要点健康保険法 85 条の 2 は、療養病床に入院する 65 歳以上の被保険者について、食費と居住費を生活療養として給付し、厚生労働大臣が定める生活療養標準負担額のみを本人負担とする規定である。
Q · 療養病床の請求書にある「居住費」って、何の法律で取られているんですか?
健康保険法 85 条の 2。65 歳以上だけ上乗せされます
健康保険法 85 条の 2 が定める入院時生活療養費の仕組みによるものです。療養病床に入院する 65 歳以上の被保険者(特定長期入院被保険者)は、食費と居住費(光熱水費相当)をまとめた「生活療養」の対象となり、厚生労働大臣が告示で定める生活療養標準負担額だけを自己負担します。64 歳までは 85 条の入院時食事療養費の世界にとどまり、居住費の負担は生じません。所得の状況、病状の程度、治療の内容をしん酌した別枠の額もあり、住民税非課税世帯や指定難病の患者等には減額区分が用意されています。
療養病床に入院している親の請求書に、食事代とは別の行が立っている。居住費、つまり部屋の光熱水費だ。健康保険法 85 条の 2 は、療養病床に入院する 65 歳以上の被保険者(条文でいう特定長期入院被保険者、つまり長期療養のための病床にいる高齢の加入者)について、食費と居住費をまとめて「生活療養」と呼び、その費用のうち国が決めた生活療養標準負担額だけを本人に負担させ、残りは保険から病院へ直接支払う(現物給付、つまりあなたが立て替えて後から請求する必要がない形)と定める。押さえるべきは二点。第一に、64 歳までなら同じ病床でも 85 条の世界にいて、居住費の負担は生じない。第二に、あなたが払う金額を決めているのは国会ではなく、中央社会保険医療協議会に諮ったうえで出される厚生労働大臣の告示だ。法改正のニュースを待っていても、負担額は静かに動く(2025 年度時点で食費は 1 食 500 円台、居住費は 1 日 370 円前後。最新の改定状況をご確認ください)。
健康保険法 85 条の 2 は入院時生活療養費を定める規定であり、療養病床に入院する特定長期入院被保険者が療養の給付と併せて受けた生活療養について、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額から生活療養標準負担額を控除した額を保険者が支給する旨を規定する。入院時食事療養費(85 条)に対し、年齢と病床の種別による特則として機能する。
療養病床に入院する 65 歳以上の被保険者の食費と居住費(光熱水費相当)を保険が負担する給付です。健康保険法 85 条の 2 が根拠で、本人は生活療養標準負担額だけを支払います。
療養病床に入院している 65 歳以上の被保険者を指します。同じ病床にいても 64 歳までは対象外で、85 条の入院時食事療養費が適用され居住費の負担は生じません。
条文に金額の記載はなく、厚生労働大臣の告示で決まります。2025 年度時点で 1 日 370 円前後とされていますが、告示は改定されるため最新額は保険者または医事課にご確認ください。
85 条の食事療養費は食費のみ、85 条の 2 の生活療養費は食費に居住費を加えたものです。年齢 65 歳以上かつ療養病床という二条件を満たすと後者に切り替わります。
加入する保険者(協会けんぽ、健康保険組合、市区町村など)へ申請します。自動適用ではなく申請主義で、効力は原則として申請した月の 1 日から発生します。
療養病床に入院している限り、その時点から生活療養の対象となり食費に居住費が上乗せされます。誕生日を事前に説明する義務は制度上どこにも課されていません。
かかりません。85 条の 2 の対象は療養病床です。急性期の一般病床では 85 条の入院時食事療養費が適用され、食費のみの負担となります。
厚生労働大臣が告示で定めます。基準を定める際は中央社会保険医療協議会への諮問が必要で(3 項)、事情が著しく変動したときは速やかな改定義務があります(4 項)。
高額療養費(健康保険法 115 条)の計算対象は一部負担金等で、食事療養標準負担額と生活療養標準負担額は最初から除外されているためである。療養病床なら食費と居住費は上限の外で毎日積み上がる。業界裏話ヒント:この除外分は確定申告の医療費控除では対象になる。逆に差額ベッド代は控除も高額療養費も対象外で、長期入院ではこの仕分けが還付額を大きく左右する。
自動では下がらない。保険者へ限度額適用・標準負担額減額認定証を申請して初めて 2 項の別に定める額が適用される。効力は原則として申請月の 1 日からで、前の月へは当然には遡らない。業界裏話ヒント:気づかず払った分も、保険者への申請で差額支給を受けられる場合がある。ただし保険給付の時効は 2 年(193 条)で、動かない限り黙って消える。
2 項の括弧書きが、病状の程度や治療の内容をしん酌して厚生労働省令で定める者には別の額を定めると規定しており、指定難病の患者等には居住費の負担が生じない区分がある。業界裏話ヒント:該当するかどうかは主治医が記載する医療区分と難病の登録状況で決まる。医事課は書かれたとおりに算定するだけなので、患者側から主治医に確認しない限り、区分は動かないまま入院が続く。
受けられる。条文は電子資格確認等によりと書いており、等には資格確認書などによる確認が含まれる。確認の方法が変わるだけで、給付の権利そのものが消えるわけではない。業界裏話ヒント:問題は本人確認より所得区分の連携にある。オンライン資格確認で区分が読み取れる場合と、認定証の提示が必要な場合が併存しており、窓口で提示を求められたら黙って従うより、保険者へ連携状況を照会したほうが早い。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる人 | 85 条の 2:療養病床に入院する 65 歳以上(特定長期入院被保険者) | — |
| 給付の中身 | 食費+居住費(光熱水費相当)=生活療養 | — |
| 本人負担の名称 | 生活療養標準負担額(厚生労働大臣の告示) | — |
| 高額療養費との関係 | 算定から除外され、上限に達しても減らない | — |
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