要点健康保険法 110 条の 2 は、特別の事情がある被保険者の被扶養者について、保険者が家族療養費の給付割合を最大 100 パーセントまで引き上げ、または自己負担分の徴収を猶予できると定める。
Q · 医療費が払えないとき、扶養している家族の窓口負担も減らしてもらえますか?
保険者に申し出れば、扶養家族の窓口負担がゼロになる場合があります
健康保険法 110 条の 2 により、災害や事業の休廃止、失業など特別の事情がある被保険者の被扶養者については、保険者が家族療養費の給付割合を法定の 7 割・8 割から引き上げ、百分の百まで定めることができます。窓口負担が実質ゼロになる措置です。もう一つの選択肢が第 2 項の徴収猶予で、保険者がいったん医療機関へ支払い、被保険者の負担分を後から直接徴収し、その徴収時期を後ろへずらします。ただし猶予は債務を消すものではありません。どちらも「できる」規定であり、保険者への申し出が起点になります。
窓口の 3 割が払えないという理由で、子どもの受診を先延ばしにした経験はないだろうか。健康保険法 110 条の 2 は、まさにその場面のために置かれている。災害で家財を失った、事業が止まった、失業して収入が途絶えた。そうした特別の事情がある被保険者について、保険者(協会けんぽや健康保険組合)は、扶養家族の家族療養費の給付割合を、本来の 7 割や 8 割から引き上げ、100 パーセントまで持ち上げる措置を採れる。窓口負担をゼロにできるということだ。使い方はもう一つある。給付割合はそのままにして、保険者がいったん医療費の全額を医療機関へ支払い、あなたの負担分は後から保険者があなたに直接請求する。しかもその請求は猶予できる。負担を消すか、後ろへずらすか。二本のレバーが保険者の手元にあり、どちらも被保険者側からの申し出がなければ動き出さない。
健康保険法 110 条の 2 は、家族療養費の特例を定める規定である。第 75 条の 2 第 1 項に規定する特別の事情がある被保険者の被扶養者について、保険者は家族療養費の給付割合を法定の割合を超え百分の百以下の範囲で定めることができ、また保険者が医療機関へ支払った額から家族療養費相当額を控除した額を被保険者から直接徴収したうえで、その徴収を猶予することができる。
被保険者の被扶養者が医療を受けたときに、保険者が被保険者に対して支給する給付です。実務上は現物給付として扱われ、窓口では法定の割合だけを支払います。
健康保険法 110 条の 2 により、特別の事情があれば扶養家族分の給付割合を最大 100 パーセントに引き上げる措置があります。ただし保険者の裁量で、申し出が必要です。
保険証に記載された保険者、つまり全国健康保険協会の各支部または健康保険組合です。医療機関の窓口ではなく保険者が判断します。
徴収猶予は支払期日を後ろへずらすだけで債務は残ります。給付割合を 100 パーセントに引き上げた場合は差額が生じないため、実質的に免除に近い扱いになります。
災害は特別の事情の典型例です。罹災証明書などを添えて保険者に申し出れば、給付割合の引き上げまたは徴収猶予が検討されます。大規模災害では一斉の取扱いが示されることもあります。
事業の休廃止や失業による収入の著しい減少も想定されています。離職票や直近の給与明細で収入減少を示すことが実務上の鍵になります。
国民健康保険法 44 条が同型の減免・徴収猶予を定めています。根拠条文も申請窓口も市区町村になるため、加入している制度の確認が先決です。
第 75 条の 2 第 1 項に規定する特別の事情がある被保険者の被扶養者です。被保険者本人の一部負担金は 75 条の 2 が別に規律します。
措置の種類で分かれる。給付割合を 100 パーセントまで引き上げた場合は差額が生じないので後日の請求はない。一方、110 条の 2 第 2 項の徴収猶予型は、保険者が医療機関へ立て替えた額との差額を後で被保険者に直接請求する。業界裏話ヒント:申請時に「これは割合の引き上げか、猶予か」と一言確認するだけで、半年後の家計計画が変わる。窓口説明ではここが曖昧なまま進むことが多い
条文の主語は「保険者」なので、協会けんぽも健康保険組合も対象になる。ただし「できる」規定であり、実際の発動基準は各保険者の規約や内規で決まる。業界裏話ヒント:大規模災害のときは厚生労働省が保険者向けに事務連絡を出し、取扱いが一斉に固まることが多い。災害直後はまず加入先の保険者サイトの新着情報を見た方が、電話より早く答えにたどり着く
順序は高額療養費(健康保険法 115 条)が先である。限度額適用認定証で窓口の支払上限を下げ、それでも払えない部分に 110 条の 2 の措置をぶつける。両者は併用できる。業界裏話ヒント:医療機関の窓口担当は高額療養費には詳しいが、一部負担金の減免まで案内できる人は少ない。窓口で断られても制度がないわけではないので、保険者に直接あたる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる人 | 健保 110 条の 2:特別の事情がある被保険者の被扶養者 | — |
| 措置の内容 | 家族療養費の給付割合を百分の百以下の範囲で引き上げ、または徴収猶予 | — |
| 後日の請求 | 割合引き上げなら差額が生じず請求なし、猶予型は後日保険者から直接徴収 | — |
| 発動の性質 | 保険者の裁量(できる規定)、被保険者の申し出が起点 | — |
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