委員会職員は、この章の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをしたときは、その処分を行つた年月日及びその結果を記載した調書を作成し、質問を受けた者又は立会人に示し、これらの者とともにこれに署名押印しなければならない。
要点独占禁止法 111 条は、公取委が犯則調査で行った処分の年月日と結果を記載した調書を作成し、質問を受けた者や立会人の署名押印を求めると定める。署名押印を拒否したときはその旨を付記すれば足りる。
Q · 公取委の職員に犯則調査の調書へのサインを求められたら、断れないんですか?
断れます。調書は成立し「拒んだ旨」が付記されるだけです。
独占禁止法 111 条により、公取委職員は犯則調査で行った処分の年月日と結果を記載した調書を作成し、質問を受けた者や立会人に署名押印を求めます。ただし但書は、これらの者が署名押印を拒み、または署名押印できないときは「その旨を付記すれば足りる」と定めます。つまり署名押印は強制ではなく、拒否しても調書は有効に成立します。ただしこの調書は刑事裁判の証拠になりうるため、記載が正確かを確認したうえで署名の可否を判断すべきです。
朝、会社に公正取引委員会の職員が令状を手に踏み込んでくる。これは課徴金や排除措置命令を出すための行政調査ではなく、刑事告発につながる「犯則調査」だ。職員はあなたに質問し、書類を差し押さえ、パソコンのデータを記録命令付差押えで吸い上げる。そして 111 条により、その一連の処分を記録した「調書」を作り、あなたや立会人に示して、一緒に署名押印を求める。ここであなたが知っておくべきは二つ。第一に、この調書は後に検察官の手に渡り、刑事裁判の証拠になりうる。第二に、署名押印は強制ではない。拒否しても調書の作成自体は止まらず、ただ「署名押印を拒んだ旨」が付記されるだけだ。つまりサインするかどうかは、記載が正確かを確認したうえで判断すべき、あなたの権利行使の場面なのだ。
独占禁止法 111 条は、公正取引委員会職員が犯則調査として行った質問・検査・領置・臨検・捜索・差押え・記録命令付差押えの処分について、その年月日と結果を記載した調書の作成と、質問を受けた者・立会人による署名押印を義務づける規定である。署名押印の拒否・不能時は、その旨の付記で足りるとされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公正取引委員会が刑事告発を視野に行う強制調査です。課徴金・排除措置命令を出す行政調査(47 条)とは別系統で、裁判官の令状に基づき質問・臨検・捜索・差押えを行います。
公正取引委員会の犯則審査部が担当します。委員会職員が犯則事件を調査し、独禁法 74 条に基づき検事総長へ告発するかどうかを判断します。
電磁的記録を保管する者に必要なデータを記録媒体へ記録・印刷させたうえで、その記録媒体を差し押さえる処分です。パソコンやサーバーのデータ収集に用いられます。
なりえます。犯則調査で作成された調書は検察官に引き継がれ、刑事裁判の証拠として用いられる可能性があります。だからこそ署名押印の前に記載の正確性を確認することが重要です。
談合やカルテルの当事者が公取委へ自主申告すると課徴金が減免され、要件を満たせば刑事告発を免れうる制度です。犯則調査が及ぶ前に動けるかが分かれ目になります。
不当な取引制限(カルテル・談合)罪は個人に 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金、法人に 5 億円以下の罰金が科されます(独禁法 89 条・95 条。最新の改正状況をご確認ください)。
呼べます。犯則調査は刑事手続に近いため、独禁法・犯則調査に精通した弁護士の助言を求めることが重要です。顧問弁護士が不慣れな場合は専門弁護士への切り替えを検討します。
独禁法 74 条により、公取委が犯則の心証を得たときは検事総長に告発します。独禁法違反の重大な罪は公取委の告発を前提とする専属告発制度が採られています。
いいえ。111 条但書は、署名押印を拒んでも「その旨を付記すれば足りる」と定めており、拒否それ自体で不利益な処分を受けることはありません。調書は拒否しても有効に成立します。業界裏話ヒント:実務では、内容に納得できないまま署名するより、訂正を申し入れたうえで拒否し「拒んだ旨」を残す方が、後の公判で記載を争う余地が広がる。署名は同意の最強の証拠になるからこそ、急かされて押すのが最も危険だ。
別物です。立入検査の多くは課徴金や排除措置命令を目的とする行政調査(47 条)で、犯則調査(第 12 章、101 条以降)は刑事告発を目的とする刑事手続に近い強制調査です。後者は裁判官の令状が要り、111 条の調書も作られます。業界裏話ヒント:同じ公取委でも、行政調査の担当部署と犯則調査を担う犯則審査部は分かれている。令状を持って来たか、犯則審査部の名刺かで、自分が今どちらのレールに乗ったかが分かる。これを最初に見極めるかどうかで、弁護士の選び方が変わる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 111 条:犯則調査の処分を調書として記録化 | — |
| 最終的な目的(出口) | 刑事告発(74 条)に向けた証拠の固定 | — |
| 令状の要否 | 犯則調査の一環で裁判官の許可状が前提 | — |
| 供述をめぐる保障 | 刑事手続に近く憲法 38 条の保障が及ぶ余地 | — |
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