仲裁法 第9条(裁判所が行う手続に係る事件の記録の閲覧等)
クイックジャンプ
- この法律の規定により裁判所が行う手続について利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、次に掲げる事項を請求することができる。
- 一事件の記録の閲覧又は謄写
- 二事件の記録中の電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録の複製
- 三事件の記録の正本、謄本又は抄本の交付
- 四事件に関する事項の証明書の交付
この条文の基本情報
裁判所が行う手続に係る事件の記録の閲覧等とは何ですか?
定義裁判所が行う手続に係る事件の記録の閲覧等とは、仲裁法第9条に定められた規定で、「この法律の規定により裁判所が行う手続について利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、次に掲げる事項を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第9条(裁判所が行う手続に係る事件の記録の閲覧等)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第9条の条文原文は「この法律の規定により裁判所が行う手続について利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、次に掲げる事項を請求することができる。」で始まります。
- 仲裁法第9条は第一章 総則に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第9条の前の条は仲裁法第8条です。
- 仲裁法第9条の次の条は仲裁法第9条の2です。
- 仲裁法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法9条は、同法に基づき裁判所が行う手続の記録について、利害関係を有する者に限り、裁判所書記官へ閲覧・謄写、複製、正本等や証明書の交付を請求できると定める。
Q · 仲裁がらみで裁判所に残った記録って、第三者でも見られるの?
原則見られない。請求できるのは利害関係人だけ
仲裁法9条により、仲裁人の選任、仲裁判断の取消し、執行決定など同法に基づき裁判所が行う手続の記録について、閲覧・謄写、電磁的記録の複製、正本等の交付、証明書の交付を請求できるのは利害関係を有する者に限られます。何人も閲覧を請求できる通常の民事訴訟記録とは扱いが異なります。単なる興味や取引検討の段階では、利害関係は認められにくいと解されています。
解説
仲裁は非公開だから安心、という理解は半分しか当たっていない。仲裁人の選任、忌避、証拠調べの援助、仲裁判断の取消し、執行決定など、仲裁の周辺で裁判所が動いた時点で、裁判所に「事件の記録」が残る。仲裁法9条は、その記録を誰が見られるかを決める門番の条文である。通常の民事訴訟なら、記録の閲覧は原則として誰でも請求できる(民事訴訟法91条)。これに対して本条は、請求できる人を「利害関係を有する者」に絞っている。請求できるのは、閲覧・謄写、電子データの複製、正本・謄本・抄本の交付、事件に関する証明書(確定証明書など)の交付の四つで、どれも裁判所書記官(裁判所の記録を管理する職員)に請求する。あなたが当事者なら、強制執行に必要な書類はここで揃える。あなたが部外者なら、取引先の仲裁トラブルを裁判所で調べることは原則できない。どこまでの人が「利害関係人」に当たるかは、実務上、解釈が分かれる余地がある。
法的な位置づけ
仲裁法9条は、同法の規定に基づき裁判所が行う手続(仲裁人の選任、証拠調べの援助、仲裁判断の取消し、執行決定等)の事件記録について、閲覧・謄写、電磁的記録の複製、正本・謄本・抄本の交付、事件に関する証明書の交付を請求できる者を利害関係人に限定し、請求先を裁判所書記官と定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.記録が裁判所にあるか確認する 見たい書類が仲裁廷の手元のものか、仲裁人選任・取消し・執行決定など裁判所の手続で提出・作成されたものかを切り分ける。本条の対象は後者だけ
- 2.利害関係を示す資料を揃える 当事者であること、または記録の内容によって自己の権利義務が直接影響を受けることを示す資料を準備する
- 3.事件番号と担当裁判所を特定する 申立書の控えや裁判所からの通知で事件番号を確認し、手続を担当した裁判所の書記官室を特定する
- 4.裁判所書記官に請求する 閲覧・謄写、複製、正本等の交付、証明書の交付のうち必要なものを書記官に請求し、所定の手数料を収入印紙で納める(額は最新の運用を確認)
- 5.執行目的なら正本と確定証明書をまとめて取得 執行決定確定後、決定の正本(3号)と確定証明書(4号)を同時に請求し、執行文の付与を受けて差押え申立てに進む
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁法9条とは何を定めた条文ですか?
仲裁に関して裁判所が行った手続の記録について、閲覧・謄写や正本・証明書の交付を請求できる人を利害関係人に限る条文です。
Q2仲裁事件の記録 閲覧 できる人は?
利害関係を有する者に限られます。当事者は通常これに当たりますが、記録の内容で法的地位が直接左右されない第三者は認められにくいと解されています。
Q3仲裁 執行決定 確定証明書 どこで取る?
執行決定をした裁判所の裁判所書記官に請求します。仲裁法9条4号の「事件に関する事項の証明書」として交付を受けます。
Q4仲裁判断の取消し申立ての記録は公開される?
誰でも閲覧できるわけではありません。仲裁法9条により、閲覧等を請求できるのは利害関係人に限られます。ただし提出した判断書の写しは記録に綴じられます。
Q5仲裁人の手元にある主張書面も閲覧請求できる?
できません。本条の対象は裁判所が行った手続の記録だけです。仲裁廷の記録の開示は、仲裁合意や仲裁機関の規則によって決まります。
Q6仲裁記録の閲覧請求に期限はある?
請求自体の期限は定められていません。ただし裁判所の記録には保存期間があり、経過後は廃棄されうるため早めの請求が安全です。
Q7仲裁関連記録の電子データはコピーできる?
できます。仲裁法9条2号により、電磁的方式などで作られた記録について、利害関係人は複製を請求できます。
Q8仲裁法9条と民事訴訟法91条の違いは?
民事訴訟の記録は閲覧を原則として何人も請求できますが、仲裁法9条は請求者を利害関係人に絞ります。仲裁の非公開性への配慮です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁で揉めたこと、取引先に裁判所経由でバレたりしますか?
取引先が単なる第三者なら、原則として本条の請求はできない。請求できるのは利害関係を有する者に限られ、誰でも閲覧を請求できる通常訴訟(民事訴訟法91条)とは扱いが違う。ただし取消しや執行決定を申し立てると、仲裁判断書の写しが記録に入る。実務のポイント:実際の漏洩経路は裁判所よりも、決算書類での開示や関係者の口であることが多い。守秘条項に「仲裁の存在自体」を含めるかどうかが効いてくる
Q2仲裁で勝ったのに相手が払いません。差押えには何の書類がいりますか?
仲裁判断のままでは差し押さえられない。裁判所の執行決定(仲裁法46条)を得て、それを確定させる必要がある。そのうえで本条3号により決定の正本を、4号により確定証明書を書記官に請求し、執行文の付与を受けて申し立てる(民事執行法22条6号の2)。実務のポイント:相手が海外企業でも、日本国内に預金や売掛金があれば日本で執行できる。財産のありかを先に調べておけば、確定後すぐ差押えに移れる
間違えやすい点 AI による整理
- 当事者の感覚では「仲裁=完全非公開」だが、法律上は、裁判所に持ち込んだ部分は利害関係人に開かれた記録になる。取消しや執行決定の申立てで仲裁判断書の写しを出せば、その中身は利害関係を示した第三者の目にも触れうる。この落差を知らずに機密を判断書に書き込ませると、後で困ることになる
- 「仲裁の記録を見るにはどうすればいいか」という問い自体がずれている。本条の対象は仲裁人の手元にある記録ではなく、裁判所が行った手続の記録だけである。主張書面や証拠のうち裁判所に出していないものは本条の外にあり、その開示は仲裁合意や仲裁機関の規則で決まる
- 利害関係が必要なことは知っていても、そのハードルの高さまでは知らない人が多い。「興味がある」「取引を検討している」程度では足りず、記録の内容によって自分の法的地位が直接影響を受けることが必要だと解するのが一般的である。ただし境界事例の扱いは実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求できる者 | 仲裁法9条:利害関係を有する者のみ | 民事訴訟法91条:閲覧は原則として何人も請求可 仲裁法10条:特則がない事項は民事訴訟法を準用 |
| 対象となる記録 | 仲裁法に基づき裁判所が行う手続の事件記録 | 民事訴訟の訴訟記録 仲裁関連の裁判所手続全般の手続ルール |
| 制度の狙い | 仲裁の非公開性と当事者の書類入手手段の両立 | 裁判公開原則に沿った記録の公開 仲裁法に定めのない手続事項の補充 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では仲裁手続自体は非公開とされ、裁判所記録の閲覧について第三者は利害関係の疎明と裁判所の許可を要する
ドイツでは当事者は記録閲覧が可能で、第三者は法律上の利益の疎明があるときに限り許可される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外企業との仲裁に勝ったのに、相手が払わない。日本の裁判所で執行決定を得たものの、強制執行に進むには決定の正本と確定証明書が必要になる。あなたは本条3号・4号に基づいて書記官に請求する。書類が一枚欠けているだけで、差押えの申立ては先に進まない
- 買収予定の会社が過去に仲裁で負けたらしい。裁判所で記録を調べれば実態が分かるのでは? 買収を検討しているだけの第三者は利害関係人と認められにくく、請求は通らない可能性が高い。
- あなたの会社が仲裁で負け、取消し申立ての期限まで残り二週間。相手はすでに執行決定を申し立てていて、その記録には仲裁判断書の写しが綴じられている。判断書に社外秘の技術情報が書かれているなら、記録が誰の目に触れうるかを今すぐ弁護士と洗い出す必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が当事者なのか、記録の内容で権利義務が直接左右される立場なのかを整理し、利害関係を示す資料(仲裁合意書、契約書、債権の存在を示す書面)を揃える2. 事件番号を特定し、手続を担当した裁判所の書記官に請求する。手数料は収入印紙で納める(額は最新の改正状況をご確認ください) 3. 強制執行が目的なら、執行決定の正本と確定証明書をまとめて請求し、執行文の付与を受けて差押えに進む
訴えられた側:1. 取消しや執行決定の手続で提出する書面に営業秘密が含まれていないか、事前に洗い出す2. 本条が請求権を与えているのは利害関係人だけなので、第三者から請求があれば利害関係の有無を争う余地がある3. 民事訴訟法の秘密保護のための閲覧制限(92条)が10条を通じて準用されうるかは議論があるため、申立てが必要かどうかを弁護士と詰める4. 根本的な対策は、仲裁合意の段階で守秘条項を整えておくこと
時効(請求できる期限):閲覧等の請求そのものに期限はない。ただし記録には保存期間があり、過ぎると廃棄されうる(保存期間は最新の運用をご確認ください)。関連手続の期限として、仲裁判断の取消し申立ては、仲裁判断書の写しの送付による通知を受けた日から3か月を過ぎると、または執行決定が確定すると、できなくなる(仲裁法44条2項)
学説
一般的な解釈:本条の「利害関係」は、記録の内容によって自己の法的地位が直接影響を受けることを要すると解するのが一般的であり、単なる興味や取引上の関心では足りない。境界事例の扱いは実務上分かれる余地がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:UNCITRALモデル法を基礎とする仲裁法の制定に伴い、仲裁関係の裁判所手続の記録の閲覧等を利害関係人に限る規定として新設
- 仲裁法 第10条裁判所手続への民事訴訟法準用
- 仲裁法 第44条取消し申立て記録が閲覧等の対象
- 仲裁法 第46条執行決定の正本・確定証明の取得
- 仲裁法 第35条証拠調べ援助手続の記録も対象
- 民事訴訟法 第91条何人も閲覧可の訴訟記録との対比(現行効力を要確認)
- 民事執行法 第22条確定執行決定ある仲裁判断の債務名義性
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める