要点独占禁止法 13 条は、役員兼任により一定の取引分野の競争が実質的に制限される場合、その兼任を禁止する。第 2 項は不公正な取引方法による兼任の強制も禁じる。
Q · ライバル会社の役員を掛け持ちしたら、独占禁止法違反になるんですか?
競争を実質的に制限する兼任なら独禁法 13 条で禁止されます
独占禁止法 13 条 1 項により、会社の役員又は従業員が他の会社の役員を兼ねることで一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合、その兼任は禁止されます。2 項は、不公正な取引方法を用いて競争関係にある他社に役員兼任を強制することも禁じます。株式取得(10 条)が適法でも、人を介した意思決定の結合は独立して審査され、兼任部分だけが違法となる場合があります。該当すれば公正取引委員会の排除措置命令で兼任解消を命じられます。
複数の会社で取締役を務めている、あるいはこれから社外取締役を引き受けようとしている。その相手が、自社と同じ市場で戦う競合だったとしたら、話は一気にややこしくなる。会社法と登記だけを見ていると気付かないが、独占禁止法 13 条はここに一本の見えない境界線を引いている。「会社の役員又は従業員は、他の会社の役員の地位を兼ねることにより一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該役員の地位を兼ねてはならない」。人を介して二社の意思決定がつながり、市場の競争が実質的に弱まると判断されれば、その兼任そのものが法律で禁じられる。第 2 項はさらに踏み込み、不公正な取引方法(独占禁止法 2 条 9 項、立場の強さを使った不当な取引手段)で競合に自社役員の兼任を呑ませる「強制」も禁止する。M&A や資本提携で相手の取締役会に人を送り込む構想は日常的だが、送り込む先が競合なら、株式取得が合法でも兼任だけが独禁法に引っかかることがある。あなたが見るべきは肩書きの数ではなく、その肩書きが競争に与える影響だ。
独占禁止法 13 条は役員兼任の制限を定める規定であり、会社の役員又は従業員が他の会社の役員を兼ねることで一定の取引分野の競争が実質的に制限される場合に当該兼任を禁止する。第 2 項は不公正な取引方法による兼任の強制も禁止対象とする。株式保有規制と並ぶ、企業結合規制のうち人的結合を規律する条文である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
会社の役員や従業員が他社の役員を兼ねる際、それにより一定の取引分野の競争が実質的に制限される場合に兼任を禁止する規制です。独占禁止法 13 条が根拠です。
公正取引委員会から排除措置命令が出され、兼任の解消を命じられます。役員人事の変更には取締役会・株主総会の手続が必要になります。
かつての事前届出制は緩和され、現在は一般的な事前届出義務はありません。ただし競争を実質的に制限する兼任は 13 条により禁止対象のままです。
取引の対象・地域・段階などで画される、競争が行われる市場のまとまりを指します。独占禁止法 2 条 4 項に定義があり、いわゆる関連市場のことです。
市場における競争機能が減退し、特定の事業者が価格や数量をある程度自由に左右できる状態になることを指します。単なる影響では足りません。
株式保有は 10 条、役員兼任は 13 条で別々に審査されます。同じ企業結合でも、資本の結合と人的な結合はそれぞれ独立して競争影響が評価されます。
独禁法上の一律の上限はありません。上限ではなく、兼任先が競合し競争を実質的に制限するかどうかで可否が決まります。
独占禁止法 13 条 2 項が、不公正な取引方法により競争関係にある他社へ役員兼任を認めさせる強制を禁じています。取引上の優位を背景にした押し付けが典型です。
頼まれただけ、兼ねただけでは直ちに違反ではありません。独占禁止法 13 条が禁じるのは『一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合』に限られます。両社が同じ市場で実際に競合し、あなたの兼任が両社の競争行動を結びつけると評価されて初めて問題になります。業界裏話ヒント:実務では、兼任先が競合か非競合か、市場シェアがどの程度かで判断が大きく変わります。引き受ける前に両社の事業重複を整理しておくと、後で当局照会が来ても堂々と『非競合だ』と説明でき、解消命令のリスクを未然に断てます
株式保有は独占禁止法 10 条、役員兼任は 13 条と、別々の条文で別々に審査されるからです。出資自体が適法でも、送り込んだ役員を通じて競合二社の意思決定がつながり競争が弱まると見られれば、兼任部分だけが違法になりえます。業界裏話ヒント:M&A・資本提携の独禁法チェックでは、株式取得の届出(企業結合審査)に注意が集中しがちですが、付随する役員派遣の競争影響を見落とす例は実務でも珍しくありません。資本の流れと人の流れを別建てで点検するのが、見落としを防ぐコツです
断れます。独占禁止法 13 条 2 項は、不公正な取引方法(同 2 条 9 項)を使って競合に役員兼任を強制することを正面から禁じています。取引上の優位を背景にした押し付けは、まさにこの条文が想定する場面です。業界裏話ヒント:こうした強制は、優越的地位の濫用など他の違反類型とも重なることが多い。要求のやり取りを記録に残しておけば、公正取引委員会への申告材料になり、それを相手に示すだけで強硬姿勢が和らぐことがあります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 結合の類型 | 13 条:役員兼任(人的結合) | — |
| 禁止の基準 | 一定の取引分野の競争を実質的に制限することとなる場合 | — |
| 強制の禁止 | 2 項で不公正な取引方法による兼任強制を明示禁止 | — |
| 違反時の措置 | 排除措置命令(兼任解消) | — |
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