要点保険法 29 条は、契約後に危険増加が生じても保険は自動失効せず、約款の通知義務違反かつ保険契約者の故意・重過失がある場合にのみ保険者が解除できると定める。
Q · 保険に入ったあと危険が上がったら、保険会社はすぐ契約を切れるの?
切れません。約款の通知義務違反と故意・重過失、二要件がそろって初めて解除できます
保険法 29 条により、契約後に危険増加が生じても保険は自動失効しません。保険者が解除するには、約款に危険増加時の通知義務が定められていること(1 号)と、保険契約者・被保険者が故意または重大な過失で通知を怠ったこと(2 号)の二要件をともに満たす必要があります。単なる軽過失では解除できません。さらに解除権は、保険者が危険増加を知った時から 1 か月、危険増加が生じた時から 5 年で消滅します(28 条 4 項準用)。
火災保険に入った後、自宅の一室を改装して木工の作業場にし、塗料やシンナーを置くようになった。この瞬間、あなたの保険契約は静かに足元が崩れ始めているかもしれない。保険法 29 条がいう「危険増加」とは、契約後に告知事項の危険が高まり、契約時の保険料では割に合わなくなった状態を指す。ここで多くの人が知らないのは、危険が上がっただけでは保険は切れないという点だ。保険者があなたの契約を解除するには、二つの条件が同時に要る。第一に、危険に関わる告知事項が変わったら遅滞なく通知せよ、と契約書(約款)に定められていること。第二に、あなたが故意または重大な過失でその通知を怠ったこと。この二枚の鍵が両方揃わなければ、保険者は解除できない。逆に言えば、通知義務が約款に書かれていなければ、危険が上がっても解除は起動しない。あなたが守るべき一線は、約款のどこに通知義務が書いてあるかを、契約時に一度だけ確かめておくことだ。
保険法 29 条にいう危険増加とは、損害保険契約の締結後に告知事項の危険が高まり、契約時に定めた保険料ではその危険を賄えなくなった状態をいう。同条は、約款上の通知義務違反と保険契約者側の故意・重過失を要件として、保険者に契約解除権を認める規定である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
契約後に告知事項の危険が高まり、契約時の保険料ではその危険を賄えなくなった状態をいいます(保険法 29 条)。危険が上がっただけでは保険は切れません。
告知義務違反(28 条)は契約締結時の不実告知が対象、危険増加解除(29 条)は契約後に危険が高まった場合が対象です。どちらも約款要件と故意・重過失が必要です。
住宅用として契約した火災保険で民泊利用が危険増加に当たり、約款に通知義務があり故意・重過失で通知を怠った場合、解除される余地があります(保険法 29 条)。
自家用申告の車をフードデリバリー等に日常使用すると用途変更による危険増加になりえます。約款の通知義務と故意・重過失があれば解除の対象です。
あります。解除されても、危険増加と実際の損害に因果関係がなければ保険者に支払義務が残る余地があります(31 条の因果関係不存在特則)。
保険者(保険会社)に対して遅滞なく通知します。通知先や方法は約款で定められているため、契約時に該当条項を確認しておくことが重要です。
保険法 33 条により、29 条 1 項の規定に反して保険契約者・被保険者に不利な特約は無効です。片面的強行規定として契約者を保護しています。
保管物を可燃性の高いものへ変えるのは典型的な危険増加です。約款に通知義務があれば連絡が必要で、故意・重過失で怠ると解除原因になります。
約款に「危険増加時の通知義務」があり、それを故意または重大な過失で怠った場合、保険者は契約を解除でき(保険法 29 条)、解除されれば以後の保険金は原則出ません。ただし単純なうっかり(軽過失)では解除できません。業界裏話ヒント:解除できても、危険増加と実際の損害に因果関係がなければ、保険者に支払義務が残る(31 条の因果関係不存在特則)。「解除された=一円も出ない」とは限らないので、諦める前に因果関係を争う余地を確認する
通知義務は保険法 29 条 1 項 1 号により「損害保険契約で定められていること」が解除の要件です。つまり約款や契約条項に明記されていなければ、通知義務違反による解除はできません。業界裏話ヒント:約款に通知義務条項がなければ、危険が上がっても 29 条での解除は起動しない。解除通知が来たら、まず該当条項を示すよう保険会社に求める。条項が特定できない解除は、争える
いいえ。保険法 29 条 1 項 2 号は「故意又は重大な過失」により通知を怠った場合に限定しています。うっかりの単純な過失(軽過失)では、保険者は 29 条で解除できません。業界裏話ヒント:「故意・重過失」か「軽過失」かの線引きが、契約の生死を分ける最大の争点。危険増加の重大性を認識していたか、通知が容易だったか等で判断される。ここを丁寧に主張できるかで結論が変わる
できません。28 条 4 項の準用により、保険者が解除原因を知った時から 1 か月、または危険増加が生じた時から 5 年で解除権は消滅します(29 条 2 項)。業界裏話ヒント:起算点が「契約締結時」ではなく「危険増加が生じた時」に読み替えられている点が盲点。危険増加の発生時期が古ければ、すでに 5 年の除斥期間を過ぎていることもある。解除通知の日付だけでなく、危険増加がいつ生じたかを必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 解除原因 | 保険法 29 条:契約後の危険増加 | — |
| 主観的要件 | 故意または重大な過失による不通知 | — |
| 約款上の前提 | 危険増加時の通知義務が約款に定められていること | — |
| 解除権の消滅 | 危険増加を知った時から 1 か月・危険増加発生から 5 年(28 条 4 項準用) | — |
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