する趣旨の規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁人の収賄罪とは何ですか?
仲裁人が職務に関して賄賂を受け取る、求める、約束する行為を罰する犯罪です。仲裁法53条が根拠で、法定刑は五年以下の拘禁刑です。
Q2仲裁人の収賄 刑罰はどのくらい?
単純収賄は五年以下、請託(具体的な職務についての依頼)を受けた受託収賄は七年以下の拘禁刑です。2025年6月施行の刑法改正で懲役から拘禁刑に変わりました。
Q3仲裁人への接待は違法?
職務に関する利益供与であれば、接待や会食も賄賂に当たりえます。社交儀礼の範囲かは時期・金額・関係性で判断され、仲裁係属中の接待は特に危険です。
Q4仲裁人に選ばれる前に受け取ったお金も罪になる?
請託を受けて受け取った場合、実際に仲裁人に就任した時点で53条2項の事前収賄が成立しえます。請託がなければ2項の対象にはなりません。
Q5仲裁人の収賄 時効はいつまで?
公訴時効は五年です(刑事訴訟法250条2項5号)。犯罪行為が終わった時から起算されます。受託収賄も法定刑の上限が十年未満のため同じく五年です。
Q6仲裁人の収賄を見つけたらどこに相談する?
刑事面は警察・検察への告発、民事面は仲裁判断の取消し申立て(仲裁法44条)を弁護士と検討します。取消しには通知から三か月の期限があるため早急な相談が必要です。
Q7調停人が賄賂を受け取ったら仲裁法53条が適用される?
適用されません。53条の主体は仲裁人と仲裁人になろうとする者に限られます。調停人・あっせん人の行為は、他の法令の適用可能性を個別に検討する必要があります。
Q8海外の仲裁人にも仲裁法53条は適用される?
仲裁法は原則として仲裁地が日本国内にある仲裁手続に適用されます。外国が仲裁地の場合は現地法の問題となるため、刑法の場所的適用範囲を含め個別検討が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁人にお中元を贈ったら、贈賄になっちゃいますか?
審理中の仲裁人に職務に関して利益を渡せば、仲裁法上の贈賄罪に問われうる。社交儀礼の範囲かどうかは、時期、金額、当事者との関係で判断される。実務のポイント:額の大小よりも「係属中かどうか」が決定的である。審理中は品物を一切贈らないのが実務の常識で、多くの仲裁機関の倫理規程も当事者との一方的な接触そのものを禁じている
Q2仲裁人が賄賂で有罪になったら、負けた判断はひっくり返りますか?
自動的には覆らない。判断を消すには仲裁法44条の取消し申立てを、通知から3か月以内に裁判所へ出す必要がある。実務のポイント:刑事判決を待っていると期限は確実に過ぎる。疑いの段階で取消し申立てを出し、手続の中で証拠をそろえるのが実務の鉄則である(最新の改正状況をご確認ください)
Q3仲裁人になる前に「よろしく」と言われて飲み代を払ってもらった。セーフですか?
選任前に請託を受けて利益を受け取ったなら、実際に仲裁人に就任した時点で53条2項の事前収賄が成立しうる。実務のポイント:選任の打診を受けた段階で、その当事者との過去の接触をすべて開示し、利害関係があれば就任を断る。開示義務(18条4項)を果たした記録が、後で自分を守る最大の盾になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲裁人は民間人だから、謝礼を多少もらっても贈収賄にはならない」と思われがちだが、それは違う。仲裁法53条は民間人である仲裁人を名指しで処罰対象にしており、法定刑は公務員の単純収賄(刑法197条1項前段、5年以下)と同じ水準である
- 収賄は「お金を受け取ったら」成立すると考えられているが、条文は「要求」と「約束」も同じ罪にしている。つまり実際に金品が動く前、口約束や送金依頼のメールの時点ですでに既遂である。相手が断っても、要求した側の罪は消えない
- 「仲裁人が有罪になれば、仲裁判断も当然に無効になる」という前提は誤りである。刑事処罰と仲裁判断の効力は別の手続である。判断を覆すには、仲裁法44条の取消し申立てを期限内に裁判所へ出す必要がある。刑事事件の結論を待っているうちに期限が過ぎれば、腐った判断が確定判決と同じ効力で残る
- 調停人やあっせん人も同じだろうと考えがちだが、53条の主体は「仲裁人」と「仲裁人になろうとする者」に限られる。ADR の調停人には本条は直接適用されない。紛争解決の手段によって、刑罰による防壁の有無が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 仲裁法53条:収賄した仲裁人を刑事処罰する | 仲裁法44条:汚染された仲裁判断を裁判所が取り消す 仲裁法18条:利害関係ある仲裁人を手続から外す(忌避・開示義務) |
| 動かす人 | 検察官(被害当事者は告発で端緒をつくる) | 仲裁判断に不服な当事者が裁判所に申立て 当事者が忌避を申し立て、仲裁人は自ら開示 |
| タイミング | 公訴時効五年以内 | 判断書の写しの通知から三か月以内、執行決定確定前 仲裁手続の進行中 |
| 仲裁判断への効果 | なし(有罪でも判断は自動的に消えない) | 取消しにより判断の効力が失われる 判断前に仲裁人を交代させ汚染を予防 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特別法ではなく刑法本体で「公務員又は仲裁人」を並べて規定する。日本が仲裁法に移す前の構造に近い
韓国も刑法の収賄罪の主体に「公務員又は仲裁人」を含め、事前収賄も同条2項で処罰する
ドイツは裁判官と仲裁人(Schiedsrichter)を同列に置き、職務違反の有無で法定刑を分ける
フランスは司法作用に対する罪として、裁判官等と並べて仲裁人の収賄を処罰する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相手方の代理人が選んだ仲裁人が、審理中に相手方の関連会社から「顧問就任」の内定を受けていたら、どうなる? 将来のポストの約束も、判例上の「賄賂」(人の需要や欲望を満たす一切の利益)に含まれうる。53条1項の「約束」に当たる可能性がある
- あなたは業界団体の推薦で、建設工事の代金紛争の仲裁人候補になった。選任前の会食で一方当事者から「うちの事情を分かってくれる人に頼みたい」と言われ、高級ワインの手土産を受け取った。53条2項の事前収賄は、あなたが実際に仲裁人になった時点で成立しうる。断るなら今夜である
- 不利な仲裁判断を受けた翌月、仲裁人と相手方社長がゴルフ旅行に行っていた写真が SNS に出てきた。判断書の写しの通知から3か月の取消し申立期限まで、残りはあと3週間しかない
- 海外の取引先との JCAA 仲裁で、仲裁人が「費用の追加」と称して個人口座への送金を求めてきた。要求しただけで53条1項の罪になる。応じる前に、やり取りをすべて保存する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 金品、接待、ポストの約束を示すメール、写真、送金記録を保全する2. 審理中なら、仲裁法18条・19条に基づく忌避申立てを速やかに行う3. 判断後なら、通知から3か月以内に44条の取消し申立てを裁判所に出す(手続の法令違反や公序良俗違反を主張) 4. 並行して警察や検察に告発する。刑事の結論を待たずに民事側の期限を守ることが最優先である
訴えられた側:1. 受け取ったものや約束の内容、時期、職務との関係を時系列で整理し、弁護人に全部を開示する2. 職務との対価関係(職務関連性)がないこと、社交儀礼の範囲内であることが主要な争点になる3. 受け取ったものは没収・追徴の対象になりうる。返還の経緯も記録しておく4. 仲裁人を続けることが適切かどうか、辞任も含めて早めに判断する
時効(請求できる期限):公訴時効は5年(法定刑の長期が10年未満のため、刑事訴訟法250条2項5号)。起算点は犯罪行為が終わった時。仲裁判断の取消し申立ては、判断書の写しの通知を受けた日から3か月以内で、執行決定が確定した後はできない(仲裁法44条2項)
学説
通説:仲裁人の収賄罪は、公務員の収賄罪と同様に職務の公正とそれに対する社会の信頼を保護するものと理解される。仲裁判断が確定判決と同一の効力を持つことから、民間人であっても公務員と同水準の刑罰で担保する必要があると説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 仲裁法の制定時に、仲裁人の収賄、受託収賄、事前収賄の罰則が設けられた(当初の条番号は第50条とされる。要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 令和5年(2023年)改正 暫定保全措置の規定などの整備に伴い、条番号が繰り下がり現行第53条になったとみられる。人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:仲裁法の制定に伴い、仲裁人の収賄・受託収賄・事前収賄の罰則が同法に設けられた。それまでは刑法の収賄罪が公務員と並べて仲裁人を処罰対象としていたとされる
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
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