要点保険法 63 条は、自殺免責などで保険給付がゼロでも、契約終了時の保険料積立金を保険契約者へ払い戻す義務を保険者に課す。ただし契約者が被保険者を故意に死亡させた場合は対象外となる。
Q · 自殺で保険金が下りないと言われたら、払った保険料は全部消えるの?
消えない。積立金は払い戻される(保険法 63 条)
保険法 63 条により、自殺免責(51 条 1 号)などで保険給付がゼロになっても、契約終了時の保険料積立金は保険契約者へ払い戻されます。免責が消すのは保険給付責任であって、積立金の返還義務ではありません。ただし保険契約者自身が被保険者を故意に死亡させた場合(51 条 2 号)は明文で対象外です。払戻請求権は契約終了時から 3 年で時効消滅します(95 条)ので、通知書の終了事由と日付を早期に確認する必要があります。
生命保険の被保険者が自殺した。保険金は下りない(保険法51条1号の免責)。遺族はここで諦める。だがそれは、法律が用意した二階部分を見ていない。保険法63条は、免責で保険給付がゼロになった場合でも、契約が終了した時点の「保険料積立金」、つまりあなたが払い込んだ保険料のうち将来の保険金支払いのために積み立てられていた部分を、保険者が保険契約者に払い戻さなければならないと定める。責任開始前の解除、危険増加による解除、保険会社の破綻による解除・失効も同じである。ただし一つだけ穴が空いている。保険契約者自身が被保険者を故意に死亡させたとき(51条2号)は、この条文の適用対象から明文で外されている。人を殺して積立金だけ回収する道は、立法者が最初から塞いだ。あなたが受け取れる金額は、解約返戻金という商品名の数字ではなく、予定死亡率と予定利率から逆算される法定の金額である。
保険料積立金の払戻しとは、生命保険契約が一定の事由で終了した際、受領保険料のうち予定死亡率・予定利率などの計算基礎から算出される積立部分を、保険者が保険契約者へ返還する制度である。保険法 63 条が定め、免責による保険給付の不発生とは別個の債務として位置づけられる。約款上の解約返戻金とは算定根拠が異なる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
受領保険料のうち、将来の保険給付に充てるため予定死亡率・予定利率などの計算基礎から算出される積立部分です。掛捨型ではほぼ存在しませんが、終身・養老保険では必ず存在します。
はい。保険法 63 条 1 号により、自殺免責(51 条 1 号)で保険金が出なくても契約終了時の保険料積立金は払い戻されます。ただし保険金総額ではなく積立部分に限られます。
保険法 95 条により契約終了時から 3 年で時効消滅します。起算点は免責通知を受けた日ではなく生命保険契約が終了した日である点に注意が必要です。
違います。解約返戻金は約款が定める商品上の金額で解約控除が引かれることが多く、保険料積立金は計算基礎から法的に算出される金額です。約款額が法定額を下回れば争う余地があります。
保険法 63 条 3 号により払戻しの対象です。解除は制裁ではなく危険と保険料の対応を回復する手続にすぎないため、契約が消えても積立金は戻ります。
63 条 4 号で払戻請求権は発生しますが破綻会社への破産債権にすぎず、実際の受け皿は生命保険契約者保護機構による責任準備金の原則 90% 補償です。額面どおりの保証はありません。
ほぼ返りません。定期保険や医療保険は保険料積立金がそもそもほぼ存在しないため、63 条が保障する積立部分は限りなくゼロに近くなります。
戻りません。63 条 1 号は 51 条各号のうち 2 号(契約者による故意の死亡)だけを明文で除外し、犯罪による積立金回収の経路を塞いでいます。受取人が加害者の場合(51 条 3 号)は対象に入ります。
違う。保険法51条1号の免責が消すのは保険給付の責任であって、63条1号は同じ状況で保険料積立金の払戻義務を保険者に課している。約款の免責期間(多くは3年)を過ぎていれば保険金自体が出る場合もある。業界裏話ヒント:免責通知の書面に積立金払戻しの案内が同封されないことは珍しくない。問い合わせて初めて手続が始まる例が実務では相当数ある
掛捨型(定期保険や医療保険)は保険料積立金がそもそもほぼ存在しないため、戻る額は限りなくゼロに近い。63条が保障するのは積立てられた部分であって、払込保険料の総額ではない。業界裏話ヒント:終身保険や養老保険なら積立金は必ず存在する。契約者貸付の残高がある場合はそこから相殺されるので、通知書の差引欄を必ず確認する
条文上は払戻請求権が発生する(63条4号、96条)。ただし破綻会社に対する債権にすぎず、現実の受け皿は生命保険契約者保護機構による責任準備金の原則90%補償である。業界裏話ヒント:補償されるのは責任準備金の割合であって、契約時の予定利率まで守られるわけではない。高予定利率契約ほど引下げの影響を強く受ける
63条1号が51条各号のうち第2号だけを明文で除外しているからである。犯罪により契約を終了させた本人が積立金という形で経済的利益を回収する経路を、立法段階で塞いだ。業界裏話ヒント:受取人が加害者の場合(51条3号)は契約者と別人格なので払戻しの対象に入る。加害者が誰かで結論が反転する、この条文の最も鋭い分岐点である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる終了事由 | 保険法 63 条:自殺免責・責任開始前解除・危険増加解除・保険者破綻 | — |
| 払い戻される金額 | 計算基礎(予定死亡率・予定利率)から算出される保険料積立金 | — |
| 適用が除外される場合 | 保険給付責任が残るとき、契約者が被保険者を故意に死亡させたとき(51 条 2 号) | — |
| 権利行使の時効 | 保険法 95 条:契約終了時から 3 年 | — |
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