要点労働者災害補償保険法20条の2は、複数事業労働者向けに療養・休業・障害・遺族・葬祭・傷病年金・介護の7給付を定め、複数の職場の負荷を合算して労災を評価する。
Q · 二つの仕事を掛け持ちして過労で倒れたら、労災はどうなるの?
複数職場の負荷を合算して支給する7種類の労災給付があります
労働者災害補償保険法20条の2により、二以上の会社に雇用される複数事業労働者については、各社単独では労災基準に届かなくても、複数の職場の労働時間やストレスを合算して評価する「複数業務要因災害」として労災給付を受けられます。給付は療養・休業・障害・遺族・葬祭・傷病年金・介護の7種類で、給付基礎日額は全社の賃金を合算して算定されます。2020年9月施行で、副業・兼業時代の救済の空白を埋める制度です。
昼はコールセンター、夜はコンビニ。二つの職場を掛け持ちして月の労働時間が合計で過労死ラインを超えた。倒れて入院したあなたが労災を申請しても、どちらの会社も「うちだけなら残業はわずかだ」と言う。2020年9月より前なら、あなたは一円も受け取れなかった。労災は職場ごとに単独で判定され、各社単独では基準に届かなかったからだ。この第20条の2が、その理不尽を終わらせた。複数の職場の負荷を合算して労災を認める「複数業務要因災害」という新しい枠組みを作り、療養、休業、障害、遺族、葬祭、傷病年金、介護という7種類の給付を、複数事業労働者専用に用意した。副業や兼業が当たり前になった今、二つ以上の仕事を持つあなたを守る安全網が、ここに正式に張られている。
労働者災害補償保険法第20条の2は、複数業務要因災害に係る保険給付の種類を定める規定である。二以上の事業に使用される複数事業労働者について、療養・休業・障害・遺族・葬祭の各給付および傷病年金・介護給付の7種を、業務災害とは別個の給付体系として整備したものである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二以上の事業の業務上の負荷を合算して評価する労災類型です。各社単独では基準に届かなくても、合算して脳・心臓疾患や精神障害が認定される道を開きます(労災保険法7条1項2号)。
令和2年改正により2020年9月1日から施行されました。副業・兼業の広がりに対応し、それまで救済の空白だった掛け持ち労働者の過労を補償する仕組みです。
療養・休業・葬祭給付は2年、障害・遺族給付は5年で時効消滅します(労災保険法42条)。複数社の資料収集に手間取るうちに時効が来やすいので早期着手が肝心です。
請求書に「複数の事業場で働いている」旨を必ず記載し、全社分の賃金台帳・タイムカードを添えます。申告しないと合算判定や再判定が動かないため、最初の申告が重要です。
療養・休業・障害・遺族・葬祭の各給付と傷病年金・介護給付の7種類です。いずれも複数事業労働者専用で、業務災害給付と対応する構造になっています。
合算されます。まず各社単独で業務災害に当たるか判定し、いずれも基準未満なら全社の労働時間・ストレスを合算して複数業務要因災害として評価します。
原則として個別事業主のメリット制(保険料率)には影響しない設計です。ただし自社単独で業務災害が認定される場合は別扱いになります。
原則対象外です。複数事業労働者は二以上の会社に「雇用される」労働者を指します。ただし業務委託契約でも実態が労働者なら対象になりうるので労基署に相談を。
二つ以上の会社などに「雇用される」労働者であれば、労働時間の長短にかかわらず複数事業労働者に当たります(労働者災害補償保険法 第7条)。ただしフリーランスや個人事業主としての掛け持ちは原則対象外です。業界裏話ヒント:「雇用」か「業務委託」かは契約書の名前ではなく働き方の実態で判断される。業務委託契約でも、指揮命令を受けて働く実態があれば労働者と認められ、労災の対象になりうる。諦める前に労働基準監督署に実態を相談する価値がある
合算されます。まず各社単独で業務災害に当たるか判定し、いずれも基準未満なら全社の労働時間やストレスを合算して「複数業務要因災害」として評価します(本条および第7条第1項第2号)。業界裏話ヒント:過労死や過労自殺の労災認定基準(脳・心臓疾患、精神障害の認定基準)が、複数事業労働者向けに「合算して評価する」形へ改定されている。一社だけ見て『基準に届かない』と言われても、それは複数業務要因災害の判定ではない。必ず複数就業を申告して合算判定を求める
複数事業労働者の給付基礎日額は、すべての就業先の賃金を合算して算定します。これが従来との最大の違いで、休業給付や遺族年金の額が一社分だけのときより大きく上がります(本条の各給付、給付基礎日額は第8条系統)。業界裏話ヒント:申請時に一社分の賃金しか申告しないと、その額で給付が確定してしまう。後から「他にも働いていた」と訂正するのは手間がかかり立証も求められる。最初から全社分の給与明細を出すのが、もらえる額を最大化する鉄則だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 認定の単位 | 第20条の2(複数業務要因災害):複数社の負荷を合算して評価 | — |
| 給付基礎日額 | 全就業先の賃金を合算して算定 | — |
| 適用前提 | 二以上の事業に雇用される複数事業労働者であること | — |
| 判定の順序 | まず業務災害で判定し、不支給なら合算で再判定 | — |
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