被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
要点健康保険法 116 条は、被保険者が自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたとき、その保険給付を行わないと定める。過失による事故は対象外で、判断は保険者が行う。
Q · 犯罪や自分でつくった怪我だと、健康保険は使えなくなるの?
故意の場合のみ不支給。過失事故なら健康保険は使えます
健康保険法 116 条は、被保険者又は被保険者であった者が自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付を行わないと定めます。ポイントは「故意」に限定されている点で、過失による交通事故は対象外です。また判断するのは医療機関ではなく保険者(協会けんぽ・健康保険組合)であり、窓口で三割負担が通っても、後日返還を求められる場合があります。闘争・泥酔などは 116 条ではなく 117 条の裁量的制限で処理されます。
保険証を出せば三割負担、それが当たり前だと思っている。だが健康保険法 116 条は、その当たり前を一行で吹き飛ばす。自己の故意の犯罪行為によって、あるいは故意に給付事由(怪我・病気・死亡など、給付の原因となる出来事)を生じさせたとき、その分の保険給付は行われない。決定的に重要なのは「故意」の二文字がどこにかかるかだ。前をよく見ていなかった、うっかりぶつけた、そうした過失は 116 条の射程外にある。飲酒運転や無免許運転のように、犯罪行為そのものが故意であり、それが原因で負傷した場合が問題になる(この線引きは実務上、解釈が分かれている)。そしてもう一つ、これを判断するのは病院ではなく保険者(協会けんぽ・健康保険組合)である。窓口では普通に三割で通り、数か月後に「あの分を返してください」という通知が届く。あなたが身構えるべき日は、事故の日ではなく、その封筒が届く日だ。
健康保険法 116 条は保険給付の絶対的制限を定める規定であり、被保険者又は被保険者であった者が自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせた場合に、当該給付事由に係る保険給付を行わない旨を規定する。制限の対象は故意に限られ、過失による事故は含まれない。裁量的制限を定める同法 117 条に対し、絶対的不支給という強い効果を伴う特則として機能する。
被保険者が自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときに保険給付を行わないと定める絶対的な給付制限規定です。過失は対象外です。
飲酒運転は故意の犯罪行為に当たるとして 116 条で制限され得ますが、実務上の線引きは解釈が分かれています。保険者の判断次第で、事後に返還を求められる例があります。
医療機関ではなく保険者(協会けんぽ・健康保険組合)です。窓口で三割負担が通っても制限がないことの証明にはならず、事後に決定されます。
まず処分の年月日と根拠条文(116 条か 117 条か)を確認します。117 条なら裁量的制限なので交渉余地があり、不服なら社会保険審査官へ審査請求します。
無免許運転自体は故意の犯罪行為ですが、それが給付事由の原因といえるかを保険者が個別に判断します。自動的に全額自己負担が確定するわけではありません。
及びます。健康保険法 122 条により給付制限の規定は被扶養者に準用され、家族療養費が支給されないという判断があり得ます。
対象になり得ます。116 条は「当該給付事由に係る保険給付」を制限するため、療養の給付だけでなく傷病手当金(99 条)等も射程に入ります。
社会保険審査官への審査請求は処分を知った日の翌日から三か月以内、再審査請求は決定書謄本送付の翌日から二か月以内です(最新の改正状況をご確認ください)。
原則として保険給付の対象になる。116 条の「故意」は、自らの意思を十分に制御できる状態での行為を想定しており、精神疾患等の影響下での自傷行為はこれに当たらないとする厚生労働省の通知(平成 22 年 5 月 21 日保保発 0521 第 1 号)がある。業界裏話ヒント:この通知を知らずに医療機関側が自費扱いにしてしまう例が今も残っている。窓口で自費と言われたら、通知名を挙げて保険者に直接確認する
使える。116 条が排除するのは故意の犯罪行為による場合であり、過失による事故は対象外である。第三者行為による傷病届を提出し、保険者が加害者へ求償する仕組み(健康保険法 57 条)で処理される。業界裏話ヒント:健康保険を使うと診療報酬点数に基づく単価が適用され、自由診療より治療費総額が大きく下がる。自賠責の上限額を治療費で食い潰さずに済むため、被害者側にとっても健康保険を使う方が手取りが増える場面が多い
116 条ではなく 117 条の問題であり、闘争・泥酔・著しい不行跡による給付事由について、保険者が給付の全部または一部を制限できると定めるにとどまる。自動的に不支給になるわけではなく、一方的に殴られた側なら制限されないのが通常である。業界裏話ヒント:保険者が経緯を把握する主な入口は、医療機関が提出するレセプトの負傷原因欄と本人への照会文書である。この照会に無回答のまま放置すると、不利な前提で判断が固まる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の性質 | 116 条:絶対的不支給(保険者に裁量なし) | — |
| トリガーとなる事由 | 自己の故意の犯罪行為、又は故意に給付事由を生じさせたこと | — |
| 過失の扱い | 過失はどれだけ重くても対象外 | — |
| 争い方の勘所 | 故意の有無と因果関係を否定する(精神疾患下の自傷は除外) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。