皇室典範 第35条
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- 皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。
- 2.前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 皇室典範第35条は、日本の皇室典範に含まれる条文です。
- 皇室典範第35条の条文原文は「皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。」で始まります。
- 皇室典範第35条は第五章 皇室会議に置かれています。
- 皇室典範の公布日は昭和22年1月16日です。
- 皇室典範について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 皇室典範第35条の前の条は皇室典範第34条です。
- 皇室典範第35条の次の条は皇室典範第36条です。
- 皇室典範第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000003 - 本サイト収録
皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000003/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点皇室典範第35条は、皇位継承順序の変更や摂政の設置など4案件を出席議員の三分の二以上、その他を過半数で決すると定め、同数時の議長裁決は過半数案件に限る。
Q · 皇室会議って、どうやって物事を決めているの?
4案件は出席議員の三分の二、他は過半数で決まる
皇室典範第35条により、皇室会議の議事は二段階の基準で決まります。皇位継承順序の変更(第3条)、摂政の設置(第16条第2項)、摂政等の順序変更(第18条)、摂政の廃止(第20条)の4案件は出席議員の三分の二以上が必要です。皇族男子の婚姻(第10条)などその他の議事は過半数で足ります。可否同数のときに議長(内閣総理大臣)が決するのは、過半数の議事に限られます。
解説
皇位継承の順序を入れ替えるには、出席議員の三分の二以上の賛成が要る。皇族男子の結婚の承認なら過半数で足りる。皇室会議の採決ルールは、案件の重さによって二段階に分かれている。三分の二が必要なのは、皇位継承順序の変更(第3条)、摂政の設置(第16条第2項)、摂政の順序変更(第18条)、摂政の廃止(第20条)の4つである。どれも天皇や皇嗣(次に皇位を継ぐ人)の心身に重い病気や重大な事故があるかどうかを判断する場面だ。誰かの健康状態を理由に国家の象徴の地位を動かすのだから、ハードルを高くしてある。一方、過半数で決める案件で賛否が同数になったときは、議長である内閣総理大臣が決める(第2項)。ただし三分の二の案件には、この議長裁決がない。賛否が割れれば否決になり、現状が維持される。数字の配分を見れば、法律が何を最も慎重に扱っているかが分かる
法的な位置づけ
皇室典範第35条は、皇室会議の議決要件を定める規定である。第3条、第16条第2項、第18条及び第20条に基づく議事については出席議員の三分の二以上の特別多数を、その他の議事については過半数を要件とし、過半数の議事で可否同数となった場合に限り議長の裁決を認める。
よくある質問 AI による整理
Q1皇室会議とは何ですか?
皇室典範に基づき、皇位継承順序の変更、摂政の設置、皇族男子の婚姻などを審議・議決する合議機関です。議員は10人で、議長は内閣総理大臣が務めます。
Q2皇室会議の皇族議員はどうやって選ばれる?
成年に達した皇族の互選で2人が選ばれます(皇室典範第28条)。最高裁長官以外の裁判官議員1人も、同様に裁判官の互選で選ばれます。
Q3皇室会議の議長は誰ですか?
内閣総理大臣です(皇室典範第29条)。ただし議長が裁決できるのは、過半数で決める議事で可否が同数になった場合に限られます。
Q4皇族男子の結婚に皇室会議の承認は必要?
必要です。立后と皇族男子の婚姻は皇室会議の議を経なければなりません(第10条)。議決要件は三分の二ではなく過半数です。
Q5皇室会議は何人いれば開ける?
6人以上の議員の出席が必要です(皇室典範第34条)。三分の二や過半数の分母は「出席した議員」なので、出席人数によって必要な賛成票数が変わります。
Q6皇族の身分離脱はどう決まる?
本人の意思に基づく場合や、やむを得ない特別の事由がある場合などに、皇室会議の議によって決まります(第11条)。第35条の4案件に当たらないため過半数で決します。
Q7摂政を置くには何票必要?
出席議員の三分の二以上です。天皇の重患や重大な事故で国事行為ができない場合の摂政設置(第16条第2項)は、第35条で特別多数の対象とされています。
Q8皇室典範35条は改正されたことがある?
1947年の制定以来、第35条の文言は改正されていません。皇室会議の二段階の議決要件は、現行皇室典範の施行時から同じ形で維持されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1皇室会議って、天皇陛下ご本人も出席して投票するんですか?
出席しない。議員は、成年皇族の互選で選ばれる皇族2人と、三権・宮内庁の代表8人で構成される(皇室典範第28条)。議長は内閣総理大臣である(第29条)。実務のポイント:自分に特別な利害関係がある議事には参加できないという規定もある(第36条)。そのため、議題によっては皇族議員が採決に加われない場面も起こりうる
Q2三分の二が必要な案件で賛否が同数になったら、どうなるんですか?
可決されず、現状が維持される。議長である首相の裁決権は、過半数で決める案件で賛否が同数になったときに限られる(第35条第2項の「前項後段の場合」)。実務のポイント:試験でよく狙われるのは、この「前項後段」という限定である。同数なら議長が決するとだけ覚えていると、三分の二の案件にも当てはめてしまい失点する
間違えやすい点 AI による整理
- 皇室のことは皇族が決めると思われがちだが、皇室会議10人のうち皇族は2人だけである。残る8人は国会・内閣・宮内庁・最高裁から選ばれる。法的に見れば、皇族は少数派として議論に参加する立場にすぎない
- 三分の二と聞くと、議員10人のうち7人程度の賛成が必要だと思いやすい。しかし基準は「出席した議員」の三分の二であり、定足数(会議の成立に必要な最低出席者数)は6人である(第34条)。最少の出席人数なら4人の賛成で可決できる。数字の分母がどこにあるかで、ハードルの高さは大きく変わる
- 「議長が最後に決める」というルールを、首相が皇室会議を支配できる仕組みだと受け取るのは、問いの立て方そのものが誤っている。議長の裁決は、過半数で決める案件で賛否が同数のときだけに使える例外である。三分の二が必要な4つの案件では、首相の一票も他の議員の一票と同じ重さしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 第35条:議決に必要な賛成数(三分の二/過半数) | 第34条:会議成立に必要な出席数(定足数6人) 第36条:利害関係のある議員の議事参与禁止 |
| 数字の意味 | 出席議員を分母とする賛成票の割合 | 議員10人のうち最低何人出席すれば開けるか 誰が投票に加われないか(分母から外れる人) |
| 試験での狙われ方 | 「すべて過半数」「同数なら常に議長が決する」を誤りと見抜けるか | 定足数と議決数の混同 皇族議員でも議題次第で参与できない点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
君主制はないが、元首が職務を行えない場合の継任・代行を憲法で定める。機能面では摂政制度に相当する。
大統領が欠位または事故で職務を行えないときは、国務総理などが順に権限を代行する。代行の開始は合議体の特別多数によらない。
連邦大統領が職務を行えない場合は連邦参議院議長が代行する。代行者は法定されており、合議体の議決は要らない。
大統領の職務不能をめぐって争いがある場合、議会両院の三分の二で認定する。心身を理由とする元首権限の移転に特別多数を課す点で第35条と発想が近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 天皇の重い病気が長引いたとき、摂政を置くかどうかは誰がどう決めるのか? 皇族2人、衆参両院の議長・副議長、首相、宮内庁長官、最高裁長官と最高裁判事1人の計10人による皇室会議が、出席者の三分の二以上で決める。皇族の意見だけでは決まらない
- 憲法の授業で、学生がこう質問した。「首相が議長なら、賛否が割れたら首相が全部決められるのでは?」 答えは「いいえ」である。議長の裁決権は過半数で決める案件に限られる。継承順序の変更や摂政の設置で賛否が割れれば、その案は成立しない
- 試験まであと3日。過去問を解いていて、「皇室会議の議事はすべて過半数で決する」という選択肢で手が止まった。第3条・第16条第2項・第18条・第20条の4つを即座に思い出せれば、この肢は誤りと判断できる
学説
通説:現行皇室典範は、明治典範と異なり憲法第2条の「国会の議決した皇室典範」として通常の法律の地位にあり、第35条の議決要件も国会の議決によって改正し得る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行皇室典範の制定により新設。明治典範の皇族会議に代えて皇室会議を置き、心身を理由とする地位変更の4案件に三分の二の特別多数を課した。以後、本条の文言は改正されていない。
- 皇室典範 第3条皇位継承順序変更、三分の二の対象
- 皇室典範 第16条摂政設置、2項が三分の二の対象
- 皇室典範 第28条皇室会議の議員構成10人
- 皇室典範 第34条定足数6人、議決の分母の前提
- 皇室典範 第36条利害関係議員の議事参与禁止
- 国事行為の臨時代行に関する法律 第2条摂政に至らない故障時の臨時代行
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