要点独占禁止法 70 条の 5 は、緊急停止命令を受けた事業者が保証金等を供託して執行を免れられると定める。ただし命令が確定すれば、公取委の申立てにより保証金は没取されうる。
Q · 緊急停止命令を受けたら、その日から商売を止めるしかないの?
保証金を供託すれば執行を免れられるが、命令確定で没取されうる
独占禁止法 70 条の 5 により、緊急停止命令(70 条の 4)を受けた事業者は、裁判所が定める保証金または有価証券(振替債を含む)を供託することで、その執行を免れて営業を続けられます。供託は違反を認めることを意味しません。ただし、緊急停止命令が確定すると、公正取引委員会の申立てにより、供託した保証金の全部または一部が没取される可能性があります。続けて得られる利益と没取リスクを、命令が届いた直後に比較して判断する必要があります。
公正取引委員会があなたの会社を「独禁法違反の疑いあり」と見たとき、最終結論が出るまでには何年もかかる。その間に競合が潰れたり市場が壊れたりしては手遅れになる。そこで独禁法は、確定を待たずに裁判所が一時的に行為を止める『緊急停止命令』(70条の4)という奥の手を用意した。問題は、止められた側の会社がどうなるかだ。70条の5がその答えである。裁判所が定めた保証金または有価証券(振替債を含む)を供託すれば、その執行を免れることができる。つまり金を積んで商売を続けられる。ただし代償がある。緊急停止命令が確定すれば、公取委の申立てにより、積んだ保証金は全部または一部が没取されうる。続けて得る利益と、没取される金額。あなたはその天秤を、命令が届いた瞬間に弾かなければならない。
独占禁止法 70 条の 5 は、緊急停止命令の執行免脱および保証金の没取を定める規定である。同法 70 条の 4 に基づく緊急停止命令を受けた事業者は、裁判所が定める保証金または有価証券(振替債を含む)を供託することで執行を免れることができる。命令が確定した場合、公正取引委員会の申立てにより、供託された保証金の全部または一部が没取されうる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公正取引委員会の申立てにより、裁判所が違反の確定を待たずに事業者の行為を一時的に止める緊急措置です(独禁法 70 条の 4)。市場の回復困難な損害を防ぐための例外的な制度です。
供託額は法定ではなく、裁判所が事案ごとに定めます(独禁法 70 条の 5 第 1 項)。続行で得られる利益や市場への影響を踏まえて算定されるため、事前に一律の目安はありません。
緊急停止命令が確定し公取委の申立てで没取が確定すると、原則として取り戻せません(同条第 2 項)。命令が取り消されれば供託金は返還されるため、抗告での争いが鍵になります。
命令に対して即時抗告ができます。抗告期間は告知後ごく短期間(一般に 1 週間程度)で、徒過すると確定します。最新の手続規定をご確認ください。
使えます。独禁法 70 条の 5 は、社債株式振替法 278 条に規定する振替債を供託可能な有価証券に含めています。現金がなくても電子化された社債で供託できます。
申立権者は公正取引委員会だけです。被害を受けた競合事業者が自ら裁判所に申し立てることはできず、証拠を公取委に届けるルートになります。
供託は緊急停止命令の執行に着手される前に行う必要があります。没取は、命令が確定した後に公取委が申し立てて裁判所が判断します。
排除措置命令(独禁法 7 条)は違反認定後の本案処分、緊急停止命令(70 条の 4)は確定を待たない暫定措置です。70 条の 5 は後者の執行免脱を定めます。
なりません。供託はあくまで緊急停止命令(70条の4)の執行を一時的に免れるための手続で、違反を認める意思表示ではありません(70条の5第1項)。むしろ争う前提の措置です。業界裏話ヒント:実務の定石は、供託して商売を続けながら即時抗告で命令そのものを潰しにいく『二段構え』です。いったん止めてしまうと、後で命令が取り消されても失った売上は戻らない。止めない選択肢があると知っているかどうかで、初動がまるで変わります
実際に申し立てられた例は独禁法の歴史で数えるほどしかなく、有名なのは昭和50年(1975年)の中部読売新聞事件(不当廉売)です。とはいえ制度は現役で、70条の4・70条の5として今も残っています。業界裏話ヒント:公取委がめったに使わないからこそ、申立てをちらつかせること自体が交渉カードになります。『確定を何年も待つ通常手続』とは別次元の圧力を、この一手は相手に与えます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 70 条の 5:緊急停止命令の執行免脱と保証金の没取 | — |
| 発動の主体 | 供託は事業者、没取は公取委の申立てで裁判所 | — |
| 立証の程度 | 確定を前提とする没取/執行免脱は供託で足りる | — |
| 事業者の逃げ道 | 供託による執行免脱+即時抗告 | — |
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