要点地方自治法218条は、地方公共団体の長が補正予算・暫定予算を調製し議会に提出できること、及び条例で定める特別会計で増収分を経費に充てる弾力条項を定める規定である。
Q · 予算が4月までに議会で決まらなかったら、市役所は止まるの?
止まりません。暫定予算が最低限の経費を支えます。
地方自治法218条2項の暫定予算により、正式な予算が成立するまでの一定期間、職員給与や生活保護費など止められない経費がまかなわれ、行政は停止しません。また1項の補正予算は年度途中の事情変更に応じて予算を組み直す仕組みで、災害復旧やコロナ給付金もこのルートを通ります。ただし補正予算も暫定予算も議会の議決が必要で、首長が単独で支出できるわけではありません。4項の弾力条項のみ議会の事前議決を外しますが、使用後は次の会議での議会報告が義務づけられます。
4月1日、新年度が始まる。ところが地方議会が予算案を可決しないまま新年度に突入することがある。首長と議会が対立して当初予算案が否決された、あるいは審議が間に合わなかった。役所は止まるのか。答えは、止まらない。地方自治法218条2項の暫定予算が、正式な予算が成立するまでの一定期間、職員給与や生活保護費といった止められない支出を支える。さらに1項の補正予算は、災害復旧やコロナ対策の給付金のように、年度の途中で予算を組み直す仕組みだ。あなたがニュースで「○○市、補正予算◯億円を可決」と聞くたび、それはこの条文が動いている。そして4項の弾力条項(業務量が増えた採算事業で、増収分をそのまま経費に回せる例外)は、水道や病院など独立採算の特別会計に限って首長の裁量を広げる。住民から見れば地味な財務手続だが、災害時にいくら早く金が動くか、議会の同意なしにどこまで首長が裁量を持つか、その境界線がここに引かれている。
地方自治法218条は、地方公共団体の予算調整に関する三つの仕組みを定める規定である。1項の補正予算は予算成立後の事情変更に対応する追加・変更、2項の暫定予算は本予算未成立時の一定期間を対象とする予算、4項の弾力条項は条例で定める特別会計において増収分を直接必要な経費に充てる例外を規律する。
予算成立後に生じた事情で既定予算に追加・変更が必要になったとき、長が調製して議会に提出する予算です(地方自治法218条1項)。成立には当初予算と同じく議会の議決が必要です。
暫定予算は本予算が成立するまでの一定期間に限った暫定的な予算で(218条2項)、職員給与など止められない経費が中心です。本予算が成立すると失効し、その支出は本予算の支出とみなされます(3項)。
条例で定める採算性の高い特別会計で、業務量増加により経費が不足したとき、増収分を議会の事前議決なしに経費へ充てられる仕組みです(218条4項)。使用後は次の会議で議会報告が必要です。
原則できません。暫定予算は最低限の止められない経費に絞られ、新規事業や政策的な大型支出を盛り込むと議会で否決されやすくなります。本予算成立まで動かせない領域です。
回数の上限はありません。事情変更があるたびに編成でき、第1号補正・第2号補正…と重ねられます。ただし毎回議会の議決が必要で、首長が単独で増やせるものではありません。
暫定予算を提出して当面の行政を維持しつつ、修正した予算案を再提出します。緊急時には専決処分(179条)の余地もありますが、後日議会の承認を要し政治的責任が問われます。
使用後の「次の会議」において議会に報告しなければなりません(218条4項後段)。この報告のタイミングが、住民や議員が支出の妥当性を問える公式の機会になります。
違法・不当な支出と判断すれば、地方自治法242条の住民監査請求、その後242条の2の住民訴訟を検討します。監査請求は当該行為から原則1年以内という期限に注意が必要です。
閉まりません。地方自治法218条2項の暫定予算が、正式な予算が成立するまでの間、職員給与や生活保護費など止められない経費をまかないます。アメリカのような政府閉鎖は起きない仕組みです。業界裏話ヒント:暫定予算では新規事業や政策的な大型支出は基本的に組めません。だから首長と議会が対立して暫定予算が長引くと、止まるのは住民サービスの日常部分ではなく、首長が打ち出したい新政策の方。対立の本当のしわ寄せがどこに出るかを見ると、政治の力学が読める
組めません。218条1項は補正予算を「議会に提出することができる」とするだけで、成立には当初予算と同じく議会の議決が必要です(地方自治法96条1項2号)。災害時でも臨時議会の議決を経ます。業界裏話ヒント:唯一の例外的な柔軟さが4項の弾力条項で、条例で定めた特別会計(水道、下水道、病院など)に限り、増収分を議会の事前議決なしに経費へ回せます。ただし事後の議会報告は義務。議会の事前同意が要らない予算領域が自治体財政のどこにあるかを知る人は、ほとんどいない
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