要点健康保険法 52 条は、被保険者に係る保険給付を療養の給付、傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、家族療養費、高額療養費など 9 種類に列挙する規定である。
Q · 健康保険で受けられる給付って、病院の 3 割負担のほかに何がありますか?
全部で 9 種類。多くは 2 年以内の請求が必要です
健康保険法 52 条は、被保険者に係る保険給付を 9 種類に列挙します。療養の給付など医療の現物給付のほか、傷病手当金(同法 99 条)、埋葬料(100 条)、出産育児一時金、出産手当金、高額療養費(115 条)といった現金給付が含まれます。現金給付の多くは被保険者からの請求があって初めて支給され、受給権は 2 年で時効消滅します(193 条)。
毎月の給与明細から数万円が健康保険料として消えていく。その対価が具体的に何なのかを、9つの項目に分けて並べたのが本条である。多くの人が知っているのは最初の1つ、病院の窓口で3割しか払わずに済む「療養の給付」だけだ。残りの8つ、傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、移送費、高額療養費、そして家族分の給付は、その大半が申請主義で動く。会社も役所も健康保険組合も、あなたが請求書を出さない限り原則として何も送ってこない。しかも受給権は2年で時効消滅する(健康保険法193条)。権利のカタログであると同時に、読まなかった人の権利が静かに失効していく仕組みでもある。同じ保険料を払っていながら、受け取る総額が人によって数十万円違うのは、能力の差ではなく、この一覧を知っているかどうかの差である。
健康保険法 52 条は、被保険者本人に係る保険給付の種類を定める列挙規定である。療養の給付および入院時食事療養費等の医療給付、傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、被扶養者に係る家族療養費等、ならびに高額療養費および高額介護合算療養費の 9 号を掲げ、健康保険給付体系全体の目次として機能する。
健康保険法 52 条は被保険者に係る給付を 9 号に分けて列挙しています。療養の給付、傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、家族療養費等、家族埋葬料、家族出産育児一時金、高額療養費等です。
支給開始日前 12 か月の標準報酬月額の平均を 30 で割った額の 3 分の 2 が日額の目安です(健康保険法 99 条)。支給期間は令和 4 年 1 月から通算 1 年 6 か月です。
健康保険法 100 条の埋葬料は 5 万円です(健康保険法施行令)。被扶養者が亡くなった場合は家族埋葬料として同額が被保険者に支給されます。
2 年です(健康保険法 193 条)。起算点は給付ごとに異なり、埋葬料は死亡の日の翌日、傷病手当金は労務不能の日ごとにその翌日から進行します。
入院中の食事にかかる費用のうち、患者が負担する標準負担額を超える部分を保険者が負担する給付です。平成 6 年改正で療養の給付から切り出されました。
同一世帯の 1 年間の医療保険と介護保険の自己負担を合算し、限度額を超えた分が支給される給付です。平成 18 年改革で創設され平成 20 年 4 月に施行されました。
評価療養・患者申出療養・選定療養を受けたとき、保険が使える基礎部分について支給される給付です。旧「特定療養費」が平成 18 年改革で再編されたものです。
出産日以前 42 日(多胎は 98 日)から出産の翌日以後 56 日までのうち、労務に服さなかった期間について支給されます(健康保険法 102 条)。
必ずしも打ち切られません。退職日まで継続して1年以上被保険者であり、退職時点で傷病手当金を受けているか受けられる状態なら、資格喪失後の継続給付として支給が続きます(健康保険法104条)。業界裏話ヒント:退職日に出勤して挨拶や引継ぎをすると、その日は労務不能でなかったと判断され、継続給付の要件が崩れて数十万円が消えることがある。最終出勤日と退職日は別に設計する。
保険者によります。健康保険組合の多くは自動的に払い戻しますが、協会けんぽは原則として申請が必要です(同法115条)。時効は診療を受けた月の翌月1日から2年(193条)。業界裏話ヒント:高額療養費は暦月ごとに計算するため、同じ30日の入院でも月末開始だと限度額を2か月分負担することになる。手術日を医師と相談できる状況なら、月初に寄せた方が自己負担は小さい(自己負担限度額は所得区分で異なり、最新の改正状況をご確認ください)。
請求主体はあなた、つまり被保険者です。家族療養費、家族埋葬料、家族出産育児一時金は、いずれも被扶養者ではなく被保険者に対する給付として組み立てられています(本条6号から8号、同法110条以下)。業界裏話ヒント:この構造のため、被扶養者の認定が遡って取り消されると、過去の家族療養費の返還を求められるのは被保険者本人。子の就職やパート収入増で扶養から外れた際の届出の遅れが、数十万円の返還請求に化ける。
救急車は無料なので対象外です。移送費(本条1号、同法97条)は、医師の指示で緊急に転院搬送された場合などの民間搬送費用について、保険者が必要と認めたときに支給されるものです。業界裏話ヒント:請求件数が極端に少ない給付だが、専門病院への長距離転院や離島からの搬送では数十万円かかることがある。搬送前に保険者へ一本電話を入れ、対象になりうるか確認した記録を残しておくと、事後の認定が通りやすい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 52 条:法定給付の種類を 9 号で列挙する目次規定 | — |
| 給付の出どころ | 法律が全保険者に一律で義務づける法定給付 | — |
| 加入者による差 | 協会けんぽ・健保組合を問わず内容は同じ | — |
| 実務で問題になる場面 | どの給付に当たるかの特定漏れと 2 年時効 | — |
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