要点労働者災害補償保険法 35 条は、一人親方等の団体が政府承認を受け構成員を労働者とみなし労災給付を行う第二種特別加入を定める。保険料滞納中の事故は給付制限の対象となる。
Q · 雇われていない一人親方やフリーランスでも、労災保険って使えるの?
団体を通じて特別加入すれば、労働者とほぼ同等の給付を受けられます
労働者災害補償保険法 35 条により、一人親方や特定作業従事者は、承認を受けた団体を通じて第二種特別加入をすれば、労災保険上「労働者とみなされ」、療養・休業・障害・遺族などの給付を受けられます。給付の土台になる給付基礎日額は自分で枠から選び、保険料はこれに連動します。ただし保険料の滞納期間中に起きた事故は給付の全部または一部が制限される(第 1 項第 7 号)ため、個人で直接ではなく団体を経由する点と、納付管理が決定的に重要です。
建設現場で一人で請け負う大工、Uber Eats や出前館の配達員、個人タクシーの運転手、客先常駐のフリーランス IT エンジニア。共通点は「雇われていない」ことだ。労働者ではないから、原則として労災保険は使えない。仕事中に屋根から落ちて半年動けなくなっても、自分の健康保険と貯金で何とかするしかない。そう思っている人がほとんどである。だが 35 条は、その壁に穴を開ける。一人親方や特定作業従事者が「団体」を通じて申請し、政府が承認すれば、その人は労災保険の世界で「労働者とみなされる」。治療費は原則自己負担なしの療養給付、働けない間の休業補償、後遺障害が残れば障害年金まで、雇われている人とほぼ同じ給付が受けられる。給付の土台になる給付基礎日額は、自分で選べる枠(厚生労働大臣が定める額)から決まり、保険料はそれに連動する。ただし致命的な落とし穴がある。保険料を滞納している期間中に事故が起きると、政府は給付の全部または一部を行わないことができる(第 1 項第 7 号)。入っているつもりが、引き落とし失敗で無保険になっている、これが現実に起きる。
労働者災害補償保険法 35 条は第二種特別加入を定める規定であり、一人親方や特定作業従事者の団体が政府の承認を得ることで、雇用関係のない当該構成員を適用事業に使用される労働者とみなし、労災保険の給付対象とする制度である。給付基礎日額は厚生労働大臣が定める額から選択され、保険料はこれに連動する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
一人親方や特定作業従事者が、承認を受けた団体を通じて労災保険に任意加入できる制度です。労災法 35 条が根拠で、加入すると労働者とみなされ給付を受けられます。
個人で政府に直接ではなく、労働保険事務組合や一人親方団体(特別加入団体)の構成員になり、団体が申請します。35 条上、団体経由が必須です。
3,500 円から 25,000 円の枠から選びます(最新の上限額は要確認)。休業補償も障害年金もこの日額が土台になるため、必要な月額補償から逆算して決めるのが正解です。
IT フリーランスも特定作業従事者として特別加入の対象が広がっています。客先常駐中の事故も、加入していれば給付の対象になり得ます。
保険料は給付基礎日額と作業の種類ごとの保険料率で決まり、日額が高いほど上がります。具体的な料率は団体や社労士に確認するのが確実です。
保険料を自己負担する点、保護される業務が申請した範囲に限られる点、滞納すると給付が制限される点(35 条 1 項 7 号)が主な留意点です。
原則対象ですが、住居と就業場所の往復状況等により厚生労働省令で対象外とされる者もいます。その場合は業務災害・複数業務要因災害に限られます。
建設業の一人親方団体や労働保険事務組合が各地にあります。元請が現場入場条件に特別加入証明を求めることも多く、契約前の加入が安全です。
特別加入していれば使えます。フードデリバリー配達員は 2021 年から特定作業従事者として 35 条の特別加入の対象になりました。入っていれば療養給付と休業補償が受けられます。業界裏話ヒント:加入していない状態での事故は一切対象外で、後から遡って入ることはできません。配達を本格的に始める前の加入が絶対条件です。さらに相手車両がある事故なら、自賠責・任意保険と労災の両方を使える場面があり、二重取りにならない範囲で組み合わせると手取りが厚くなる、この調整は団体や社労士に相談するのが近道です
療養・休業・障害・遺族など給付の種類はほぼ同じですが、土台が違います。会社員は実際の賃金で計算されるのに対し、特別加入者は自分で選んだ給付基礎日額(厚生労働大臣が定める枠内、第 1 項第 6 号)で計算されます。業界裏話ヒント:低い日額で加入して保険料を節約している人が多いのですが、休業補償も障害年金もその低い日額で固定されます。日額の引上げは事故の前にしかできず、大怪我をしてからでは間に合わない。月にいくら補償が欲しいかから逆算して日額を決めるのが正解です
第 1 項第 7 号により、政府は滞納期間中の事故について給付の全部または一部を行わないことができます。「できる」規定なので必ず全額カットではなく、一部支給にとどまる余地もありますが、原則は不利益処分です。業界裏話ヒント:口座引落しの残高不足や口座変更の行き違いで滞納が生じるケースは実際に多い。滞納が判明したら放置せず、不可抗力的な事情を書面で監督署に説明すると、全部不支給か一部かの判断で考慮される可能性があります。一番危険なのは、滞納に気づかず無保険状態のまま現場に立ち続けることです
いいえ。第 5 項により、脱退する前にすでに発生した事故についての受給権は、団体からの脱退によって変更されません。つまり加入中に起きた怪我の給付は、辞めた後も受け取り続けられます。業界裏話ヒント:守られるのは「脱退時点までに発生した事故」だけで、脱退後の新しい事故は対象外です。団体を移る・辞めるときは、進行中の傷病の症状固定(治癒)のタイミングと脱退のタイミングがずれないよう注意する。先に脱退してから新しい団体に入り直す空白期間に事故が起きると、その事故は無保険になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象者 | 35 条 第二種:一人親方・特定作業従事者 | — |
| 加入の入口 | 一人親方団体・労働保険事務組合を通じて申請 | — |
| 保険料の区分 | 第二種特別加入保険料(徴収法 10 条 2 項 3 号) | — |
| 滞納時の支給制限 | 滞納期間中の事故は給付の全部または一部を制限可(1 項 7 号) | — |
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