要点労働者災害補償保険法34条は、中小事業主等が申請し政府の承認を得れば労働者とみなされ、労災の補償を受けられると定める。ただし保険料滞納中や事業主の重過失による事故は給付制限される。
Q · 社長や個人事業主でも、自分が現場でケガをしたら労災は下りますか?
特別加入して政府の承認を得れば、社長も家族従業者も労災の対象になります
労働者災害補償保険法34条により、労働者を使用する中小事業主とその家族従業者等は、労働保険事務組合に事務を委託して申請し政府の承認を得れば、労働者とみなされて業務災害・複数業務要因災害・通勤災害の補償を受けられます。給付基礎日額は本人が選んだ額をもとに厚生労働大臣が定めます。ただし落とし穴が二つあり、第1種特別加入保険料が滞納されている期間中の事故、そして事業主自身の故意または重大な過失による事故は、給付の全部または一部が行われないことがあります。
工場で機械に指を挟まれた。建設現場で足場から落ちた。労災保険が下りる、従業員ならそう考える。だが、その現場で誰より長く働いている社長本人や、店を一緒に切り盛りする配偶者が同じ怪我をしたら、原則として一円も出ない。労働者ではないからだ。この理不尽を埋めるのが第34条の中小事業主等の特別加入である。労働保険事務組合に事務を委託し、申請して政府の承認を得れば、社長も役員も家族従業者も労働者とみなされ、業務災害や通勤災害の補償を受けられるようになる。給付基礎日額は自分で選んだ額を厚生労働大臣が定める。ただし落とし穴が二つある。保険料を滞納している間の事故、そして社長自身の故意や重大な過失による事故は、不支給にされうる。掛けているつもりが、払い忘れた月に倒れたら、補償はゼロになる。
労働者災害補償保険法第34条は中小事業主等の特別加入に関する規定であり、前条第一号の事業主および同条第二号の家族従業者等を包括して保険給付の対象とすることにつき、申請と政府の承認を要件として、これらの者を当該事業に使用される労働者とみなす旨を定める。給付基礎日額は厚生労働大臣が定め、保険料滞納期間中の事故や事業主の故意・重過失による事故には給付制限が及ぶ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本来は労災の対象外である中小事業主や家族従業者を、申請と政府の承認によって労働者とみなし、労災補償の対象に含める制度です。労災保険法34条・35条・36条が根拠です。
中小事業主の特別加入(第1種)は、労働保険事務組合に労働保険事務を委託したうえで、事務組合を通じて申請します。個人で直接は加入できません。
一定の幅の中から本人が希望額を選び、厚生労働大臣が定めます。日額を高くすれば保険料は上がりますが、休業補償や障害年金も比例して増えます。
給付基礎日額×365日×業種ごとの労災保険料率で決まります。危険度の高い建設業などは料率が高く、事務中心の業種は低く設定されています。
原則として通勤災害も補償対象です。ただし業務の実態が通勤概念になじまない一部の一人親方等では、通勤災害が対象外となる場合があります。
できます。労災保険法34条2項により、事業主は政府の承認を受けて、以後は保険給付の対象としないこととする(脱退する)ことができます。
休業補償給付の請求権は、労災保険法42条により2年で時効消滅します。障害・遺族補償は5年です。被災後は早めの請求が安全です。
さかのぼりません。承認は申請後に効力が生じるため、被災してから加入して過去の事故を補償させることはできません。事故前の加入が必須です。
中小事業主としての特別加入は、原則として労働者を使用する事業主が対象です(第33条第1号)。労働者が一人もいない完全な一人社長は、この第34条の中小事業主特別加入ではなく、一人親方等の特別加入(第35条、第2種)の枠で検討することになります。業界裏話ヒント: 「中小事業主」と「一人親方」は加入の窓口も保険料区分も別物。自分がどちらに当てはまるかを取り違えると、申請しても通らない。まず労働者を使っているかどうかで入口が分かれる
第34条第1項は、第1種特別加入保険料が滞納されている期間中の事故について、政府は給付の全部または一部を行わないことができると定めます。必ず全額不支給になるわけではなく、滞納の程度などを考慮した裁量です。業界裏話ヒント: 多くの事業主は労働保険事務組合に事務を丸投げしていて、自分の保険料が納まっているか把握していない。口座振替の残高不足や年度更新の手続き漏れが、被災時に初めて発覚する。年に一度は納付状況を自分の目で確認しておくのが防御線です
特別加入者が補償されるのは、申請の際に届け出た業務の範囲内で生じた災害に限られます。経営者本来の業務(経営判断、対外折衝、経理など)中の事故は、労働者が行う業務に準じないとして対象外とされることがあります。業界裏話ヒント: 特別加入は「労働者と同じ作業をしている間」を保護する制度。社長業そのものは労働者の仕事ではないので、補償の射程外になりやすい。どの作業を届け出るかで、補償される場面が決まる
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|---|---|---|
| 対象者 | 第34条(第1種):労働者を使用する中小事業主とその家族従業者等 | — |
| 加入の前提 | 労働保険事務組合への事務委託が必須 | — |
| 典型的な利用者 | 従業員を雇う建設・製造・飲食などの社長と家族 | — |
| 給付制限の共通点 | 保険料滞納中の事故・事業主の故意重過失で不支給あり | — |
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