前条第一項の規定は、障害補償一時金若しくは遺族補償一時金、複数事業労働者障害一時金若しくは複数事業労働者遺族一時金又は障害一時金若しくは遺族一時金の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額について準用する。この場合において、同項中「の分として支給する」とあるのは「に支給すべき事由が生じた」と、「支給すべき月」とあるのは「支給すべき事由が生じた月」と読み替えるものとする。
要点労働者災害補償保険法8条の3は、障害・遺族の各一時金の給付基礎日額に、年金用のスライド規定を準用すると定める。賃金変動を一時金の土台に反映させる仕組みである。
Q · 労災で一度きりの一時金をもらうとき、その金額の土台はどう調整されるの?
土台の給付基礎日額にスライドを準用する規定です
労働者災害補償保険法8条の3は、障害補償一時金・遺族補償一時金・複数事業労働者向け一時金などの額を計算する土台となる給付基礎日額について、年金用のスライド規定(第8条の2第1項)を準用すると定めます。給付基礎日額は労働基準法12条の平均賃金がベースで、賃金水準が変動した局面では一時金の土台もスライド改定の射程に入ります。最終額の「日数×倍率」だけでなく、土台の給付基礎日額が正しく算定・改定されているかを確認することが重要です。
労災で障害が残り、八級から十四級と認定されたとき、年金ではなく一時金が一度きり振り込まれる。遺族補償でも、年金を受け取る資格者がいなければ一時金になる。この一時金の額は、給付基礎日額に等級ごとの日数(障害八級なら五百三日分、遺族補償一時金なら千日分)を掛けて決まる。本条が定めるのは、その給付基礎日額に賃金水準の変動を反映させる仕組み、つまり年金向けに作られたスライド規定(第八条の三第一項)を一時金にも読み替えて準用するという一点だ。ここであなたが押さえるべきは二つ。第一に、土台となる給付基礎日額は労働基準法十二条の平均賃金がベースで、ここが低く算定されると一時金全体が目減りする。第二に、その金額は労働基準監督署が出すが、計算根拠は開示を求められ、あなた自身が検算できる。役所が出した数字を、信じるしかない数字だと思わなくていい。
労働者災害補償保険法第8条の3は、障害補償一時金・遺族補償一時金・複数事業労働者障害一時金・複数事業労働者遺族一時金・障害一時金・遺族一時金の額の算定基礎となる給付基礎日額に、年金給付基礎日額のスライド規定を準用する旨を定める。これにより、賃金水準の変動が一時金の算定基礎にも反映される。
給付基礎日額に障害等級ごとの日数(8級なら503日分)を掛けて算定します。土台の給付基礎日額は労基法12条の平均賃金がベースで、8条の3はここにスライドを準用します。
賃金水準の変動に応じて給付基礎日額を改定する仕組みです。8条の3は、年金用のスライド規定(8条の2第1項)を一時金の算定基礎にも準用すると定めています。
減ります。給付基礎日額は労基法12条の平均賃金がベースのため、直前3か月に休職や病欠があると土台が下がり、一時金全体が目減りします。最低保障の主張が鍵です。
障害補償一時金・遺族補償一時金を受ける権利は5年で時効消滅します(労災保険法42条)。8条の3自体に固有の時効はありませんが、給付請求権の管理が重要です。
労基法12条の特例で、休業・育休・病欠などで平均賃金が著しく下がった月を除外し、不当に低い算定を防ぐ仕組みです。主張しないと土台が沈んだまま確定します。
労働基準監督署に給付基礎日額の算定明細の開示を求められます。どの月の賃金が使われたかを確認すれば、休職月の混入などの誤りをその場で指摘できます。
下がり得ます。直前3か月に賃金ゼロの月が混ざると平均賃金が沈むため、その月を除外する最低保障(労基法12条特例)の主張が必要です。
障害等級7級以上は年金(毎年支給)、8級以下は一時金(一度きり)です。両者とも給付基礎日額が土台で、8条の3はその土台のスライド準用を定めます。
言えます。支給決定に不服があれば、決定を知った日の翌日から三か月以内に労働者災害補償保険審査官へ審査請求できます(労災保険法三十八条)。とくに土台となる給付基礎日額(平均賃金の算定)に誤りがあれば訂正の対象です。業界裏話ヒント:審査請求の前に、まず労基署へ算定根拠の開示を求め、平均賃金の計算明細を取り寄せる人は少ない。明細を見れば、どの月の賃金が使われたか一目で分かり、休職月が混ざっているなどのミスをその場で指摘できる。(最新の改正状況をご確認ください)
二社以上で働く複数事業労働者なら、本条が定める「複数事業労働者障害一時金」「複数事業労働者遺族一時金」の枠組みで、両方の会社の賃金を合算して給付基礎日額を算定します(令和二年改正で創設)。片方だけだと土台が低くなります。業界裏話ヒント:労基署はあなたが申告しない限り副業を把握できない。事故後に副業先の給与明細を自分から提出するかどうかで、合算されるか片側だけになるかが分かれる。黙っていて損をするのは自分のほうです
大きいです。障害等級七級以上は障害補償年金(毎年支給)、八級以下は障害補償一時金(一度きり)に分かれます(労災保険法十五条、別表第一・第二)。八級は給付基礎日額の五百三日分が一括で出ます。業界裏話ヒント:等級認定は医師の診断書と労基署の判断で決まるが、七級と八級の境界にある障害は、認定の根拠資料の出し方で結論が動くことがある。等級が一つ上がって年金化すれば、生涯の受取総額は桁が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| スライドの対象 | 第8条の3:各種一時金の給付基礎日額(年金スライドを準用) | — |
| 給付の支払形態 | 一時金(一度きり)の土台を調整 | — |
| 年金との区分 | 第15条で8級以下=一時金に振り分けられた後の算定基礎 | — |
| 覆せる論点 | 平均賃金(労基法12条)の算定誤り・最低保障・複数事業合算 | — |
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