要点独占禁止法70条の3は、公正取引委員会が第11条の認可や排除措置命令等を決定で取り消し・変更できると定める。ただし命令の変更は名宛人の利益を害することができない。
Q · 一度受けた排除措置命令って、もう一生取り消せないんですか?
いいえ、委員会自身が取り消せます。不利な変更は不可。
独占禁止法70条の3第3項により、経済事情の変化その他の事由で排除措置命令や競争回復措置命令の維持が不適当になれば、公正取引委員会が決定で取り消し・変更できます。ただし書で、名宛人に不利な変更はできないと定められています。一方、第1項の第11条認可(金融会社の株式保有等)は、その前提となる要件事実が消滅・変更すれば、望まなくても取り消される点に注意が必要です。
何年も前に公正取引委員会から排除措置命令を受け、毎年の報告や社内体制の維持に追われている。そんな企業の担当者が見落としているのが、この条文だ。命令は一度確定すれば永久に従うしかない、多くの人はそう思い込む。だが第3項は、経済事情の変化その他の事由で命令を維持することが不適当になったとき、委員会自身が決定で取り消し、または変更できると定める。しかも、ただし書が効いている。名宛人、つまりあなたの会社の利益を害する変更はできない。つまりこの取消・変更は、あなたにとって一方通行の安全弁だ。一方で第1項は逆を向く。金融会社が他社株を保有するための認可(第11条)は、その前提となる事実が消えれば、あなたが望まなくても取り消される。同じ条文の中に、有利な処分は崩れやすく、不利な命令は緩める方向にしか動かない、という非対称が組み込まれている。
独占禁止法70条の3は、公正取引委員会による処分の取消・変更を定める規定である。第1項は第11条の認可について要件事実の消滅・変更を理由とする取消・変更を、第3項は排除措置命令等について維持が不適当となった場合の取消・変更を認め、第3項は名宛人に不利な変更を禁じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公正取引委員会が第11条の認可や排除措置命令等を後から取り消し・変更できる根拠規定です。第3項は命令の維持が不適当になったとき、名宛人に不利にならない範囲で取消・変更を認めます。
命令を出した公正取引委員会自身が決定で取り消し・変更します(70条の3第3項)。裁判所ではなく行政庁が自ら見直す仕組みで、名宛人側の働きかけが実務上の起点になります。
認可の要件である事実が消滅・変更したと委員会が認めるときです(70条の3第1項)。株式保有の前提が崩れれば、続けたくても認可が外れ、処分を迫られます。
東京地方裁判所です。2015年の審判制度廃止で、審決ではなく直接裁判所で争う構造になりました。出訴期間は原則6か月(行政事件訴訟法14条)。
期限は一律に定まらず、取り消されるまで残ります。ただし経済事情の変化で維持が不適当になれば、70条の3第3項により取消・変更を求められます。
企業結合等で損なわれた競争を回復させるための命令です。市場が自然に競争的へ戻れば維持理由が消え、70条の3第3項の取消・変更対象になります。
明文の申請手続はありませんが、市場環境の変化を示す客観資料を添えて委員会に取消・変更を働きかけるのが実務です。ただし書により不利な変更はされません。
ありません。2013年改正・2015年施行で廃止され、現在は排除措置命令等に不服があれば直接東京地裁で取消訴訟を提起します。古い「審決取消訴訟は東京高裁」という記述は誤りです。
いいえ。第70条の3第3項により、経済事情の変化などで命令の維持が不適当になれば、公正取引委員会が決定で取り消し、または変更できます。しかもただし書で、名宛人に不利な変更はできないと定められています。業界裏話ヒント:委員会が自発的に古い命令を見直すことは稀で、実際は名宛人側が市場の変化を資料で示して取消しを働きかけるのが通例。動かなければ命令は放置されたまま残り続けます。
いいえ、むしろ逆です。第70条の3第1項により、第11条の認可は、その要件である事実が消滅・変更すれば委員会に取り消されます。命令の取消(第3項)と違い、認可取消には名宛人保護のただし書がありません。業界裏話ヒント:認可は「恩恵的処分」なので前提が崩れれば守ってもらえない。保有の正当化事由が今も続いているか、認可を受けた側が自ら管理しておく必要があります。
争えます。本条第2項・第4項が準用する手続規定に基づいて決定がなされ、不服があれば取消訴訟を提起できます。出訴期間は決定を知った日から原則6か月(行政事件訴訟法第14条)、独占禁止法上は東京地方裁判所の専属管轄です(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:2015年の制度改正で審判制度が廃止され、いきなり裁判所で争う構造になりました。古い解説書の「審決取消訴訟は東京高裁」という記述は、現在は誤りです。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象処分 | 第3項:排除措置命令・競争回復措置命令(負担的処分) | — |
| 発動理由 | 経済事情の変化その他の事由で維持が不適当 | — |
| 名宛人への影響の向き | 有利方向のみ(不利な変更は禁止) | — |
| 名宛人保護のただし書 | あり(名宛人の利益を害せない) | — |
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