皇室典範 第20条
クイックジャンプ
第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 皇室典範第20条は、日本の皇室典範に含まれる条文です。
- 皇室典範第20条の条文原文は「第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。」で始まります。
- 皇室典範第20条は第三章 摂政に置かれています。
- 皇室典範の公布日は昭和22年1月16日です。
- 皇室典範について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 皇室典範第20条の前の条は皇室典範第19条です。
- 皇室典範第20条の次の条は皇室典範第21条です。
- 皇室典範第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000003 - 本サイト収録
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000003/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点皇室典範20条は、天皇の重患等による摂政について、故障がなくなったときは皇室会議の議により摂政を廃すると定める。議決には出席議員の3分の2以上が必要。
Q · 天皇が病気から回復したら、摂政はすぐに終わるの?
終わらない。皇室会議の3分の2以上の議決が必要
皇室典範20条は、天皇の精神若しくは身体の重患又は重大な事故(16条2項)によって置かれた摂政について、その故障がなくなったときは皇室会議の議により廃すると定めます。議決には出席議員の3分の2以上の賛成が必要です(35条)。医師団が回復を発表しても、天皇自身の意思表示だけでは摂政は終わりません。なお、未成年を理由とする摂政(16条1項)は本条の対象外で、成年到達により終了すると解されています。
解説
摂政を置くのも外すのも、決めるのは天皇本人ではない。皇室典範20条によれば、天皇の「精神若しくは身体の重患又は重大な事故」(16条2項)が解消したとき、摂政を廃するかどうかは皇室会議の議決で決まる。皇室会議は10名の合議体で(28条)、皇族2名、衆参両院の議長・副議長、内閣総理大臣、宮内庁長官、最高裁長官と判事1名から成る。20条の議決には出席議員の3分の2以上の賛成が要る(35条)。天皇が回復を自覚しても、それだけでは国事行為(法律の公布、国会の召集など、内閣の助言と承認に基づく公式の行為)に戻れないのである。一方、天皇が未成年のために置かれた摂政(16条1項)には本条の出番がなく、成年に達すれば終了すると解されている。終わり方は二種類あり、病気型の摂政だけが政治部門を含む会議の認定に委ねられる。この非対称に、本人の自己申告より第三者による認定を選んだ象徴天皇制の設計がにじんでいる。
法的な位置づけ
皇室典範20条は、天皇の重患又は重大な事故を理由に置かれた摂政(同法16条2項)について、その故障が消滅したときの廃止手続を定める規定である。廃止は皇室会議の議決によって行われ、同法35条により出席議員の3分の2以上の賛成を要する。未成年を理由とする摂政(16条1項)は対象外である。
よくある質問 AI による整理
Q1摂政とは何ですか?
天皇に代わって天皇の名で国事行為を行う皇族の職です。憲法5条と皇室典範16条以下が根拠で、天皇が未成年のときや重患等のときに置かれます。
Q2皇室会議とは何ですか?
皇室典範に基づき皇室の重要事項を議決する合議体です。摂政の設置・廃止、皇位継承順序の変更、立后や皇族男子の婚姻などを審議します。
Q3皇室会議のメンバーは誰ですか?
皇族2名、衆参両院の議長・副議長、内閣総理大臣、宮内庁長官、最高裁長官と最高裁判事1名の計10名です(28条)。議長は内閣総理大臣が務めます。
Q4戦後に摂政が置かれたことはありますか?
ありません。1947年に現行の皇室典範が施行されて以降、摂政は一度も置かれていません。昭和天皇の療養時などには国事行為の臨時代行が使われました。
Q5摂政と国事行為の臨時代行の違いは?
摂政は皇室典範に基づき置かれ、天皇の名で行為します。臨時代行は憲法4条2項と特別法に基づき天皇の委任で始まり、委任の解除で終わります。
Q6摂政の廃止に必要な賛成数は?
皇室会議の出席議員の3分の2以上です(皇室典範35条)。10名全員が出席した場合は7名以上の賛成が必要になります。
Q7摂政は何ができますか?
天皇の名で憲法7条の国事行為を行います(憲法5条)。法律の公布や国会の召集などが含まれ、内閣の助言と承認を要する点は天皇と同じです。
Q8天皇の成年は何歳ですか?
18歳です(皇室典範22条)。民法の成年年齢引下げ(2022年)より前から18歳とされており、未成年を理由とする摂政はこの年齢に達すると終了すると解されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1天皇陛下が元気になったら、自分で「摂政やめます」って言えないんですか?
言えない。皇室典範20条は、16条2項の故障がなくなったときは「皇室会議の議により」摂政を廃すると定めており、議決には出席議員の3分の2以上が必要である(35条)。実務のポイント:設置と廃止がそろって特別多数とされたのは、時の政権や一部の皇族の思惑だけで天皇の地位を出し入れさせないためだと理解されている。
Q2未成年の天皇の摂政も、皇室会議でやめるんですか?
20条の対象は16条2項(重患・重大な事故)の摂政だけである。16条1項の摂政は、天皇が成年(18歳、22条)に達すれば終了すると解されており、会議の議決は要らない。実務のポイント:試験では「摂政の廃止にはすべて皇室会議の議決が必要」という肢がひっかけとして出る。年齢型と病気型で終わり方が違うことが、正誤を分ける鍵になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「天皇が病気になれば摂政が置かれる」と思われがちだが、戦後、摂政は一度も置かれていない。昭和天皇の手術(1987年)や療養(1988年)の際に使われたのは、国事行為の臨時代行に関する法律に基づく委任であった。摂政は「天皇が自分で委任すらできない」重い事態のための最後の装置である
- 摂政の始め方は知っていても、終わり方の重さまで知る人は少ない。20条による廃止は、設置(16条2項)と同じく出席議員の3分の2以上という特別多数を要する(35条)。過半数では足りない。復帰の手続は、退場の手続と同じだけ慎重に作られている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 皇室典範20条:摂政の廃止 | 皇室典範16条2項:重患・重大な事故による摂政の設置 皇室典範18条:摂政又は摂政となる順序の変更 |
| 発動要件 | 16条2項の故障がなくなったこと | 天皇が重患又は重大な事故により国事行為を自らできないこと 摂政又は順位者に重患又は重大な事故があること |
| 決定機関と表決 | 皇室会議、出席議員の3分の2以上(35条) | 皇室会議、出席議員の3分の2以上(35条) 皇室会議、出席議員の3分の2以上(35条) |
| 効果 | 天皇が自ら国事行為を行う状態に戻る | 摂政が天皇の名で国事行為を行う(憲法5条) 17条の順序に従い次の順位者に交代する |
他国ではどう定めているか 5 か国
君主制ではないが、總統が職務を行えないときは副總統が代行する。代行の終了について、日本のような合議体による議決は定められていない
大統領の궐위・사고時は国務総理などが権限を代行する。사고(事故)の認定・終了手続が明文化されていないことが学説上の論点とされる
連邦大統領が職務を行えないときは連邦参議院議長が代行する。職務不能の認定手続は明文化されていない
君主の職務不能とその終了は、配偶者・大法官・庶民院議長・首席裁判官・記録長官のうち3名以上の宣言による。第三者の認定に委ねる点で日本と共通する
大統領は書面宣言で職務に復帰できる。副大統領と閣僚の過半数が異議を出した場合は議会が判断し、両院3分の2で復帰を阻止できる。本人の宣言を起点とする点で日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし天皇が長期療養から回復し、医師団も「公務に支障なし」と発表したら、翌日から天皇自身が法律を公布できるのか? できない。皇室会議が招集され、3分の2以上の賛成で摂政廃止を議決するまで、国事行為は摂政が天皇の名で行い続ける(皇室典範20条、35条)
- 大学の憲法ゼミで、教授から「摂政と国事行為の臨時代行の違いを三分で説明せよ」と指名された。発表まであと10分。鍵は終わり方の違いにある。摂政は皇室会議の議決で廃され、臨時代行は天皇の委任と解除で終わる。この一点を押さえるだけで答えの筋が通る
学説
一般的理解:20条の対象は16条2項の摂政に限られる。16条1項(未成年)の摂政は、天皇が成年(22条、18歳)に達すると皇室会議の議決なしに当然終了すると解されている
制度趣旨の理解:設置と廃止に同じく出席議員3分の2以上の特別多数を課したのは、天皇の職務能力の認定を本人や一部勢力の判断に委ねず、国民代表を含む合議体による正統な認定に服させるためと理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて現行皇室典範が法律として制定され、摂政の廃止を皇室会議の議決に委ねる本条が置かれた。以後、本条の改正はない
- 皇室典範 第16条摂政設置の要件、本条の廃止対象を規定
- 皇室典範 第18条摂政の故障による順序変更も会議で議決
- 皇室典範 第22条天皇の成年は十八年、年齢型摂政の終期
- 皇室典範 第28条皇室会議の構成、議員十人
- 皇室典範 第35条本条の議決に三分の二以上の特別多数
- 国事行為の臨時代行に関する法律 第2条摂政に至らない場合の皇族への委任
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める