要点労働者災害補償保険法第八条の三は、年金給付基礎日額がスライド制で毎月勤労統計の変動に連動して改定され、年齢階層別の最低・最高限度額が適用されることを定める。
Q · 労災の年金は、もらい始めたら金額がずっと同じなんですか?
いいえ、スライド制で毎年見直され固定されません
いいえ、固定されません。第八条の三のスライド制により、年金給付基礎日額は算定事由発生年度の翌々年度八月以後、毎月勤労統計の平均給与額の変動に連動して改定されます。賃金水準が上がれば増額、下がれば減額です。さらに前条を準用して年齢階層別の最低・最高限度額が適用されるため、最終的な年金額は過去の給料そのままではなく、社会全体の賃金水準と年齢という二つのフィルターを通った数字になります。
労災で重い障害が残り、障害補償年金や遺族補償年金を受け取ることになったとする。多くの人は「事故当時の日給で金額が一生固定される」と思い込む。第八条の三はその思い込みを二か所で裏切る。第一に、年金の基礎となる年金給付基礎日額は、事故の年度から二年あまり経った八月以降、毎月勤労統計の平均給与額の変動に連動して見直される。世の中の賃金が上がれば上方修正、下がれば下方修正。これがスライド制だ。第二に、第八条の二第二項から第四項を準用することで、年齢階層ごとに最低限度額と最高限度額が設定される。あなたが高給取りだったとしても、年齢階層の上限を超える部分は切り落とされ、逆に低かった人は下限まで底上げされる。つまりあなたの年金額は、過去の給料そのままではなく、社会全体の賃金水準と年齢という二つのフィルターを通った後の数字なのだ。
年金給付基礎日額とは、労災保険の年金たる保険給付の額を算定する基礎となる日額をいう。第八条による給付基礎日額を出発点とし、算定事由発生年度の翌々年度八月以後はスライド制により毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて改定され、年齢階層別の最低・最高限度額による上限・下限が適用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労災の年金額を算定する基礎となる日額です。第八条の給付基礎日額を出発点に、スライド制で改定され、年齢階層別の上限・下限が適用されます。
算定事由発生年度の翌々年度八月以後の分から改定されます。毎月勤労統計の平均給与額の変動に基づき、厚生労働大臣が率を定めます。
年齢階層ごとに年金給付基礎日額の最低・最高額を定めるものです。毎年の厚生労働大臣告示で更新され、高給でも上限超過分は反映されません。
あります。スライド制は賃金水準が下がれば下方修正されるため、改定の年によっては前年より年金額が減ることがあります。
同統計の平均給与額がスライド改定率の基礎です。2018年の統計不正では労災給付の過少支給が生じ、後に追加支給が行われました。
支給を受ける権利は五年で時効消滅します(同法四十二条)。各月分は支給月ごとに起算されます。
令和2年改正により、複数の事業の賃金を合算した給付基礎日額が年金の基礎になります。本条の年金額にも連動します。
決定があったことを知った日の翌日から三か月以内に、労働者災害補償保険審査官へ審査請求する必要があります。
いいえ、変わります。第八条の三のスライド制により、年金給付基礎日額は毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて改定されます(事故年度の翌々年度八月以降の分から)。賃金水準が上がれば増額、下がれば減額です。業界裏話ヒント:上方改定の通知は届くので気付きやすいが、長年受給していると過去の改定が正しく積み上がっているかを自分で検算する人はほぼいない。改定通知は捨てず保管し、前年と比べるだけで誤りに気付ける
年齢階層別の最高限度額が効いているからです。第八条の三は第八条の二第二項から第四項を準用し、年齢階層ごとに年金給付基礎日額の上限を設けます。高給取りでも、その年齢階層の上限を超える部分は年金額に反映されません。業界裏話ヒント:逆に低賃金だった人には最低限度額の底上げがある。だから『自分の給料×日数』の期待額と実際の年金がズレるのは正常。比べるべきは自分の給料ではなく、年齢階層別限度額(毎年の厚労大臣告示)だ
そうとは限りません。労災保険給付は労働基準法上の災害補償責任を免責しますが(労働基準法第八十四条)、年金給付基礎日額には限度額があり実損害を完全には埋めません。会社に安全配慮義務違反があれば、差額を民事で損害賠償請求できます(民法第七百九条、第四百十五条)。業界裏話ヒント:労災年金には慰謝料が含まれていない。重大事故では労災と民事の二本立てで動くのが定石で、損益相殺の調整に注意しながら弁護士に相談する価値がある
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|---|---|---|
| 用いる給付 | 第8条の3:年金たる保険給付(障害・遺族補償年金等) | — |
| スライド改定の起点 | 算定事由発生年度の翌々年度8月以後の分から毎年改定 | — |
| 年齢階層別限度額 | 前条第2項〜第4項を準用し最低・最高限度額を適用 | — |
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