保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。
要点健康保険法 119 条は、正当な理由なく療養に関する指示に従わない被保険者について、保険者が保険給付の一部を行わないことができると定める。全部不支給はこの条文からは導けない。
Q · 医師の指示どおりに通院していなかったら、傷病手当金は全部止まるのですか?
止められるのは一部だけ。全額不支給なら根拠条文を疑う
健康保険法 119 条により、保険者は、被保険者が正当な理由なしに療養に関する指示に従わないとき、保険給付の一部を行わないことができます。条文が認めるのは「一部」の不支給までで、全部を止めるには 116 条(故意の事故招致)、117 条(闘争・泥酔・著しい不行跡)、118 条(刑事施設等への拘禁)、120 条(文書提出命令や診断の拒否)という別の根拠が要ります。要件が「正当な理由なしに」である以上、副作用、経済的事情、指示内容の不明確さは反論材料になります。不服があれば地方厚生局の社会保険審査官へ審査請求できます。
傷病手当金の振込額が、ある月から半分になる。同封の通知にはたった一行、「療養に関する指示に従わないため」。健康保険法119条は、保険者にこの一手を認めている。だが条文を精読すると、保険者に許されているのは「保険給付の一部を行わない」ことだけである。全部を止める権限は、この条文からは出てこない。しかも要件は「正当な理由なしに」であり、正当な理由があれば制限できない。副作用が強くて処方薬を飲み切れなかった、通院を止めたのは怠慢ではなく経済的事情だった、そもそも指示の内容が口頭で曖昧だった。これらはすべて正当な理由の主張材料になる。握っておくべきは、この処分が保険者の裁量判断であって確定した結論ではないという事実だ。不服があれば社会保険審査官に審査請求できる。窓口は各地方厚生局、費用はかからず、弁護士も要らない。
健康保険法 119 条は、保険者による裁量的な給付制限を定める規定である。被保険者又は被保険者であった者が正当な理由なしに療養に関する指示に従わない場合に、保険者は保険給付の一部を行わないことができる。制限の範囲は一部にとどまり、全部不支給は同法 116 条から 118 条及び 120 条という別個の要件によって初めて可能となる。
正当な理由なしに療養に関する指示に従わない被保険者に対し、保険者が保険給付の一部を行わないことができると定める規定です。制限できるのは一部までで、全部不支給の根拠にはなりません。
一定の事由がある場合に保険給付を行わない制度です。116 条は故意の事故招致、117 条は闘争・泥酔・著しい不行跡、118 条は拘禁、119 条は療養指示違反、120 条は文書提出や診断の拒否を定めています。
決定通知の根拠条文を確認してください。119 条であれば療養指示違反を理由とする一部不支給です。条文の記載がない場合は、何条によるどの事実の認定かを書面で照会するのが先決です。
116 条(故意の犯罪行為・故意の事故招致)、117 条(闘争・泥酔・著しい不行跡)、118 条(刑事施設等への拘禁)、120 条(文書提出命令や質問・診断の拒否)です。119 条は含まれません。
処分があったことを知った日の翌日から起算して 3 か月以内に、社会保険審査官へ審査請求します。決定に不服なら、決定書謄本の送付を受けた日の翌日から 2 か月以内に社会保険審査会へ再審査請求します。
審査請求自体に手数料はかからず、書面のみで足り、弁護士に依頼する義務もありません。請求を受けると保険者側にも反論のための資料提出が求められ、担当者の対応が変わることがあります。
保険医療機関の医師が診療上行う指示、たとえば受診の継続、服薬、安静、生活上の制限などです。処分側は、どの指示にどう違反したのかを記録上特定できていなければなりません。
119 条という法律上の根拠があるため制限自体は適法ですが、要件は「正当な理由なしに」です。正当な理由がある場合や、認定事実・制限割合の理由が示されない処分は、審査請求で争う余地があります。
119条を根拠とする限り止められるのは一部だけです。全部不支給になり得るのは116条(故意の犯罪行為等)、117条(闘争・泥酔・著しい不行跡)、118条(刑事施設等への拘禁)、120条(文書提出命令や診断の拒否)に該当する場合です。業界裏話ヒント:決定通知に根拠条文が書かれていないケースが実に多い。まず書面で「何条による処分か」を照会する。条文が特定できた時点で、争点の半分は決まる
119条は「正当な理由なしに」を要件にしているので、保険者はその不存在を認定したうえで処分する立場にあります。実務では被保険者側が反証材料(副作用の記録、経済的事情、指示内容の曖昧さ)を出す形で争われます。業界裏話ヒント:健保組合の窓口に電話で抗議しても記録は残らない。社会保険審査官への審査請求は無料・書面のみ・弁護士不要で、しかも保険者に反論書の提出義務が生じる。担当者の対応がここで変わる
それは119条ではなく120条の領域です。120条は59条の文書提出命令や質問・診断を拒んだ場合に、給付の全部または一部を行わないことができると定めており、119条より重い結果になり得ます。業界裏話ヒント:傷病手当金の継続認定では、医師の意見書の遅れが「指示に従わない」ではなく「照会に応じない」として処理されやすい。締切前に遅れる理由を一報入れておくだけで、制限の起案自体が止まることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の事由 | 119 条:正当な理由なしに療養に関する指示に従わない | — |
| 制限できる範囲 | 保険給付の一部のみ | — |
| 保険者の裁量 | 裁量的(行わないことが「できる」) | — |
| 被保険者側の主要な反論軸 | 正当な理由の存在、指示内容の不特定、制限割合の理由不備 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。