要点独占禁止法70条の4は、裁判所が緊急の必要を認めるとき、公正取引委員会の申立てにより違反の疑いのある行為を一時停止できると定める。議決権の行使や役員の業務執行も対象となる。
Q · 公正取引委員会の調査中でも、違反が確定する前に事業を止められることがあるって本当?
本当。裁判所が緊急停止命令で疑いの段階でも一時停止を命じられます
独占禁止法70条の4により、裁判所は緊急の必要があると認めるとき、公正取引委員会の申立てを受けて、違反の疑いのある行為を一時停止するよう命じられます。止められるのは取引行為だけでなく、議決権の行使や会社役員の業務執行にも及び、進行中の合併やM&Aが疑いの段階で凍結されることもあります。命じるのは公取委ではなく裁判所で、命令は事後に取消し・変更が可能です(同条1項後段)。発動例は歴史的に極めて稀ですが、抜かれたときの影響は甚大です。
あなたの会社が公正取引委員会の調査を受けているとする。普通は、調査が終わり、違反が認定されてから排除措置命令が出る。そこまでは事業を続けられる、そう構えているなら危ない。独占禁止法70条の4は、違反の「疑い」の段階でも、緊急の必要があれば、裁判所がその行為を今すぐ止めろと命じられると定めている。命じるのは公取委ではなく裁判所、申し立てるのは公取委だ。止められるのは取引行為だけではない。議決権の行使、会社の役員の業務執行まで一時停止させられる。つまり進行中の合併やM&Aも、疑いの段階で凍結されうる。確定判断を待たずに先に手が入る、これが緊急停止命令という伝家の宝刀だ。歴史上の発動例は極めて少ないが、抜かれたときの破壊力は桁違いに大きい。
独占禁止法70条の4は緊急停止命令を定める規定であり、裁判所が緊急の必要を認める場合に、公正取引委員会の申立てに基づき、独占禁止法違反の疑いのある行為、議決権の行使、又は会社役員の業務執行を一時停止すべきことを命じ、その命令を取り消し又は変更できる旨を規定する。手続は非訟事件手続法による。
AI 輔助整理,以條文原文為準
独占禁止法違反の疑いのある行為について、裁判所が緊急の必要を認めるとき、公正取引委員会の申立てにより一時停止を命じる制度です(同法70条の4)。確定判断を待たず先に差し止められる点が特徴です。
3条(私的独占・不当な取引制限)、19条(不公正な取引方法)のほか、8条・9〜17条の企業結合規制違反の疑いのある行為です。取引行為だけでなく議決権の行使や役員の業務執行も停止対象になります。
申し立てられるのは公正取引委員会のみです。命令を出すかどうかを決めるのは裁判所で、公取委は申立人にすぎません。私人は直接申し立てられず、公取委への申告を通じて促す形になります。
命令は一時的なもので、同条1項後段により裁判所に取消し・変更を求められます。緊急性が消えた、すでに自主停止した等を示せば取消しの余地があります。手続は非訟事件手続法によります。
歴史上の発動例は極めて少なく、公取委が裁判所を動かすハードルは高いのが実情です。実務では立入検査と確約手続による事実上の是正が主流で、緊急停止命令は伝家の宝刀的位置づけです。
緊急停止命令は裁判所が強制的に行為を止めるものです。確約手続(48条の2以下)は事業者が自主的な是正計画を申し出て公取委の認定を受ける制度で、命令を回避する早期解決の手段になります。
排除措置命令(7条)は違反認定後に公取委が出す恒久措置です。緊急停止命令は違反確定前の『疑い』段階で裁判所が出す暫定措置で、目的は競争秩序の即時保全にあります。出す主体も要件も異なります。
され得ます。10条・15条の企業結合規制違反の疑いがあれば、議決権の行使や役員の業務執行の停止を通じて進行中の合併が凍結される可能性があります。事前の企業結合審査を通せばリスクはほぼ消せます。
違います。緊急停止命令を出すのは裁判所で、公取委はその申立人にすぎません(独占禁止法70条の4第1項)。公取委自身が出すのは調査後の排除措置命令(7条)で、こちらは違反認定が前提です。業界裏話ヒント:緊急停止命令は歴史上ほとんど発動されていません。公取委が裁判所を動かすハードルは高く、実務では立入検査と確約手続で事実上の是正を促すのが主流。だから検査が入った段階で自主停止と確約申出に動けば、裁判所沙汰になる前に収束させられる
諦める必要はありません。命令はあくまで「一時停止」であり、本条1項後段で取消し・変更が可能です(独占禁止法70条の4第1項)。緊急性が解消すれば取消しを求められます。業界裏話ヒント:合併系の緊急停止リスクは、事前の企業結合審査(独占禁止法10条・15条の届出)を丁寧に通すことでほぼ消せます。クロージング前に公取委と事前相談を済ませ、問題解消措置を合意しておけば、緊急停止を申し立てられる余地そのものがなくなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 出す主体・タイミング | 70条の4:裁判所が違反確定前(疑いの段階)に | — |
| 措置の性質 | 一時停止(暫定・事後に取消し変更可) | — |
| 申立人 | 公正取引委員会のみ | — |
| 主な要件 | 緊急の必要 + 違反の疑いのある行為の進行 | — |
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