健康保険組合又は連合会が、第十六条第三項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、第二十九条第一項若しくは第百八十八条において準用する第七条の三十八の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは第二十九条第一項若しくは第百八十八条において準用する第七条の三十八の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は第二十九条第一項若しくは第百八十八条において準用する第七条の三十九第一項の規定による命令に違反したときは、その役員を二十万円以下の過料に処する。
要点健康保険法 219 条は、健康保険組合が届出や報告を怠り、立入検査を拒んだ場合に、組合ではなくその役員個人を二十万円以下の過料に処する規定である。
Q · 健康保険組合が届出を忘れたり検査を断ったら、罰を受けるのは組合ですか、それとも理事ですか?
払うのは組合ではなく、役員個人です
健康保険法 219 条は、健康保険組合又は連合会が第十六条第三項の届出をせず若しくは虚偽の届出をし、第二十九条第一項等による報告や当該職員の質問への答弁を怠り若しくは虚偽の答弁をし、立入検査を拒み妨げ忌避し、又は是正命令に違反したときに、その役員を二十万円以下の過料に処すると定めます。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰で、非訟事件手続法に基づく裁判所の決定により科され、前科はつきません。制裁の名宛人が法人ではなく役員個人である点が本条の核心です。
健康保険組合の理事や監事に名を連ねている人へ。この条文が狙っているのはあなた個人の財布である。組合が厚生労働大臣への届出を怠った、報告を出さなかった、立入検査に来た職員の質問にごまかしの答えをした、あるいは検査そのものを断った。そのとき制裁を受けるのは組合という法人ではなく、「その役員」個人だ。二十万円以下の過料。金額だけ見れば小さいが、本質は金額ではない。組合という盾の後ろに隠れていたはずの理事個人が、名指しで行政制裁の対象として引きずり出される構造にある。しかも実行犯が事務局職員であっても、条文が処罰対象に指定しているのは役員である。事務方に任せきりで内容も確認せず判を押していた、そういう役員こそがこの条文の射程の中心にいる。連合会(健康保険組合連合会)の役員も同じ扱いだ。
健康保険法 219 条は、健康保険組合及び健康保険組合連合会に対する行政監督の実効性を担保する過料規定である。第十六条第三項の届出義務違反、第二十九条第一項等に基づく報告・答弁の懈怠又は虚偽、立入検査の拒否・妨害・忌避、是正命令違反について、組合という法人ではなくその役員を二十万円以下の過料に処する。
健康保険法第十六条第三項に基づき、組合は規約変更等の一定事項を厚生労働大臣に届け出る義務を負います。届出を怠り又は虚偽の届出をすると、組合ではなくその役員が二十万円以下の過料の対象になります。
第二十九条第一項に基づく厚生労働大臣の権限として、当該職員が行います。帳簿書類の検査と関係者への質問が可能で、拒み、妨げ、忌避することは本条の過料事由になります。
過料は行政庁が直接科すのではなく、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定します。決定は役員個人に対して告知されるため、通知書は組合宛てではなく個人宛てに届きます。
裁判所の過料決定に対しては即時抗告ができます。抗告期間は告知を受けた日から起算され極めて短いため、決定を受け取った日付を必ず記録してください。最新の手続規定は要確認です。
本条は「その役員」と定めるのみで、常勤・非常勤を区別していません。名誉職的に就任した非常勤理事も文言上は対象になりえます。関与の程度は裁判所の判断で考慮されます。
対象です。本条は第百八十八条による準用を明示しており、連合会が届出・報告・検査・命令に関する義務に違反した場合も、その役員が二十万円以下の過料に処されます。
本条の名宛人は役員個人です。組合財産から役員個人の過料を支出すれば、組合財産の目的外支出として別の問題を生みます。誰の負担になるかは就任前に確認すべき事項です。
第二十九条第一項又は準用される第七条の三十九第一項の命令に対する違反は、届出や検査とは独立した過料事由です。履行期限を徒過すれば、それだけで役員が過料の対象になります。
罰金は刑罰で刑事裁判により科され前科が残るが、過料は行政上の秩序罰で刑罰ではなく、非訟事件手続法に基づく裁判所の決定で科され前科はつかない。本条の二十万円以下も過料である。業界裏話ヒント:前科がつかないという安心感で軽視されやすいが、行政側の記録には残り、後の組合に対する監督処分や役員の適格性判断の場面で背景事情として参照されうる。一回で終わる話とは限らない
本条は制裁の名宛人を「その役員」と明示しており、実行者ではなく業務執行の責任を負う地位に着目している。届出をせず、虚偽の報告をし、検査を拒む、これらはいずれも組合の行為であり、その組合意思を担うのが役員という構造である。業界裏話ヒント:非常勤・名誉職的な理事ほどこの構造を知らずに就任している。就任承諾の前に、届出・報告事務の内部チェックフローと、誰が最終確認するかを書面で確認しておくと、後で自分の関与の薄さを説明する材料になる
第二十九条第一項の検査に対する拒否・妨害・忌避は本条の過料事由であり、合理的な理由のない日程引き延ばしは忌避と評価されうる。真にやむを得ない事情なら、代替日を即座に提示することが実務上重要である。業界裏話ヒント:現場で最も危険なのは、担当者が善意で「上の者がいないので」と追い返してしまうケース。検査対応の第一声を誰が発するかを決めておくだけで、この条文の発動確率は目に見えて下がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 第 219 条:義務違反に対する制裁(二十万円以下の過料) | — |
| 名宛人 | 健康保険組合又は連合会の「その役員」個人 | — |
| 発動のタイミング | 届出・報告・答弁の懈怠、虚偽、検査拒否、命令不履行の後 | — |
| 法的効果 | 裁判所の決定による過料(秩序罰、前科なし) | — |
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