要点保険法31条は、損害保険契約の解除を将来効と定めるが、2項は告知義務違反・危険増加・重大事由による解除では原因発生後の事故を免責する。ただし因果関係のない事故は支払われる。
Q · 保険を解除されたら、解除される前に起きた事故の保険金ももらえないの?
将来効でも2項で過去の保険金は免責されうる
保険法31条1項により、損害保険契約の解除は将来に向かってのみ効力を生じます。しかし2項が別立てで、告知義務違反(28条)・危険増加(29条)・重大事由(30条)を理由とする解除では、その原因が生じた時から解除までに発生した保険事故による損害について保険者を免責します。つまり「解除前だから安全」とは限りません。ただし各号のただし書があり、解除原因となった事実と今回の事故に因果関係がなければ、解除されても保険者は填補責任を負います。この因果関係の一点が争点になります。
火災保険で店舗が全焼し、いざ保険金を請求したら、保険会社から一枚の通知が届く。「告知義務違反により本契約を解除しました」。あなたはこう考えるかもしれない。「解除は将来に向かってのみ効力を生ずる、そう法律に書いてある。だったら過去に起きた今回の火災には関係ないはずだ」。保険法31条1項は確かにそう定める。だが本当の勝負は2項にある。保険者は、告知義務違反(28条)・危険増加(29条)・重大事由(30条)を理由に解除したとき、その原因が生じた時から解除までに起きた保険事故については、保険金を払わなくてよい。つまり将来効という一見あなたに有利なルールの裏で、2項が過去の保険金請求をそっと奪い返す構造になっている。ここで諦めてはいけない。各号にはすべて「ただし書」がある。あなたが申告し忘れた事実と、今回の事故に因果関係がないなら、保険者は依然として支払義務を負う。この因果関係の一点が、あなたが握る最後の武器だ。
保険法31条は、損害保険契約の解除の効力を定める規定である。解除は将来に向かってのみ効力を生ずる一方、告知義務違反・危険増加・重大事由を理由とする解除では、原因発生時から解除時までに生じた保険事故による損害について保険者が免責される。ただし当該事由と因果関係のない事故による損害は、なお填補の対象となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保険契約時に、危険に関する重要な事実を保険者に告げず、または不実を告げることです。保険法28条により保険者は契約を解除でき、31条2項1号で解除前の事故も告知事実に基づくものは免責されます。
告知義務違反(28条)・危険増加の未通知(29条)・重大事由(30条)を理由とする解除が代表例です。保険法31条2項で、解除前の事故でも解除原因によるものは免責されます。
全額は戻りません。損害保険契約の解除は将来効のため、解除前の期間に対応する保険料は保険者が保持でき、返還は制限されます(保険法32条)。
保険給付請求権は行使できる時から3年で時効消滅します(保険法95条1項)。因果関係を争う場合も、証拠保全と請求を3年以内に行う必要があります。
契約後に事故のリスクが著しく高まることです。自家用車の事業使用などが典型で、通知を怠ると保険法29条により解除・免責の対象になります。
まず解除の根拠条文(28〜30条)を特定し、解除原因と今回の事故の因果関係を切り離せるか検討します。争うなら内容証明と証拠保全を早期に進めます。
保険金の不正請求など契約の信頼関係を破壊する事由による解除です(保険法30条)。その事由が生じた時以降の事故は免責されます(31条2項3号)。
保険者が解除原因を知った時から1か月、契約締結から5年で解除権は消滅します(保険法28条4項)。期間経過後は解除できません。
そうとは限りません。保険法31条2項の各号にはすべて「ただし書」があり、書き忘れた事実と実際に起きた事故に因果関係がなければ、解除されても保険者は支払義務を負います。業界裏話ヒント:保険会社の不払通知は「解除したので免責です」で止まり、この因果関係の例外まで丁寧に説明してくれないことが多い。通知を鵜呑みにせず、原因の関連性を争えないかを最初に検討するかどうかで、結論が正反対になる
1項だけ見ればそう読めますが、問いの立て方がずれています。1項の将来効は契約の存続や保険料の話で、解除前の保険事故の支払は2項が独立して規律します。告知違反・危険増加・重大事由による解除では、原因発生時にさかのぼって免責されうる(28〜30条)。業界裏話ヒント:将来効という言葉の響きが安心感を与えるため、多くの契約者が2項を読み飛ばす。弁護士はこの条文を、必ず1項と2項をセットで、しかも各号のただし書まで読む
あり得ます。自家用車を事業用途に変えるなどは危険増加(保険法29条)にあたり、通知を怠ると、その危険増加が生じた時から解除までに起きた事故は免責されうる(31条2項2号)。ただし、危険増加と無関係な事故なら、同号ただし書で救われます。業界裏話ヒント:用途変更・改造・引っ越しによる保管場所変更などは、契約者が「保険とは関係ない生活の変化」と思い込みやすい典型。契約時ではなく、生活が変わったその時に保険会社へ連絡できるかが分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 31条:解除の効力と各解除事由ごとの免責範囲・因果関係の例外 | — |
| 免責の起算点 | 各解除事由ごとに個別に設定(1号〜3号) | — |
| ただし書による救済 | 原因と因果関係のない事故は填補する | — |
| 解除権の期間制限 | 規定なし(効力を定める条文) | — |
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