要点手形法 56 条は、満期前に遡求権が生じた場合に第三者が手形を引き受ける参加引受を定める。所持人は拒めるが、受諾すると被参加人への満期前遡求権を失う。
Q · 見知らぬ第三者が「あなたの手形を引き受けます」と言ってきたら、受けなきゃいけないの?
原則として拒否でき、受諾すると満期前遡求権を失う
手形法 56 条 3 項により、所持人は第三者からの参加引受を拒むことができます。ただし受諾すると、被参加人(その第三者が顔を立てた相手)とその後者に対する満期前の遡求権を失い、満期まで現金化を待つ立場になります。また 2 項により、券面に予備支払人の記載がある場合は、その者へ呈示し拒絶証書で引受拒否を証明しない限り、記載者と後者には満期前遡求できません。受けるか断るかは現金化の緊急度と信用維持を天秤にかけて決めるべきです。
取引先から受け取った為替手形を銀行に持ち込んだら、満期前なのに『支払人が引受を拒んだ』と告げられた。この瞬間、あなたには満期を待たずに裏書人や振出人へ請求できる満期前遡求権(手形法43条)が発生する。ところがそこへ、振出人の顔を立てる第三者が現れ『私がこの手形を引き受ける』と申し出る。これが参加引受だ。56条はこの割り込みがいつ許されるかを定める。鍵は3項にある。あなたがその申し出を受け入れた瞬間、被参加人(その第三者が顔を立てた相手)とその後者に対する満期前遡求権を失い、満期まで現金化を待たされる。さらに2項、手形に予備支払人(万一に備え券面に書かれた控えの支払い役)が記載されていれば、あなたはまずその者に呈示し、拒絶証書で引受拒否を証明しない限り、記載者と後者には満期前遡求できない。割り込みを断る自由も、断れない手続も、すべてこの一条に書いてある。
手形法 56 条は参加引受を規律する規定であり、為替手形の所持人が満期前に遡求権を有する一切の場合において、券面上の支払人以外の第三者が手形を引き受けうる旨を定める。予備支払人への呈示義務(2 項)と、所持人による受諾・拒絶の選択権(3 項)を併せて規定する。
券面上の支払人以外の第三者が割り込んで手形を引き受ける制度です。手形法 56 条が根拠で、満期前に遡求権が生じた場合に行えます。
成立しません。56 条 3 項により所持人は参加引受を拒否でき、受諾するかどうかの主導権は所持人にあります。
万一に備え券面に記載される控えの支払い役です。記載がある場合、所持人はまずその者へ呈示しないと記載者へ満期前遡求できません(56 条 2 項)。
被参加人とその後者に対する満期前の遡求権を失い、満期まで現金化を待つ立場になります(56 条 3 項)。
満期前に引受拒否されて遡求権が生じた局面で使えます。連鎖倒産を一段階止める信用補完手段として機能します。
ありません。参加引受は紙の手形固有の制度で、電子記録債権制度には対応する仕組みが置かれていません。
できません。予備支払人は手形を振り出す時点でしか券面に記載できず、信用不安が出てからの追記は認められません。
参加引受は満期前に第三者が引き受ける制度(56 条)、参加支払は満期に第三者が支払う制度(59 条)です。割り込むタイミングが異なります。
紙の手形は減りましたが、建設・製造・卸売の一部では今も現役で、56条の参加引受も生きた規定です。決定的な違いは、電子記録債権(でんさい)には参加引受の仕組みがないこと。業界裏話ヒント:手形を今も回す取引先と付き合うなら、相手が資金難に陥ったとき参加引受という救済ルートが存在すると知っているだけで、交渉の余地が一段広がる。でんさいへ完全移行した相手にこの手は使えない
状況次第です。3項により、受け入れると被参加人とその後者への満期前遡求権を失い、満期まで現金化を待つことになります。すぐ現金が必要なら、断って即遡求する方が有利な場合が多い。業界裏話ヒント:銀行や元請けが参加引受を持ちかけるのは、連鎖倒産を止めたい彼ら側の都合であることも多い。あなたの資金繰りより全体の信用秩序を優先した提案かもしれない、と一歩引いて見るべき
信用補完にはなりますが、2項により所持人はその予備支払人へ呈示し、引受拒否を拒絶証書で証明しない限り、記載者と後者へ満期前遡求できません。あくまで手続が条件です。業界裏話ヒント:予備支払人は振出の瞬間にしか書けず、後から足せない。資金繰りに不安が出てから慌てても遅い。信用力のある取引先に予備支払人を引き受けてもらえるかは、平時の関係づくりで決まる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 割り込むタイミング | 56 条 参加引受:満期前に第三者が引き受ける | — |
| 所持人への効果 | 受諾すると被参加人と後者への満期前遡求権を失う(3 項) | — |
| 所持人の選択権 | 拒否する自由がある(3 項前段) | — |
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