皇室典範 第21条
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摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 皇室典範第21条は、日本の皇室典範に含まれる条文です。
- 皇室典範第21条の条文原文は「摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」で始まります。
- 皇室典範第21条は第三章 摂政に置かれています。
- 皇室典範の公布日は昭和22年1月16日です。
- 皇室典範について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 皇室典範第21条の前の条は皇室典範第20条です。
- 皇室典範第21条の次の条は皇室典範第22条です。
- 皇室典範第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000003 - 本サイト収録
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000003/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点皇室典範21条は、摂政は在任中訴追されないと定める。ただし訴追の権利は害されず、退任後は起訴されうる。罪が消えるのではなく起訴が先送りされるだけである。
Q · 摂政は罪を犯しても起訴されないって本当?
在任中は起訴されないが、退任後は起訴されうる
皇室典範21条により、摂政は在任中、検察官による起訴(訴追)を受けません。ただし同条ただし書は「訴追の権利は、害されない」と定めているため、罪そのものが消えるわけではなく、退任後には起訴される可能性があります。在任中は公訴時効の進行が止まると一般に解されていますが、刑事訴訟法に明文の停止規定はありません。逮捕や捜査まで禁じられるかについても、解釈が分かれています。
解説
日本の法律で、刑事裁判にかけられない身分を明文で定めた条文はほとんどない。その数少ない一つが皇室典範21条である。摂政(天皇が18歳未満のとき、または重い病気などで国事行為を行えないときに、天皇の名でその職務を代わりに行う皇族)は、在任中は訴追されない(検察官に起訴されない)。ただ、注目すべきは後半のただし書である。「これがため、訴追の権利は、害されない」。つまり罪が消えるのではなく、起訴が先送りされるだけだ。一般には、このただし書によって在任中は公訴時効(犯罪を起訴できる期限)の進行が止まると解されている。もっとも、刑事訴訟法に明文の停止規定はなく、解釈に頼っている点は押さえておきたい。この「在任中は起訴しないが、権利は残す」という作りは、国務大臣の不訴追を定める憲法75条とまったく同じ構造である。一つの型を知れば、権力の座にある者を法がどう扱うかを読み解く手がかりになる。
法的な位置づけ
皇室典範21条は摂政の不訴追を定める規定であり、摂政はその在任中、刑事上の訴追(検察官による公訴の提起)を受けないとする。ただし書は、これにより訴追の権利が害されないことを明示しており、免責は在任期間中の手続上の障害にとどまる。退任後の公訴提起は妨げられず、在任中の公訴時効の停止もこの趣旨から導かれると一般に解されている。
よくある質問 AI による整理
Q1摂政とは何ですか?
天皇が18歳未満のとき、または重い病気や重大な事故で国事行為を行えないときに、天皇の名でその国事行為を行う成年皇族です(皇室典範16条、憲法5条)。
Q2摂政 退任後 起訴できる?
できます。皇室典範21条ただし書が「訴追の権利は、害されない」と定めているため、在任中に止まっていた起訴は退任後に可能になります。
Q3摂政の在任中、公訴時効は止まる?
ただし書の趣旨から、在任中は公訴時効の進行が停止すると一般に解されています。ただし刑事訴訟法に明文の停止規定はなく、解釈によるものです。
Q4摂政は民事裁判で訴えられる?
21条の「訴追」は刑事の起訴を指し、民事訴訟については定めがありません。天皇には民事裁判権が及ばないとする最高裁判決がありますが、摂政については判例がなく解釈が分かれます。
Q5憲法75条と皇室典範21条の違いは?
どちらも在任中の不訴追とただし書を持つ同じ構造です。違いは、国務大臣は内閣総理大臣の同意があれば起訴できるのに対し、摂政にはそうした例外がない点です。
Q6国事行為の臨時代行者も起訴されない?
されません。国事行為の臨時代行に関する法律6条が、委任を受けた皇族は委任中訴追されないと定めています。ただし書も本条と同じく訴追の権利を残しています。
Q7今の日本に摂政はいる?
現行の皇室典範のもとで摂政が置かれたことはありません。天皇の外国訪問や入院の際は、摂政ではなく国事行為の臨時代行の制度が使われています。
Q8摂政になれるのは誰?
成年に達した皇族で、皇室典範17条が定める順序(皇太子・皇太孫、親王・王、皇后など)に従って就任します。順序は皇室会議の議により変更されることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1摂政って、在任中なら警察に逮捕もされないんですか?
皇室典範21条が禁じているのは「訴追」、つまり検察官による起訴である。逮捕や捜査まで禁じているかは明文がなく、実務上も解釈が分かれている。起訴できない人を逮捕する意味は乏しいため、身柄の拘束も許されないとする見方が有力である。実務のポイント:試験では「捜査も禁止」と断定する肢は誤りになりやすい。条文の文言は訴追に限られている点が狙われる
Q2天皇が起訴されないのは、どの条文に書いてあるんですか?
実はどこにも書いていない。地位の低い摂政でさえ皇室典範21条で訴追されないのだから、天皇はなおさら訴追されない、と解するのが通説である。民事については、天皇に民事裁判権が及ばないとした最高裁判決(最判平成元年11月20日)がある。実務のポイント:天皇の免責を答案に書くとき、根拠を「明文あり」とすると減点される。類推と判例という二本立てで書くのが正確である
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴追されない」と聞くと、罪に問われない、つまり免罪されると受け取りがちである。しかしただし書は、訴追の権利そのものは残ると明言している。在任中に止まっているのは手続であり、責任は消えない。退任すれば起訴されうる
- 免責の範囲が刑事だけなのかという点は、思ったより奥が深い。条文の「訴追」は刑事の起訴を指し、民事で訴えられることについては何も書いていない。天皇については、最高裁が平成元年11月20日の判決で民事裁判権が及ばないとした。ところが摂政についてはそうした判例がなく、解釈が分かれている
- 「現代の日本で摂政の規定なんて使われていない」という見方は、半分しか当たっていない。現行の皇室典範のもとで摂政が置かれたことは確かにない。しかし同じ不訴追の仕組みは、国事行為の臨時代行に関する法律6条を通じて、天皇の外国訪問や入院のたびに実際に使われてきた
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 不訴追の対象者 | 皇室典範21条:摂政 | 日本国憲法75条:国務大臣 国事行為の臨時代行に関する法律6条:委任を受けた皇族 |
| 不訴追の期間 | 摂政の在任中 | 国務大臣の在任中 委任がされている間 |
| 例外(在任中でも起訴できる場合) | 例外なし | 内閣総理大臣の同意があれば起訴可能 例外なし |
| ただし書(訴追の権利) | 「訴追の権利は、害されない」と明記 | 「訴追の権利は、害されない」と明記 「訴追の権利は害されない」と明記 |
他国ではどう定めているか 5 か国
総統は内乱罪・外患罪を除き在任中刑事訴追を受けない。在任中の手続停止という点で本条と共通するが、重大犯罪の例外がある点で異なる
大統領は内乱・外患の罪を除き在職中刑事訴追を受けない。在職中は公訴時効が停止すると解されており、本条ただし書の解釈と発想が近い
連邦大統領に議員の不逮捕・不訴追特権を準用し、連邦議会の許諾により解除できる。期間ではなく議会の同意で解除する点が日本と異なる
大統領は在任中訴追されず、時効期間は停止し、任期終了後1か月で手続が再開されうると明文で定める。本条の解釈上の時効停止を明文化した構造といえる
現職大統領の起訴は憲法上許されないとする行政解釈で、成文規定ではない。退任後の訴追は妨げられないという点で時間差の免責という発想は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 摂政の在任中に、その摂政が交通事故の当事者になったら、どうなる? 警察の捜査や逮捕まで止まるのかについて、条文は「訴追」としか書いていない。捜査をどこまで進められるかは、実務上も解釈が分かれている
- 憲法のゼミで、教授が「天皇自身の刑事責任はどこに書いてある?」と聞いてきた。答えは「どこにも書いていない」である。天皇は摂政より重い地位にあるので、21条の趣旨から当然に訴追されない、と導くのが通説だ
- 行政書士試験まであと3週間。憲法の統治分野を回していて、「在任中は訴追されない、ただし訴追の権利は害されない」という文言が憲法75条と皇室典範21条の両方にあると気づいた。セットで覚えれば、肢を一つ分けて記憶しなくて済む
- あなたは天皇の外国訪問中に国事行為の臨時代行を任された皇族の側近である。臨時代行者にも同じ不訴追の特権がある。根拠は皇室典範ではなく、別の法律の6条だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 摂政が在任中に関わった事件の被害者になった場合でも、権利は失われない。証拠を確保し、被害届を出しておく2. 起訴は退任後になる可能性が高い。そのため記録を長期間保存し、退任の時期に注意を払う3. 損害賠償は刑事とは別の軌道で考える。民事で訴えられるかは解釈が分かれるので、憲法に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:1. 不訴追は在任中に限られ、ただし書によって訴追の権利は残る。そのため退任後に起訴されるおそれを前提に動く必要がある2. 一般には在任中に公訴時効が止まると解されているので、「時間が経てば済む」という見込みは立たない3. 捜査にどこまで協力すべきかは解釈が分かれるため、早い段階で弁護人と方針を固める
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。通常の公訴時効(刑事訴訟法250条)は、ただし書の趣旨から在任中は進行が止まると一般に解されている。ただし刑事訴訟法に明文はない。民事の請求には一般の消滅時効(民法166条:債権は権利を行使できると知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(天皇不訴追の類推):天皇の刑事責任について明文はないが、摂政が在任中訴追されない以上、より高い地位にある天皇は当然訴追されないと類推する。答案では明文ではなく類推と判例の二本立てで論じるのが正確とされる
通説(公訴時効停止):ただし書が訴追の権利を害しないと定める趣旨から、摂政の在任中は公訴時効の進行が停止すると解する。刑事訴訟法に明文の停止規定がない点は留意が必要
捜査・逮捕の可否をめぐる見解:条文は「訴追」に限られるため捜査一般は禁じられないとする見方と、起訴できない者の身柄拘束は意味に乏しく逮捕も許されないとする見方があり、後者が有力とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて現行皇室典範が法律として制定され、摂政の在任中の不訴追とただし書による訴追権の留保が規定された。本条の文言は制定以来改正されていない
- 皇室典範 第16条摂政を置く事由(未成年、重患など)
- 皇室典範 第17条摂政に就く皇族の順序
- 皇室典範 第20条故障解消による摂政の廃止、免責の終期
- 皇室典範 第22条天皇の成年を18年とし摂政設置を画す
- 国事行為の臨時代行に関する法律 第6条臨時代行者の在任中不訴追、同一構造
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効期間、在任中停止の解釈対象
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