要点健康保険法 111 条は、被扶養者が指定訪問看護を受けた費用について、被保険者に家族訪問看護療養費を支給すると定める。給付割合は原則 7 割で、未就学児と 70 歳以上は 8 割となる。
Q · 家族が受けた訪問看護、健康保険はどこまで出るんですか?
原則 7 割給付、受け取るのは家族ではなく被保険者本人です
健康保険法 111 条により、被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けた場合、その費用について被保険者に家族訪問看護療養費が支給されます。給付割合は 110 条 2 項 1 号の区分に応じ、原則 7 割、未就学児と 70 歳以上は 8 割(70 歳以上の現役並み所得者は 7 割)です。88 条 6 項等が準用されるため、実務では保険者が事業者へ直接支払い、窓口では自己負担分のみを支払います。交通費や時間外料金などその他の利用料は給付の対象外です。
在宅で療養する家族のもとに、看護師が週に何度も通ってくる。その費用は誰の権利として、誰に支払われるのか。健康保険法 111 条は、被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたとき、その費用を「被保険者に対し」支給すると定める。押さえるべきは三点。第一に、受給権者はケアを受けた家族ではなく、保険証の本人であるあなた。第二に、支給割合は 110 条 2 項の区分に従い、原則 7 割、未就学児と 70 歳以上は 8 割(70 歳以上でも現役並み所得者は 7 割)。第三に、88 条の各項が準用されるため、実務では保険者が事業者へ直接支払い、あなたは窓口で自己負担分だけを払う。つまり訪問看護ステーションが出す明細のうち、どこまでが保険の内側で、どこからが完全な実費なのか。その目盛りがこの条文に刻まれている。
健康保険法 111 条は家族訪問看護療養費を定める規定であり、被保険者の被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けた場合に、その費用の一部を被保険者に対して支給する。支給額は 88 条 4 項による算定額に 110 条 2 項 1 号の給付割合を乗じて得た額とされ、88 条 6 項等の準用により実務上は現物給付として運用される。
被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたとき、その費用について被保険者に支給される健康保険の給付です。健康保険法 111 条が根拠で、本人向けの訪問看護療養費(88 条)と対をなします。
原則 3 割です。給付割合が 110 条 2 項 1 号の区分により原則 7 割のため、残りが自己負担になります。未就学児と 70 歳以上は給付 8 割で自己負担 2 割、70 歳以上でも現役並み所得者は 3 割です。
訪問看護指示書は最長 6 か月、特別訪問看護指示書は 14 日間が上限とされています。期間が切れた翌日からの訪問は保険給付の対象外となりうるため、更新は 1 か月前から主治医に依頼するのが安全です。
使えます。家族訪問看護療養費の自己負担分は健康保険法 115 条の高額療養費の対象で、同じ月の他の医療費と合算できます。限度額適用認定証を事前に取得しておけば、窓口負担の段階で上限が適用されます。
2 年です。健康保険法 193 条により保険給付を受ける権利は 2 年で時効消滅し、起算点は権利を行使できる時、すなわち指定訪問看護を受けた日の翌日が基本となります。
111 条の給付は「指定訪問看護事業者」による指定訪問看護に限られます。事業所の重要事項説明書や契約書に記載された指定番号を確認し、不明なときは加入している保険者または地方厚生局に問い合わせるのが確実です。
急性増悪や終末期などで頻回の訪問看護が必要なとき、主治医が交付する指示書です。交付されると 14 日間を上限に連日の訪問が可能となり、通常の回数制限の枠から外れる扱いになります。
社会保険審査官への審査請求ができます。健康保険法 189 条・190 条により、処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内が期限です。請求名義は被扶養者ではなく被保険者になります。
要介護認定を受けていれば原則は介護保険が優先し、健康保険法 55 条 2 項で医療保険の給付は行われません。ただし末期の悪性腫瘍や ALS など厚生労働大臣が定める疾病等、主治医が特別訪問看護指示書を出した急性増悪期は、111 条の家族訪問看護療養費に戻ります。業界裏話ヒント:この切替は自動では起きない。該当するのに介護保険で請求され続け、回数上限に縛られたままの家庭が実際にある
効きません。111 条 2 項が割合を乗じる対象は、88 条 4 項の厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額だけです。営業時間外の訪問、交通費、おむつ代などは「その他の利用料」として全額自己負担になります。業界裏話ヒント:その他の利用料は事業所ごとに金額が違い、契約時に文書で説明する運用になっている。重要事項説明書を出してもらえば事業所間で比較できる
条文上はそのとおりで、111 条 1 項は「被保険者に対し」支給すると書いています。ただし 88 条 6 項が準用されるため、実務では保険者が被保険者に代わって指定訪問看護事業者へ直接支払い、あなたは窓口で自己負担分だけを払う形になります。業界裏話ヒント:現金が動かない分、支給額の誤りに気付きにくい。明細書の保険請求分と自己負担分の内訳を毎月見る習慣があれば、算定誤りを自分で発見できる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰のケアが対象か | 111 条:被扶養者が受けた指定訪問看護 | — |
| 受給権者 | 被保険者(ケアを受けた家族ではない) | — |
| 給付割合の根拠 | 110 条 2 項 1 号イ〜ニの区分を援用(原則 7 割) | — |
| 支払方法 | 88 条 6 項等の準用で保険者が事業者へ直接支払(実質現物給付) | — |
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