損害保険契約の締結後に危険が著しく減少したときは、保険契約者は、保険者に対し、将来に向かって、保険料について、減少後の当該危険に対応する保険料に至るまでの減額を請求することができる。
要点保険法 11 条は、損害保険契約後に危険が著しく減少したとき、保険契約者が将来に向かって保険料の減額を請求できると定める。約款による排除は 12 条の片面的強行規定で無効とされる。
Q · スプリンクラーを付けて火事のリスクが減ったら、保険料って下げてもらえるの?
危険が著しく減れば将来分の保険料減額を請求できる
保険法 11 条により、損害保険契約の締結後に危険が著しく減少したときは、保険契約者は保険者に対し、将来に向かって、減少後の危険に対応する保険料まで減額を請求できます。ただし効力は将来に向かってのみで、設備を設置した日まで遡って過払分が戻ることはありません。約款に減額の規定がなくても、あるいは「保険料は変更しない」と書いてあっても、12 条の片面的強行規定により 11 条の請求権は消えません。保険者は自発的に下げてこないため、請求が必要です。
火災保険を掛けている倉庫にスプリンクラーを入れた。車両保険の対象車を、年間 2 万キロ走る営業車から週末しか動かさない車に変えた。工場から可燃性溶剤の在庫を全部撤去した。どれも保険会社にとっては「事故が起きにくくなった」という事実であり、あなたが払っている保険料はその瞬間から割高になっている。保険法 11 条は、契約後に危険が著しく減少したとき、保険契約者は将来に向かって、減少後の危険に見合う水準まで保険料の減額を請求できると定める。ここで効いてくるのが同法 12 条だ。4 条から 11 条までの規定に反して保険契約者に不利な特約は無効とされる(片面的強行規定)。つまり約款のどこにも減額の手続が書かれていなくても、あるいは「保険料は変更しない」と書いてあっても、11 条の請求権は消えない。ただし効力は将来に向かってのみ。黙っていた期間の割高な保険料は、一円も戻ってこない。
保険法 11 条は、損害保険契約の締結後に危険が著しく減少した場合における保険契約者の保険料減額請求権を定める規定である。保険契約者は、減少後の危険に対応する保険料に至るまでの減額を、将来に向かって保険者に請求することができ、その効力に遡及効はない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
危険が著しく減ったとき、保険契約者が保険者に将来分の保険料引下げを求める権利です。保険法 11 条が根拠で、保険者からの自発的な減額義務はありません。
契約時に想定した事故リスクが、料率区分をまたぐ水準で客観的に下がることを指します。軽微な改善では「著しい減少」に当たらず 11 条の要件を満たしません。
自動では下がりません。保険法 11 条は請求を要件とし、多くの会社は消防設備割引を用意しています。工事完了報告を代理店に自分で送り、減額を請求する必要があります。
請求が保険者に到達した以降の将来分のみです。設備設置日まで遡及しないため、請求が遅れた期間の割高保険料は法律上取り戻せません。
保険法 12 条が定める仕組みで、4 条から 11 条までに反して契約者に不利な特約を無効とするものです。約款に減額の定めがなくても請求権は消えません。
走行距離や用途が契約時の告知事項に対応していれば、危険減少として減額請求の余地があります。ただし著しい減少といえる水準の変化が必要です。
減少が生じた日付、対応する告知事項、危険減少を裏付ける客観資料(工事完了報告書、検査済証等)を明記し、保険者または代理店に書面で提出します。
減額請求権自体に保険法上の特別な期間制限はありません。ただし将来効のため遅れるほど不利で、減額後の過払返還請求には民法の一般時効が及びます。
下がりません。保険法 11 条は保険契約者からの「請求」を要件としており、保険者に自発的な減額義務を課していません。設備を入れた事実を保険会社は知らないのが通常です。業界裏話ヒント:代理店の手数料は保険料に連動するため、減額提案は代理店の収入減に直結する。だから向こうから減額の話が出てくることはほぼない。設備投資の完了報告は、経理から代理店へ自分で送る
料率算出の基礎となる危険区分をまたぐ程度の変化が目安で、軽微な改善では足りません。危険増加による解除を定める保険法 29 条が「著しい」危険増加を要件とするのと表裏の関係にあり、実務上は解釈が分かれています。業界裏話ヒント:判断が微妙なときは、同種物件で保険会社が自ら設定している割引制度(消防設備割引、防犯装置割引など)に該当するかを見る。自社の料率表で割引対象になっている改善は、著しい減少を主張する強い材料になる
その特約は無効になる可能性が高いです。保険法 12 条は、4 条から 11 条までの規定に反して保険契約者または被保険者に不利な特約を無効とする片面的強行規定を置いています。約款の文言より条文が優先します。業界裏話ヒント:この構造を知っている企業法務は、保険約款を読むとき先に保険法の強行規定リスト(12 条、26 条、33 条、41 条、49 条、53 条、65 条など)を横に置く。約款のどの条項が争えて、どの条項が争えないかが最初の五分で分かる
返ってきません。11 条は明文で「将来に向かって」の減額と定めており、遡及効を認めていません。減額の効力は請求が保険者に到達した以降の期間についてのみ生じます。業界裏話ヒント:この将来効の原則があるため、大型設備投資のプロジェクトでは竣工日と保険減額請求日を同日に揃える段取りを組む会社がある。工事完了報告書の日付と請求書面の日付が離れているほど、捨てた金額が可視化される
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる危険の変動方向 | 保険法 11 条:危険の著しい減少(契約者に有利) | — |
| 権利者と行使方法 | 保険契約者が減額を請求(将来効) | — |
| 約款による排除の可否 | 12 条により契約者に不利な特約は無効 | — |
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